第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策、日銀の金融緩和策および好調な世界経済を背景とした企業収益の改善ならびに雇用・所得環境の改善もあり、総じて緩やかな回復基調で推移いたしました。

当社グループを取り巻く環境は、需要動向の指標となる普通通常郵便物およびメール便の総利用通数は9月以降徐々に回復の兆しを見せるものの、依然として前年実績をやや下回っており、需要回復が期待されるダイレクトメール市場も、経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」によると、広告業(折込み・ダイレクトメールの郵便料等)の実績は前年を下回る水準で推移するなど、厳しい状況が続いております。一方で、通販市場は、アパレル通販やBtoB通販の伸張を背景に、堅調な動きを見せております。

このような情勢のもと、当社グループは、「Give & Give & Give(全ての人に最高の付加価値を届け続ける)」をテーマに掲げ、お客様に満足いただけるソリューションサービス分野への取り組みを、全社を挙げて進めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は、封筒事業の減収を堅調なメーリングサービス事業およびその他の事業の増収で吸収し、226億24百万円(前連結会計年度比0.1%増)と前期比微増となりました。損益面につきましては、日銀による低金利政策を背景とした割引率の低下による退職給付費用の負担増、営業力強化を意図した東京事務所(現東京本社)の移転や従業員の処遇改善の実施などにより、営業利益は5億1百万円(前連結会計年度比8.6%減)、経常利益は5億98百万円(前連結会計年度比1.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億14百万円(前連結会計年度比0.8%増)となりました。

 

セグメント別の業績は、次のとおりであります。

(封筒事業)

エリア戦略として首都圏における売上の拡大を図るべく、既存得意先への深耕および新規開拓に努めてまいりましたが、低調な需要環境の影響もあり、売上高は177億64百万円(前連結会計年度比1.1%減)となりました。損益面では、上述の労務人件費等の増加や減収の影響がありましたが、原材料費の抑制や内製化を進めた結果、営業利益は3億30百万円(前連結会計年度比1.6%増)となりました。

 

(メーリングサービス事業)

企業のアウトソーシング需要が高まる中、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)市場における販売力強化を進めたことに加え、選挙関連サービスの計上もあって、売上高は30億81百万円(前連結会計年度比6.5%増)となりました。損益面では、サービス領域拡充に向けた設備投資に伴う償却負担増や人員増による労務人件費の増加などにより、営業利益は62百万円(前連結会計年度比41.2%減)となりました。

 

(その他)

情報システム事業および封入機の製造販売を手掛ける子会社の業績が堅調に推移したことにより、売上高は17億79百万円(前連結会計年度比2.5%増)となりました。営業利益は子会社における販売管理費の増加などにより、1億4百万円(前連結会計年度比8.9%減)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億73百万円減少して25億57百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の収入は8億48百万円(前連結会計年度比36.1%減)となりました。これは主に、資金の増加要因として税金等調整前当期純利益6億11百万円、減価償却費6億36百万円、退職給付に係る負債の増加額2億26百万円、たな卸資産の減少額94百万円、資金の減少要因として仕入債務の減少額3億82百万円、長期未払金の減少額83百万円、法人税等の支払額2億49百万円などによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の支出は8億82百万円(前連結会計年度は3億42百万円の支出)となりました。これは主に、資金の増加要因として投資有価証券の売却による収入65百万円、敷金及び保証金の回収による収入67百万円、資金の減少要因として有形固定資産の取得による支出9億42百万円などによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の支出は3億42百万円(前連結会計年度は12億98百万円の支出)となりました。これは、ファイナンス・リース債務の返済による支出75百万円、長期借入金の返済による支出1億63百万円、提出会社の配当金の支払額1億2百万円などによるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

封筒事業

17,858

△0.8

メーリングサービス事業

2,027

3.9

その他

864

△8.9

合計

20,749

△0.7

 

(注) 1 金額は、販売価格によっております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

封筒事業

17,824

△0.3

1,014

6.3

メーリングサービス事業

3,079

6.9

86

△2.7

合計

20,903

0.7

1,100

5.5

 

(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2 その他の事業については、子会社が主として見込生産であるため、「受注高」および「受注残高」の記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

封筒事業

17,764

△1.1

メーリングサービス事業

3,081

6.5

その他

1,779

2.5

合計

22,624

0.1

 

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、株主をはじめとする全てのステークホルダーとの協働が必要不可欠と認識しております。具体的には、次のとおり「社是」および「長期経営基本方針」を策定しております。

