第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営理念

 当社グループは、

・人を大切にし、人を育てる

・どのような社会の変化にも対応する

・地球環境問題への取組みなど社会的責任を果たす

・トータルパッケージのソリューション企業として社会の発展と繁栄に貢献する

を経営理念とし、業績の継続的な成長と企業価値の向上を目指し、株主の皆様のご期待にお応えしてゆく所存です。

 

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、各事業の収益性向上を図り、株主の皆様はもちろん、お取引先・従業員等のステークホルダー各

位が安心かつ安定したお付合いを続けていただけるように、確固たる財務基盤を築く必要があります。その為に自己

資本利益率の向上に努め、なおかつ、安定的な配当に留意した経営に努めてまいる所存です。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、「環境対応を見据えた経営」をスローガンに掲げ、

・紙化への取組み

・食品、医薬品・化粧品、EC市場への拡販

・紙器の販売強化

・事業領域の拡大

・生産性向上と働き方改革の推進

を成長のための戦略と位置づけております。また、「紙器製造能力の増強」や「新規事業への投資」等の3か年、

「大阪工場の建替え」等の5か年に及ぶ投資計画や財務戦略を社員一人ひとりが中期経営計画の達成に向けて、自ら行動する取組みを進めています。また、2022年度にサステイナブル経営推進室を新設し、SDGs(持続可能な開発目標)にも積極的に取り組んでまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社の属する業界は、既存の顧客、取扱い製品だけでは大きな業績の伸長を望みにくい成熟産業とされています。そのため、当社は、従来からの主力製品に加え、米袋、紙おむつ用製品、食品用パッケージ等、販売先市場や取扱い製品を開拓してまいりました。今後も、需要が見込める新たな市場の開拓や製品の開発に注力し、必要となる設備には積極的に投資して事業の拡大に努めてまいります。

 近年では原材料や輸入品の価格上昇に加え、物流費の上昇にも直面しています。当社は、企画提案販売と品質管理を強化して顧客満足度の向上を図ることで適正価格による販売に努め、業務改革による合理化を一層推進して利益体質強化を図り、中長期的な経営戦略を着実に実行して、さらなる業績の向上に努める所存です。

 また、新型コロナウイルス感染症拡大は日本経済に大きな影響を与えました。当社グループにとっても販売の減少など業績悪化の要因となっています。このような状況の中で、当社グループは今後、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する場合を想定し、新しい生活様式の中でさらに需要が見込める市場への取組みを強化していく所存です。

 これらの業績向上に努める一方、当社は「地球環境問題への取組みなど社会的責任を果たす」、「トータルパッケージのソリューション企業として社会の発展と繁栄に貢献する」をも経営理念として、1981年に包装資料館(現パッケージラボ)を設置して国内外のパッケージ研究及び情報発信の拠点とした他、1993年より森林保全活動費用を拠出し、主力事業におきましては環境対応新商品及び新技術の開発に積極的に取り組みながら、2000年には「ザ・パックフォレスト®環境基金」を設立し、NPO法人と協働で植林活動・森林保全活動を推進しております。さらに、1999年の茨城工場を皮切りに、現在は当社の国内4工場及び全事業所においてISO14001「環境マネジメントシステム」、ISO9001「品質マネジメントシステム」の認証を取得しております。また、紙を素材としたパッケージ製造を行う全工場と全販売部門でFSC® CoC認証(FSC® C020517)、東京・大阪工場の食品用紙器製造ラインでFSSC22000認証を取得しております。今後も、地球環境問題への積極的な取組みと、社会の発展と繁栄に継続的に貢献していく所存です。

 

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(5) 中長期的な会社の経営戦略

 このような経営環境の中、当社グループは「環境対応を見据えた経営」を中期経営計画のスローガンに掲げ、次の項目を成長の戦略と位置づけています。

① 紙化への取組み

 地球環境に配慮した製品の需要の高まりを受けて、リサイクルしやすい紙製パッケージの販売を強化します。

 紙化を含む環境対応製品として、販売額の一部をザ・パックフォレスト®環境基金に拠出するザ・パックフォレスト®製品並びに森林保全に貢献するFSC認証製品の販売を促進します。

② 食品、医薬品・化粧品、EC市場への拡販

 これまで主力としてきた和洋菓子向けパッケージに加え、弁当・惣菜等の中食及びコンビニ・ファストフード等の外食(テイクアウト含む)業界への販路拡大や健康志向の高まりもあり、安定した成長が見込まれる消費者向け一般医薬品・化粧品・健康食品市場へ注力します。さらに自社ECサイトでの直接販売を行う得意先に対し、省人・省力化のソリューション提案の推進を行います。

