第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

[経営理念「アワクレド」]

●新しい技術開発への挑戦

●新たな需要創出への挑戦

●社会変化への迅速な対応

[経営ビジョン]

「思いを守る、明日へつなぐ」をテーマとして、生活を豊かにする商品、価値ある商品、価値あるサービスを提供し、次代へ文化を伝えるとともに、豊かな社会づくりに貢献する企業を目指します。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

①中期基本方針

 新・中期経営計画「add+venture 70」(アドベンチャー70)(2022年3月期~2024年3月期)に基づき、「収益力の強化」「成長力の推進」「株主価値向上」を基本方針とし、次の『Main add+venture』を目標として掲げ、その達成に向けた諸施策を実践してまいります。

1.3年間で企業価値を高める70の新しいことに挑戦

2.2024年3月期の売上高700億円、経常利益率5.5%

3.ROE8.0%

4.配当性向30~40%台の堅持

5.新しい人事評価制度を確立することによる多様な働き方の更なる高度化

6.ニューノーマルに対応した事業展開とDXを用いたバックオフィスの効率化

7.積極的な社会貢献活動の推進

②セグメント別事業戦略

 当社グループといたしましては、これらの状況を踏まえ、「アワ クレド〈信条〉」に基づき、従来の既成概念にとらわれることなく、社内外の経営資源を効率的に活用して、より幅広い視野に立って技術の研鑽を重ね、アナログ製品からマルチメディア関連事業へと積極的な事業展開を図り、時代のニーズにマッチした製品の開発と、お客様からのご要望に対しスピーディーかつ柔軟にお応えできる総合生活企業をめざしてまいります。

 当社グループは事業の多角化により多くの様々な顧客基盤を保持しており、グループ会社間のシナジーにより川上から川下まで一貫した生産、物流、販売のシステムが確立されています。次の各セグメントにおきましても、これまで経営の効率化と意思決定の迅速さを目指した運営をしてまいりました。今後更にグループ全体としての経営資源の最適配分、事業セグメント間やグループ会社間のシナジー創出について加速度をもって取り組んでまいります。

[ビジネスプロセスソリューション事業]

 「こまったを良かったに」、ビジネスプロセスにおける付加価値の高いソリューション事業を目指します。

・図書館製本業から図書館総合サービス企業への転換を今後も図ってまいります。

・人材不足、働き方改革など社会を取り巻くビジネス環境をトータルにサポートする『BPO総合支援サービス』を展開してまいります。

[コンシューマーコミュニケーション事業]

 ニューノーマルの時代に求められる「冒険心あふれる製品」の開発に挑戦します。

・教育現場での快適な学び、働き方改革における効率的なWorkPlaceを提供していきます。

・SDGsなどの社会課題解決に貢献できる製品を提供していきます。

・人と人とのコミュニケーション不足によるストレスを癒す製品やサービスなど、健康を切り口とした製品を開発していきます。

・海外販路の開拓を強化し、海外市場におけるNCLブランドの認知度を向上させていきます。

[オフィスアプライアンス事業]

 オフィス環境の改善とデジタル化を見据えた製品やサービスの提供を目指します。

・秘密保持に関する製品やサービスを提供していきます。

・多様な働き方に対応するファニチャーやシステムを提供していきます。

・調光ガラス『N-Smart(エヌ・スマート)』の販売強化とパーティション以外の製品開発をしていきます。

[エネルギー事業]

 木質バイオマス発電及び太陽光発電の安定稼働と熱利用による新分野の創造を目指します。

[その他]

 農業の6次産業化に加え、ICT技術を活用した営農を図ります。

 

③中期財務戦略

 新規事業や既存ビジネスの深堀による売上増加、業務プロセスの見直しや新たな付加価値の提供による利益率改善を図り、連結売上高700億円、経常利益率5.5%を目指します。配当性向については、引き続き30~40%を堅持していきます。

中期数値目標(連結)                            (単位:百万円・%)

 

2021年3月期

(実績)

2022年3月期

(目標)

2023年3月期

(目標)

2024年3月期

(目標)

売上高

63,644

65,000

67,000

70,000

経常利益

3,023

3,100

3,400

3,850

経常利益率

4.7

4.8

5.1

5.5

 