「社是」

より良き人生の創造に限りなく前進しよう

「長期経営基本方針」

1.事務およびコミュニケーション分野における、封筒を中心とした顧客のニーズを明確に把握し、これを基盤に、常によりすぐれた商品、技術、サービスをシステム的に開発提供し、より良き社会の建設に貢献することを目的とする。

2.企業は人である。

仕事を通じて人が育ち、仕事を通じて生きがいを見出せる、明るく潤いのある職場を創り出す。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、労働分配率、自己資本比率、売上高営業利益率、自己資本利益率(ROE)を経営指標に定め、その動向を注視するとともに、売上高および経常利益を重要視しております。これらの経営指標については、常務会において定期的に達成状況を確認しております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

今後のわが国経済は、政府の経済政策による下支えなどもあって緩やかな成長が期待される一方で、世界経済の不確実性や地政学的リスクの高まりなどもあり、先行き不透明な状況で推移するものと予想されます。

当社グループを取り巻く環境は、ダイレクトメール需要の回復が遅れていることに加え、封書需要も請求書のWeb化やはがき化などにより弱含みで推移しており、またコスト面では段ボール価格や運搬費の上昇も懸念されることから、依然として予断を許さない状況が続くものと思われます。

このような情勢のもと、当社グループは7月に創業100周年を迎えるにあたり、次の100年に向けてさらなる成長を図るべく、3ヶ年の中期経営計画を策定いたしました。「私たちは次の100年もコミュニケーション分野において最高の付加価値を提供します。そして全ての人の笑顔に貢献します。」を中期経営計画の経営ビジョンとして制定し、「Give & Give & Give(全ての人に最高の付加価値を届け続ける)」の精神に基づき、以下に掲げる7項目を基本方針として企業価値の向上に取り組んでまいります。

■ 付加価値の創造の限りない追及
■ 事業領域の拡大を中心とした事業構造の変革推進
■ 市場規模に柔軟に対応可能な生産体制の構築
■ 生産システム全般の効率化推進
■ 企業価値を創出するグループガバナンス体制の整備
■ 働き方改革のさらなる推進と人材育成プログラムの充実による組織の活性化
■ 創業100周年事業を通じた社内の一体感の醸成および企業認知度の向上

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末(平成30年1月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 機密情報の取扱について

当社は、機密情報や個人情報の重要性を自覚し、平成15年10月にプライバシーマークの認証を、平成17年8月に情報セキュリティマネジメントシステムの認証をそれぞれ取得しております。また、パソコンのアクセスログ管理をより一層強化し、情報セキュリティ体制のさらなる健全化に取り組むなど、機密情報や個人情報を含むお客様のデータベースを取り扱う際の運用については、十分な注意を払っております。

こうした取り組みにより、機密情報や個人情報が漏洩する可能性は低いと考えておりますが、何らかの理由により機密情報や個人情報が外部に漏洩した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 製品の欠陥や品質について

当社グループは徹底した品質管理のもとで製品を製造しておりますが、設計上あるいは製造工程上での不備により製品の欠陥が生じた場合、損害賠償や売上の低下により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 取引先の信用リスクについて

当社グループは代販店を含め数多くの取引先と掛売り取引を行っております。当社グループは市場における信用情報の収集、与信限度の定期的な見直し等を行い、取引先の信用リスクに備えておりますが、倒産のような予期せぬ事態により債権回収に支障が発生した場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 原材料調達の影響について

原材料の調達については、複数のメーカーから封筒用紙やフィルム材料などを購入し、安定的な原材料の確保と最適な調達価格の維持に努めております。しかしながら、原材料調達がきわめて困難になった場合や購入価格が著しく高騰した場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 郵便制度変更等による影響について

封筒・メーリングサービスを中心とする当社の業務は、郵便制度と密接な係わりを持っており、これまでも郵便制度が変更された場合には、それに対応したタイムリーな営業施策により、当社業績にプラスとなるように努めてまいりましたが、制度変更の内容次第では当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6) 季節要因による業績推移について

当社の販売動向には次の理由により若干の季節変動があります。上半期において、新年度用の封筒が増える傾向にあること、また株主総会の招集通知用等の封筒が増えることから、業績が上半期に偏る傾向があります。今後も同様の理由により季節変動が予想されますので、当社グループの業績を判断する際には留意していただく必要があります。

最近の2連結会計年度の上半期および下半期の業績推移は次のとおりであります。

項目

平成29年1月期

平成30年1月期

上半期

下半期

通期

上半期

下半期

通期

売上高

(百万円)

12,022

10,571

22,593

12,030

10,594

22,624

構成比

(%)

