第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による各種政策により企業収益や雇用環境に改善がみられ、緩やかな回復基調で推移するなか、アメリカの新政権の政策やイギリスのEU離脱、中国経済の減速等により景気の先行きは不透明な状況が続きました。

こうした状況のなか当社グループは、今後も市場の成長が見込まれる衛生材料分野を中心に積極的な販売拡大を推し進めるとともに、生産効率の改善に取り組むことで、業績の向上に努めてまいりました。また、当社の主要原材料であるパルプや燃料の価格が円高の影響もあり軟調に推移したこと等により、当連結会計年度の売上高は125億55百万円(前期比5.6%増)、営業利益は14億40百万円(同124.8%増)、経常利益は14億57百万円(同135.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億44百万円(同128.9%増)となりました。

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

① 不織布関連事業

パルプ不織布加工品は、外国人観光客の増加等により好調なホテル・外食産業を背景にクッキングペーパーの販売が増加したこと、ならびに価格修正を推し進めたこと等により売上高、利益ともに増加しました。パルプ不織布原反は、クッキングペーパーの販売の増加を受けてパルプ不織布の販売構成を見直したため売上高は微減となりましたが、原燃料価格が円高の影響もあり軟調に推移したこと等により利益は増加しました。化合繊不織布は、前連結会計年度に増設した生産設備が順調に稼働し、紙おむつ向け製品やペットシーツ向け製品の販売が好調に推移したこと等により売上高が増加しました。

その結果、当連結会計年度の売上高は76億60百万円(前期比8.6%増)、セグメント利益は13億10百万円(同60.4%増)となりました。

② 紙関連事業

紙おむつ向け製品やペットシーツ向け製品の販売が堅調に推移したものの、販売構成の最適化のため一部の製品の販売を抑えたこと等により売上高は微増に留まりました。また、原燃料価格が円高の影響もあり軟調に推移したこと等により利益は増加しました。

その結果、当連結会計年度の売上高は48億95百万円(前期比1.3%増)、セグメント利益は9億54百万円(同64.4%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より9億17百万円増加して14億88百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は17億59百万円(前期比11億83百万円増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益14億57百万円、減価償却費6億64百万円等による資金の増加と、売上債権の増加4億28百万円等による資金の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は8億99百万円(前期比8億84百万円減)となりました。これは、定期預金の預入による支出8億35百万円、定期預金の払戻による収入6億30百万円、有形固定資産の取得による支出6億94百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得した資金は56百万円(前期は4億48百万円の使用)となりました。これは、長期借入れ6億円による資金の増加と、長期借入金の返済4億52百万円、配当金の支払78百万円等による資金の減少によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

不織布関連事業

5,241,179

100.5

紙関連事業

3,603,583

91.3

合計

8,844,763

96.6

 

   (注) 1  セグメント間の取引については、相殺消去しております。

   2  金額は製造原価によっております。

   3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

不織布関連事業

7,732,939

111.0

366,383

124.7

紙関連事業

4,943,106

101.5

224,832

127.0

合計

12,676,046

107.1

591,216

125.6

 

   (注) 1  セグメント間の取引については、相殺消去しております。

   2  金額は販売価格によっております。

   3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

不織布関連事業

7,660,298

108.6

紙関連事業

4,895,318

101.3

合計

12,555,617

105.6

 

   (注) 1  セグメント間の取引については、相殺消去しております。

   2  主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ユニ・チャームプロダクツ
株式会社

2,032,289

16.2

花王株式会社

2,693,948

22.7

2,015,195

16.1

 

   3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4 前連結会計年度におけるユニ・チャームプロダクツ株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「創和」を経営理念とする「ビューティフルライフ創造企業」として、新しい製品、価値を創造することにより、社会の快適な生活に貢献し、株主様をはじめ様々なステークホルダーとの和を相互に調和させ、企業価値の向上に努めてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、重視している経営指標として売上高、経常利益を掲げています。既存市場の深耕、新規事業の立ち上げ等により売上の拡大と利益の向上を図り、企業価値を向上してまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題

社会環境や消費動向が目まぐるしく変化するなか、当社グループが持続的な成長を遂げるために、以下の取り組みを推進してまいります。

①衛生材料分野の販売拡大

需要の伸長が見込まれる紙オムツ市場に対して、既存販売先に加え、海外を含めた新規販売先への営業活動を積極的に展開することにより販売の拡大を目指してまいります。

②新規事業領域の開拓

医療・介護分野の製品開発を推進し、衛生材料分野、外食産業分野に続く新たな事業領域を開拓してまいります。

③海外事業展開の推進

将来的な経済成長が見込まれるアセアン諸国において業容の拡大を図るために、海外での取り組みを推進してまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業の状況および経理の状況等に関する事項のうち、リスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月26日)現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる場合があります。