(3)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①経営環境

 新型コロナウイルス感染症が長期化しており、経済活動に大きな影響を与えている状況下、ワクチン接種が開始されたものの終息時期は見通せず、経済の本格的な回復にはしばらく時間を要するものと見られます。そのため各種試験運営実施の延期や自粛、ノベルティ制作および容器包装関連においては販売促進キャンペーンや各種イベントの中止等が引き続き予想されますが、一方で飛沫飛散低減対策製品や在宅勤務による家庭での仕事環境の整備、オフィスでのフリーアドレスやリモートワークなどのオフィス環境の改善については引き続きニーズが強いものと予想されます。また官公庁や民間企業ではアウトソーシングする業務が増え、製本や資料の電子化業務や公共図書館の委託業務は伸長するものと思われます。こうしたなかでの困りごとを解決すべく当社のスローガンである「こまったを良かったに」の提案を積極的に行ってまいります。

 また地震、台風などの災害の経験から防災関連製品へのニーズも高まっており、段ボールベッドなど各種製品の開発、販売を強化してまいります。

②優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

〇企業ブランドの確立

 かつては「フエルアルバム」のブランドで消費者の間では認知度が高かった当社ですが、近年のアルバム需要の減少により当社の認知度は以前より低下しております。近年は若年層への認知度向上策として頑張る若者を応援する施策を継続して実施しており、今後もCM制作やイベント協賛だけでなく、ミュージックビデオ等あらゆる媒体を活用し、変革する企業イメージを訴求してまいります。

〇売上高総利益率の向上

 環境配慮関連、防災関連、働き方改革関連、GIGAスクール構想関連やコロナ禍における飛沫飛散低減関連、リモートワーク関連等、付加価値の高い製品・サービスを投入していき粗利益率の向上を図ってまいります。

〇グループ会社間におけるシナジー効果の拡大

 グループ全体として経営資源の最適配分、事業セグメント間やグループ会社間のシナジー創出を加速度もって取り組んでまいります。

〇新規事業の推進

 3年間で企業価値を高める70の新しいことに挑戦していくことを目標に設定し、ニューノーマルに対応した事業展開を図ってまいります。

〇戦略的人事改革の実践

 生産年齢人口の減少を見据え、多様な働き方が出来、積極的にチャレンジできる企業風土が醸成される人事改革を実践してまいります。

〇財務基盤の強化

 新規事業や既存ビジネスの深堀による売上増加、業務プロセスの見直しや新たな付加価値の提供による利益率改善を図り財務基盤を強化してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。

 なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境に関するリスク

①デジタル化、ペーパーレス化進行によるリスク

 デジタル化、ペーパーレス化が年々進行しており、図書製本や法人向け手帳などの市場が縮小しており当社グループの連結業績にさらに影響を及ぼす可能性があります。一方で公共図書館の指定管理など図書館業務の受託に注力してまいります。また近年「脱プラ」「廃プラ」が注目されており、プラスチックに代わる素材として「紙」の需要が高まることが予想されるため、こうした環境配慮型製品の開発、販売に取り組みます。

②少子化に関するリスク

 国内では少子化が続いており、ノートなどのステーショナリー関連製品やチャイルドシートなどにおいて当社グループ連結業績にさらに影響を及ぼす可能性があります。一方で学校へのICT(情報通信技術)導入に伴いPC関連商品の市場拡大が予想され、関連商材の開発、販売に取り組んでまいります。

③国際情勢に関するリスク

 貿易相手国の法規制や経済情勢の変化等により商品調達に支障をきたす場合は、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

④新型コロナウイルス感染に関するリスク

 新型コロナウイルス感染症については長期化しており、経済活動に大きな影響を与えている状況下、ワクチン接種が開始されたものの終息時期は見通すことが出来ない状況です。今後とも国内外の経済活動の停滞が長期化した場合は調達面、販売面において当社グループ連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)市況変動に関するリスク

①為替変動リスク

 当社グループは一部の商品については輸入に依存しているため、為替レートの変動が当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。先物為替予約などによりリスク回避を行っておりますが、すべてのリスクを回避することはできません。

②原材料価格の高騰リスク

 当社グループの製品の主な原材料は、原紙・樹脂等であります。原材料は国内外のメーカーから調達しておりますが、原油価格が高騰し原材料の価格が上昇した場合は当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)情報セキュリティに関するリスク

 当社グループはビジネスソリューション事業(データプリントサービス等)やネット通販事業において、顧客の個人情報を取り扱っております。プライバシーマークを取得し、顧客情報の管理には十分留意しておりますが、サイバー攻撃等による情報セキュリティ事故が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い、法的罰則等により、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)製造物責任に関するリスク

