第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、「基本方針」を次のとおり定めております。

・当社は、世界で最も優れた商品を造り創る。

・当社は、世界に安心を売る会社である。

・当社は、世界の未来の技術のニーズに挑戦する。

・当社は、世界のために役立つ仕事をしている集団である。

 

 上記基本方針にもとづき、当社グループは、エレクトロニクス産業に不可欠な部材であるコンデンサ用セパレータ・電池用セパレータを供給することにより顧客満足度を高め、エレクトロニクス産業の発展に寄与し、世界に役立つ仕事をしている集団であることを企業理念として高品質な製品をもとに事業活動を展開しております。今後も、当社社員一人一人が能力向上と自己革新に取り組みながら多様化・複雑化するニーズに応え、お客様との強固な信頼関係を構築することでさらなる企業価値の向上をはかってまいります。

 当社は、2019年5月、日本政策投資銀行(DBJ)が提供する「DBJ健康経営格付」の最高ランクを取得しております。さらに、2020年3月には従業員の健康管理に戦略的に取り組んでいる企業として、経済産業省、東京証券取引所が共同で実施し、上場企業の中から「健康経営銘柄」として選定する30業種40社に初めて選ばれました。当社は、1業種で1社の選定が基本とされるなか、パルプ・紙業種で唯一の選定となりました。

 これらは、従業員の健康管理、安全衛生面を重視した当社の地道な取り組みが評価されたものと受け止めております。

 これからも、次のふたつの重点方針を掲げ、持続可能な企業として事業活動を展開してまいります。

 ①安全・健康はすべてに優先する

  安全・健康管理体制の確立と従業員に対する安全衛生教育の徹底をはかり、無事故・無災害の職場を実現するための取り組みにより、安全で健康な職場づくりを進めてまいります。

 ②人と自然にやさしい企業活動

  地球環境の保全が全人類共通の最重要課題の一つであることを認識し、「人と自然にやさしい企業活動」を通じて、SDGsの達成を目指してまいります。これにより、持続可能な社会の実現に貢献し、お客様、株主、従業員、地域社会など様々なステークホルダーから信頼される企業づくりを進めてまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、株主利益重視の観点から、安定的に自己資本当期純利益率(ROE)8%以上を目標としております。

 

(3) 経営環境

 足元の世界経済および日本経済は、感染が拡大した新型コロナウイルスの影響・収束時期が不透明な状況です。工作機械の受注回復に遅れが生じ、自動車の販売台数も世界的に落ち込んでおりますが、テレワークの推進によりノートPCの販売台数が増え、データセンターや5G基地局の設置も進むなど多岐にわたる市場に影響が及んでおります。

 中長期的には、省力化につながる工作機械などの産業機器市場やグローバルでの省エネニーズ拡大によりインバータ化率上昇が続くエアコンなどの白物家電市場、自動運転などに代表されるCASE市場の伸張が見込まれる車載向けに加え、市場拡大が続くIoTや5G関連などのICT市場においてコンデンサ用セパレータの需要増加を見込んでおります。電池用セパレータにおきましては、燃費向上を目的とした採用車種の増加が続くリチウムイオン電池用を中心に堅調な推移を見込みます。

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略および会社の対処すべき課題

 当社グループは、事業内容について選択と集中を基本に重点課題を明確にし、経営資源の有効な投入および活用を進めております。安定供給体制を構築するべく取り組んできたBCM活動をさらに推進するとともに、製品の供給に不可欠である原料の安定調達につきましてもSCMの観点から、しっかりと対応してまいります。

 主力のコンデンサ用セパレータは、データセンターや5G基地局向けでの需要拡大が見込まれる導電性高分子固体コンデンサおよびハイブリッドコンデンサ用セパレータなどの高品質・高信頼性製品を安定供給できる当社の強みを活かして成長市場への拡販に努めてまいります。

 また、需要拡大が進む電池用セパレータは、当社の独自技術にもとづく電気二重層キャパシタおよびリチウムイオン電池用セパレータなどの新製品開発のスピードアップに加えて、現場力のさらなる向上を目指した効率的な生産とコスト削減に引き続き取り組み、企業価値の向上をはかってまいります。

