第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「創和」を経営理念とする「ビューティフルライフ創造企業」として、新しい製品、価値を創造することにより、社会の快適な生活に貢献し、株主様をはじめ様々なステークホルダーとの和を相互に調和させ、企業価値の向上に努めてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、重視している経営指標として売上高、経常利益を掲げています。既存市場の深耕、新規事業の立ち上げ等により売上の拡大と利益の向上を図り、企業価値を向上してまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題

社会環境や消費動向が目まぐるしく変化するなか、当社グループが持続的な成長を遂げるために、以下の取り組みを推進してまいります。

①既存事業の拡大

需要の伸長が見込まれる衛生材料分野、外食産業分野に対して既存販売先に加え、海外を含めた新規販売先への営業活動を積極的に展開することにより販売の拡大を目指してまいります。

②新規事業領域の開拓

医療・介護分野の製品開発を推進し、衛生材料分野、外食産業分野に続く新たな事業領域を開拓してまいります。

③海外事業展開の推進

将来的な経済成長が見込まれるアセアン諸国において業容の拡大を図るために、海外での取り組みを推進してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業の状況および経理の状況等に関する事項のうち、リスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年6月27日)現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる場合があります。

 

(1) パルプおよび燃料価格の変動と為替変動等について

当社グループ製品の主原材料であるパルプの価格、燃料である重油およびガスの価格は、国際的な需給バランスや思惑買い等による影響を受けるとともに、海外依存度が高いことから為替相場の影響も受けます。パルプおよび燃料価格や為替相場に大きな変動がある場合は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 当社グループ製品の市場動向等について

当社グループは、国内外を問わず厳しい競合環境の中にあります。製品の品質、コスト等において競争力の向上に努めておりますが、競合他社が廉価販売した場合や、新たな競合メーカーの台頭等により当社グループ製品の優位性を維持できない場合は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 特定の販売先について

当社グループの主要販売先であるユニ・チャームプロダクツ株式会社、花王株式会社に対する平成30年3月期の売上高の当社グループの売上高に占める割合はそれぞれ約18%になっております。当社グループは、販売先との関係は良好であると認識しておりますが、販売先の方針変更などの理由により、取引が中止もしくは大幅に縮小された場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) パルプ不織布生産設備の安定稼働について

当社グループのパルプ不織布の生産設備はフィンランド製で、国内では当社グループしか保有していない特殊な設備であります。その技術は当社グループに蓄積されており、基本的には全て対応が可能ですが、特異なトラブルが発生した場合や特殊な部品を調達する必要が生じた場合には安定操業に影響を及ぼす可能性があります。このような場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 新製品の開発および新規事業の立ち上げについて

当社グループは、新製品の開発および新規事業の開拓に積極的に取り組んでおりますが、市場のニーズに適応した製品が投入できない場合や、新製品の開発や新規事業の立ち上げが遅れた場合には、当社グループの将来の成長性と収益性を低下させ、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 知的財産権について

当社グループは、新たな用途開発や新たな素材を使った新製品の開発に取り組んでおりますが、今後、製品、技術などの開発において、法的権利の取得が遅れた場合、または取得できない場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
  当社グループとしては第三者の知的財産権の侵害はないと認識しておりますが、認識の範囲外で第三者の知的財産権を侵害する可能性もあります。また、当社グループが保有する知的財産権に対して何らかの侵害が生じる可能性があります。このような場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 物流体制の依存について

当社グループは、物流業務のほとんどを特定の運送業者に委託しております。このため、今後何らかの要因により同社との取引が不能となった場合、一時的ではありますが、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(8) 法的規制について

当社グループは、工場における製造設備に関連して「水質汚濁防止法」「大気汚染防止法」「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」等、環境保全に関する法令の適用を受けております。当社は、ISO14001の認証を取得し環境保全に努めておりますが、これらの法規制が今後強化されたり、新たな規制が導入された場合には、工場の操業や製品の安定供給に影響が生じる可能性があります。このような場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
  また、当社グループの製品は「製造物責任法」の適用を受けており、何らかの要因により人体に悪影響を及ぼすような品質上の不具合が生じた場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 火災事故および自然災害等について

① 火災事故について

当社グループは、防災設備の充実、安全パトロールの実施等により災害対策に万全を期しておりますが、火災事故により生産設備に被害があり、製品の供給ができない場合や設備の復旧に多額の費用を必要とする場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 自然災害等について