 当社グループは定められた品質管理基準に従って、各種の製品を製造しております。製品単位ごとに品質チェックを実施し、欠陥が生じないようにするための体制を構築しておりますが、それにもかかわらず何らかの欠陥が生じた場合は、顧客の信頼の喪失、賠償金の支払い等が発生する可能性があります。製造物責任についての保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を補填できるという保証はなく、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)災害等に関するリスク

 当社グループはすべての設備について定期的な点検を実施しておりますが、台風、地震などの自然災害、火災・停電などの事故が発生した場合、生産が中断することを防止できる保証はありません。当社グループの生産設備は国内外に点在しておりますが、これらの所在地において大規模な災害が発生した場合は、当社グループの生産能力が著しく低下し、改修に多額の費用が発生する可能性があります。災害等に備え保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する損害額を補填できるという保証はなく、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 こうしたことから、影響額を最小限にとどめるべく当社グループはBCPの観点からBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業の生産拠点を各地に分散しており、またデータセンターの活用など災害に備えた対応を行っております。

 

(6)コンプライアンスに関するリスク

 当社グループはグループ倫理規範やコンプライアンス・マニュアルを制定し、企業倫理の向上及び法令遵守の強化に努めておりますが、2019年10月に当社は、日本年金機構の入札に関して独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による立ち入り検査を受けました。検査の結果、法令等に抵触する事態が発生した場合は課徴金や損害賠償金の支払いが発生し、当社連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)関係会社に関するリスク

 当社グループは経営資源を有効活用し収益基盤の多様化を進めるため、グループのシナジーを発揮し企業価値向上に取り組んでおります。しかしながら、関係会社各社の業績が著しく悪化し、将来にわたって事業が計画どおりに展開しないと判断された場合又は株式の時価が下落した場合には、関係会社株式の減損処理の必要に迫られます。その場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)固定資産の減損に関するリスク

 当社グループは保有する固定資産について、固定資産の時価が著しく下落した場合や収益性が低下した場合には減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ社会・経済活動に一定の回復が見られたものの、終息時期は依然見通せず、世界各国においても先行きが不透明な状況が続いております。

 このような中、当社グループは、中期経営計画「総・想・創」(そう・そう・そう)の最終年度を迎え目標達成のため、Web商談やリモートワーク、時差出勤等を活用し感染拡大防止対策を推進する一方、製品やサービスの安定供給と収益改善に努めてまいりました。

 利益面では売上高は減少しましたが、利益率の高い受注や生産の内製化を進めたことで原価率が改善しました。販売費及び一般管理費は増加しましたが、営業利益および経常利益は増益となりました。

 また、特別利益は固定資産売却益2億17百万円など合計で2億20百万円を計上し、特別損失は減損損失3億18百万円など合計で4億29百万円計上いたしました。

 この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は15億52百万円となりました。

 

当連結会計年度における当社グループの経営成績は以下のとおりであります。

売上高              636億44百万円  (前年同期比2.5%減)

営業利益             25億50百万円  (前年同期比8.7%増)

経常利益             30億23百万円  (前年同期比10.5%増)

親会社株主に帰属する当期純利益  15億52百万円  (前年同期比0.6%減)

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

[ビジネスプロセスソリューション事業]

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)業務は、現場の煩雑な作業をオールインワン・ワンストップで行える強みを生かし、官公庁から特別定額給付金の支給や医療従事者に対する支援などアウトソーシング業務を受託しました。一方、各種試験運営は実施の延期や自粛、ノベルティ制作及び容器包装関連は販売促進キャンペーンや各種イベントの中止、法人向け手帳やレジロール紙は外出自粛要請発出の影響により、各事業の受託が減少しました。図書館ソリューション業務は、製本や資料の電子化業務が順調に推移しており、また公共図書館からのアウトソーシング業務は伸長しました。

この結果、当事業の売上高は329億96百万円(前年同期比8.7%減)、営業利益は6億65百万円(前年同期比40.1%減)となりました。

[コンシューマーコミュニケーション事業]

新型コロナウイルス感染症で行動抑制が長期化し、店頭における購買活動や生活様式が大きく変化しました。このような中、飛沫飛散低減対策用品のアクリル製や段ボール製パーティション、足踏み消毒ホンプスタンドなどの製品群が引き続き好調に推移しました。また、政府が推進する「GIGAスクール構想」対応製品のタブレット保管庫やタイマー付きOAタップ、在宅勤務の定着によりヘッドセットや室内用テントなどリモートワーク関連用品、眠りに対する関心の高まりによりベッド等の寝具関連も順調に推移いたしました。

