以下各項目の記載金額は、消費税等抜きのものである。
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀の金融緩和政策によって雇用・所得情勢が改善するなど、緩やかな回復基調で推移したが、円高の影響や個人消費の伸び悩みに加え、中国などの海外経済の減速もあり、本格的な回復には至らなかった。
印刷業界においては、出版印刷物をはじめとした紙媒体の需要減少に加え、競争激化による受注単価の下落などにより、引き続き厳しい経営環境にあった。
このような状況のなか、DNPは、国内外のさまざまな社会課題のうち「知とコミュニケーション」「食とヘルスケア」「住まいとモビリティ」「環境とエネルギー」の4つを成長領域として位置づけ、印刷(Printing)と情報(Information)の強みを組み合わせた「P&Iイノベーション」により、既存事業の拡大と新規ビジネスの開発による新しい価値の創造に注力し、業績の向上に努めた。
まず、「知とコミュニケーション」の領域では、平成28年4月、安全・安心で利便性の高いオンラインでの本人確認サービスの拡充を目指し、電子認証に強みを持つサイバートラスト株式会社と共同で各種認証サービスの提供に関する協業を開始した。また同年9月には、地域情報ポータルサイトと地域通貨ポイントを活用した地域創生事業への本格参入に向け、株式会社フューチャーリンクネットワークと資本業務提携した。
「食とヘルスケア」の領域では、平成28年5月、世界大手の飲料・食品向け紙容器メーカーであるSIG(エスアイジー)コンビブロックグループと、日本市場において連携していくことに合意した。
「住まいとモビリティ」の領域では、2枚のガラスを手動でスライドさせて透明と遮蔽を切り替える「DNP調光ブラインド スマートシェード」や、軽量で耐候性や耐摩耗性に優れた自動車向け曲面樹脂ガラスなど、機能性に優れた新製品の開発を進めた。
「環境とエネルギー」の領域では、経済的な発展と地球環境の保全を両立させる持続可能な社会の実現に向けて、多様な製品・サービスを開発した。平成29年2月には、窓から入る太陽光を効果的に室内に反射・拡散させる「DNP採光フィルム」による消費電力の削減などの環境保全に対する取り組みが評価され、第26回地球環境大賞「日本経済団体連合会会長賞」を受賞した。
このほか、事業競争力の強化に向けて、事業部門やグループ会社の再編・統合などの構造改革にグループを挙げて取り組んだ。
その結果、当連結会計年度の売上高は1兆4,101億円(前期比3.1%減)、営業利益は314億円(前期比30.9%減)、経常利益は367億円(前期比30.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は252億円(前期比24.9%減)となった。
セグメントごとの業績は、次のとおりである。
〔印刷事業〕
(情報コミュニケーション部門)
出版関連事業のうち、出版メディア関連は、出版市場の低迷が続くなか、積極的な営業活動を推進し、書籍は前年並みに推移したが、雑誌の減少の影響が大きく、前年を下回った。教育・出版流通関連は、平成28年10月に、作家や書店員などが独自のテーマで選んだ本を、利用者の興味・関心などに合わせて表示するサービス「ブックツリー」を開始するなど、書店での販売とネット通販、電子書籍販売サービスを連携させたハイブリッド型総合書店「honto」の事業拡大に努めた。また、図書館サポート事業も運営受託館数が増加して前年を上回ったが、出版関連事業全体としては前年を下回った。
情報イノベーション事業は、チラシは前年を下回ったが、POPなどの販促関連ツールが好調に推移したほか、カタログやパンフレットが堅調に推移した。また、金融機関や電子マネー向けのICカードのほか、パーソナルメール等のデータ入力・印刷・発送等を行うIPS(Information Processing Services)等の情報セキュリティ関連も順調に推移し、全体として前年を上回った。
平成28年10月には、生活者視点に立った的確な情報収集と分析を行い、付加価値の高いマーケティングコミュニケーション施策を迅速に提供するため、企画・制作に関連するグループ会社3社を統合し、株式会社DNPコミュニケーションデザインを設立した。各メディアの企画・制作からシステムの構築・運用までワンストップで提供し、新しい価値の提供と事業の拡大を図っている。
イメージングコミュニケーション事業は、記念撮影フォトブース「写Goo!(シャグー)」や証明写真機「Ki-Re-i(キレイ)」を活用したサービスの展開に努めたが、北米向けの写真プリント用昇華型熱転写記録材(カラーインクリボンと受像紙)が円高の影響もあって減少し、前年を下回った。
その結果、部門全体の売上高は8,012億円(前期比2.5%減)、営業利益は188億円(前期比35.7%減)となった。
(生活・産業部門)
包装関連事業は、紙のパッケージが減少したが、紙カップやプラスチック成型品のほか、フィルムパッケージやペットボトル用無菌充填システムの販売が増加し、前年を上回った。
