第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、板紙分野では中芯原紙・紙管原紙を、パッケージング分野では美粧段ボールをそれぞれ製造販売しており、主として中国地域を営業基盤として事業活動を展開しております。

 当社は秩序ある競争の原理と公正の原則をつらぬく経営活動を基本姿勢とし、今後ますますグローバル化が加速する環境に対処するため、社会環境の変化に対応し顧客から信頼される企業を目指した活動を展開するとともに、企業の社会的責任を自覚し、環境と共生する循環型社会の実現のため環境対策の一層の強化に取り組み、持続可能な企業体質の確立と企業価値の向上に努めてまいります。

 

(2)対処すべき課題

 当社といたしましては上記の方針を実現するため、需要に見合った生産体制と適正価格の維持を含め、以下の項目を重点課題として全社一丸となって目標の達成に向けて更なる努力を重ねてまいります。

・営業開発力の強化

 販売価格の維持とともに生販一体化体制による顧客サービスの強化などの非価格競争力の強化等により販売量の安定確保に努めるとともに採算重視の営業活動に徹し、更には開発力の強化による新規取引先の開拓を推進して質量面での充実を図り、営業基盤の更なる確立を図るよう役職員一丸となって販売活動を強力に推進してまいります。

・省エネ・生産効率向上と製品開発力の向上

 コスト競争力は企業存続の条件との認識にたち、原燃料等の価格高騰に対処するため、省エネや省力化、生産効率向上に寄与する投資を積極的に推進し、更なるコスト低減策に取り組むとともに、併せてユーザーニーズに合った製品開発力を強化して営業を行ってまいります。

・原材料の安定調達と資材調達コストの低減

 当社にとって原材料の安定調達は企業活動を続けていく上で、最重要課題であると同時に、資材調達コストが即収益に大きな影響を及ぼすことを十分認識し、市況動向等を注視し原材料の計画的かつ安定的な調達に努め資材コスト低減を図ってまいります。

・環境保全と品質の安定化

 世界的問題である環境については企業の社会的責任を果たす重要な要素であり、環境と共生する循環型社会実現のために更なる環境の改善を図り社会の要請に応えてまいります。

 品質に係る活動の成果は、企業価値の創出につながることを自覚の上、顧客が求める品質の安定、向上を目指し顧客の信頼に応えてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年8月29日)現在において当社が判断したものであります。

 また、以下に記載したリスクは主要なものであり、これらに限られるものではありません。

(1)国内需要の減少及び市況価格の下落

 当社の事業分野別売上高は、板紙事業約8割、美粧段ボール事業約2割の構成で推移しております。いずれの事業も内需型であり、国内景気の影響を大きく受けます。国内景気の後退による需要の減少や市況価格の下落が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2)原燃料購入価格の上昇

 当社が購入する原燃料価格に関しては、主原料の古紙は中国・アジア地域と国内需給動向によって、主燃料の産業用ガスは国際市況によってそれぞれ価格が変動し、購入価格が上昇した場合には、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3)災害による影響

 当社は災害による影響を最小限にとどめるため万全の対策をとっておりますが、自然災害、事故等の不測の事態が発生した場合には、生産能力の低下や製造コストの増加等により、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況の概要

 当事業年度における板紙業界におきましては、海外の需要増により原紙の原料となる古紙価格が上昇し、原紙メーカーである当社を取り巻く経営環境は非常に厳しいものとなりました。

 こうした経営環境に対応すべく、当社は経営全般にわたるコスト低減に総力を結集する一方、需要に見合った生産レベルの維持と適正な製品価格の実現に努めました。そして、過去に例のない古紙の値上がりの状況下で収益を確保するため、板紙製品価格の改定を実施し、その浸透に努めました。

 この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当事業年度末の総資産は、前期末と比べ499百万円増加して12,290百万円となりました。負債は、前期末と比べ496百万円増加して4,291百万円となりました。純資産は、前期末に比べ2百万円増加して7,999百万円となりました。

 

b.経営成績

 当事業年度の経営成績は、売上高は9,070百万円(前期比8.5%増)、営業利益は35百万円(同31.4%減)、経常利益は78百万円(同16.5%減)、当期純利益は43百万円(同31.4%減)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

(板紙事業)

製品価格の改定の効果で売上高が増加したものの、原料価格高騰によるコスト高の影響を完全に吸収するには至らず、若干の増益にとどまりました。売上高は7,929百万円(前期比10.7%増)、セグメント利益は73百万円(前期比18.7%増)となりました。