この結果、当事業の売上高は212億80百万円(前年同期比5.7%増)、営業利益は14億2百万円(前年同期比60.5%増)となりました。

[オフィスアプライアンス事業]

新型コロナウイルス感染症による在宅勤務者の増加に伴い、オフィスシュレッダの受注は低調でしたが、年度末に向けて好調に推移しました。一方、オフィス環境の改善と飛沫飛散低減対策を目的としたレイアウト変更の動きにより、ローパーティションが伸長しました。

今後さらなるデジタル化が進展することが想定され、シュレッダ以外の新規商材として取り扱いを開始した調光ガラス『N-Smart(エヌ・スマート)』の営業活動を積極的に展開していきます。

この結果、当事業の売上高は75億66百万円(前年同期比1.9%増)、営業利益は5億68百万円(前年同期比26.4%増)となりました。

[エネルギー事業]

木質バイオマス発電は、前年度稼働が一時停止したため売上高、営業利益は減少しましたが、当期は計画通り順調に稼働いたしました。また太陽光発電も順調に推移しました。

この結果、当事業の売上高は17億5百万円(前年同期比13.5%増)、営業利益は2億28百万円(前年同期比29.8%増)となりました。

 

[その他]

野菜プラント事業及びにんにくファーム事業等であり、売上高は96百万円(前年同期比25.7%減)、営業損失は36百万円(前年同期営業損失64百万円)となりました。

 

財政状態の分析は、次のとおりであります。

[資産]

流動資産は、前連結会計年度末に比べて13億3百万円増加し、283億15百万円となりました。これは受取手形及び売掛金が13億46百万円、電子記録債権(流動資産の「その他」)が2億4百万円、原材料及び貯蔵品が82百万円それぞれ増加しましたが、現金及び預金が3億80百万円、商品及び製品が29百万円それぞれ減少したことなどによります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて27百万円増加し、287億97百万円となりました。これは投資有価証券が7億46百万円、建物及び構築物が6億96百万円それぞれ増加しましたが、土地が7億77百万円、建設仮勘定が5億78百万円それぞれ減少したことなどによります。

この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて13億31百万円増加し、571億13百万円となりました。

[負債]

流動負債は、前連結会計年度末に比べて1億57百万円減少し、173億73百万円となりました。これは未払法人税等が3億59百万円、未払金が2億13百万円、賞与引当金が2億円それぞれ増加しましたが、短期借入金が5億65百万円、支払手形及び買掛金が4億49百万円それぞれ減少したことなどによります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて4億50百万円減少し、116億93百万円となりました。これは長期借入金が2億89百万円減少したことなどによります。

[純資産]

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて19億39百万円増加し、280億46百万円となりました。これは利益剰余金が9億85百万円、その他有価証券評価差額金が4億50百万円、退職給付に係る調整累計額が2億80百万円それぞれ増加したことなどによります。

この結果、自己資本比率は45.2%となり、前連結会計年度末に比べて2.0ポイント上昇いたしました。

 

② キャッシュ・フローの状況

(1)キャッシュ・フロー及び流動性の状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、24億7百万円の収入(前年同期比14億70百万円収入減)となりました。主な内訳として、収入については、税金等調整前当期純利益28億13百万円、減価償却費16億23百万円、減損損失3億18百万円であり、支出については、売上債権の増加額12億3百万円、法人税等の支払額7億90百万円、仕入債務の減少額6億81百万円であります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、5億18百万円の支出(前年同期比25億44百万円支出減)となりました。主な内訳として、収入については、有形固定資産の売却による収入13億83百万円、支出については、有形固定資産の取得による支出16億59百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1億34百万円であります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、22億69百万円の支出(前年同期比20億2百万円の支出増)となりました。主な内訳として、収入については、長期借入れによる収入35億25百万円、支出については、長期借入金の返済による支出39億56百万円、短期借入金の減少額11億91百万円であります。

この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は前連結会計年度末より3億80百万円減少し、64億26百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの配分と資本政策

営業キャッシュ・フローの配分については財務基盤の確立を目指しつつ、企業価値向上に資する投資を積極的に行うとともに、株主還元に配慮した適正配分に努めてまいります。

事業への配分については紙器包装事業、BPO事業、環境配慮型製品、防災復興関連製品の開発など収益力の高い事業や成長力のある新規事業、ニューノーマルに対応した事業への投資を安定的かつ継続的に実施してまいります。