 当社グループは、今後も、ESG(環境、社会、ガバナンス)を念頭に置き、地球環境の保全や地域社会への貢献、グループ全体のガバナンス体制の強化、企業倫理の徹底等を通じて、社会や市場の中で信頼され、必要とされる企業を目指して努力してまいります。

 

2【事業等のリスク】

  有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)特定品目への依存について

  高い市場シェアを有している主力のアルミ電解コンデンサ用セパレータの売上が、当連結会計年度の売上高全体に占める割合は約8割であり、世界の需要動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。需要拡大が見込まれる電池用セパレータを拡販することで、業績の安定に努めてまいります。

 

(2)設備投資による影響について

  コンデンサ用セパレータにおいて高い市場シェアを有している当社グループでは、ユーザーへの安定供給体制を確保していくため、需要予測にもとづく生産能力増強のための設備投資を計画的に実施いたします。製造設備の新設・増設には多額の設備投資を必要とする業態であり、多額の投資を実施した直後の年度においては、売上高に対する減価償却費の比率が比較的高くなる傾向があります。

  また、減価償却費負担および借入金増加による支払利息の増加などにより、一時的にグループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)自然災害および火災による影響について

  当社グループは、南海トラフ大地震などの地震、台風や大雨などの風水害による自然災害および火災発生によるリスクを軽減するため、同時被災防止の観点で、高知県側の3工場に加え、抄造工程を受け持つ米子工場を稼働させ、裁断工程を受け持つ子会社をマレーシアに設立するなど、安定供給体制の構築をはかっております。生産拠点の分散をはじめ、様々な災害を想定した対策を実施しておりますが、災害が発生した場合には、従業員の安全の確保や原材料の確保、生産の継続等に支障をきたし、グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

  当社グループでは、全社組織である「BCM推進会議」の運営を通じて、「従業員の安全確保」および「お客様への安定供給」の全社的な推進・浸透をはかっております。こうした当社の取り組みは、2014年に日本政策投資銀行(DBJ)の「BCM格付融資」において、最高ランクで認定されるなど、しっかりと評価されているものと認識しております。

  今後も、災害を想定した訓練や早期復旧につながる保険付保などの対策に加え、グループ全体での生産体制の構築、サプライチェーンの強化に向けてBCMの実効性・実用性について評価・改善に取り組んでまいります。

 

(4)感染症によるリスクについて

  当社グループでは、新型インフルエンザなどの感染拡大を防止するため、従業員へのインフルエンザ予防接種の実施、事業所での消毒液やマスクの備蓄などをおこなっておりますが、マレーシアの現地子会社を含めた各事業所において感染症が発生した場合、製品供給に支障をきたし、事業所の閉鎖や操業停止などにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

  また、「安全・健康はすべてに優先する」という経営方針のもと、今般の新型コロナウイルス感染拡大に際して対策本部を立ち上げ、会議体の縮小、事業所間の移動禁止、出勤時の検温、マスク着用などの予防体制を構築するとともに、テレワークの開始などを進め、従業員の安全を確保し感染予防に努めております。加えて、当社製品を安定的に供給するため製品在庫の積み増しを行い、お客様に安心していただくとともに、不測の事態に備え手元資金の積み増しなどの対策を講じております。

 

(5)価格競争について

  当社グループは、これまで顧客と築いてきた信頼関係をもとに、高品質・高信頼性製品を安定供給できることが大きな強みであり、成長市場での拡販に努めております。アルミ電解コンデンサにつきましては、コンデンサメーカーにおけるグローバルでの競争が激しくなっており、将来的に当社のコンデンサ用セパレータ販売価格への下落圧力が強まる可能性があります。電池におきましては、リチウムイオン電池市場が成長しているものの、激しい価格競争の影響を受け、使用する部材の低価格化が進んでおります。今後も、他社と差別化できる高品質・高信頼性製品の安定供給をもって事業を運営してまいりますが、価格競争リスクが当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(6)原材料調達リスクについて

  当社グループは、製品の主要原材料であるパルプの多くを海外から輸入しております。気候変動や政情不安による供給不足が発生した場合に備えて原則2社購買とするとともに、供給不安が少ない原材料に切り替えるなど安定調達に努めておりますが、品質、供給能力の問題から調達が困難となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(7)為替レートの変動による影響について