生活空間関連事業は、DNP独自のEB(Electron Beam)コーティング技術を活かした環境配慮製品や自動車関連製品の拡販に注力した結果、前年並みを確保した。
産業資材関連事業は、太陽電池用部材が海外向け・国内向けともに前年を下回った。リチウムイオン電池用部材は車載用が順調に推移したが、モバイル用が減少し、全体として前年を下回った。
その結果、部門全体の売上高は3,881億円(前期比1.4%増)、営業利益は144億円(前期比14.6%増)となった。
(エレクトロニクス部門)
ディスプレイ関連製品事業は、次世代ディスプレイとして注目されている有機ELディスプレイの製造に使用するメタルマスクが堅調に推移したが、液晶ディスプレイ用カラーフィルターは、スマートフォンやタブレット端末向けの中小型品及びテレビ向けの大型品ともに減少し、前年を下回った。また、光学フィルム関連は、主力の偏光板向けが減少したものの、全体では前年並みを確保した。
電子デバイス事業は、半導体製品用フォトマスクが海外向け及び国内向けともに伸び悩み、前年を下回った。
その結果、部門全体の売上高は1,694億円(前期比15.0%減)、営業利益は164億円(前期比19.6%減)となった。
〔清涼飲料事業〕
(清涼飲料部門)
清涼飲料業界では、メーカー間の価格競争等による激しいシェア争いや、メーカーのナショナルブランドと流通小売のプライベートブランドとの競争激化などにより、厳しい市場環境が続いた。そのなかで、新製品発売により主力ブランド商品の販売を強化したほか、エリアマーケティングや運用ノウハウを活かした自動販売機ビジネス、コンビニエンスストアなど量販店向けの販売に注力し、既存市場におけるシェア拡大や収益性改善、新規顧客の開拓に努めた。
その結果、軽量ペットボトルを使ったミネラルウォーター「い・ろ・は・す」や主力ブランド「綾鷹」などの無糖茶飲料は増加したが、北海道地域以外のグループボトラーへの販売減少に加え、「コカ・コーラ」が減少し、部門全体の売上高は566億円(前期比2.5%減)、営業利益は24億円(前期比145.1%増)となった。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,145億円(前期比22.2%増)となり、前連結会計年度末より390億円増加した。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の増加は719億円(前期比0.9%減)となった。これは、税金等調整前当期純利益398億円、減価償却費614億円等によるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金の増加は140億円(前期は608億円の減少)となった。これは、投資有価証券の売却による収入608億円、有形固定資産の取得による支出500億円等によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金の減少は452億円(前期比4.1%減)となった。これは、配当金の支払額202億円、自己株式の取得151億円等によるものである。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
情報コミュニケーション部門 |
533,317 |
△0.7% |
|
生活・産業部門 |
305,158 |
△1.3% |
|
エレクトロニクス部門 |
157,589 |
△15.2% |
|
清涼飲料部門 |
42,230 |
△1.4% |
|
合 計 |
1,038,295 |
△3.4% |
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については相殺消去している。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていない。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
なお、清涼飲料部門においては、受注を主体とした生産を行っていないため、受注状況の記載を省略している。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
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情報コミュニケーション部門 |
651,643 |
△1.9% |
105,662 |
△2.6% |
|
生活・産業部門 |
387,789 |
△0.2% |
75,877 |
2.0% |
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エレクトロニクス部門 |
174,360 |
△10.1% |
22,861 |
30.1% |
|
合 計 |
1,213,793 |
△2.6% |
204,400 |
2.0% |
