当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済対策および日銀の金融緩和策を背景とした設備投資の回復や堅調な企業収益に支えられ、緩やかな回復基調で推移いたしました。
当社グループを取り巻く環境は、需要動向の指標となる普通通常郵便物およびメール便の総利用通数が、個人消費の伸び悩みによるダイレクトメール(以下、「DM」)市場の回復遅れから前年比微減となったものの、官公庁や金融機関を中心としたマイナンバー関連業務や国勢調査等の特需により、概ね堅調に推移いたしました。
このような情勢のもと、当社グループは、「Give & Give & Give(全ての人に最高の付加価値を与え続ける)」をテーマに掲げ、お客様に満足いただけるソリューションサービス分野への取り組みを全社を挙げて進めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は231億96百万円(前連結会計年度比4.6%増)、営業利益は5億94百万円(前連結会計年度比143.8%増)、経常利益は6億81百万円(前連結会計年度比82.5%増)となりました。当期純利益につきましては、投資有価証券売却益の計上などにより、5億円(前連結会計年度比260.1%増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
国勢調査やマイナンバー等の官公庁大口案件の受託ならびにエリア政策として大都市圏での販売強化に努めた結果、売上高は184億64百万円(前連結会計年度比5.1%増)となりました。損益面では、修繕費や処遇改善による労務人件費の増加などがあったものの、売上増加に支えられ、営業利益は4億9百万円(前連結会計年度比363.4%増)となりました。
(メーリングサービス事業)
企業のアウトソーシング需要に応えるべくビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)市場へのソリューションサービスの提案活動を進めた結果、売上高は29億33百万円(前連結会計年度比11.1%増)となりました。損益面でも売上増加に支えられ、営業利益は1億91百万円(前連結会計年度比107.8%増)となりました。
情報システム事業は増収を確保するものの、子会社が減収となり、売上高は17億98百万円(前連結会計年度比8.5%減)となりました。損益面では、減収に加え、子会社における貸倒の発生もあり、営業利益は4百万円(前連結会計年度比93.6%減)となりました。
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは3億31百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは5億34百万円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローは10億19百万円の支出となったため、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ1億53百万円減少して、32億57百万円(前連結会計年度比4.5%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の収入は3億31百万円(前連結会計年度比69.4%減)となりました。これは主に、資金の増加要因として税金等調整前当期純利益6億73百万円、減価償却費6億23百万円、減損損失1億22百万円、長期未払金の増加額89百万円、資金の減少要因として役員退職慰労引当金の減少額4億17百万円、投資有価証券売却益1億8百万円、売上債権の増加額1億8百万円、たな卸資産の増加額1億14百万円、仕入債務の減少額4億37百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の収入は5億34百万円(前連結会計年度は1億88百万円の支出)となりました。これは主に、資金の増加要因として有形固定資産の売却による収入2億42百万円、投資有価証券の売却による収入1億55百万円、投資有価証券の償還による収入2億円、信託受益権の減少額6億61百万円、資金の減少要因として有形固定資産の取得による支出6億94百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の支出は10億19百万円(前連結会計年度は6億28百万円の支出)となりました。これは、短期借入金の純減少額3億30百万円、長期借入金の純減少額5億48百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出74百万円、提出会社の配当金の支払額64百万円などによるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
封筒事業 | 18,573 | 4.9 |
メーリングサービス事業 | 2,029 | 10.2 |
その他 | 1,138 | △4.1 |
合計 | 21,741 | 4.8 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
封筒事業 | 18,598 | 6.0 | 975 | 15.9 |
メーリングサービス事業 | 2,919 | 9.4 | 101 | △11.6 |
合計 | 21,518 | 6.4 | 1,076 | 12.6 |
(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 その他の事業については、子会社が主として見込生産であるため、「受注高」および「受注残高」の記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
封筒事業 | 18,464 | 5.1 |
メーリングサービス事業 | 2,933 | 11.1 |
その他 | 1,798 | △8.5 |
合計 | 23,196 | 4.6 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
