文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「お客様の満足」「利益の確保」「株主への還元」の三つのバランスを取りつつ、同時に充足させることが必要と考え、経営に取り組んでおります。
当社グループは創業以来、生産物を全国に安心・安全・適正な形でお届けするために必要な製品を開発し、提供していくことで、社会に貢献することを目指してきました。そのためには、顧客満足の向上と同時に、従業員はもとより、お取引先、株主・投資家、そして地域社会の皆さまと良好な関係を構築していくことが重要であると認識しております。
また、当社グループは、取り巻く経営環境が大きく変化するなか、持続的な成長を目指すべく、2022年に新たに企業理念を制定いたしました。当社が、重包装袋の製造販売会社として、長年の経験と技術開発力を活かし、安心・安全な製品を提供し続けることで、物流という社会基盤を支えるとともに、当社グループは常に時代の要請に敏感な企業集団として、環境の保全に対応した製品開発活動で、クリーンで豊かな社会の維持向上に貢献してまいります。
新しい企業理念、ミッション、ビジョン、バリュー、行動指針は以下のとおりであります。
●新しい企業理念
「お客様からお客様へ、安心で豊かな未来を願い包装の“カタチ”を創り続ける」
●ミッション(使命)
「安心・安全な製品を、安定供給することで物流という社会基盤を支える」
●ビジョン(目指す未来)
「お客様と社会の様々なニーズに応える最適な製品を開発、製造、納入できる体制を整備し、豊かな未来をクリエイトする」
●バリュー(約束する価値)
①信頼の供給力
②確かな品質
③新しい提案力
④環境に対応する力
⑤誠実な経営
●行動指針
①課題解決に向けスピードをもって実践する
②あらゆる可能性を粘り強く探求する
③お客様と仲間に尊敬と感謝の心を持ち、ともに成長していく
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社は、2022年度を初年度とする中期経営計画「PAXXS Vision-2030」を策定いたしました。計画は2段階の構想とし、段階的に取り組むべき経営課題に向き合い、解決していくことを想定しています。1st STAGE(2022~2026年度)では喫緊の課題へリソースを注ぎ、企業運営基盤の整備と意識改革を推進します。また、開発体制、生産設備、人への投資を積極的に行ない、持続的成長と企業価値の向上を目指します。2nd STAGE(2027~2030年度)では1st STAGEでの取組みを着実に推進して、製品・サービスを拡充させ顧客満足度を高めます。さらに次のSTAGEへ向けて新しい価値の創造・投資に取り組んでまいります。
中期経営計画「PAXXS Vision-2030」
「ニーズをカタチに」:お客様が満足される製品を開発・供給する
「品質の追求を」:いつも安心・安全な品質を素早くお届けする
「仕事に自信を」:“働くことの満足感”を得られる職場環境づくり
重包装分野では、得意とする合成樹脂分野をはじめ各分野で、時代の趨勢にあった生産・販売体制、即ちAI・画像センサーによる品質管理システムや、新しい顧客ニーズに素早く対応できる営業体制の構築でシェア拡大を図り、フィルム分野では、産業用フィルム、農業用フィルムの両面で機能開発、用途開発を行って販売活動を更に推し進めるなど、現有事業の強化拡大に努めてまいります。同時に、物流および包装に係る新製品開発・新市場創造および新事業進出に積極的に取り組んで新たな成長を図ります。
お客様の新たなニーズに「最適な包装のカタチ」でお応えすることで、持続可能な社会に貢献を続ける100年企業を目指します。
(3)経営環境
当社グループの事業は産業用包装資材の製造・販売であり、当社グループの収益は、大口顧客である素材産業や農水産業の生産高の増減、ひいては景気の動向に大きく左右されます。世界経済が新型コロナウィルス感染症流行による落ち込みから回復に向かったものの、供給体制の復旧が遅れたために、原油価格の高騰に始まって資源価格全般が値上がりし、サプライチェーンの混乱で部材供給にも支障が出ました。当社グループにおいてもレジン関連を中心に原材料が値上がりしました。そこに2022年に入ってウクライナ情勢激変による供給不安が加わり、資源価格はさらに騰勢を強めています。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
優先的に対処すべき事業上の課題は、原材料値上がりへの対応です。世界的に資源価格が騰勢を強める中にあって、当社グループもレジン関連にとどまらず、クラフト紙、副資材すべての原材料の価格が相当に上昇することを覚悟せざるを得ません。当社グループの主要製品は産業の基本素材や農業分野に不可欠な包装資材であり、需要に応えた供給を第一に、製造コストをマネージしつつも、お客様の理解も得ながら売上、利益の確保に努めてまいります。
財務上の課題は、設備導入・更新やリスク対応に必要な資金を投じながらも、健全な財務体質を保ち続けることです。また、スタンダード市場に上場する企業として、コーポレートガバナンスコードを踏まえガバナンスを強化して、「お客様からお客様へ、安心で豊かな未来を願い包装の“カタチ”を創り続ける」を企業理念とし、100周年の未来につなげてまいります。