  当社グループの製品販売および原材料仕入は、一部外貨建ての取引となっているため、為替相場の変動は、外貨建て取引により発生する資産・負債に影響を与える可能性があります。為替相場の変動リスクを軽減するために、為替変動リスク管理規定を設け、為替予約や外貨建て借入を実行できる体制となっておりますが、完全に排除できるものではなく、為替変動リスクが当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(8)エネルギー価格変動

  当社グループは、セパレータの製造において電力、重油、LNGを使用しております。省エネ効果が得られる設備投資や省エネ活動の推進によりエネルギー使用量の削減に努めておりますが、電力費、原油およびLNG価格の変動が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(9)人材確保におけるリスクについて

  当社グループの競争力を維持、向上させるためには、製品開発および製造などに必要な人材を安定して採用、確保し続ける必要があります。計画的な新卒採用や中途採用に加え、「安全・健康はすべてに優先する」という経営方針のもと、働きやすい職場づくりに努め、人材の定着をはかっておりますが、少子高齢化にともなう労働人口の減少などにより優秀な人材の確保が困難となり、当社グループの事業展開などに影響を与える可能性があります。

 

(10)海外展開におけるリスクについて

  当社は、海外に子会社を保有しています。グループ間で常に情報を共有し対応できる体制を整備しておりますが、進出国において、法規制の改正や変更、政治情勢および経済状況の変化、戦争やテロによる社会的混乱、労働争議などが発生した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(11)企業の社会的責任に関するリスクについて

  当社グループは、持続可能な社会実現のため、地球環境への配慮・労働環境の整備・人権の尊重などに代表される企業の社会的責任を重要な経営課題と認識し、その実現に向けた行動をSCMを含む事業活動の中で取り組んでおります。事業活動において、環境汚染、労働災害の発生などの労働安全衛生に関する問題、または、児童労働、強制労働などの人権に関する問題が生じた場合、当社グループの社会的な信用が低下し、顧客からの取引停止、または、事業からの一部撤退などにより、業績に影響を与える可能性があります。

 

(12)情報流出リスクについて

  当社グループは、技術情報などの機密情報や顧客などに関する情報を保有しております。外部への情報流出を防止するためのセキュリティシステム強化、定期的な社内教育の実施などの対策をおこなっておりますが、情報が流出した場合、当社グループの社会的信用の失墜による企業価値の低下、情報流出により被害を受けた顧客などへの補償等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績等の概要

  ①業績

当連結会計年度の世界経済およびわが国経済につきましては、米中貿易摩擦の影響が残る中、期末にかけて新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な経済活動への影響があり、予断を許さない状況となりました。

当社グループの関連市場であるエレクトロニクス業界におきましては、データセンター需要の復調や5Gの本格的な普及に向けた基地局などへの設備投資が期待されているものの、市況に持ち直しの動きがみられない状況が続きました。

このような状況の中、コンデンサ用セパレータは、車載向けで自動車の電装化率上昇による部品搭載点数の増加はあるものの、世界的な生産台数減少の影響が大きく、あわせて、工作機械などの産業機器向けの需要低迷もあり、当連結会計年度の売上高は10,034百万円(前連結会計年度比1,741百万円、14.8%減)となりました

電池用セパレータは、海外における風力発電やスマートメーター向けの電気二重層キャパシタ用が年間を通じて好調に推移したことに加え、車載向け大型リチウムイオン電池用が燃費向上を目的とした採用車種の増加にともない需要拡大したため、当連結会計年度の売上高は3,065百万円(前連結会計年度比960百万円、45.6%増)となりました。

この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、電池用セパレータがリチウムイオン電池用を中心に大幅な伸張となりましたが、主力のコンデンサ用セパレータの需要は回復に至らず、13,099百万円(前連結会計年度比1,273百万円、8.9%減)となりました。

 利益面におきましては、売上高減少とそれにともなう稼働率低下による原価率上昇などにより、営業利益は995百万円(前連結会計年度比351百万円、26.1%減)、経常利益は970百万円(前連結会計年度比342百万円、26.1%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、子会社譲渡による特別利益などを計上した前連結会計年度比で減少し、691百万円(前連結会計年度比803百万円、53.8%減)となりました