53.2

46.8

100.0

53.2

46.8

100.0

営業利益又は

営業損失(△)

(百万円)

636

△87

548

555

△53

501

構成比

(%)

100.0

100.0

経常利益又は

経常損失(△)

(百万円)

653

△43

609

604

△6

598

構成比

(%)

100.0

100.0

 

 

(7)  投資リスクについて

当社グループの所有する有価証券は、取引金融機関、販売先企業、仕入先企業等、業務上密接な関係にある企業の株式が大半でありますが、株式市況の動向等によって、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末における投資有価証券の総資産に対する比率は6.7%となっております。

 

(8)  退職給付債務について

当社は、企業年金制度を採用しており、従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されております。したがって、年金資産の運用成績の低迷および割引率のさらなる低下等の要因により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、平成23年2月1日より、確定給付企業年金制度の一部を確定拠出年金制度へ移行しております。

 

(9)  システム障害について

当社は受注から生産、売上までの一貫システムを全社オンライン体制で構築しており、短期間の障害であればバックアップできる仕組みを構築しております。しかしながら、大規模災害やインフラ障害などにより復旧に時間を要する場合は、システムが機能せず当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 自然災害の影響について

当社は生産拠点が分散しており、自然災害に強い体質となっています。加えて災害対策や復旧計画を検討しており想定内の災害には迅速に対応するべく体制を整えております。しかしながら、大規模な自然災害が発生した場合には甚大な損害を受ける可能性があります。その場合には、製品の供給体制が確保できなくなり売上の急激な低下がおこり、また修復に多額の費用が発生するため、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社は、封筒を中心とした事務およびコミュニケーション分野において、顧客のニーズを明確に把握し、常にお客様に喜んでいただける商品をお届けすることを目標に、商品開発に取り組む一方、徹底した品質向上を目指して、独自の加工設備、技術開発に取り組んでおります。

なお、当社の研究開発活動は、既存の設備、製品の改良にかかる経常的な活動であるため、研究開発費の金額は記載しておりません。

 

具体的な研究開発活動状況を示すと、封筒事業では、封筒デザインの多様化に対応出来るインライン加工を可能とする独自装置を整備することにより、独自商品の開発と製造コストの低減を図っております。またフレキソ印刷の高品位化を可能とする設備の整備を図り、環境に配慮してフレキソ印刷化を推進しております。

品質の向上に関しましては、より高品質を目指した設備の改良ならびに検査装置の機能拡大に取り組んでおります。

なお、メーリングサービス事業およびその他の事業については、特に記載すべき事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループに関する財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの分析・検討内容は連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、引当金の計上など一部に将来の合理的な見積りが求めらているものもあります。これらの見積りは当社グループにおける過去の実績や将来計画を考慮して合理的と考えられる事項に基づき判断しておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。なお、会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

(2) 当連結会計年度における経営成績の分析

「1 業績等の概要(1)業績」に記載のとおりであります。

 

 

(3) 当連結会計年度における財政状態の分析
① 資産

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2億23百万円(1.3%)減少して176億8百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ4億21百万円(4.9%)減少して81億54百万円となりました。これは主に、電子記録債権が同1億15百万円増加した一方で、現金及び預金が同3億50百万円、受取手形及び売掛金が同1億36百万円、たな卸資産が同94百万円それぞれ減少したことなどによるものです。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ1億98百万円(2.1%)増加して94億53百万円となりました。有形固定資産は同2億52百万円増加して76億32百万円となりました。これは主に、設備投資額9億26百万円に対して減価償却費が6億36百万円発生したことなどによるものです。また、投資その他の資産は同56百万円減少して17億61百万円となりました。

 

② 負債

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ8億68百万円(15.6%)減少して47億12百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が同3億92百万円、有利子負債の圧縮を進めたことに伴い長期借入金(1年内返済予定を含む)が同1億63百万円、退職給付に係る負債が同1億81百万円それぞれ減少したことなどによるものです。

 

③ 純資産

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ6億44百万円(5.3%)増加して128億95百万円となりました。これは主に、利益剰余金が同3億11百万円、その他有価証券評価差額金が同60百万円、退職給付に係る調整累計額が同2億46百万円それぞれ増加したことなどによるものです。

なお、自己資本比率は同4.4ポイント上昇して73.0%となりました。

 

④ キャッシュ・フローの状況

「1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

「4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(5) 経営戦略の現状と見通し

「1 業績等の概要(1)業績」および「3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題」に記載のとおりであります。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

「3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題」に記載のとおりであります。