文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
[経営理念「アワクレド」]
●新しい技術開発への挑戦
●新たな需要創出への挑戦
●社会変化への迅速な対応
[経営ビジョン]
「思いを守る、明日へつなぐ」をテーマとして、生活を豊かにする商品、価値ある商品、価値あるサービスを提供し、次代へ文化を伝えるとともに、豊かな社会づくりに貢献する企業を目指します。
(2) 中期経営計画の進捗状況
中期経営計画「総・想・創」(そう・そう・そう)(2019年3月期~2021年3月期)に基づき、「収益力の強化」「成長力の推進」「株主価値向上」を基本方針とし、「ナカバヤシからの6つの約束」を目標として掲げ、その達成に向けた諸施策を実施してまいりました。
その進捗状況については次のとおりです。
①基本方針の進捗状況
〇「収益力の強化」
テレビCM一辺倒を脱却した施策として、アニメ映画とのタイアップや取材につながるリリースの発信などにより、認知度向上には相応の成果が出てまいりました。高付加価値商品の開発についても2019年から環境関連製品や災害復興関連製品の取り組みが始まりました。またBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業が概ね順調に推移し、売上高や利益に大きく寄与いたしました。
〇「成長力の推進」
新規事業については、シール・ラベル事業やベッド中心のネット通販などで拡大いたしました。事業の多角化が図れた事により、工場間のシナジー効果も高まりました。海外販路の拡大については、北米においてNAKABAYASHI USA,LTD.が活動展開中です。
〇「株主価値向上」
財務基盤の強化と機動的な資本政策により、将来性のある事業へ積極的に投資いたしました。
②「ナカバヤシからの6つの約束」の進捗状況
(1) 2021年3月期の売上高660億円、経常利益率6%の達成
(2) 2021年3月期ROE8.5%の達成
(3)有利子負債20%の圧縮の達成
(4)配当性向30%~40%の堅持
(5)グループの再編、シナジーの創出
2018年4月1日付で連結子会社のカグクロ株式会社が同社の子会社である有限会社マルヨシ民芸家具を吸収合併いたしました。さらに2019年1月には同じく連結子会社のカグクロ株式会社がベッドなどのネット通販を営む株式会社ビックスリーをM&Aにより100%子会社とし、商品や販路の拡充を図りました。
2019年10月1日付で連結子会社の兵庫ナカバヤシ株式会社を吸収合併し、生産面での効率化や採算性の改善に取り組んでおります。
2020年4月にはパッケージ事業を営む不二工芸印刷株式会社をM&Aにより100%子会社とし、紙器及び紙製包材のビジネス強化に取り組んでまいります。
(6)多様な働き方の実践
就労管理システム、時間有給休暇、一斉帰るデー、ジョブリターンなどの変革を続けてまいりました。さらに新型コロナウイルス感染拡大に伴い在宅勤務や時差出勤などを推進し、よりよい働き方で高い成果を追求してまいりました。
(3) セグメント別事業戦略
当社グループといたしましては、これらの状況を踏まえ、「アワ クレド〈信条〉」に基づき、従来の既成概念にとらわれることなく、社内外の経営資源を効率的に活用して、より幅広い視野に立って技術の研鑽を重ね、アナログ製品からマルチメディア関連事業へと積極的な事業展開を図り、時代のニーズにマッチした製品の開発と、お客様からのご要望に対しスピーディーかつ柔軟にお応えできる総合生活企業をめざしてまいります。
当社グループは事業の多角化により多くの様々な顧客基盤を保持しており、グループ会社間のシナジーにより川上から川下まで一貫した生産、物流、販売のシステムが確立されています。次の各セグメントにおきましても、こうした強みを最大限活用してまいります。
[ビジネスプロセスソリューション事業]
「こまったを良かったに」をスローガンに、ビジネスプロセスにおける様々な困りごと、課題を共に解決する「価値共創企業」を目指します。
①図書館や公共団体などからのアウトソーシング受託業務を拡大します。
②フルフィルメント事業にチャレンジし、顧客特性に応じたサービスを強化いたします。
③グループ会社のシナジーをフルに発揮し、顧客の様々な課題解決に貢献いたします。
[コンシューマーコミュニケーション事業]
消費者の日常にフォーカスし親和性を高めた製品を開発、提供する「ライフスタイル創造企業」を目指します。
①屋外においては便利を想像した製品、屋内においては快適を創造した製品の開発、提供を行います。
②筆記具などの新たなブランドの構築に取り組みます。
③アジア・北米の販路拡大に注力いたします。
[オフィスアプライアンス事業]
ワーカーズファーストの観点で、オフィス環境の改善を想う「職場ゆとり創見企業」を目指します。
①独創的な事務機器を開発によりオフィスの効率化を図ります。
②働く人の「時間」と「心」のゆとりを創造する快適なオフィスづくりに貢献いたします。
[エネルギー事業]
木質バイオマス発電及び太陽光発電の安定稼働と新分野の創造を目指します。
[その他]
製本と農業の二刀流の完成と農業の6元化を目指します。
これら諸施策を着実に実行するとともに、引き続き、グループ会社間のシナジー効果を生産面、販売面の両面において最大限発揮できるよう注力してまいります。
①経営環境