  (注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

  ②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,792百万円(前連結会計年度末比437百万円、32.3%増)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 税金等調整前当期純利益970百万円、減価償却費1,254百万円、売上債権の増加額274百万円、法人税等の還付額238百万円等により、営業活動の結果得られた資金は2,438百万円(前連結会計年比1,021百万円、72.0%の収入増)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 有形固定資産の取得による支出1,032百万円等により、投資活動の結果使用した資金は1,060百万円(前連結会計年度比535百万円、102.0%の支出増)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 短期借入金の純減460百万円、長期借入れ1,200百万円の実施および約定返済1,457百万円等により、財務活動の結果使用した資金は933百万円(前連結会計年度比132百万円、12.4%の支出減)となりました。

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

①生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

セパレータ事業(千円)

13,127,151

△8.1

合計(千円)

13,127,151

△8.1

 (注)1.金額は、販売価格により表示しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

②受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

セパレータ事業

13,323,368

△6.1

926,284

31.9

合計

13,323,368

△6.1

926,284

31.9

 (注)1.金額は、販売価格により表示しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

③販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

セパレータ事業(千円)

13,099,452

△8.9

合計(千円)

13,099,452

△8.9

 (注)1.主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する当該販売実績の割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

金額(千円)

総販売実績に対する割合(%)

金額(千円)

総販売実績に対する割合(%)

王子エフテックス㈱

8,273,533

57.6

7,131,027

54.4

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 ①財政状態に関する分析

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ178百万円減少し、22,304百万円となりました。

 流動資産は、受取手形及び売掛金の増加、その他流動資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ287百万円増加し、11,489百万円となりました。

 固定資産は、有形固定資産の取得および減価償却実施等により、前連結会計年度末に比べ465百万円減少し、10,815百万円となりました。

 負債は、前連結会計年度末に比べ635百万円減少し、7,594百万円となりました。

 流動負債は、短期借入金の純減等により、前連結会計年度末に比べ495百万円減少し、4,914百万円となりました。

 固定負債は、長期借入金の新規調達および約定返済等により、前連結会計年度末に比べ140百万円減少し、2,679百万円となりました。

 純資産は、剰余金の配当の実施、親会社株主に帰属する当期純利益691百万円を計上したことによる利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ457百万円増加し、14,710百万円となりました。

 

 ②経営成績に関する分析

 「第2 事業の状況、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1) 業績等の概要、①業績」をご参照ください。

 

 ③キャッシュ・フローに関する分析

 当社グループの「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、期中における営業活動の成果である税金等調整前当期純損益および減価償却費のほか、売上債権、たな卸資産、仕入債務の増減および法人税等の支払に大きく影響を受けております。

 当連結会計年度の状況は、「第2 事業の状況、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1) 業績等の概要、②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

区分

第88期

2018年3月

第89期

2019年3月

第90期

2020年3月

税金等調整前当期純利益(百万円)

855

1,436

970

減価償却費(百万円)

1,407

1,194

1,254

売上債権の増減額(百万円)

△1,248

587

△274

たな卸資産の増減額(百万円)

△456

△893

54

仕入債務の増減額(百万円)

262

△29

△113

法人税等の支払額(百万円)

△320

△614

△28

その他(百万円)

1,267

△263

576

営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

1,767

1,417

2,438

 

 

 ④資本の財源および資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品の主要原材料であるパルプの購入費用および動力費のほか、製造費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、セパレータ事業における設備投資等によるものであります。

 また、当社グループは、設備投資計画に照らして、必要な資金を主に銀行等金融機関からの借入により調達するとともに、短期的な運転資金を銀行借入および売掛債権の流動化により調達しております。

 2020年3月31日現在の主な契約債務の概要は以下のとおりであります。

 

年度別要支払額(百万円)

契約債務

1年以内

1年超

2年以内

2年超

3年以内

3年超

4年以内

4年超

5年以内

5年超

短期借入金

542

長期借入金(*1)

1,156

564

439

315

45

合計

1,699

564

439

315

45

 (*1)1年内返済予定長期借入金は、長期借入金に含めております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績を勘案するなど、可能な限り合理的な根拠を有した仮定や基準を設定した上で実施しております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性がともなうため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

