また、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はない。
以下各項目の記載金額は消費税等抜きのものである。
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、政府の経済政策などによって緩やかな回復基調が続いたが、個人消費の伸び悩みや中国をはじめとする海外経済の減速もあり、本格的な回復には至らなかった。また、マイナス金利政策の影響から企業の退職給付債務に増加傾向が見られるほか、英国のEU離脱を決める国民投票の後、6月末にかけて急速に円高・株安が進むなど、景気の先行きに対する不透明感も強まっている。
印刷業界においては、出版印刷物をはじめとした紙媒体の需要減少に加え、競争激化による受注単価の下落などにより、引き続き厳しい経営環境にあった。
このような状況のなか、DNPは、「知とコミュニケーション」「食とヘルスケア」「住まいとモビリティ」「環境とエネルギー」という4つの成長領域を定め、「P&Iイノベーション」による新しい価値の創造に注力し、事業の拡大に努めた。
その結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は3,498億円(前年同期比2.6%減)、営業利益は59億円(前年同期比48.1%減)、経常利益は89億円(前年同期比41.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億円(前年同期比90.4%減)となった。
セグメントごとの業績は、次のとおりである。
出版関連事業は、出版市場の低迷が続くなか、積極的な営業活動によって書籍は前年を上回ったが、雑誌の減少の影響が大きく、出版メディア関連は前年を下回った。一方、教育・出版流通関連は、書店での販売とネット通販、電子書籍販売サービスを連携させたハイブリッド型総合書店「honto」が堅調に推移したほか、図書館サポート事業も受託館数が増加して前年を上回った。その結果、全体として前年とほぼ同水準を確保した。
情報イノベーション事業は、POPなどの販促関連ツールに加え、カタログやパンフレットなどのマーケティング関連が増加した。また、金融機関や電子マネー向けのICカードおよびパーソナルメール等のデータ入力・印刷・発送等を行うIPS(Information Processing Services)を中心とした情報セキュリティ関連も好調に推移し、全体として前年を上回った。
イメージングコミュニケーション事業は、記念撮影フォトブース「写Goo!(シャグー)」や証明写真機「Ki-Re-i(キレイ)」を活用したサービスの展開に努めたものの、北米など海外の写真プリント用昇華型熱転写記録材(カラーインクリボンと受像紙)が伸び悩み、前年を下回った。
その結果、部門全体の売上高は2,034億円(前年同期比1.8%増)、営業利益は50億円(前年同期比31.5%減)となった。
包装関連事業は、ペットボトル用無菌充填システムの販売が前年を下回ったが、紙のパッケージやプラスチック成型品が順調に推移し、全体では前年とほぼ同水準を確保した。
住空間マテリアル関連事業は、DNP独自のEB(Electron Beam)コーティング技術を活かした環境配慮製品などの販売や海外市場の開拓に注力し、前年並みを確保した。
産業資材関連事業は、リチウムイオン電池用部材がモバイル用途向けで伸び悩んだほか、太陽電池用部材も国内住宅向けが減少し、前年を下回った。
その結果、部門全体の売上高は944億円(前年同期比0.7%減)、営業利益は31億円(前年同期比2.3%減)となった。
ディスプレイ関連製品事業は、次世代ディスプレイとして期待される有機ELディスプレイの製造に使用する蒸着マスク(メタルマスク)が順調に推移したが、液晶ディスプレイ用カラーフィルターは、スマートフォンやタブレット端末向けの中小型品およびテレビ向けの大型品ともに減少し、前年を下回った。光学フィルム関連も、偏光板向けが減少して前年を下回った。
電子デバイス事業は、半導体製品用フォトマスクは海外需要を取り込んだものの国内向けが伸び悩み、前年を下回った。
その結果、部門全体の売上高は410億円(前年同期比22.5%減)、営業利益は25億円(前年同期比52.3%減)となった。
清涼飲料業界では、メーカー間の価格競争などによる厳しい市場環境が続いたが、新製品の発売により主力ブランド商品を強化したほか、エリアマーケティングや運用ノウハウを活かした自動販売機事業を推進し、既存市場でのシェア拡大と新規顧客の獲得に努めた。
その結果、軽量ペットボトルを使ったミネラルウォーター「い・ろ・は・す」や主力ブランド「綾鷹」などのティー飲料が増加したが、北海道地域以外のグループボトラーへの販売減少に加え、「コカ・コーラ」やスポーツ飲料が減少し、部門全体の売上高は122億円(前年同期比1.3%減)、営業利益は1億円(前年同期は1億円の営業損失)となった。
当第1四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題は、次のとおりである。
当社が製造した住空間マテリアル関連事業の一部の製品に生じた不具合により、補修対策を実施している。この不具合の発生は、使用される環境、経時変化等によるため、個別に、製品の使用状況、状態等を調査した上で、発生した不具合に対して必要な補修対策を行っている。本年7月、補修対象範囲の把握と補修対策を早期に実施するための体制をより強化し、今後発生が見込まれる不具合への対応に取り組んでいる。