今後のわが国経済は、政府の経済政策および日銀の金融緩和策の効果が期待される一方で、資源価格の下落や中国をはじめとする新興国経済の減速懸念に伴う金融市場への影響など、世界経済の動向に不安要素を抱えることから、先行き不透明な状況で推移するものと思われます。
普通通常郵便物およびメール便の総利用通数につきましては、DM市場において、無宛名便市場(宛名なしDM)のニーズが増加傾向にあること、紙媒体DMの費用対効果が再認識されつつあることなど、需要拡大が期待される一方で、DMからインターネット広告への移行も予想されるなど、当社グループを取り巻く環境は予断を許さない状況が続くものと思われます。
このような情勢のもと、当社グループは平成27年度から平成29年度までの中期経営計画を策定し、以下に掲げる7項目を基本方針に「Give & Give & Give(全ての人に最高の付加価値を与え続ける)」の実現に向け取り組んでおります。中期計画では、平成30年度に迎える創業100周年に向け、従業員の処遇改善と事業基盤強化の両立を目指してまいります。また、役員報酬型ストックオプションの導入や投資単元の見直しなど、企業価値向上への取り組みを進めてまいります。
■ ソリューションサービス分野への展開
■ 封筒関連分野の強化・拡大
■ 市場規模に応じた販売および生産体制の構築
■ 材料価格の上昇に伴う販売価格の見直し
■ 生産効率改善および高品質の実現に向けた設備投資の拡充
■ 処遇改善および人事評価制度の再構築によるモチベーション向上策の推進
■ 不稼動資産の圧縮・不要経費の削減による財務のスリム化と基盤強化
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末(平成28年1月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 機密情報の取扱について
当社は、機密情報や個人情報の重要性を自覚し、平成15年10月にプライバシーマークの認証を、平成17年8月に情報セキュリティマネジメントシステムの認証をそれぞれ取得しております。また、パソコンのアクセスログ管理をより一層強化し、情報セキュリティ体制のさらなる健全化に取り組むなど、機密情報や個人情報を含むお客様のデータベースを取り扱う際の運用については、十分な注意を払っております。
こうした取り組みにより、機密情報や個人情報が漏洩する可能性は低いと考えておりますが、何らかの理由により機密情報や個人情報が外部に漏洩した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 製品の欠陥や品質について
当社グループは徹底した品質管理のもとで製品を製造しておりますが、設計上あるいは製造工程上での不備により製品の欠陥が生じた場合、損害賠償や売上の低下により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 取引先の信用リスクについて
当社グループは代販店を含め数多くの取引先と掛売り取引を行っております。当社グループは市場における信用情報の収集、与信限度の定期的な見直し等を行い、取引先の信用リスクに備えておりますが、倒産のような予期せぬ事態により債権回収に支障が発生した場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 原材料調達の影響について
原材料の調達については、複数のメーカーから封筒用紙やフィルム材料などを購入し、安定的な原材料の確保と最適な調達価格の維持に努めております。しかしながら、原材料調達がきわめて困難になった場合や購入価格が著しく高騰した場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 郵便制度変更等による影響について
封筒・メーリングサービスを中心とする当社の業務は、郵便制度と密接な係わりを持っており、これまでも郵便制度が変更された場合には、それに対応したタイムリーな営業施策により、当社業績にプラスとなるように努めてまいりましたが、制度変更の内容次第では当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 季節要因による業績推移について
当社の販売動向には次の理由により若干の季節変動があります。上半期において、新年度用の封筒が増える傾向にあること、また株主総会の招集通知用等の封筒が増えることから、業績が上半期に偏る傾向があります。今後も同様の理由により季節変動が予想されますので、当社グループの業績を判断する際には留意していただく必要があります。
最近の2連結会計年度の上半期および下半期の業績推移は次のとおりであります。
項目 | 平成27年1月期 | 平成28年1月期 | |||||
上半期 | 下半期 | 通期 | 上半期 | 下半期 | 通期 | ||
売上高 | (百万円) | 11,834 | 10,337 | 22,171 | 12,425 | 10,770 | 23,196 |
構成比 | (%) | 53.4 | 46.6 | 100.0 | 53.6 | 46.4 | 100.0 |
営業利益又は 営業損失(△) | (百万円) | 483 | △239 | 244 | 734 | △140 | 594 |
構成比 | (%) | ― | ― | 100.0 | ― | ― | 100.0 |
経常利益又は 経常損失(△) | (百万円) | 537 | △163 | 373 | 784 | △103 | 681 |
構成比 | (%) | ― | ― | 100.0 | ― | ― | 100.0 |
(7) 投資リスクについて
当社グループの所有する有価証券は、取引金融機関、販売先企業、仕入先企業等、業務上密接な関係にある企業の株式が大半でありますが、株式市況の動向等によって、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末における投資有価証券の総資産に対する比率は5.4%となっております。
(8) 退職給付債務について
当社は、企業年金制度を採用しており、従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されております。したがって、年金資産の運用成績の低迷および割引率のさらなる低下等の要因により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、平成23年2月1日より、確定給付企業年金制度の一部を確定拠出年金制度へ移行しております。