株主還元については安定的な配当の維持並びに経営基盤の強化と今後の事業展開を勘案した上で、この両者をバランスよく回転させることを基本方針としております。連結配当性向は30%~40%を維持してまいります。

 

(3)資金調達の方針

資金調達については、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の安全性維持を基本方針としており、主として銀行、生保からの短期及び長期借入金により資金調達を行っております。子会社については原則として外部からの資金調達を行わず、グループファイナンスを活用し、資金調達の一元化により資金の効率化及び流動性の確保を図っています。また事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応を図るため十分な現金同等物を保有しております。

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

ビジネスプロセスソリューション事業

23,064

94.5

コンシューマーコミュニケーション事業

7,162

106.0

オフィスアプライアンス事業

2,214

92.1

エネルギー事業

1,705

113.5

その他

107

81.7

合計

34,254

97.3

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は販売価格によっております。

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 なお、受注生産を行っている事業はビジネスプロセスソリューション事業であり、主なものは図書製本、法人向け手帳、データプリントサービス等であります。一方、コンシューマーコミュニケーション事業、オフィスアプライアンス事業、エネルギー事業及びその他は、見込み生産であり、受注生産の割合が僅少である事業、または、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まない事業のため、記載は省略しております。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

ビジネスプロセスソリューション事業

32,658

87.4

2,962

78.6

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

ビジネスプロセスソリューション事業

32,996

91.3

コンシューマーコミュニケーション事業

21,280

105.7

オフィスアプライアンス事業

7,566

101.9

エネルギー事業

1,705

113.5

その他

96

74.3

合計

63,644

97.5

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 当連結会計年度における相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10未満の相手先のみであるため、記載を省略しております。

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

新型コロナウイルス感染症の影響により各種試験運営実施の延期や自粛、ノベルティ制作および容器包装関連においては販売促進キャンペーンや各種イベントの中止等は引き続き予想はされますが、飛沫飛散低減対策製品や在宅勤務による家庭での仕事環境の整備、オフィスでのフリーアドレスやリモートワークなどのオフィス環境の改善については引き続きニーズが強いものと予想されます。また官公庁や民間企業ではアウトソーシングする業務が増え、製本や資料の電子化業務や公共図書館の委託業務は伸長するものと思われます。

このように当社グループ事業への影響は、事業によってその影響や程度が異なるものの、今後ワクチンが普及していくことから概ね1年程度で回復すると見込んでおり、当社グループの業績への影響は限定的であるとの仮定のもと、以下の会計上の見積りを行っております。

なお、連結財務諸表作成時点において入手可能な情報に基づいた最善の見積りを行っているものの、新型コロナウイルス感染拡大による影響は不確定要素が多く、感染状況や経済環境への影響が変化した場合には、最善の見積りを行った結果としての見積もられた金額と事後的な結果との間に乖離が生じる可能性があります。

・固定資産の減損処理

 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

・繰延税金資産

 繰延税金資産は入手可能な証拠に基づいて将来の回収可能性を十分に検討し回収可能な額を計上しております。繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上いたします。同様に計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後回収できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。

・退職給付費用

 確定給付費用及び確定給付制度債務は、割引率、退職率及び死亡率など年金数理計算上の基礎率に基づき見積もっております。数理計算上の基礎率や計算方法は適切であると考えておりますが、基礎率の変動が確定給付費用及び確定給付制度債務に重要な影響を及ぼします。

 なお当社及び一部の連結子会社の割引率は高格付けの社債の利回りに基づき決定しております。

・関係会社株式

 時価を把握することが極めて困難と認められる関係会社株式について、関係会社の財政状態の悪化により、実質価額が著しく低下したときは、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除いて、評価損を認識しております。

② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

14ページ 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]

(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況をご参照ください。

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

16ページ 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]

(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況をご参照ください。

 

④ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況

当社グループは2019年3月期から2021年3月期までの中期経営計画「総・想・創」(そう・そう・そう)に基づき、「収益力の強化」「成長力の推進」「株主価値向上」を基本方針とし、「ナカバヤシからの6つの約束」を目標として掲げ、その達成に向けた諸施策を実施してまいりました。