(5)目標とする経営指標
経営指標としては、1株当たり当期純利益(EPS)、株主資本利益率(ROE)を重視して経営にあたっております。過去の実績は、EPSが260.07円(2019年3月期)、233.24円(2020年3月期)、202.93円(2021年3月期)、ROEが7.5%(2019年3月期)、6.5%(2020年3月期)、5.2%(2021年3月期)でした。当期のEPSは248.24円、ROEは5.8%でどちらも前期を上回りました。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものでありますが、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難である場合は記載しておりません。
当社は、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止を図っております。
○景気変動の影響について
事業の性質上、当社グループの業績は景気変動の影響を大きく受けます。景気の後退で顧客である素材産業や食品産業、農水産業の生産が縮小した場合、当社グループの売上もそれに応じて縮小が避けられません。また、自然災害や感染症の流行などが発生し、鉱工業、農水産業の生産に影響が及んだ場合も同様です。2022年3月期は新型コロナウィルス感染症の流行による落ち込みから回復に向かったものの、新連結会計年度は資源価格の高騰や世界的なサプライチェーンの混乱などによる景気の変調が懸念され、その場合は、当社グループの売上も制約を受けることになります。
○為替変動の影響について
当社グループの事業、業績および財務状況は、為替相場の変動によって影響を受けます。タイ昭和パックス㈱における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算されております。換算時の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらずとも円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、為替動向は外貨建てで取引されている製品価格および売上高にも影響を与える可能性があります。なお、タイ昭和パックス㈱の売上、資産が連結財務諸表に占める割合はいずれも10~15%の範囲であり、リスクの規模は自ずと限定されます。
○原材料の市況変動の影響について
重包装袋セグメントではクラフト紙、フィルム製品セグメントではレジン(ポリエチレン・ポリスチレン樹脂)を主要な原材料として使用しております。この原材料価格が当社グループの原価率を左右するため、現在の趨勢の通りに上昇を続けた場合は、当社の業績に相当な影響が及ぶことが危惧されます。なお、原材料市況は国内外の様々な要因で変動するものであり、予測は困難です。
○投資有価証券について
当社グループは株式等の投資有価証券を保有しており、株式市況の変動でその時価が大幅に下落した場合は、評価損の発生により一時的に当社グループの業績と財務状況に影響が及ぶ可能性があります。株式市況の2022年3月期末は前期末より少し下降しました。しかしながら、当社が保有する投資有価証券はもともと取得原価が低く、2022年3月期末の時価総額は取得原価を大幅に上回っております。銘柄別にみても取得原価を下回るものはごく僅かであります。
○退職給付債務について
当社の退職給付費用および退職給付債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当期にあっては前提条件から大きく異なることはありませんでした。
○法的規制変更の影響について
当社グループが事業を展開する国および地域において、当社グループは、予想外の規制の変更、法令の適用および行政の運用における不透明性ならびに法的責任にかかる不透明性に関連する多様なリスクにさらされています。当社グループが事業を展開する国および地域における規制または法令の重要な変更は、当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を与える可能性があります。
また、当社グループの事業は、大気汚染、水質汚濁、有害物質の使用および取扱い、廃棄物処理、製品リサイクルならびに土壌、地下水汚染を規制する様々な環境法令の適用を受けております。過去、現在および将来の製造に関し、当社グループは環境責任のリスクを抱えております。将来、環境に関する規制がより厳しくなり、有害物質等を除去する義務がさらに追加された場合には、これにかかる費用が当社グループの事業、業績および財務上に悪影響を与える可能性があります。
当期末時点において対応を迫られるような事例はないと認識しておりますが、将来の予測は困難です。
○災害発生の場合の影響について