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については相殺消去している。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていない。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
情報コミュニケーション部門 |
797,046 |
△2.4% |
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生活・産業部門 |
387,142 |
1.4% |
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エレクトロニクス部門 |
169,402 |
△15.0% |
|
清涼飲料部門 |
56,581 |
△2.6% |
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合 計 |
1,410,172 |
△3.1% |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去している。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていない。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
DNPは、経営の基本方針である「DNPグループビジョン2015」において、「DNPグループは、人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する。」という企業理念を掲げ、積極的な事業活動を展開し、中長期にわたり事業を安定的に拡大していくよう努めていく。
DNPは、企業としての社会的責任(CSR)を果たし、あらゆるステークホルダーに新しい価値を提供していく上で、コーポレート・ガバナンスの充実が重要と考えている。的確な経営の意思決定と、それに基づく適正かつ迅速な業務執行、そしてそれらを監督・監査する体制を構築・運用するとともに、社員一人ひとりのコンプライアンス意識を高めるための研修や教育を徹底している。
またDNPは、「価値の創造」「誠実な行動」「高い透明性(説明責任)」を企業が果たすべき3つの責任と捉え、その実践に努めている。これらの責任を果たすため、「DNPグループ行動規範」に基づいた活動を徹底するとともに、内部統制システムを整備して業務の適正性を確保し、株主の皆様や顧客企業、生活者、社員など、さまざまなステークホルダーから高い信頼を得られるよう、誠実な企業活動に努めていく。
今後の見通しについては、政府や日銀の各種施策の効果などにより、国内の景気は緩やかに回復するものと期待されている。一方、海外では依然として景気減速の影響が懸念されており、為替や原油価格の動向など、先行き不透明な状況が続くと予想される。印刷業界においては、需要の伸び悩みや競争激化による受注単価の下落などが見込まれ、引き続き厳しい状況が予想される。
このような状況のなかで、DNPは、「知とコミュニケーション」「食とヘルスケア」「住まいとモビリティ」「環境とエネルギー」という4つの成長領域において、DNPの強みである、印刷(Printing)と情報(Information)を組み合わせた「P&Iイノベーション」により、社会課題を解決する新しい価値の創造に注力している。
「知とコミュニケーション」では、情報化社会における安全・安心な情報流通を支援することによって暮らしを支え、文化を育む取り組みを進める。紙と電子の書籍に対応するハイブリッド型総合書店「honto」の展開や、教育ICTサービスの開発、増加する訪日外国人に向けたインバウンド対応の多言語コミュニケーションツールの開発に向けた取り組みなどを推進していく。
「食とヘルスケア」では、超高齢社会において、安全で質の高い生活を支え、生涯にわたる健康維持をサポートする製品やサービスの開発に取り組む。人の健康と食を支える安全で衛生的な食品や飲料、医薬品向けのパッケージに加え、再生医療などのライフサイエンスや農業などの分野にも高機能な製品・サービスを提供していく。
「住まいとモビリティ」では、住宅やオフィス、医療施設や自動車、鉄道車両などのさまざまな空間に対して、高い快適性と機能性を備えた製品・サービスを提供していく。快適な生活空間に必要なスマートセンシング機器のほか、樹脂成型分野で優れた技術を持つDNP田村プラスチック株式会社と共同で自動車の内・外装品を提供していく。
「環境とエネルギー」では、経済的発展と環境保全を両立させる持続可能な社会の実現に取り組む。省資源、省エネルギーを目指し、リデュース・リユース・リサイクルを実現する環境配慮製品やサービスのほか、熱・光・水などをコントロールする高機能製品やエネルギーマネジメントなどのソリューションを提供していく。
これらの成長領域を中心に、DNPの強みを活かした新しい価値を創出して、事業の拡大と社会課題の解決を同時に図っていく。