 

(1) パルプおよび燃料価格の変動と為替変動等について

当社グループ製品の主原材料であるパルプの価格、燃料である重油およびガスの価格は、国際的な需給バランスや思惑買い等による影響を受けるとともに、海外依存度が高いことから為替相場の影響も受けます。パルプおよび燃料価格や為替相場に大きな変動がある場合は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 当社グループ製品の市場動向等について

当社グループは、国内外を問わず厳しい競合環境の中にあります。製品の品質、コスト等において競争力の向上に努めておりますが、競合他社が廉価販売した場合や、新たな競合メーカーの台頭等により当社グループ製品の優位性を維持できない場合は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 特定の販売先について

当社グループの主要販売先であるユニ・チャームプロダクツ株式会社、花王株式会社に対する平成29年3月期の売上高の当社グループの売上高に占める割合はそれぞれ約16%になっております。当社グループは、販売先との関係は良好であると認識しておりますが、販売先の方針変更などの理由により、取引が中止もしくは大幅に縮小された場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) パルプ不織布生産設備の安定稼働について

当社グループのパルプ不織布の生産設備はフィンランド製で、国内では当社グループしか保有していない特殊な設備であります。その技術は当社グループに蓄積されており、基本的には全て対応が可能ですが、特異なトラブルが発生した場合や特殊な部品を調達する必要が生じた場合には安定操業に影響を及ぼす可能性があります。このような場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 新製品の開発および新規事業の立ち上げについて

当社グループは、新製品の開発および新規事業の開拓に積極的に取り組んでおりますが、市場のニーズに適応した製品が投入できない場合や、新製品の開発や新規事業の立ち上げが遅れた場合には、当社グループの将来の成長性と収益性を低下させ、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 知的財産権について

当社グループは、新たな用途開発や新たな素材を使った新製品の開発に取り組んでおりますが、今後、製品、技術などの開発において、法的権利の取得が遅れた場合、または取得できない場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
  当社グループとしては第三者の知的財産権の侵害はないと認識しておりますが、認識の範囲外で第三者の知的財産権を侵害する可能性もあります。また、当社グループが保有する知的財産権に対して何らかの侵害が生じる可能性があります。このような場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 物流体制の依存について

当社グループは、物流業務のほとんどを特定の運送業者に委託しております。このため、今後何らかの要因により同社との取引が不能となった場合、一時的ではありますが、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(8) 法的規制について

当社グループは、工場における製造設備に関連して「水質汚濁防止法」「大気汚染防止法」「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」等、環境保全に関する法令の適用を受けております。当社は、ISO14001の認証を取得し環境保全に努めておりますが、これらの法規制が今後強化されたり、新たな規制が導入された場合には、工場の操業や製品の安定供給に影響が生じる可能性があります。このような場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
  また、当社グループの製品は「製造物責任法」の適用を受けており、何らかの要因により人体に悪影響を及ぼすような品質上の不具合が生じた場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 火災事故および自然災害等について

① 火災事故について

当社グループは、防災設備の充実、安全パトロールの実施等により災害対策に万全を期しておりますが、火災事故により生産設備に被害があり、製品の供給ができない場合や設備の復旧に多額の費用を必要とする場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 自然災害等について

当社グループは、本社、工場および物流拠点が岐阜県に集中しております。各施設とも可能な限りの耐震対策を講ずるとともに万が一に備えた防災訓練も実施しておりますが、岐阜県は東海地震、東南海地震の強化地域に近いこともあり、大規模地震が発生した場合には、当社グループの生産設備の破損や人的・物的被害の発生が懸念されます。実際に想定を超える規模の自然災害等が発生し、生産体制に支障をきたした場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 実行可能期間付タームローンについて

当社グループは、実行可能期間付タームローン契約を締結しておりますが、この契約には財務制限条項が付されており、これに抵触した場合には期限の利益を喪失することとなり、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

実行可能期間付タームローン契約

契約会社名

相手方の名称

契約内容

契約期間

当社

株式会社十六銀行
岐阜信用金庫
株式会社大垣共立銀行

1.借入金額

平成24年5月23日から
平成32年5月25日まで

  13億円(平成29年3月31日残高
                          650,000千円)
  なお、実行可能期間付タームローン契約とは、一定の期間内で任意の日に借入が可能な方法を付加した証書貸付方式のシンジケートローンをいう。