③ 紙器の販売強化

 販売形態がリアル店舗からECへ変化することへの対応として、注力する分野をショッピングバッグから紙器に転換いたします。

 設計力・デザイン力・情報力を駆使した提案型営業が評価されていることや、今後EC化が進んでいくことから、商品パッケージも引き続き利用されると予想されます。また、環境への意識が浸透することで紙化による需要の底上げが期待できます。

 食品向けに、東京・大阪工場の食品用紙器製造ラインでは、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるFSSC22000認証を取得済みです。品質においても優位性がある紙製一次容器では、ファストフードやコンビニ業界にも進出しており、さらなる販路の拡大及び販売強化に努めます。

④ 事業領域の拡大

 M&A・業務提携・新設備導入等による商品群・販売事業領域の拡大に取り組み、中国市場での拡販やASEAN市場への進出など海外展開も視野に入れていきます。

⑤ 生産性向上と働き方改革の推進

 業務の効率化に向けた基幹システムの構築や製造ラインの省人化・省力化を進め、ワークライフバランスに配慮した人員配置と勤務時間の適正化を行います。

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(6) その他、会社の経営上重要な事項

 大阪工場及び奈良工場はともに築後相当年数が経過しており、今後の作業環境の改善、工場内自動化等による省人化・省力化及び生産性の向上を図るため、大阪工場は建替え、奈良工場は増改築を行う予定です。将来を見据えた付加価値の高い製品を生み出す生産体制の構築を目指します。

2 【事業等のリスク】

 本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には次のようなものがあります。なお、本項において将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末において判断したものであります。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。

 

(1)国内需要の減少及び市況価格の下落

 当社グループの売上高は、概ね内需型産業で、国内景気動向の影響を大きく受けます。国内景気の大幅後退による国内需要の減少及び市況価格の下落が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に対して悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)法規制または訴訟に関するリスク

 当社グループの事業は、環境規制、知的財産等の様々な法規制の適用を受けており、それらによる訴訟等のリスクにさらされる可能性があります。

 訴訟の結果によっては当社グループの財政状態及び経営成績に対して悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)製造物責任

 当社グループの製品につき、当社グループは製造物責任に基づく損害賠償請求の対象となっております。

 現在のところ重大な損害賠償請求を受けておりませんが、将来的に直面する可能性があります。

 製造物責任に係る保険(生産物賠償責任保険)に加入しておりますが、当社グループが負う可能性がある損害賠償責任を保障するには十分でない場合が考えられます。

 

(4)原材料調達及び商品仕入

 原材料調達及び商品仕入は、国内及び海外の複数のメーカーから行い、供給及び価格の安定維持に努めております。しかし、新型コロナウイルス感染症により海外からの調達・仕入が滞ったり、石油価格の高騰などにより需要供給のバランスが崩れた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に対して悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)減損会計

 保有する固定資産等の使用状況等によっては、損失が発生する場合があります。

 

(6)取引先の信用リスク

 当社グループとしても取引先の信用リスクについては細心の注意を払っておりますが、取引先の業績悪化等により取引額の大きい得意先の信用状況が悪化した場合、当該リスクの顕在化によって、当社グループの財政状態及び経営成績に対して悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)敵対的買収のリスク

 企業価値・株主の共同利益を損なうおそれのある第三者による株の大量買付行為の可能性が存在し、この場合、当社グループの財政状態及び経営成績に対して悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)災害による影響

 当社グループは、災害による影響を最小限に留めるための万全の対策をとっておりますが、災害によるすべての影響を防止・軽減できる保証はありません。災害による影響を防止・軽減できなかった場合、当社グループの生産能力の低下及び製造コストの増加等により、当社グループの財政状態及び経営成績に対して悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)新型コロナウイルス感染症に関する影響