なお、株式会社の支配に関する基本方針は以下のとおりである。
株式会社の支配に関する基本方針
当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社を支配する者のあり方は、最終的には株主全体の意思に基づいて決定されるべきであり、会社の支配権の移転を伴う買収提案に応じるか否かの判断についても、最終的には、株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えている。
しかし、当社株式の大量買付行為の中には、大量買付者のみが他の株主の犠牲の上に利益を得るような大量買付行為、株主が買付けに応じるか否かの判断をするために合理的に必要な期間・情報を与えない大量買付行為、大量買付け後の経営の提案が不適切である大量買付行為、大量買付者の買付価格が不当に低い大量買付行為等、株主共同の利益を毀損するものもあり得る。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方として、当社の企業理念を理解し、当社の様々なステークホルダーとの信頼関係を築きながら、企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させることができる者でなければならないと考えている。したがって、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えている。
この基本方針に基づき、当社株式の大量買付けが行われる場合の手続を定め、株主が適切な判断をするために必要かつ十分な情報と時間を確保するとともに、大量買付者との交渉の機会を確保することで、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するために、当社は、買収防衛策を導入しており、平成28年6月29日開催の当社第122期定時株主総会において継続の承認を得た(以下、継続後のプランを「本プラン」)。本プランの概要は次のとおりである。
株券等保有割合が20%以上となる当社株式の買付け等をする者(以下「買付者」)は、買付行為を開始する前に、本プランに従う旨の買付説明書、及び買付内容の検討に必要な、買付者の詳細、買付目的、買付方法その他の情報を、当社に提出するものとする。
下記(3)に記載された独立委員会(以下「独立委員会」)は、買付者より提出された情報が不十分であると判断した場合は、買付者に対して、回答期限(最長60日)を定めて、追加的に情報を提供するよう求めることがある。また、当社取締役会に対して、回答期限(最長30日)を定めて、買付けに対する意見、代替案等の提示を求めることがある。
独立委員会は、買付者及び当社取締役会から情報を受領した後60日間の評価期間をとり、受領した情報の検討を行う。なお、独立委員会は、買付者の買付け等の内容の検討、買付者との協議・交渉、代替案の作成等に必要とされる合理的な範囲内(最長30日)で期間延長の決議を行うことがある。
当社は、買付説明書が提出された事実及び買付者より提供された情報のうち独立委員会が適切と判断する事項等を、独立委員会が適切と判断する時点で株主に開示する。
独立委員会は、買付者が本プランに従うことなく買付け等を開始したと認められる場合、又は独立委員会における検討の結果、買付者の買付け等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を害するおそれがあると判断した場合は、当社取締役会に対して、本プランの発動(新株予約権の無償割当て)を勧告する。なお、独立委員会は当該勧告にあたり、本プランの発動に関して事前に株主総会の承認を得るべき旨の留保を付すことがある。
当社取締役会は、独立委員会からの勧告を最大限尊重して、新株予約権の無償割当ての実施又は不実施に関して決議する。なお、当該決議を行った場合は、速やかに、当該決議の概要の情報開示を行う。
買付者は、当社取締役会が新株予約権の無償割当ての不実施を決議した後に、買付け等を開始するものとする。
本プランを適正に運用し、取締役の恣意性を排するためのチェック機関として、独立委員会を設置する。独立委員会の委員は3名以上とし、公正で客観的な判断を可能とするため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社社外取締役、当社社外監査役、又は社外の有識者の中から選任するものとし、当社社外取締役の塚田忠夫氏及び宮島司氏並びに当社社外監査役の松浦恂氏が就任している。
本プランは、買収防衛策に関する指針等の要件を完全に充足していること、株主意思を重視するものとなっていること、経営陣から独立した独立委員会の判断が最大限尊重されること等の点で、合理性のあるプランとなっている。そのため、本プランは、当社の上記基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、かつ、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断している。
なお、本プランの詳細については、インターネット上の当社ウェブサイト参照。
(http://www.dnp.co.jp/ir/pdf/info_160629bouei.pdf)
当第1四半期連結累計期間におけるDNP全体の研究開発費は7,780百万円である。
なお、当第1四半期連結累計期間において、DNPの研究開発活動の状況に重要な変更はない。