地震、台風等の自然災害、火災等の事故災害が発生した場合、当社グループの拠点の設備等が損壊し、その一部または全部の操業が中断して生産および出荷が遅延する可能性があります。また、損壊した設備等の修復に多額の費用が必要となって、当社グループの事業、業績および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。本リスクについても予測は困難です。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という)等を適用しております。
これに伴い、当連結会計年度の売上高は収益認識会計基準等の適用前の従来基準と比較すると365百万円減少しましたが、営業利益、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益への影響は軽微にとどまりました。
以下の当期における経営成績に関する説明では、前年同期比の数字は、収益認識会計基準等の適用前の従来基準による前年同期の数字と比較しております。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)は前連結会計年度から引き続いて新型コロナウィルス感染症に影響された一年でした。世界経済は前連結会計年度の落込みから少しずつ上向きましたが、それでも感染症流行の波が常に世界のどこかを襲い、経済活動、サプライチェーンがコロナ前に復帰することを阻み続けました。我が国経済においても、感染拡大の波に合わせるように、景気が変動しました。実質GDPの四半期推移は、前連結会計年度の1~3月期がマイナス成長だった後、当連結会計年度4~6月期は小幅なプラス成長となりましたが、7~9月期は再びマイナスに沈み、10~12月期はプラスに復帰しました。年明け後も景気は緩やかに持ち直していましたが、オミクロン株の感染急拡大で個人消費にブレーキがかかり、輸入増が輸出の増加を上回って外需もマイナスとなったため1~3月期はマイナス成長となりました。さらに、ロシアのウクライナ侵攻で資源高に拍車がかかり、世界経済に不透明感が強まりました。
当連結会計年度の企業部門を四半期推移で見ると、製造業は、電子部品・デバイスや生産機械など資本財の輸出が牽引して4~6月期から生産と経常利益の回復が先行、7~9月期は部材供給の停滞による生産制約と原材料価格の値上がりで前期比減益となりましたが、10~12月期は輸出が持ち直して生産が復調、増益となりました。一方で、非製造業は、通信、情報サービス、建設等は改善したものの、宿泊・飲食サービス・旅客輸送等の個人消費関連は厳しい状況が続き、4~6月期、7~9月期と前期比減益が続きました。10~12月期はワクチン接種率の上昇と活動制限の緩和で対面型サービス消費が持ち直したことで、前期比増益となりました。年明け1~3月期はオミクロン株による自粛ムードの再燃と生産活動への影響、資源価格の上昇で伸び悩みとなり、製造業は前期比増益が持続しましたが、非製造業は減益となりました。
企業の設備投資は、デジタル化対応などへの投資意欲が高く、前連結会計年度に先送りを余儀なくされていた投資が再開の動きとなり、7~9月期こそ前期比で一時減少したものの、それ以外はプラスで推移しました。
個人消費は、感染拡大の波とそれに伴う活動制約の影響が大きく、4~6月期の前期比小幅なプラスの後、7~9月期はマイナスとなり、10~12月期は活動制限の緩和で大きくプラスとなりましたが、年明け後は再び自粛ムードが強まり、1~3月期はマイナスとなりました。
総じて当連結会計年度の我が国経済は、前連結会計年度の大きな落込みから、製造業を中心に回復を遂げましたが、非製造業は厳しい状況が続き、全体としてコロナ前の水準に戻るに至らず、先進各国に比べて回復の遅れが目立ちました。
現在、世界経済ではインフレ懸念や金融引締めによる金利上昇に、ウクライナ情勢の混迷が加わって、資源価格の高騰や金融市場の動揺といったマイナス影響の拡大が危惧される情勢になっています。
当社グループの主要事業は、国内の素材産業や農産物の生産動向に大きく影響される産業用包装資材の製造・販売です。当連結会計年度の当社グループは、内外の工業生産が前連結会計年度の落込みから徐々に復調したことを反映し、年度を通じて売上数量は前期比プラスで推移しました。懸念していた樹脂原料の値上がりの影響は、年度後半から顕在化しましたが、通期では一定の範囲にとどめることができ、経費の抑制もあって、利益も前期から大きく伸ばす結果となりました。
連結売上高は21,598百万円で前期比1,660百万円の増収でした。損益では、営業利益1,402百万円(前期比232百万円の増益)、経常利益1,583百万円(同262百万円の増益)、親会社株主に帰属する当期純利益1,102百万円(同201百万円の増益)となりました。
当社単独では売上高15,960百万円(前期比1,027百万円の増収)、営業利益754百万円(同141百万円の増益)、経常利益997百万円(同162百万円の増益)、当期純利益720百万円(同132百万円の増益)でした。
当社グループの最近3年間におけるセグメント別の業績推移は、下表のとおりであります。
|
回 次 |
第124期 |
第125期 |
第126期 |
|||||||
|
決 算 年 月 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