<各事業部門における取り組み>
〔印刷事業〕
(情報コミュニケーション部門)
当部門では、高度な印刷技術や情報セキュリティ技術などにより、情報の最適な表現と多様なメディアへの展開に取り組み、生活者と企業のさまざまなコミュニケーションを実現していく。
例えば、出版社との連携をさらに深め、各種出版物の企画から制作、流通・販売、コンテンツの二次利用における著作権処理や海外展開など、出版に関するあらゆるビジネスを推進していく。
また、DNP柏データセンターや国内5箇所のBPO(Business Process Outsourcing)センターなど、高度な情報セキュリティ環境を備えたインフラを活用し、国際ブランドプリペイド・デビット決済サービス等の決済連動マーケティングや、企業の業務プロセスを代行するBPOサービスなど、付加価値の高い多様なサービスを提供していく。
そのほか、写真プリントやフォトアルバムなどの生活者ニーズの拡大に対応するとともに、ネットワークを活用して付加価値を高めた写真関連の新たなサービスを提供していく。
(生活・産業部門)
当部門では、地球環境への配慮やユニバーサルデザインへの対応などを進め、企業や生活者の多様なニーズに的確に応える製品・サービスを国内外に提供していく。
包装事業では、水蒸気や酸素などのバリア性に優れた「DNP透明蒸着フィルム(IB〔Innovative Barrier〕フィルム)」シリーズや、植物由来の原料を使用した「DNPバイオマスプラスチック包材 バイオマテック」シリーズなどの高機能製品のシェア拡大を図っていく。海外展開については、昭和47年からインドネシアで包装材の製造・販売を行っており、日用品や食品などの分野で同国のトップシェアを獲得している。平成25年5月に開設したベトナム工場などの拠点も活用して、海外進出する日系企業やグローバル企業に付加価値の高い製品とサービスを提供していく。
また、住宅や商業施設はもちろん、自動車や鉄道車両等も含めた生活空間に向けて、EBコーティング技術等を活用した高付加価値製品のほか、感性工学等を活用した心地よい空間の設計や評価測定、より施工しやすい工法の開発などを展開していく。欧米や新興国に対しても、意匠性に優れた金属パネルなどで、グローバルな販売網を活かしてシェア拡大を図っていく。
なお、生活空間関連事業の一部の製品に生じた不具合により、補修対策を実施している。この不具合の発生は、使用される環境、経時変化等によるため、個別に、製品の使用状況、状態等を調査した上で、必要な補修対策を行っている。平成28年7月、補修対象範囲の把握と補修対策を早期に実施するための体制をより強化し、この件の対応に取り組んでいる。
(エレクトロニクス部門)
当部門では、保有技術の高度化と融合、新たなコア技術の開発などを進め、変化する企業や生活者のニーズを先取りする製品やサービス、システムを提供していく。また、国内外の市場環境の変化を見極めて、製造設備の最適化や生産・開発体制の見直しなど、コスト構造改革を推進していく。
例えば、4K・8Kテレビや車載ディスプレイ、高精細スマートフォンなどに向けて、DNPが強みとする加工技術や材料技術を活用し、高精細と広色域、大型化と軽量・薄型化、省エネルギーや高機能などの多様なニーズに対応したディスプレイ関連製品を開発していく。光学フィルムについては、クリーンな製造環境で素材を加工するコンバーティング技術を活かした新製品開発に注力する。また、有機ELディスプレイ関連では、高度なフォトリソグラフィ技術やエッチング技術を活かしたメタルマスクの生産能力を増強するなど、需要の拡大に対応していく。
半導体製品用フォトマスクについては、製造時の描画時間を大幅に短縮するマルチ電子ビームマスク描画装置を導入し、次世代製品の生産体制を強化して、微細化や低コスト化という半導体メーカーのニーズに応えていく。また、ナノインプリントなどの次世代微細加工技術の実用化も加速させていく。
〔清涼飲料事業〕
(清涼飲料部門)
清涼飲料業界でのシェア争いが激化すると予想されるなかで、「グローバルレベルでのブランド力を持つコカ・コーラビジネスを通して、道産子企業としての地域密着力で競合を圧倒し、常に新しい価値やサービスを提供することで地元北海道に貢献し、持続的成長可能な経営基盤を実現する」というビジョンに基づき、「シェアアップ」「競合を圧倒する」「グループ総コスト削減」の3つの戦略を遂行していく。
<事業体制の強化>
DNPは、「対話と協働」という行動指針を掲げ、部門間の連携を一層強化してグループとしての総合力を高めるとともに、企業や生活者との対話を深めて新しい価値の提供に努めていく。事業拡大に向けては、今後も国内外を問わずさまざまな強みを持った企業との連携を強化していく。
また、事業ビジョンを推進する拠点の整備を国内外で進めるなかで、東京・市谷地区の拠点の再開発に取り組んでいる。東京近郊に分散している各事業部門の企画や営業及び本社の機能をこの地区に集約し、有効に活用することで、新規事業開発を強力に推進していく。