 新型コロナウイルス感染症拡大は当社グループにとっても販売の減少など影響が出ております。このような状況下において、新型コロナウイルス感染症拡大は今後、当社グループの財政状態及び経営成績に対して悪影響を及ぼす可能性がありますが、その影響額について合理的な算定を行うことは困難であります。これらに対する取組みとして、当社グループではコーポレート本部長、人事・総務担当役員並びに総務部長で構成される新型コロナウイルス感染症対策室を設置し、症状発生(37.5℃以上の発熱+呼吸器系症状)及び医師による感染診断時には、所属長を通して必ず報告し、指示を仰ぐなど感染拡大防止の対策と行動を講じています。また、出勤時のマスク着用と手洗い・消毒の徹底や、在宅勤務並びに時差出勤の推進、リモート会議の活用などの行動指針を全従業員に周知しております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 当連結会計年度におけるわが国の経済は、年初から政府による緊急事態宣言の発出や自治体によるまん延防止等重点措置に基づく要請で、行動制限や人流が抑制されて景気は落ち込みと持ち直しを繰り返しました。期待された東京五輪による景気押上げ効果も無観客で限定的なものとなり、1年を通して景気は停滞が続きました。年末にかけて新型コロナウイルス感染症の収束により個人消費は持ち直してきたものの先行きは不透明な状況であります。

 米国の経済は、コロナワクチンの接種の進展に伴い、人々の外出機会が増加し個人消費はサービス業を中心に復調、企業活動も拡大が続いていましたが、年末にかけてオミクロン株の流行により新規感染者が急増し人流が抑制されています。一方、中国の経済は、感染の抑え込みに成功しており、全体としては順調な回復が続いてきましたが、格差是正の政策や電力の規制強化によって先行きは不透明です。

 新型コロナウイルス感染症拡大は、当社グループの経営成績に影響を及ぼしましたが、当社は「前進のためのリセット」をスローガンに掲げ、グループ全社が結束して新たな市場開拓、積極的な設備投資、品質管理の改善など業績の向上に努めてまいりました。

 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は801億77百万円(前年同期比2.2%増加)、営業利益は41億44百万円(前年同期比26.6%増加)、経常利益は44億22百万円(前年同期比22.6%増加)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は28億24百万円(前年同期比18.1%増加)となりました。

 

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 セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

 

紙加工品部門

 当社グループ売上高の69.2%を占めるこの部門では、紙袋(対連結売上高構成比27.5%)は、国内における個人消費の停滞による販売の減少から徐々に回復が進みつつあり、また、海外子会社でも特百嘉包装品貿易(上海)有限公司とザ・パックアメリカコーポレーションが好調に推移し、同上売上高は220億32百万円(前年同期比2.6%増加)となりました。

 紙器(同上構成比24.3%)は、テイクアウト用食品パッケージの販売が好調に推移し、また、特百嘉包装品貿易(上海)有限公司もメーカー向けの売上が好調に推移し、同上売上高は194億97百万円(前年同期比13.1%増加)となりました。

 段ボール(同上構成比14.8%)は、メーカーやEC市場向け販売が好調で、同上売上高は118億50百万円(前年同期比11.5%増加)となりました。

 印刷(同上構成比2.6%)は、株式会社京浜特殊印刷、日幸印刷株式会社ともに売上が堅調に推移し、同上売上高は21億31百万円(前年同期比3.9%増加)となりました。

 以上により、この部門の売上高は555億11百万円(前年同期比8.0%増加)となり、営業利益は39億58百万円(前年同期比26.7%増加)となりました。

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化成品部門

 当社グループ売上高の14.0%を占めるこの部門では、紙おむつ用製品の販売減少や新型コロナウイルス感染症拡大による国内専門店向けの販売が減少したほか、2020年7月から実施されたレジ袋有料化の影響により、同部門の売上高は111億84百万円(前年同期比17.1%減少)となり、営業利益は3億97百万円(前年同期比22.4%減少)となりました。

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その他

 当社グループ売上高の16.8%を占めるこの部門では、量販店向け用度品等の販売は堅調に推移し、また、カンナル印刷株式会社でも医療機関向けの用度品の売上が好調に推移しました。一方で西日本印刷工業株式会社や特百嘉包装品貿易(上海)有限公司の売上が減少したこともあり、同部門の売上高は134億81百万円(前年同期比0.7%減少)となりましたが、営業利益は物流費の改善もあり8億82百万円(前年同期比17.9%増加)となりました。

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 財政状態につきましては、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末の835億56百万円から38億66百万円増加し、874億22百万円となりました。負債は、前連結会計年度の238億16百万円から15億74百万円増加し、253億90百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末の597億39百万円から22億92百万円増加し、620億32百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて28億43百万円増加し、180億67百万円(前期比18.7%増加)となりました。

 

営業活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益42億14百万円、減価償却費20億29百万円、法人税等の支払額5億2百万円等により72億17百万円の収入(前連結会計年度は31億55百万円の収入、前期比128.7%増加)となりました。

 