 

(5) 経営上の目標の達成状況について

 当社グループは、株主利益重視の観点から、資本効率を高めるために、収益性の向上を目標として事業を推進しており、安定的に自己資本当期純利益率(ROE)8%以上を目標としております。

 当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は4.8%(前連結会計年度比6.2ポイントマイナス)でした。引き続き当該指標の達成に向けて取り組んでまいります。

 

4【経営上の重要な契約等】

  アルミ電解コンデンサ用セパレータの継続的売買に関する契約

  当社は1972年8月、本州製紙㈱との間で、アルミ電解コンデンサ用セパレータの生産・販売に関する業務ならびに資本提携について「業務提携に関する基本契約」ならびに取引細目についての覚書を締結し、これに基づき、両社が契約するアルミ電解コンデンサ用セパレータは当社が生産し、同社を通じて全量当社商標で販売してまいりました。

  この契約のうち、生産・販売の相互の業務分担を定めた条項、および同社の資本出資比率等を定めている資本提携に関する条項の削除を両社合意し、改めて「生産および販売に関する基本契約」として、1995年8月18日、契約更改し締結いたしました。

  1996年10月1日、本州製紙㈱と新王子製紙㈱との合併により、本契約は合併新会社である王子製紙㈱に継承されており、さらに2004年10月1日付で、王子製紙㈱特殊紙部門と富士製紙㈱との統合により設立された王子特殊紙㈱(2012年10月1日をもって王子エフテックス㈱に社名変更)に継承されております。

  契約の内容は、次のとおりであります。

「生産および販売に関する基本契約」

契約期間

5年間、以後3年間単位で異議申し立てのない限り自動延長

契約内容

①  当社は、同社に対してアルミ電解コンデンサ用セパレータを継続的に売渡し、同社はこれを買受ける。

 

②  同社が販売を望む当社のアルミ電解コンデンサ用セパレータは、全量同社が販売するものとし、当社は同社が必要とする全量を同社に供給する。

 

③  当社のアルミ電解コンデンサ用セパレータは、全て当社の商標で販売するものとする。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、ユーザー・メーカーの技術動向に対応し、各ユーザーとの情報交換・技術交流を密接におこなっており、ニーズに適合した製品の改良・新製品の開発に取り組み、さらに今後の技術発展動向とニーズを先取りしていく技術開発を重視し、研究開発活動をすすめております。

 当社グループの研究開発活動は、当社のセパレータ事業および全社でおこなっており、当連結会計年度における主な研究開発分野および成果は次のとおりであります。

 

セパレータ事業

(コンデンサ用セパレータ)

 アルミ電解コンデンサの小型大容量化・高温長寿命化・高周波低インピーダンス化・耐リップル性を改善するセパレータの開発をおこなっております。

 また、当社製品の品質に適合した原料パルプおよび新素材の研究開発に継続的に取り組んでおります。

 当連結会計年度においては、省エネ家電や太陽光発電・風力発電等のインバータ用途等に向け、高耐圧で電気特性に優れた中高圧コンデンサ用セパレータの開発を進めました。また、自動車の電動化や自動運転技術などの開発およびIoTや5G関連の市場拡大に応えるため、薄型で耐ショート性能に優れた信頼性の高い低圧コンデンサ用セパレータの開発を進めるとともに、高性能の導電性高分子固体コンデンサ用セパレータの開発を進めました。

(電池用セパレータ)

 自動車の減速エネルギー回生システムなどの省エネ型車両用途や太陽光発電・風力発電等の環境・エネルギー分野の拡大に対応するため、より高性能・高品質の電池用セパレータの開発をおこなっております。

 当連結会計年度においては、ユーザーニーズへの細やかな対応をおこなうため、電気二重層キャパシタ用セパレータのラインナップ拡充やリチウムイオン電池用セパレータの更なる薄型化、原料パルプおよび新素材の研究開発に取り組みました。

 

全社

 新素材および新技術を用いた製品開発等の基礎研究をおこなっております。

 

 なお、当連結会計年度における研究開発費をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

セパレータ事業

426,374

全社(注)

20,095

合計

446,470

 (注)特定のセグメントに区分できない研究開発費であります。