平成29年4月には、DNPのICT分野での事業競争力強化を目的として株式会社DNPデジタルソリューションズを発足させた。平成28年10月に設立した株式会社DNPコミュニケーションデザインと連携した新たな体制のもとで、マーケティングと決済サービスの融合を進めるとともに、ICTやBPO関連での相乗効果を高め、デジタルマーケティング事業などを推進していく。
<事業継続のための体制構築>
DNPは、東日本大震災の経験から事業継続計画(BCP)の重要性を再認識し、「災害発生時の人的安全対策を最優先すること」「会社の災害に対する対応力と復旧力を高めること」を基本に、日ごろから災害リスクを正しく認識して適切な予防対策を進めている。災害等、不測の事態に対しては、「DNPグループ災害対策基本規程」に基本方針や推進体制を定め、社員及び関係者の安全を確保し、さまざまなステークホルダーに安心していただけるよう防災対策を進めている。
<持続可能な社会の実現への貢献>
環境問題に関しては、気候変動が深刻化しつつあり、エネルギーや水などに関するリスクが顕在化している。DNPはサプライチェーン全体をグローバルな視点で捉え、自然と共生する持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めている。
DNPは、地球温暖化防止の取り組みを一層進めるため、温室効果ガス排出量削減の2030年度目標を定めている。また、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量(Scope3)を国内外で算定し、国内外で削減への取り組みを行っている。
原材料関連では、生態系への依存と影響が大きく、気候変動や森林資源とも関わりが深い「用紙」について、調達のガイドラインを制定し、サプライヤーと協働でガイドラインに適合した用紙調達を進めている。
また、「DNP採光フィルム」「DNP調光ブラインド スマートシェード」やエネルギー使用量を見える化する省エネ診断システムなど、持続可能な社会の実現に寄与するような製品・サービスの開発にも注力している。
今後も、省資源や省エネ、生物多様性の保全などに繋がる製品・サービスの開発を加速させ、社会課題の解決に貢献していく。
株式会社の支配に関する基本方針
当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社を支配する者のあり方は、最終的には株主全体の意思に基づいて決定されるべきであり、会社の支配権の移転を伴う買収提案に応じるか否かの判断についても、最終的には、株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えている。
しかし、当社株式の大量買付行為の中には、大量買付者のみが他の株主の犠牲の上に利益を得るような大量買付行為、株主が買付けに応じるか否かの判断をするために合理的に必要な期間・情報を与えない大量買付行為、大量買付け後の経営の提案が不適切である大量買付行為、大量買付者の買付価格が不当に低い大量買付行為等、株主共同の利益を毀損するものもあり得る。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方として、当社の企業理念を理解し、当社の様々なステークホルダーとの信頼関係を築きながら、企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させることができる者でなければならないと考えている。したがって、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えている。
この基本方針に基づき、当社株式の大量買付けが行われる場合の手続を定め、株主が適切な判断をするために必要かつ十分な情報と時間を確保するとともに、大量買付者との交渉の機会を確保することで、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するために、当社は、買収防衛策を導入しており、平成28年6月29日開催の当社第122期定時株主総会において継続の承認を得た(以下、継続後のプランを「本プラン」)。本プランの概要は次のとおりである。
株券等保有割合が20%以上となる当社株式の買付け等をする者(以下「買付者」)は、買付行為を開始する前に、本プランに従う旨の買付説明書、及び買付内容の検討に必要な、買付者の詳細、買付目的、買付方法その他の情報を、当社に提出するものとする。
下記(3)に記載された独立委員会(以下「独立委員会」)は、買付者より提出された情報が不十分であると判断した場合は、買付者に対して、回答期限(最長60日)を定めて、追加的に情報を提供するよう求めることがある。また、当社取締役会に対して、回答期限(最長30日)を定めて、買付けに対する意見、代替案等の提示を求めることがある。