当社グループは、本社、工場および物流拠点が岐阜県に集中しております。各施設とも可能な限りの耐震対策を講ずるとともに万が一に備えた防災訓練も実施しておりますが、岐阜県は東海地震、東南海地震の強化地域に近いこともあり、大規模地震が発生した場合には、当社グループの生産設備の破損や人的・物的被害の発生が懸念されます。実際に想定を超える規模の自然災害等が発生し、生産体制に支障をきたした場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 実行可能期間付タームローンについて

当社グループは、実行可能期間付タームローン契約を締結しておりますが、この契約には財務制限条項が付されており、これに抵触した場合には期限の利益を喪失することとなり、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュフロー(以下、「経営成績」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、海外の政治・経済情勢不安や地政学的リスクの高まりによる影響が懸念される中、政府による各種政策の効果もあり企業収益や雇用状況の改善がみられるなど、緩やかな回復基調で推移しました。一方、当社グループを取り巻く環境は、衛生材料市場や外食産業市場が堅調に推移したものの、パルプ価格の高騰により厳しい状況となりました。
 こうした状況のなか当社グループは、市場の成長が続く衛生材料分野を中心に販売拡大を推し進めてまいりました。
 その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。

a.財政状態

総資産は、前連結会計年度末と比べ4億6百万円増加して137億52百万円となりました。負債は、前連結会計年度末と比べ2億81百万円減少して62億1百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末と比べ6億88百万円増加して75億51百万円となりました。

b.経営成績

売上高は128億67百万円(前期比2.5%増)となりました。利益面につきましては、営業利益は11億43百万円(同20.6%減)、経常利益は11億51百万円(同21.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億33百万円(同20.2%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

不織布関連事業

パルプ不織布原反は、販売構成の見直しのため一部のおしぼり向け製品の販売を減らしたことや、ドリップ吸収シート向け製品の販売が減少したこと等により売上高、利益ともに減少しました。パルプ不織布加工品は、クッキングペーパーの販売が増加したことにより売上高、利益ともに増加しました。化合繊不織布は、紙おむつ向け製品の販売が堅調に推移したものの、事業の収益性を向上させるために一部製品の販売を停止したことにより売上高は減少しました。一方で、収益性の向上に加え生産効率の改善等の効果もあり利益は増加しました。

その結果、当連結会計年度の売上高は75億80百万円(前期比1.0%減)、セグメント利益は13億69百万円(同4.4%増)となりました。

紙関連事業

衛生用紙は、前連結会計年度に増設した海津工場の生産設備が順調に稼働し、紙おむつ向け製品をはじめとした衛生材料向け製品の販売が堅調に推移したこと等により売上高は増加しました。一方で、輸入パルプの仕入価格が上昇したこと等により利益は減少しました。

その結果、当連結会計年度の売上高は52億87百万円(前期比8.0%増)、セグメント利益は6億53百万円(同31.5%減)となりました。

  

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より1百万円減少して14億86百万円となりました。

a.営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動により獲得した資金は14億32百万円(前期比3億27百万円減)となりました。これは、税金等調整前当期純利益11億51百万円、減価償却費6億97百万円等による資金の増加と、売上債権の増加1億85百万円、たな卸資産の増加2億16百万円等による資金の減少によるものであります。

 

b.投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動により使用した資金は8億3百万円(前期比96百万円減)となりました。これは、定期預金の預入による支出14億55百万円、定期預金の払戻による収入9億48百万円、有形固定資産の取得による支出1億28百万円、無形固定資産の取得による支出1億36百万円等によるものであります。

c.財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動により使用した資金は6億31百万円(前期は56百万円の獲得)となりました。これは、長期借入金の返済4億82百万円、配当金の支払1億40百万円等による資金の減少によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

不織布関連事業

5,056,144

96.5

紙関連事業

4,307,767

119.5

合計

9,363,912

105.9

 

   (注) 1  セグメント間の取引については、相殺消去しております。

   2  金額は製造原価によっております。

   3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

不織布関連事業

7,632,268

98.7

334,296

91.2

紙関連事業

5,224,515

105.7

253,868

112.9

合計

12,856,784

101.4

588,165

99.5

 

   (注) 1  セグメント間の取引については、相殺消去しております。

   2  金額は販売価格によっております。

   3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

不織布関連事業

7,580,093

99.0

紙関連事業

5,287,765

108.0

合計

12,867,859

102.5

 

   (注) 1  セグメント間の取引については、相殺消去しております。

   2  主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ユニ・チャームプロダクツ
株式会社

2,032,289

16.2

2,380,947

18.5

花王株式会社

2,015,195

16.1

2,254,791

17.5

 