|||||||
|
項 目 |
金額(千円) |
百分比 (%) |
前期比 (%) |
金額(千円) |
百分比 (%) |
前期比 (%) |
金額(千円) |
百分比 (%) |
前期比 (%) |
|
|
売 上 高 |
21,434,868 |
100.0 |
-1.8 |
19,938,449 |
100.0 |
-7.0 |
21,598,576 |
100.0 |
+8.3 |
|
|
|
重包装袋 |
13,451,257 |
62.8 |
-1.7 |
12,396,943 |
62.2 |
-7.8 |
13,266,423 |
61.4 |
+7.0 |
|
フィルム製品 |
3,862,276 |
18.0 |
-2.0 |
3,590,839 |
18.0 |
-7.0 |
3,917,940 |
18.2 |
+9.1 |
|
|
コンテナー |
1,887,381 |
8.8 |
-7.9 |
1,797,576 |
9.0 |
-4.8 |
1,925,131 |
8.9 |
+7.1 |
|
|
不動産賃貸 |
258,135 |
1.2 |
-1.9 |
260,676 |
1.3 |
+1.0 |
256,341 |
1.2 |
-1.7 |
|
|
その他 |
1,975,817 |
9.2 |
+4.7 |
1,892,413 |
9.5 |
-4.2 |
2,232,740 |
10.3 |
+18.0 |
|
|
営業利益 |
1,361,823 |
6.4 |
-10.6 |
1,170,209 |
5.9 |
-14.1 |
1,402,715 |
6.5 |
+19.9 |
|
|
経常利益 |
1,505,174 |
7.0 |
-9.8 |
1,321,600 |
6.6 |
-12.2 |
1,583,918 |
7.3 |
+19.8 |
|
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
1,035,577 |
4.8 |
-10.3 |
901,017 |
4.5 |
-13.0 |
1,102,210 |
5.1 |
+22.3 |
|
連結子会社の概況は次のとおりであります。
タイ昭和パックス㈱は会計期間が1~12月です。自動車生産の増減の影響やコロナ感染症流行による生産活動への影響はありましたが、毎月の売上は前年同月比で概ねプラス傾向で、通年では大きく増収増益でした。九州紙工㈱は、米麦袋の減少、原材料の値上がりで、減収減益でした。㈱ネスコは、各種包装資材、樹脂原料の販売を伸ばし、増収増益となりました。山陰製袋工業㈱、山陰パック㈲の二社は会計期間が1~12月で、米麦袋は減少しましたが、一般袋を伸ばして小幅な増収増益でした。
セグメントの業績は次のとおりであります。
○重包装袋
重包装袋セグメントの主力製品であるクラフト紙袋の当連結会計年度の業界全体の出荷数量(ゴミ袋を除く)は前期に対し2.3%の増加となりました。前連結会計年度の落込みから化学薬品、合成樹脂の工業用途が大きく回復したほか、石灰やその他鉱産物の鉱産物用途、製粉、砂糖や塩の食品用途の一部も回復しましたが、米麦用途、セメント用途等が前連結会計年度からさらに減少しました。
当社のクラフト紙袋の売上数量(ゴミ袋を除く)は前期比で4.2%の増加でした。主力の合成樹脂用途や化学薬品用途が業界と同様に大きく回復し、製粉や飼料の用途も増加しました。しかし、米麦用途のほか、砂糖、塩用途等が減少しました。
ポリエチレン重袋の売上数量は主要な用途である肥料用のほか化学品用が回復し、前連結会計年度から8.7%の増加、中型袋も5.5%増加しました。
タイ昭和パックス㈱のクラフト紙袋は、前述の通り、毎月の売上数量が前年同月を上回ることが多く年間では前期比14.8%増加しました。九州紙工㈱は米袋の減少を、一般袋の増加で補いきれず、総売上数量は前期比△1.1%となりました。山陰製袋工業㈱は米袋は減少しましたが、工業用途の回復で総売上数量は前期比1.9%増加しました。
クラフト紙袋の主原料であるクラフト紙の価格は、当連結会計年度期間中は大きな変動はありませんでしたが、値上がり気配が強まりました。
当セグメントの連結売上高は13,266百万円で、前期に対して869百万円の増収になりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は29百万円減少しております。
○フィルム製品
当連結会計年度における低密度ポリエチレンフィルム製品の業界の出荷数量は、前連結会計年度から産業用、農業用ともに増加しました。
当社のフィルム製品の売上数量は、産業用は前期比で9.3%の増加でしたが、農業用は3.5%の減少で、合計では4.6%の増加となりました。産業用では、一般広幅ポリエチレンフィルム、アスベスト隔離シート、マスキングフィルム用HQF、熱収縮フィルム「エスタイト」、農業用では牧草ストレッチフィルムが数量を伸ばしましたが、農業ハウス用フィルムが減少しました。原材料であるポリエチレン樹脂とポリスチレン樹脂は、原油およびナフサ価格の上昇を受けて前連結会計年度終盤から値上がりし、いまだに下げる気配が見られません。