近年、海に流出したプラスチックごみがマイクロプラスチックとなり、海洋生物の生態系に影響を与えている問題への社会的関心の高まりにより、使い捨てプラスチックの削減「脱プラ」「廃プラ」対策が進められています。デジタル化やペーパーレス化で「紙」の需要が減少している一方で、ビニールや包装、梱包、ケースなど幅広く使われているプラスチックの代替素材の一つとして「紙」の導入が進められており、今後もプラスチック製品から紙製品への切り替えが活性化していくことが予想されます。また「紙」は他素材より、スピーディかつ低コストで多品種少量生産することができるため、新興国の技術向上による価格競争の激化、それに伴うライフサイクルの短縮化に対応することが可能な素材です。このような背景のもと、当社は紙器及び紙製包材のビジネスをさらに強化いたします。
新型コロナウイルス感染拡大は収束しつつありますが、今後とも在宅勤務などの機会が定着し多様な働き方が進展するものと予想されます。これに伴いオフィス用品などの需要は減少することが予想されますが、一方で官公庁や民間企業においてはアウトソーシングする業務が増え、個人においては家庭での仕事環境の整備が必要になってくると思われます。こうしたなかでの困りごとを解決すべく当社のスローガンである「こまったを良かったに」の提案を積極的に行ってまいります。
また地震、台風などの災害の経験から防災関連製品へのニーズも高まっており、段ボールベッドなど各種製品の開発、販売を強化してまいります。
②事業上及び財務上の優先的に対処すべき課題
(1)ブランドイメージの確立
かつては「フエルアルバム」のブランドで消費者の間では認知度が高かった当社ですが、近年アルバムの需要の減少に伴い、売上高に占めるアルバムのウエイトが低くなったこともあり当社の認知度は以前より低下しております。特にティーン世代に対して引き続きグループ会社及び商品の認知度とイメージの向上に取り組んでまいります。
(2)売上高総利益率の向上
「脱プラ」「廃プラ」に配慮した環境関連製品や災害復興関連製品など、顧客に信頼される付加価値の高い製品の開発を継続し、粗利益率の向上を図ってまいります。
(3)グループ会社間のシナジー効果の拡大
生産面においてはグループ内の生産体制の最適化と生産効率の向上によるコスト競争力の強化を、営業面においてはグループ内の顧客基盤や取扱商品の活用により販売の拡大を、物流面においては共同配送による効率化を図るなど、生産面、販売面、物流面においてグループ会社間のシナジー効果を最大限発揮してまいります。
(4)新規事業の推進
引き続き新規事業の創造に取り組み、事業領域の拡大、多角化を図ってまいります。
(5)海外販路の開拓
中国においては仲林(寧波)商業有限公司が、北米においてはNAKABAYASHI USA,LTD.が筆記具などステーショナリー関連製品の新規販路開拓に注力してまいります。
(6)財務基盤の強化
有利子負債の圧縮やCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の短縮化に努め資金効率化を図り財務基盤の強化を図ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業環境に関するリスク
①デジタル化、ペーパーレス化進行によるリスク
デジタル化、ペーパーレス化が年々進行しており、図書製本や法人向け手帳などの市場が縮小しており当社グループの連結業績にさらに影響を及ぼす可能性があります。一方で公共図書館の指定管理など図書館業務の受託に注力してまいります。また近年「脱プラ」「廃プラ」が注目されており、プラスチックに代わる素材として「紙」の需要が高まることが予想されるため、こうした環境配慮型製品の開発、販売に取り組みます。
②少子化に関するリスク
国内では少子化が続いており、ノートなどのステーショナリー関連製品やチャイルドシートなどにおいて当社グループ連結業績にさらに影響を及ぼす可能性があります。一方で学校へのICT(情報通信技術)導入に伴いPC関連商品の市場拡大が予想され、関連商材の開発、販売に取り組んでまいります。
③国際情勢に関するリスク
貿易相手国の法規制や経済情勢の変化等により商品調達に支障をきたす場合は、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
④新型コロナウイルス感染に関するリスク
新型コロナウイルス感染拡大は収束しつつありますが、今後第2波、第3波の感染拡大が発生し国内外の経済活動が再び停滞した場合は、調達面、販売面において当社グループ連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)市況変動に関するリスク
①為替変動リスク
当社グループは一部の商品については輸入に依存しているため、為替レートの変動が当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。先物為替予約などによりリスク回避を行っておりますが、すべてのリスクを回避することはできません。
②原材料価格の高騰リスク
当社グループの製品の主な原材料は、原紙・樹脂等であります。原材料は国内外のメーカーから調達しておりますが、原油価格が高騰し原材料の価格が上昇した場合は当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、ビジネスソリューション事業(データプリントサービス等)やネット通販事業において、顧客の個人情報を取り扱っております。プライバシーマークを取得し、顧客情報の管理には十分留意しておりますが、サイバー攻撃等による情報セキュリティ事故が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い、法的罰則等により、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)製造物責任に関するリスク