(美粧段ボール事業)

主力の通信機器関連品の減少により、売上高は1,140百万円(前期比4.4%減)、セグメント損失は37百万円(前期は10百万円の損失)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ124百万円減少し、2,944百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は54百万円(前事業年度は532百万円の収入)となりました。

 収入の主な内訳は、減価償却費285百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額628百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は0百万円(前事業年度は112百万円の収入)となりました。

 収入の主な内訳は、利息及び配当金の受取額42百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出33百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は68百万円(前期比3.7%増)となりました。

 これは主に、配当金の支払額59百万円によるものであります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成29年6月1日

 至 平成30年5月31日)

前年同期比(%)

板紙事業(千円)

8,022,615

11.1

美粧段ボール事業(千円)

1,140,827

△4.4

合計(千円)

9,163,443

8.9

(注)1.板紙事業の生産実績は板紙の生産数量(自家消費分を含む)に平均販売価格を乗じた金額を、また美粧段ボール事業の生産実績は販売金額を記載しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 板紙事業については、顧客が特定しているため需要を予測して見込生産を、また美粧段ボール事業は、受注生産を行っておりますが、いずれの製品も受注から生産・納入に至るまでの期間が短く期末における受注残高は少ないので、次に記載する販売実績を受注実績とみなしても大差はありません。

 

c.販売実績

当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成29年6月1日

 至 平成30年5月31日)

前年同期比(%)

板紙事業(千円)

7,929,578

10.7

美粧段ボール事業(千円)

1,140,827

△4.4

合計(千円)

9,070,405

8.5

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績については、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載を省略しています。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成に当たって、当事業年度末における資産・負債の報告数値、当事業年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び判断は、継続して評価を行っております。なお、見積り及び判断については、過去における実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、不確実性があるため、実際の結果とは異なる可能性があります。

 

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

 総資産は、12,290百万円で前期末の11,790百万円に比べ、499百万円増加いたしました。内訳としては流動資産が681百万円の増加、固定資産が182百万円の減少であります。

 流動資産増加の主な要因は、売掛金320百万円の増加であります。また、固定資産減少の主な要因は、機械及び装置164百万円の減少であります。

 負債は、4,291百万円で前期末の3,794百万円に比べ、496百万円増加いたしました。内訳としては流動負債が471百万円の増加、固定負債が25百万円の増加であります。

 流動負債増加の主な要因は、未払費用182百万円の増加であります。また、固定負債増加の主な要因は、退職給付引当金14百万円の増加であります。

 純資産は、7,999百万円で前期末の7,996百万円に比べ、2百万円増加いたしました。主な要因は評価・換算差額等7百万円の増加、当期純利益43百万円の計上及び配当金59百万円の支払によるものであります。この結果、自己資本比率は65.1%となりました。

 

 

b.経営成績の分析

(売上高)

 当事業年度の売上高は9,070百万円となり、前事業年度に比べ714百万円(8.5%増)の増収となりました。これは、板紙製品価格の改定が浸透した結果、板紙製品の売上高が前事業年度に比べ766百万円増加したことによるものであります。

(営業利益)

 当事業年度の営業利益は35百万円となり、前事業年度に比べ16百万円(31.4%減)の減益となりました。これは、前事業年度比で原料古紙価格の上昇率が11.1%、燃料価格の上昇率が14.6%に対して板紙製品価格の上昇率が9.3%に留まったことによるものであります。

(経常利益)

 当事業年度の経常利益は78百万円となり、前事業年度に比べ15百万円(16.5%減)の減益となりました。

(当期純利益)

 当事業年度の当期純利益は43百万円となり、前事業年度に比べ20百万円(31.4%減)の減益となりました。また、1株当たり当期純利益は前事業年度から4円12銭減少し、8円92銭となりました。

 

c.キャッシュ・フローの状況

 当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

 当社の資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料・燃料の購入のほか、製造に係る労務費・経費、販売費及び一般管理費、生産設備の取得及び既存設備の改善等に係る投資であります。これらの資金需要について、当社はすべて自己資金でまかなっておりますが、現状キャッシュ・フローについて大きな懸念はないものと認識しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 古紙を原料として製品を製造する当社は、環境との調和をテーマに環境負荷軽減を意識した生産技術の開発をはじめとして、常に顧客のニーズに応えるための品質改善、より付加価値の高い製品の産出、印刷技術の向上、生産の効率化など生産現場に密着した活動を行っております。

 なお、当事業年度における研究開発費の総額は34,017千円となっております。