   3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たって、当連結会計年度末における資産・負債の報告数値、当連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りおよび判断は、継続して評価を行っております。なお、見積りおよび判断については、過去における実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、不確実性があるため、実際の結果とは異なる可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析

総資産は、前連結会計年度末と比べ4億6百万円増加して137億52百万円となりました。これは主に、現金及び預金が5億4百万円、電子記録債権が1億35百万円、原材料及び貯蔵品が1億78百万円、投資有価証券が31百万円増加したこと、機械装置及び運搬具が4億51百万円減少したことによるものであります。

負債は、前連結会計年度末と比べ2億81百万円減少して62億1百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が8億94百万円増加したこと、未払法人税等が2億52百万円、未払金が1億4百万円、流動負債のその他に含まれる未払消費税が2億3百万円、長期借入金が4億85百万円、固定負債のその他に含まれる長期未払金が1億61百万円減少したことによるものであります。

純資産は、前連結会計年度末と比べ6億88百万円増加して75億51百万円となりました。これは主に、利益剰余金が6億93百万円増加したことによるものであります。この結果、自己資本比率は54.9%となりました。

 

b.経営成績の分析

売上高は128億67百万円(前期比2.5%増)となりました。これは主に、既存市場の深耕のため、衛生材料分野を中心に紙おむつ向け製品等の販売拡大を推し進めてきたことによるものです。セグメント別の売上高については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

利益面につきましては、営業利益は11億43百万円(同20.6%減)、経常利益は11億51百万円(同21.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億33百万円(同20.2%減)となりました。これは主に、主要原材料であるパルプが国際的な需給バランスにより高騰し、製造原価が上昇したこと等によるものです。

 

c.キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料・燃料の購入のほか、製造に係る労務費・経費、販売費及び一般管理費、生産設備の取得および既存設備の改善等に係る投資であります。

これらの資金需要に対し、当社グループでは、生産設備の取得および既存設備の改善等に係る資金の調達は主に金融機関からの長期借入れを基本としており、その他運転資金は主に自己資金を充当することを基本としております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

実行可能期間付タームローン契約

契約会社名

相手方の名称

契約内容

契約期間

当社

株式会社十六銀行
岐阜信用金庫
株式会社大垣共立銀行

1.借入金額

平成24年5月23日から
平成32年5月25日まで

  13億円(平成30年3月31日残高
                          464,285千円)
  なお、実行可能期間付タームローン契約とは、一定の期間内で任意の日に借入が可能な方法を付加した証書貸付方式のシンジケートローンをいう。

2.資金用途

  本巣工場建設にかかる設備資金

3.返済方法

  平成25年11月25日を初回として半年毎元金均等返済

4.財務制限条項

  各事業年度の末日(単体および連結。ただし、四半期および中間期を含まない。)において、貸借対照表における純資産の部の金額から「繰延ヘッジ損益」および「新株予約権」の合計金額を控除した金額を、前事業年度の末日における貸借対照表における純資産の部の金額から「繰延ヘッジ損益」および「新株予約権」の合計金額を控除した金額または平成23年3月期の貸借対照表における純資産の部の金額から「繰延ヘッジ損益」および「新株予約権」の合計金額を控除した金額のいずれか大きい方の75%以上を維持する条項に抵触した場合に、直ちに期限の利益を喪失します。

 

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、独自性の高い製品を上市すべく、幅広い用途開発や高付加価値製品の開発に取り組んでおり、現在、「衛生材料分野」、「外食産業分野」とともに「医療・介護分野」を対象とした開発案件を進めております。開発・営業・製造の各部門および連結子会社が密接に連携し、市場のニーズに迅速かつ的確に対応できる体制を敷くとともに、協力会社(加工メーカー)や外部の研究機関とも連携して研究開発活動を進めております。また、大手企業との共同開発にも積極的に取り組んでおります。

当連結会計年度における研究開発費は47百万円であります。

なお、上記の研究開発費の金額は特定のセグメントに関連付けられないため、セグメント別の記載は行っておりません。

 

セグメントごとの開発実績は、次のとおりであります。

(1) 不織布関連事業

パルプ不織布においては、外食産業用資材、日用品等をテーマとした開発に取り組んでおります。
  化合繊不織布においては、主に衛生材料用資材を対象とした開発に取り組んでおり、新たにペットシーツ用の部材に採用されました。

 

(2) 紙関連事業

衛生用紙においては、機能性の高い原紙の開発に取り組んでおります。