当社グループは定められた品質管理基準に従って、各種の製品を製造しております。製品単位ごとに品質チェックを実施し、欠陥が生じないようにするための体制を構築しておりますが、それにもかかわらず何らかの欠陥が生じた場合は、顧客の信頼の喪失、賠償金の支払い等が発生する可能性があります。製造物責任についての保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を補填できるという保証はなく、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)災害等に関するリスク
当社グループはすべての設備について定期的な点検を実施しておりますが、台風、地震などの自然災害、火災・停電などの事故が発生した場合、生産が中断することを防止できる保証はありません。当社グループの生産設備は国内外に点在しておりますが、これらの所在地において大規模な災害が発生した場合は、当社グループの生産能力が著しく低下し、改修に多額の費用が発生する可能性があります。災害等に備え保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する損害額を補填できるという保証はなく、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
こうしたことから、影響額を最小限にとどめるべく当社グループはBCPの観点からBPO(ビジネス・プロセス・アウトソージング)事業の生産拠点を各地に分散しており、またデータセンターの活用など災害に備えた対応を行っております。
(6)コンプライアンスに関するリスク
当社グループはグループ倫理規範やコンプライアンス・マニュアルを制定し、企業倫理の向上及び法令遵守の強化に努めておりますが、2019年10月に当社は、日本年金機構の入札に関して独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による立ち入り検査を受けました。検査の結果、法令等に抵触する事態が発生した場合は課徴金や損害賠償金の支払いが発生し、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に景気は緩やかな回復基調で推移しておりましたが、米中貿易摩擦や英国のEU離脱などの影響による世界経済の不確実性に加え、期末にかけては新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の停滞など先行きは一層不透明な状況となっております。
このような状況のもと、当社グループは中期経営計画「総・想・創」(そう・そう・そう)(2019年3月期~2021年3月期)に基づき、「収益力の強化」「成長力の推進」「株主価値向上」を基本方針とし、「ナカバヤシからの6つの約束」を目標として掲げ、その達成に向けた諸施策を実施してまいりました。
当連結会計年度において、受注部門では「こまったを良かったに」をスローガンに、ビジネスプロセスにおける様々な課題を解決すべく顧客特性に応じた提案、サービスの強化に取り組んだ結果、データプリントサービスをはじめとしたBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)部門が順調に推移いたしました。また2019年10月1日に製造子会社の兵庫ナカバヤシ株式会社を当社に吸収合併し一層の効率化を図り採算性の向上に取り組みました。製品販売部門では、前期M&Aにより連結子会社となった、寝具(主にベッド)のネット通販を営む株式会社ビックスリーの業績がフルに寄与いたしました。オフィス家具に加えネット販売の商品の拡充により業容の拡大に取り組みました。またメディア、広告媒体、各種イベント等を通じての発信力を強化し、商品の認知度向上、新たなブランドの確立に努めました。
この結果、当社グループにおける当連結会計年度の売上高は、前年同期比2.0%増の653億9百万円となりました。利益面では販売費及び一般管理費が増加しましたが、原価率の低下により、営業利益は23億46百万円(前年同期比12.3%増)、経常利益は27億36百万円(前年同期比10.9%増)となりました。
また、特別利益は投資有価証券売却益98百万円など合計で1億18百万円を計上し、特別損失は減損損失1億69百万円、関係会社株式評価損1億22百万円など合計で3億36百万円を計上いたしました。この結果、法人税等税負担調整後の親会社株主に帰属する当期純利益は15億61百万円(前年同期比0.3%減)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染拡大により期末にかけて新規顧客の開拓、海外販路の拡大、新製品のPRや販売などの営業活動において制約を受けるなど影響を受けました。このような状況は今後とも一定期間続くものと想定しておりますが、感染が収束した後は、営業活動も正常化し感染拡大前の状況に戻ると考えております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