その達成状況については次のとおりです。

(1)基本方針の達成状況

◯「収益力の強化」

 ブランドイメージを確立するために、若年層への認知度向上策として頑張る若者を応援する施策をCM制作、イベント協賛、アニメーション映画協賛にて継続して実施し、全世代向け認知度向上策としてスポーツイベントへの協賛やラジオCMを実施しました。また付加価値の高い製品開発に取り組み環境配慮関連、防災関連、働き方改革関連、GIGAスクール構想関連にて成果が上がっております。グループ会社間のシナジー効果も出てきており、当社、日本通信紙㈱及び国際チャート㈱の3社の資産を有効に使い繁閑の平準化も図っております。

◯「成長力の推進」

 紙器包装関連事業・シールラベル事業・調光ガラス「N-Smart」・ベッド等寝具事業・図書館指定管理事業など、事業多角化を図り、工場間のシナジー効果も発揮しました。

 海外販路の開拓については、大きな成果は得られませんでしたが、筆記具のTACCIAブランドや紙製品のNCLブランドを軸に中国、アジア、北米向けの展示会やWeb商談会を活用して販路開拓を実施しました。

◯「株主価値向上」

 成長分野の事業への積極的な投資を実施するとともに、配当性向も30%以上を維持しました。しかしROEは8.5%の目標を掲げておりましたが、実績は6.2%に留まりました。

(2)「ナカバヤシからの6つの約束」の達成状況

◯2021年3月期の売上高660億円、経常利益6%の達成

 

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

売上高

64,054百万円

65,309百万円

63,644百万円

経常利益率

3.9%

4.2%

4.7%

◯2021年3月期ROE8.5%の達成

 

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

ROE

6.8%

6.6%

6.2%

◯有利子負債20%の圧縮の達成

 

基準値

(2018年3月期)

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

有利子負債残高

13,332百万円

12,931百万円

13,306百万円

12,219百万円

基準値比増減額

    増減率

 

△401百万円

(△3.0%)

△26百万円

(△0.2%)

△1,113百万円

(△8.3%)

◯配当性向30%~40%の堅持

 

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

配当性向

36.5%

36.3%

36.5%

 

◯グループの再編、シナジーの創出

 2018年4月に連結子会社のカグクロ株式会社が同社の子会社である有限会社マルヨシ民芸家具を吸収合併いたしました。さらに2019年1月には同じく連結子会社のカグクロ株式会社がベッドなどのネット通販を営む株式会社ビックスリーをM&Aにより100%子会社とし、商品や販路の拡充を図りました。

 2019年10月には連結子会社の兵庫ナカバヤシ株式会社を吸収合併し、生産面での効率化や採算性の改善に取り組みました。

 2020年4月にはパッケージ事業を営む不二工芸印刷株式会社をM&Aにより100%子会社化とし、紙器及び紙製包材のビジネス強化に取り組みました。

 2020年10月には連結子会社のフランクリン・プランナー・ジャパン株式会社を吸収合併し、営業力の強化と合理化の推進に取り組みました。

◯多様な働き方の実践

 ワークライフバランス促進と、育児休業を取得する方へのサポート体制が認められ、2019年に「くるみん」認証を取得いたしました。また、時間有給休暇・一斉カエルDay(定時退社日)・ジョブリターン制度・サテライトオフィス・フリーアドレス制などを導入いたしました。さらに新型コロナウイルス感染拡大に伴い在宅勤務や時差出勤などを推進し、よりよい働き方で高い成果を追求してまいりました。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、独創的な製品の開発、生産技術の開発を主として積極的な活動を行っております。当連結会計年度における研究開発費は167百万円となりました。

 ビジネスプロセスソリューション事業においては、半自動パット入れ機、自動小口曲げ機を開発いたしました。

 このビジネスプロセスソリューション事業に係る当連結会計年度の研究開発費は72百万円となりました。

 コンシューマーコミュニケーション事業においては、飛沫飛散低減対策用品のアクリル製や段ボール製パーティション、足踏み消毒ポンプスタンド、「GIGAスクール構想」対応製品のタブレット保管庫、証書自動見返紙貼機を開発いたしました。

 このコンシューマーコミュニケーション事業に係る当連結会計年度の研究開発費は72百万円となりました。

 オフィスアプライアンス事業においては、主に製造子会社が様々なシュレッダの開発・製品化に取り組んでおります。また、ブレーキプレス供給装置の開発に取り組みました。

 このオフィスアプライアンス事業に係る当連結会計年度の研究開発費は22百万円となりました。