投資活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却による収入96億7百万円等があった一方、有価証券の取得による支出95億5百万円、有形固定資産の取得による支出32億19百万円等により34億60百万円の支出(前連結会計年度は50億13百万円の支出)となりました。

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額10億45百万円等により10億29百万円の支出(前連結会計年度は12億14百万円の支出)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

紙加工品事業

22,907

102.7

化成品事業

2,831

88.0

その他

合計

25,739

100.9

(注)1.金額は製造原価で計算しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前年同期比

(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比

(%)

紙加工品事業

59,570

117.8

8,738

186.7

化成品事業

11,205

83.6

823

102.6

その他

13,609

100.6

221

238.6

合計

84,385

108.9

9,782

175.5

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.その他事業の一部は受注生産を行っておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

紙加工品事業

55,511

108.0

化成品事業

11,184

82.9

その他

13,481

99.3

合計

80,177

102.2

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。

 当社の連結財務諸表の作成において、損益又は資産の状況に影響を与える見積り及び判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、収束までの見通しが不透明な状況が続いており、適正かつ合理的に算定することは困難でありますが、当社グループでは、新型コロナウイルス感染症が2022年度以降、徐々に収束していき、2023年度以降に当該感染症が拡大する前の水準に概ね回復していくものと仮定し、固定資産の減損、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。

 当社グループの事業活動は新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受けており、今後も当社の業績に一定の影響が及ぶことが想定されます。

 

② 当連結会計年度の経営成績の分析

a.売上高

 当連結会計年度の売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大による個人消費の減速や緊急事態宣言の発出の影響で販売が減少しましたが、消費活動の変化による巣ごもり需要などのEC市場向けの販売は堅調に推移し801億77百万円(前期比2.2%増加)となりました。

 

b.売上総利益

 当連結会計年度の売上原価は、売上高の増加により611億70百万円(前期比1.7%増加)となりました。

 売上総利益は、新規設備投資により減価償却費が増加したものの生産効率が改善し、190億7百万円(前期比3.8%増加)となり、前連結会計年度と比べ6億92百万円の増益となりました。

 

c.営業利益

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、経費管理を徹底してコスト削減に取り組んだことで148億62百万円(前期比1.2%減少)となりました。

 この結果、営業利益は41億44百万円(前期比26.6%増加)となり、前連結会計年度と比べ8億69百万円の増益となりました。

 

d.経常利益

 営業外損益は、為替差益が減少したものの受取利息が増加しました。

 この結果、経常利益は44億22百万円(前期比22.6%増加)となり、前連結会計年度と比べ8億16百万円の増益となりました。

 

e.親会社株主に帰属する当期純利益

 親会社株主に帰属する当期純利益は、28億24百万円(前期比18.1%増加)となり、前連結会計年度と比べ4億32百万円の増益となりました。

 

③ 当連結会計年度の財政状態の分析

a.資産の部

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ38億66百万円増加し、874億22百万円となりました。これは主に「現金及び預金」18億43百万円・「有価証券」29億6百万円の増加、「投資有価証券」16億98百万円の減少によるものです。

 

b.負債の部

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ15億74百万円増加し、253億90百万円となりました。これは主に「支払手形及び買掛金」10億51百万円・「未払法人税等」9億35百万円の増加によるものです。

 

c.純資産の部

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ22億92百万円増加し、620億32百万円となりました。これは主に「利益剰余金」17億80百万円の増加によるものです。

 

④ 戦略的現状と見通し

 戦略的現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。

 

2017年12月期

2018年12月期

2019年12月期

2020年12月期

2021年12月期

自己資本比率(%)

65.1

65.5

66.0

71.4

70.9

時価ベースの

自己資本比率(%)

87.2

69.1

84.7

64.3

58.6

キャッシュ・フロー対

有利子負債比率(年)

0.0

0.1

0.0

0.1

0.0

インタレスト・

カバレッジ・レシオ(倍)

8,274.9

833.2

2,257.9

2,570.0

5,405.8

(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務諸表数値を用いて、以下の計算式により計算しております。

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

2.株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。

3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。

4.営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主に商品の仕入れのほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入による資金調達を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金の残高は85百万円となっており、また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は180億67百万円となっております。

4 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

 当社グループ(当社及び連結子会社)は、段ボール、紙器、紙袋、プラスチックフィルム袋(ポリ袋)等の包装全般について“環境”と“安全”をコンセプトに新製品や加工技術の開発及び将来のための技術や材料の研究を、製造・技術・商品開発部門が連携を図り進めております。