[ビジネスプロセスソリューション事業]
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)業務は官公庁や民間企業からの受注が順調に推移し、シール印刷、ラベル紙などの売上高も増加いたしました。連結子会社の日本通信紙株式会社は2019年12月に印西BPOセンター(同社柏IPセンターを移転)を新設し、主に資格検定試験や大学入試関連の管理運営、自治体向け各種通知物の管理・発送、コールセンターの設置・運営などの受託強化を図りました。図書館ソリューション業務は引き続き公共図書館の指定管理、アウトソーシング業務、書籍移動などの受注拡大に努めました。法人向け手帳は年玉手帳の廃止や減少が進んでおり、受注冊数は減少いたしました。なお、新しい取り組みとして「脱プラ」対策を検討している企業向けに紙ストローなど環境関連製品の生産、販売を開始いたしました。
この結果、当事業の売上高は361億24百万円(前年同期比2.8%増)、営業利益は11億10百万円(前年同期比76.2%増)となりました。
[コンシューマーコミュニケーション事業]
ノートはロジカルノートの新CMや劇場アニメとのタイアップにより認知度向上に努めるとともに、新デザインを投入するなど拡販を図りました。アルバムは画像専用ストレージアプリ「Fueru アルバム」の機能、サービスを順次拡充しており、ユーザーの拡大に努めました。また旅行ガイドブック「ことりっぷ」とコラボしたステーショナリーや高級筆記具ブランド「TACCIA」からは「浮世絵インク」8色を新発売いたしました。さらにプラスチック使用量を約30%削減したペンスタンドなどの「エシカル商品」の開発、販売も開始いたしました。アルバム、ステーショナリー関連商品の売上高は店頭市場の低迷により減少いたしましたが、PC関連商品やセキュリティ関連商品は堅調に推移いたしました。
この結果、当事業の売上高は201億29百万円(前年同期比2.2%増)、営業利益は8億73百万円(前年同期比13.9%減)となりました。
[オフィスアプライアンス事業]
シュレッダは官公庁、大手民間企業などを中心に引き続き受注獲得に努めるとともに、メンテナンス契約や機密文書回収ボックスの販売に注力いたしました。また静かな環境で使用できるノイズレスタイプのパーソナルシュレッダを新発売いたしました。金融機関などの支店統廃合や窓口業務の縮小などの影響もあり、買い替え需要も低調で売上高は減少いたしました。オフィス家具は木製家具が低迷したものの、商品の拡充や提案営業の強化により売上高は堅調に推移いたしました。また病院向けカルテワゴンなどのメディカル商品の販売も堅調に推移いたしました。
この結果、当事業の売上高は74億23百万円(前年同期比0.9%減)、営業利益は4億49百万円(前年同期比3.8%減)となりました。
[エネルギー事業]
太陽光発電は概ね計画通り稼働いたしましたが、連結子会社の松江バイオマス発電株式会社が営む木質バイオマス発電については、設備の一部故障により稼働が一時停止したことが影響して売上高、営業利益は減少いたしました。
この結果、当事業の売上高は15億2百万円(前年同期比6.5%減)、営業利益は1億75百万円(前年同期比26.0%減)となりました。
[その他]
野菜プラント事業及びにんにくファーム事業等であり、売上高は1億29百万円(前年同期比15.1%増)、営業損失は64百万円(前年同期営業損失26百万円)となりました。
財政状態の分析は、次のとおりであります。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて21百万円減少し、270億12百万円となりました。これは現金及び預金が5億47百万円、電子記録債権(流動資産の「その他」)が72百万円、仕掛品が62百万円それぞれ増加しましたが、受取手形及び売掛金が6億82百万円、未収入金(流動資産の「その他」)が25百万円それぞれ減少したことなどによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて5億63百万円増加し、287億70百万円となりました。これは投資有価証券が5億65百万円減少しましたが、建物及び構築物が10億85百万円増加したことなどによります。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて5億42百万円増加し、557億82百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて10億27百万円減少し、175億31百万円となりました。これは短期借入金が5億7百万円、未払金が3億78百万円、支払手形及び買掛金が1億23百万円それぞれ減少したことなどによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて7億80百万円増加し、121億44百万円となりました。これは繰延税金負債が51百万円、長期リース債務(固定負債の「その他」)が32百万円それぞれ減少しましたが、長期借入金が8億81百万円増加したことなどによります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて7億89百万円増加し、261億6百万円となりました。これはその他有価証券評価差額金が2億66百万円減少しましたが、利益剰余金が9億95百万円増加したことなどによります。