当セグメントの連結売上高は3,917百万円で、前期に対して327百万円の増収でした。
なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は30百万円減少しております。
○コンテナー
粒状内容物のバルク輸送用ワンウェイ・フレコンは、業界の出荷数量は、国内生産品と海外生産品の合計で、前期からほぼ横ばいでした。ともに化学工業品、窯業土木品、食品用途が前期より増加、飼料用途が減少しました。合成樹脂用途は海外生産品が減少して全体でも減少でした。海外からの輸入の全体量は前期から増加しました。
当社のワンウェイ・フレコン「エルコン」の売上数量は、4~9月期は米用途の受注増加で、10~3月期は合成樹脂、化学品の生産復調で、いずれも前連結会計年度同期の数字を上回り、累計では9.7%増加しました。大型ドライコンテナー用インナーバッグ「バルコン」、液体輸送用コンテナーライナー「エスタンク」、液体輸送用1,000ℓポリエチレンバッグ「エスキューブ」はいずれも前期から減少となりました。
当セグメントの連結売上高は1,925百万円で、前期に対して127百万円の増収でした。
なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は7百万円減少しております。
○不動産賃貸
賃貸用不動産の契約内容に大きな変動はありません。当セグメントの連結売上高は256百万円で、前期から4百万円の減収でした。
この結果、当連結会計年度末の当社グループの総資産は29,396百万円で、前連結会計年度末に比べて1,570百万円増加しました。主な増加要因は現金及び預金471百万円、受取手形及び売掛金511百万円、電子記録債権140百万円、棚卸資産118百万円および有形固定資産146百万円です。
負債合計は9,319百万円で、前連結会計年度末に比べ553百万円増加しました。主な増加要因は支払手形及び買掛金393百万円、電子記録債務504百万円です。主な減少要因は営業外電子記録債務187百万円、その他の流動負債111百万円および退職給付に係る負債100百万円です。
純資産合計は20,076百万円で、前連結会計年度末に比べて1,016百万円増加しています。主な増加要因は利益剰余金932百万円です。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金および現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて470百万円増加の7,593百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は1,839百万円(前期比329百万円の収入増)となりました。この主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,578百万円、減価償却費577百万円および仕入債務の増加897百万円による資金の増加、売上債権の増加652百万円、棚卸資産の増加120百万円および法人税等の支払381百万円による資金の減少です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は1,164百万円(同296百万円の支出増)となりました。この主な内訳は、有形固定資産の取得による支出1,110百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は201百万円(同17百万円の支出減)となりました。この主な内訳は、配当金支払による支出168百万円です。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
重包装袋 |
(千円) |
12,326,455 |
8.3 |
|
フィルム製品 |
(千円) |
2,804,929 |
5.2 |
|
コンテナー |
(千円) |
179,707 |
△23.5 |
|
合計 |
15,311,092 |
7.2 |
|
(注)金額は販売価格によっております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
重包装袋 |
(千円) |
757,428 |
4.9 |
|
フィルム製品 |
(千円) |
1,072,211 |
6.5 |
|
コンテナー |
(千円) |
1,511,234 |
13.0 |
|
その他 |
(千円) |
1,947,657 |
40.0 |
|
合計 |
5,288,531 |
18.6 |
|
(注)金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||||
|
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
||
|
重包装袋 |
(千円) |
13,309,855 |
7.1 |
788,299 |
5.8 |
|
フィルム製品 |
(千円) |
3,934,204 |
8.9 |
199,149 |
8.9 |
|
コンテナー |
(千円) |