 なお、研究テーマは事業の種類別セグメントに共通しているため、セグメント別には行っておりません。当連結会計年度における、グループ全体の研究開発費用の総額は391百万円であり、以下のテーマを主要課題としております。

 

(1)印刷技術に関して

① フレキソ印刷をはじめ、グラビア印刷やオフセット輪転印刷の機能性付与及び高付加価値性に優れた印刷加工技術の研究に取り組んでおります。

② パッケージ分野への水性フレキソ印刷の導入を推進し、環境対応商品の開発に取り組んでおります。またフレキソ印刷の技術向上、環境対応を目的として、高解像度の水現像フレキソ刷版の導入を推進しております。従来の溶剤現像型から水現像型へ変更する事で、さらなる環境負荷低減への取り組みを進めております。

 

(2)環境対応素材として

① SDGs(持続可能な開発のために国連が定める国際目標:Sustainable Development Goals)の目標達成に向けて、お客様それぞれのパッケージの状況やシーンに合わせて、紙やプラスチック、環境配慮素材や再生素材などを組み合わせた複合的な視点から最適なパッケージのご提案を行っております。

② レジ袋(プラスチック製買物袋)の有料化実施に伴い、携帯に便利なエコバッグ、50ミクロン以上の厚みがあり繰り返し使用可能な素材、海洋生分解性プラスチック100%の素材やバイオマス素材を25%以上配合の“環境に配慮された袋”の商品化を行っております。

③ 古紙配合率の高い環境対応原紙を商品化するなど、製紙メーカーと共同開発でオリジナル原紙を開発し続けております。このような環境対応型商品の売上の一部を「ザ・パックフォレスト®環境基金」に拠出しており、森林保全活動の費用に充てております。

④ プラスチック製気泡緩衝材に代わる紙製緩衝材として、今まで段ボール用としては利用されていなかった薄紙の効率よい貼合加工を実現させた、フレキシブルな段ボール製緩衝シートの開発提案を行っております。

⑤ 環境に優しい植物性インキや水性フレキソインキを全てのパッケージの印刷に採用し、VOC(volatile organic compounds(揮発性有機化合物))の発生やCO2排出量を抑えた印刷方式を提案しております。

⑥ 食品対応の機能性素材として、紙製軟包装「クラフトシリーズ」の開発に取り組んでおります。

 

(3)その他として

① ユニバーサルデザインパッケージを目的として、デザイン性・機能性・利便性・環境対応などニーズに応じた商品パッケージの開発及び生産機械の開発に取り組んでおります。

② 小ロット短納期生産システムに対応する高速生産設備の改良と新鋭機導入及び印刷時に発生する廃棄物であるインキスラッジの減量化と再資源化について取り組んでおります。

③ 森林管理から消費者の手に届くまでの加工・流通過程を確認した環境意識の高いFSC®森林認証制度(Forest Stewardship Council®: 森林管理協議会)の認証を受けられる製品(段ボール、紙器、紙袋の原紙等)の製造可能な体制を整えております。

④ ユーザーに適した流通・物流ソリューションに効率的な環境設備や包装資材のご提案を積極的に行っております。

⑤ 商品の詰め合わせ用箱において、レイアウトの変更で配送運賃のコストダウンができる箱形式のコーディネートをご提案しております。

⑥ 固定緩衝材を、厚紙・段ボールなどのリサイクルが容易な紙素材を用いて包装設計し、プラスチックの使用量低減、CO₂の排出量低減に取り組んでおります。

⑦ 環境対応素材(フレキシブルな段ボール製緩衝シート)を用いた配送資材CC-PACK®の開発提案を行っております。柔軟性が高いため内容物に応じた大きさで商品を配送できるとともに封入時の作業性を改善することができます。また、プラスチック製気泡緩衝材に代えて使用できるため、プラスチック削減と紙単一素材化による環境負荷低減に貢献できます。

⑧ 複数の商品を同一梱包材で梱包出来るように包装設計し、資材管理の合理化提案を行っております。

 

⑨ 開封補助片を備えた段ボール箱で、開封補助片を段ボールに残したまま接着テープのみを剥離できる箱について特許権を取得しました。

⑩ 蓋を開けるに従って、包装箱内の商品が下から押し出されてポップアップ状態となる、ポップアップ式包装箱について特許権を取得しました。

⑪ 当社ウェブサイトのお客様向けのブログ『つつむを知る』で、パッケージに関するお問合せやご相談に対応する情報、また他のコンテンツでは発信できない最新トレンドを発信し、パッケージ製作をご検討中の皆様に役立つ内容をお伝えしております。