この結果、自己資本比率は43.2%となり、前連結会計年度末に比べて0.8ポイント上昇いたしました。
(1)キャッシュ・フロー及び流動性の状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、38億78百万円の収入(前年同期比12億46百万円収入増)となりました。主な内訳として、収入については、税金等調整前当期純利益25億18百万円、減価償却費16億17百万円、売上債権の減少額5億96百万円であり、支出については、法人税等の支払額9億円、仕入債務の減少額1億30百万円、投資有価証券売却益98百万円、退職給付に係る負債の減少額89百万円等であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、30億63百万円の支出(前年同期比11億38百万円支出増)となりました。主な内訳として、収入については、投資有価証券の売却による収入1億61百万円、支出については、有形固定資産の取得による支出30億84百万円、無形固定資産の取得による支出95百万円、投資有価証券の取得による支出51百万円等であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、2億66百万円の支出(前年同期比9億73百万円の支出減)となりました。主な内訳は、長期借入れによる収入42億30百万円、長期借入金の返済による支出31億55百万円、短期借入金の減少額7億円等であります。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は前連結会計年度末より5億47百万円増加し、68億6百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの配分と資本政策
営業キャッシュ・フローの配分については財務基盤の確立を目指しつつ、企業価値向上に資する投資を積極的に行うとともに、株主還元に配慮した適正配分に努めてまいります。
事業への配分については紙器および紙製包材事業、BPO事業、環境配慮型製品や防災復興関連製品の開発など収益力の高い事業や成長力のある新規事業への投資を安定的かつ継続的に実施いたします。
株主還元については安定的な配当の維持並びに経営基盤の強化と今後の事業展開を勘案した上で、この両者をバランスよく回転させることを基本方針としております。連結配当性向30%~40%を維持してまいります。
(3)資金調達の方針
資金調達については、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の安全性維持を基本方針としており、主として銀行、生保からの短期及び長期借入金により資金調達を行っております。子会社については原則として外部からの資金調達を行わず、グループファイナンスを活用し、資金調達の一元化により資金の効率化及び流動性の確保を図っています。また事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応を図るため十分な現金同等物を保有しております。収益力の強化、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の短縮及び資産の効率化・有効活用に取り組み、有利子負債の圧縮を図ってまいります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、受注生産を行っている事業はビジネスプロセスソリューション事業であり、主なものは図書製本、法人向け手帳、データプリントサービス等であります。一方、コンシューマーコミュニケーション事業、オフィスアプライアンス事業、エネルギー事業及びその他は、見込み生産であり、受注生産の割合が僅少である事業、または、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まない事業のため、記載は省略しております。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 当連結会計年度における相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10未満の相手先のみであるため、記載を省略しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
新型コロナウイルス感染症の影響により在宅勤務などの機会が定着し多様な働き方が進展することに伴い、オフィス用品などの需要は減少することが予想されますが、個人においては家庭での仕事環境の整備が必要になってくると思われます。また官公庁や民間企業ではアウトソーシングする業務が増え、学校教育や図書館などの再開によりステーショナリー製品や図書館業務の需要も改善されると思われます。
このように当社グループ事業への影響は、事業によってその影響や程度が異なるものの、概ね1年程度で回復すると見込んでおり、当社グループの業績への影響は限定的であるとの仮定のもと、以下の会計上の見積りを行っております。
なお、連結財務諸表作成時点において入手可能な情報に基づいた最善の見積りを行っているものの、新型コロナウイルス感染拡大による影響は不確定要素が多く、感染状況や経済環境への影響が変化した場合には、最善の見積りを行った結果としての見積もられた金額と事後的な結果との間に乖離が生じる可能性があります。