2,008,108 |
10.2 |
298,142 |
38.6 |
|
合計 |
19,252,169 |
7.8 |
1,285,591 |
12.5 |
|
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
重包装袋 |
(千円) |
13,266,423 |
7.0 |
|
フィルム製品 |
(千円) |
3,917,940 |
9.1 |
|
コンテナー |
(千円) |
1,925,131 |
7.1 |
|
不動産賃貸 |
(千円) |
256,341 |
△1.7 |
|
その他 |
(千円) |
2,232,740 |
18.0 |
|
合計 |
21,598,576 |
8.3 |
|
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態の分析
当連結会計年度末における財政状態は、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」のとおりであります。
当社グループの自己資本比率は当連結会計年度末で66.0%となっており、財政状態については大きな懸念はないものと認識しております。今後も、中長期的な成長のために、設備投資や研究開発等に必要な資金を投じつつ、安定した配当を実施、着実に利益を上げて健全な財政状態を保って企業価値の向上に努めてまいります。
2)経営成績の分析
当連結会計年度における経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」のとおりでした。目標とする経営指標としては1株当たり当期純利益、株主資本利益率を重視しておりますが、当連結会計年度は増益となった結果、いずれも前連結会計年度を上回りました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」のとおりであります。
なお、当社グループの資金需要は、原材料費、人件費、運賃などの経費、設備投資及び配当などが主なものです。その財源としては自己資金や外部資金を有効に活用しており、調達に不安はありません。設備投資については、通常の維持更新は原則として減価償却費の範囲内で行うこととしておりますが、重要かつ緊急を要するもの、及び新規導入や製造環境改善を含む戦略的な投資はその範囲にこだわらずに実行しております。当連結会計年度の設備投資額は873百万円ですが、この資金はすべて自己資金によりました。
また、次期以降も資金の使途に変動はなく、設備投資額が増えてもキャッシュ・フロー上の懸念はないものと認識しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績などを勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。
・棚卸資産の評価
当社グループの商品及び製品の評価に際して市場の需給変化に基づく正味売却価額の下落や経済的な劣化により、評価が変動する可能性があります。
なお、重要なものについては、第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表および2財務諸表等 (1)財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループは顧客ニーズに対応した、社会の要請する新製品開発の推進を最重点に取り組み早期の収益化を目指してまいりました。研究開発は、昭和パックス㈱の技術部門である製袋技術部、樹脂製品技術部およびフィルム事業企画部を中心に推進しております。
当連結会計年度における研究開発費は
[重包装袋]
東京工場及び亀山工場の生産設備を更新したことにより、生産性や品質に大幅な向上が見られました。これを受けて新たに設備更新を計画しています。生産性や品質向上に資する設備であると共に、熟練を伴わずに運転できる生産設備をニューロング工業㈱と検討しています。
AIを使用した画像検査装置を当連結会計年度の期首から両底ボトマーにて運用を開始しています。期中にAIの再学習を繰り返しながら検査精度の更なる向上を図りました。その甲斐あって、当該工程での当連結会計年度のクレームは0件で、AI画像検査装置の有用性を確認出来ました。現在はAI画像検査装置を他工程へ水平展開する計画を進めています。
[フィルム製品]
飲料缶輸送包装シュリンクフィルムや、マットレス包装用フィルム等、新規顧客向けへの販売を開始しました。マスキング用フィルムにおいては、屋外でも使用可能な製品の開発を進めております。
また、プラスチックに対する環境問題への対応が世界的課題となっていることを鑑み、フィルムの薄肉化や、バイオマス由来の原料を使用したフィルム等、環境に配慮した製品の開発に取り組んでいます。
[コンテナー]
1,000ℓ液体輸送用容器内袋「エスキューブ」の製造で培ってきたノウハウを活かし、バイオ医薬品向けのシングルユースバッグ大型容器用内袋の販売を開始しました。
また、20フィート粉粒体輸送用コンテナー内袋「バルコン」において、輸送テストを行いながら改良を重ね、新規顧客獲得に向けて活動しております。