独立委員会は、買付者及び当社取締役会から情報を受領した後60日間の評価期間をとり、受領した情報の検討を行う。なお、独立委員会は、買付者の買付け等の内容の検討、買付者との協議・交渉、代替案の作成等に必要とされる合理的な範囲内(最長30日)で期間延長の決議を行うことがある。
当社は、買付説明書が提出された事実及び買付者より提供された情報のうち独立委員会が適切と判断する事項等を、独立委員会が適切と判断する時点で株主に開示する。
独立委員会は、買付者が本プランに従うことなく買付け等を開始したと認められる場合、又は独立委員会における検討の結果、買付者の買付け等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を害するおそれがあると判断した場合は、当社取締役会に対して、本プランの発動(新株予約権の無償割当て)を勧告する。なお、独立委員会は当該勧告にあたり、本プランの発動に関して事前に株主総会の承認を得るべき旨の留保を付すことがある。
当社取締役会は、独立委員会からの勧告を最大限尊重して、新株予約権の無償割当ての実施又は不実施に関して決議する。なお、当該決議を行った場合は、速やかに、当該決議の概要の情報開示を行う。
買付者は、当社取締役会が新株予約権の無償割当ての不実施を決議した後に、買付け等を開始するものとする。
本プランを適正に運用し、取締役の恣意性を排するためのチェック機関として、独立委員会を設置する。独立委員会の委員は3名以上とし、公正で客観的な判断を可能とするため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社社外取締役、当社社外監査役、又は社外の有識者の中から選任するものとし、当社社外取締役の塚田忠夫氏及び宮島司氏並びに当社社外監査役の松浦恂氏が就任している。
本プランは、買収防衛策に関する指針等の要件を完全に充足していること、株主意思を重視するものとなっていること、経営陣から独立した独立委員会の判断が最大限尊重されること等の点で、合理性のあるプランとなっている。そのため、本プランは、当社の上記基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、かつ、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断している。
なお、本プランの詳細については、インターネット上の当社ウェブサイト参照。
(http://www.dnp.co.jp/topic/__icsFiles/afieldfile/2016/06/29/info_1600629_1.pdf)
DNPの業績などは、今後起こりうるさまざまな要因により、大きな影響を受ける可能性がある。これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その影響を最小限にとどめるよう努めていく。
有価証券報告書提出日現在で、DNPがリスクと判断した主な事項は、次のとおりである。
(1) 国内外の景気と消費動向
DNPは、幅広い業種の、非常に多くの顧客企業と取引を行っており、特定の顧客に偏らない事業基盤のもとで安定的な事業活動を展開している。その市場の多くは日本国内であるが、世界経済の動向とも連動して国内景気が変動し、個人消費などの内需が低迷した場合には、受注量の減少や受注単価の下落など、業績等に影響が生じる可能性がある。
また、国内外における各業界の市場動向の影響を直接、間接に受ける可能性もある。特に、エレクトロニクス関連の業界では、新興国での生産や需要の変化、世界規模での単価の下落などが起きやすく、大幅な市場動向の変化によってDNPの業績に影響を与える可能性がある。
(2) 海外での事業活動
DNPが、米州や欧州、東南アジア地域などを中心に行う海外の事業活動には、法律や規制の予期しない変更、環境関連の法規制の強化、産業基盤の脆弱性、人材の採用や確保の困難さなどの経済的要因のほか、テロや戦争、その他の要因による社会的、政治的混乱などのリスクが存在する。こうしたリスクが顕在化することによって、海外での事業活動に支障が生じ、業績等に影響を与える可能性がある。
(3) 新しい製品・サービスの開発
DNPは、印刷技術や情報技術を応用して、企業や生活者、社会に新しい価値を提供する製品やサービスを開発している。これらの開発においては、技術革新のスピードが速まっており、ニーズの多様化も進んでいる。今後、国内外での開発競争の激化が想定されるなかで、予想を上回る商品サイクルの短期化や市場動向の変化によって、DNPの業績に影響を与える可能性がある。
(4) 戦略的な事業提携・資本提携及び企業買収
DNPが実施する戦略的な事業・資本提携や企業買収について、提携先や買収先の企業、対象事業などを取り巻く事業環境が悪化し、当初想定していたような相乗効果や成果が得られない場合、DNPの業績等に影響を与える可能性がある。
(5) 原材料調達の変動