(9) システム障害について
当社は受注から生産、売上までの一貫システムを全社オンライン体制で構築しており、短期間の障害であればバックアップできる仕組みを構築しております。しかしながら、大規模災害やインフラ障害などにより復旧に時間を要する場合は、システムが機能せず当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10) 自然災害の影響について
当社は生産拠点が分散しており、自然災害に強い体質となっています。加えて災害対策や復旧計画を検討しており想定内の災害には迅速に対応するべく体制を整えております。しかしながら、大規模な自然災害が発生した場合には甚大な損害を受ける可能性があります。その場合には、製品の供給体制が確保できなくなり売上の急激な低下がおこり、また修復に多額の費用が発生するため、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
連結子会社の吸収合併
当社は、平成28年2月12日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社タイパックを吸収合併することを決議し、同日付で合併契約を締結いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
当社は、封筒を中心とした事務およびコミュニケーション分野において、顧客のニーズを明確に把握し、常にお客様に喜んでいただける商品をお届けすることを目標に、商品開発に取り組む一方、徹底した品質向上を目指して、独自の加工設備、技術開発に取り組んでおります。
なお、当社の研究開発活動は、既存の設備、製品の改良にかかる経常的な活動であるため、研究開発費の金額は記載しておりません。
具体的な研究開発活動状況を示すと、封筒事業では、封筒デザインの多様化に対応出来るインライン加工を可能とする独自装置を整備することにより、独自商品の開発と製造コストの低減を図っております。またフレキソ印刷の高品位化を可能とする設備の整備を図り、環境に配慮してフレキソ印刷化を推進しております。
品質の向上に関しましては、より高品質を目指した設備の改良ならびに検査装置の機能拡大に取り組んでおります。
なお、メーリングサービス事業およびその他の事業については、特に記載すべき事項はありません。
当社グループに関する財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの分析・検討内容は連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
(1) 重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、引当金の計上など一部に将来の合理的な見積りが求めらているものもあります。これらの見積りは当社グループにおける過去の実績や将来計画を考慮して合理的と考えられる事項に基づき判断しておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。なお、会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度における経営成績の分析
「1 業績等の概要(1)業績」に記載のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ13億55百万円(6.8%)減少して186億86百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ5億70百万円(5.9%)減少して90億28百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が同71百万円、たな卸資産が同1億14百万円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が同1億83百万円、その他に含まれる信託受益権が同6億61百万円それぞれ減少したことなどによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ7億85百万円(7.5%)減少して96億57百万円となりました。有形固定資産は同3億75百万円減少して76億64百万円となりました。これは主に、賃貸資産の売却および減損損失を計上したことなどによるものです。なお、設備投資額は6億11百万円、減価償却費は6億23百万円発生いたしました。また、投資有価証券の売却などにより、投資その他の資産は同4億7百万円減少して19億20百万円となりました。
② 負債
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ17億11百万円(21.5%)減少して62億52百万円となりました。これは主に、仕入債務が同4億37百万円(支払手形及び買掛金の減少11億45百万円に対し、電子記録債務の増加7億7百万円)、未払金が同2億4百万円、借入金が同8億78百万円、役員退職慰労引当金が同4億17百万円それぞれ減少したことなどによるものです。
③ 純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ3億56百万円(2.9%)増加して124億33百万円となりました。これは主に、利益剰余金が同4億6百万円、退職給付に係る調整累計額が同25百万円それぞれ増加したほか、その他有価証券評価差額金が同70百万円減少したことなどによるものです。
なお、自己資本比率は同6.3ポイント上昇して66.4%となりました。
「1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5) 経営戦略の現状と見通し
「1 業績等の概要(1)業績」および「3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
「3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。