2.資金用途

  本巣工場建設にかかる設備資金

3.返済方法

  平成25年11月25日を初回として半年毎元金均等返済

4.財務制限条項

  各事業年度の末日(単体および連結。ただし、四半期および中間期を含まない。)において、貸借対照表における純資産の部の金額から「繰延ヘッジ損益」および「新株予約権」の合計金額を控除した金額を、前事業年度の末日における貸借対照表における純資産の部の金額から「繰延ヘッジ損益」および「新株予約権」の合計金額を控除した金額または平成23年3月期の貸借対照表における純資産の部の金額から「繰延ヘッジ損益」および「新株予約権」の合計金額を控除した金額のいずれか大きい方の75%以上を維持する条項に抵触した場合に、直ちに期限の利益を喪失します。

 

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、独自性の高い製品を上市すべく、幅広い用途開発や高付加価値製品の開発に取り組んでおり、現在、「衛生材料分野」、「外食産業分野」とともに「医療・介護分野」を対象とした開発案件を進めております。開発・営業・製造の各部門および連結子会社が密接に連携し、市場のニーズに迅速かつ的確に対応できる体制を敷くとともに、協力会社(加工メーカー)や外部の研究機関とも連携して研究開発活動を進めております。また、大手企業との共同開発にも積極的に取り組んでおります。

当連結会計年度における研究開発費は50百万円であります。

なお、上記の研究開発費の金額は特定のセグメントに関連付けられないため、セグメント別の記載は行っておりません。

 

セグメントごとの開発実績は、次のとおりであります。

(1) 不織布関連事業

パルプ不織布においては、外食産業用資材、日用品等をテーマとした開発に取り組んでおります。
  化合繊不織布においては、主に衛生材料用資材を対象とした開発に取り組んでおり、新たに紙おむつ用の部材やペットシーツ用の部材に採用されました。

 

(2) 紙関連事業

衛生用紙においては、機能性の高い衛材原紙等の開発に取り組んでおります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。なお、本項に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月26日)現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たって、当連結会計年度末における資産・負債の報告数値、当連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りおよび判断は、継続して評価を行っております。なお、見積りおよび判断については、過去における実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、不確実性があるため、実際の結果とは異なる可能性があります。

 

(2) 財政状態の分析

総資産は、前連結会計年度末と比べ13億96百万円増加して133億45百万円となりました。これは主に、現金及び預金が11億22百万円、電子記録債権が6億17百万円増加したこと、受取手形及び売掛金が1億89百万円、機械装置及び運搬具が1億46百万円減少したことによるものであります。

負債は、前連結会計年度末と比べ4億14百万円増加して64億82百万円となりました。これは主に、未払法人税等が2億45百万円、その他流動負債に含まれる未払消費税等が2億10百万円増加したことによるものであります。

純資産は、前連結会計年度末と比べ9億82百万円増加して68億63百万円となりました。これは主に利益剰余金が9億66百万円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は51.4%となりました。

 

(3) 経営成績の分析

当社グループの経営成績は、売上高125億55百万円、経常利益14億57百万円、親会社株主に帰属する当期純利益10億44百万円となりました。

① 売上高

不織布関連事業のパルプ不織布加工品は、外国人観光客の増加等により好調なホテル・外食産業を背景にクッキングペーパーの販売が増加したこと、ならびに価格修正を推し進めたこと等により売上高、利益ともに増加しました。パルプ不織布原反は、クッキングペーパーの販売の増加を受けてパルプ不織布の販売構成を見直したため売上高は微減となりました。化合繊不織布は、前連結会計年度に増設した生産設備が順調に稼働し、紙おむつ向け製品やペットシーツ向け製品の販売が好調に推移したこと等により売上高が増加しました。その結果、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ6億7百万円増の76億60百万円となりました。
  紙関連事業は、紙おむつ向け製品やペットシーツ向け製品の販売が堅調に推移したものの、販売構成の最適化のため一部の製品の販売を抑えたこと等により売上高は微増に留まりました。その結果、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ63百万円増の48億95百万円となりました。

② 売上原価

販売の増加に伴い生産数量が増加したものの、主要原材料であるパルプや燃料の価格が円高の影響もあり軟調に推移したことにより、売上原価は前連結会計年度に比べ2億44百万円減少し94億43百万円となりました。

③ 販売費及び一般管理費

販売数量の増加に伴い荷造運賃が増加したことや人件費が増加したことにより、前連結会計年度に比べ1億16百万円増加し16億71百万円となりました。

④ 営業外収益、営業外費用

営業外収益は補助金収入や故紙売却収入等により44百万円となり、また、営業外費用は支払利息等により27百万円となりました。

⑤ 特別利益、特別損失

特別利益および特別損失は発生しておりません。

 

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2  事業の状況  4  事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フロー

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2  事業の状況  1  業績等の概要  (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

② 資金需要

当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料・燃料の購入のほか、製造に係る労務費・経費、販売費及び一般管理費、生産設備の取得および既存設備の改善等に係る投資であります。これらの資金需要に対し、当社グループでは主に自己資金を充当し、必要に応じ金融機関からの借入金により資金を調達することとしております。