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
繰延税金資産は入手可能な証拠に基づいて将来の回収可能性を十分に検討し回収可能な額を計上しております。繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上いたします。同様に計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後回収できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。
確定給付費用及び確定給付制度債務は、割引率、退職率及び死亡率など年金数理計算上の基礎率に基づき見積もっております。数理計算上の基礎率や計算方法は適切であると考えておりますが、基礎率の変動が確定給付費用及び確定給付制度債務に重要な影響を及ぼします。
なお当社及び一部の連結子会社の割引率は高格付けの社債の利回りに基づき決定しております。
流動資産及び投資その他の資産に計上している有価証券は、当社の保有目的に基づき売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社・関連会社株式及びその他有価証券に分類し会計処理をしております。市場性のある有価証券については市場価格を、市場性のない有価証券については1株当たり純資産額などを考慮した価格を公正価値として評価しており、公正価値の評価は合理的であると判断しております。
15ページ 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャシュ・フローの状況の分析]
(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況をご参照ください。
15ページ 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャシュ・フローの状況の分析]
(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況をご参照ください。
当社グループは2019年3月期から2021年3月期までの中期経営計画「総・想・創」(そう・そう・そう)に基づき、「収益力の強化」「成長力の推進」「株主価値向上」を基本方針とした諸施策を実施しております。「収益力の強化」につきましては、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の受注強化を図るとともに、環境関連製品や災害復興関連製品など付加価値の高い製品の開発に取り組みました。またアニメ映画とのタイアップなど各種媒体を通じて当社グループ及び製品の認知度向上に努めました。また連結子会社の兵庫ナカバヤシ株式会社を吸収合併することにより生産面での採算性の向上に取り組みました。「成長力の推進」につきましては、シール・ラベル事業などの成長分野の事業が拡大いたしました。また寝具(主にベッド)のネット通販などの新事業も堅調に推移いたしました。「株主価値向上」につきましては、成長分野の事業への積極的な投資を実施するとともに、配当性向も30%以上を維持いたしました。
2020年3月期の連結目標数値の達成状況につきましては、売上高は目標650億円に対して653億9百万円(達成率100.5%)、経常利益は目標36億円に対して27億36百万円(達成率76.0%)、経常利益率は目標5.5%に対して4.2%(達成率76.4%)、ROEは目標8.2%に対して6.6%(達成率80.5%)となりました。
売上高につきましてはBPOの受注が順調に推移したことによりビジネスプロセスソリューション事業で9億72百万円増加、また連結子会社の株式会社ビックスリーがフルに寄与したためコンシューマコミュニケーション事業で4億37百万円増加したことにより全体では前期比2.0%の増収となり、目標数値も達成いたしました。利益面につきましては、エネルギー事業においてバイオマス発電の設備の一部故障のため稼働が一時停止したことにより原価率が予想以上に上昇したこと、またコンシューマコミュニケーション事業においては人件費や荷造運賃などの販売費及び一般管理費が予想以上に増加したこと、さらににんにく栽培などの農業事業の採算が予想を下回ったことなどから全体の経常利益、経常利益率及びROEは目標数値を下回りました。
該当事項はありません。
当社グル-プは、独創的な製品の開発、生産技術の開発を主として積極的な活動を行っております。当連結会計年度における研究開発費は
ビジネスプロセスソリューション事業においては、紙ストローなど環境関連製品、カラーチャート検査装置を開発いたしました。
このビジネスプロセスソリューション事業に係る当連結会計年度の研究開発費は
コンシューマーコミュニケーション事業においては、画像専用ストレージアプリ「Fueruアルバム」の改修、万年筆インク「浮世絵インク」、プラスチック使用量を約30%削減したペンスタンドなどの「エシカル商品」、ご朱印帳製造ラインの改良、ファイル製造用ロボットを開発いたしました。
このコンシューマーコミュニケーション事業に係る当連結会計年度の研究開発費は
オフィスアプライアンス事業においては、主に製造子会社が様々なシュレッダの開発・製品化に取り組んでおります。また、ノイズレスタイプのパーソナルシュレッダの開発に取り組みました。
このオフィスアプライアンス事業に係る当連結会計年度の研究開発費は