原材料の調達については、国内外の複数のメーカーから印刷用紙やフィルム材料を購入するなど、安定的な数量の確保と最適な調達価格の維持に努めている。しかしながら、石油価格の大幅な変動や新興国市場での急激な需要増加、大規模災害の影響や天然資源の枯渇、気候変動などにより、需給バランスが崩れる懸念もある。その際は、DNPの顧客企業や取引先との交渉を通じて対応していくが、原材料調達が極めて困難になった場合や購入価格が著しく上昇した場合などは、業績に影響が生じる可能性がある。
(6) 為替の変動
積極的にグローバルな事業展開を推進していくなかで、為替の影響は、次第にその比重が増していくと予想される。為替予約などにより、相場の変動リスクをヘッジしているが、急激な為替変動があった場合には、業績への影響が大きくなる可能性がある。
(7) 環境保全及び環境関連の規制の強化
DNPの事業は、省エネルギー対策、温室効果ガスの排出量削減などの気候変動対策、有害物質の使用削減、大気汚染防止、水質保全、廃棄物処理、製品リサイクルなどに関する国内外の法的な規制を受けており、今後これらの規制は強化、変更されると考えられる。こうした状況に対応するとともに、環境負荷の低減に向けた対策を強化する場合なども含め、業績等に大きな影響を及ぼす可能性がある。
(8) 情報セキュリティ及び個人情報保護
事業活動において、グローバルなコンピュータネットワークや情報システムが不可欠となるなかで、ソフトウェアやハードウェアの不具合のほか、世界規模でのサイバー攻撃、コンピュータウィルスへの感染、個人情報漏えいなどの発生リスクが高まっている。DNPは、情報セキュリティ及び個人情報保護を経営の最重要課題のひとつとして捉え、体制の強化や社員教育などを通じてシステムとデータの保守・管理に万全を尽くしているが、万一、悪意のあるサイバー攻撃や事故などが発生した場合には、事業活動に影響が及ぶ可能性がある。
(9) 法的規制の変化への対応
法と社会倫理の遵守を基本として事業を進めるなかで、製造物責任法、独占禁止法、個人情報保護法、特許法のほか、税制や輸出入関連のルールなど、国内外のさまざまな法的規制等を受けており、今後その規制が強化されることも考えられる。一方で、規制緩和によって市場や業界の動向などが大きく変化することも予想される。そのような場合、事業活動に対する制約の拡大、規制の変化に対応するための負荷やコストの増加などにより、DNPの事業活動に影響が生じる可能性がある。
(10) 災害の発生
製造設備をはじめとした主要施設に防火・耐震対策などを施すとともに、製造拠点の分散化を図り、災害などによる生産活動の停止や製品供給の混乱を最小限とするよう事業継続計画(BCP)を策定している。また、各種保険によるリスク移転も図っている。しかしながら、大地震や気候変動にともなう暴風雨・洪水などの自然災害、感染症の流行など、社会インフラの大規模な損壊や機能低下、生産活動の停止にもつながるような予想を超える事態が発生した場合は、業績に大きな影響を及ぼす可能性がある。
(11) 訴訟や罰金等の発生
DNPはグループ全体で企業倫理の浸透を図り、事業活動において社員一人ひとりが法令を守るだけでなく、社会が求める以上の高い倫理観を持ち、常に公正・公平な態度で、秩序ある自由な競争市場の維持・発展に寄与することで、社会からの信頼を得るべく努めている。しかしながら、国内外で訴訟が提起され、その結果罰金などを科される場合などにおいては、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約の内容 |
対価 |
契約期間 |
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北海道コカ・コーラ |
ザ コカ・コーラカンパニー及び |
アメリカ 日本 |
コカ・コーラ、ファンタ等の清涼飲料製品の製造・販売及び商標使用等に関する権利供与 |
原液購入代金 |
平成26年4月1日から |
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約の内容 |
対価 |
契約期間 |
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大日本印刷株式会社 |
东旭(昆山)显示材料 |
中国 |
液晶カラーフィルターの製造技術の供与に基づく同製品の製造販売権供与 |
一時金及び |
平成27年2月26日から |
DNPは、新規事業の創出・新製品開発から生産技術の開発に至るまで、幅広い研究開発活動を続けており、その活動は事業活動の原動力として機能している。
DNPの研究開発は、研究開発センター・技術開発センター、及び、各事業分野の開発部門に加え、全社横断で新規事業開発を推進するAB(アドバンストビジネス)センターを中心に推進している。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は31,375百万円であり、3つの事業部門に関する研究開発費が11,145百万円、各事業部門に配分することができない本社開発部門等の費用が20,230百万円である。
当連結会計年度における各事業部門の主な研究開発とその成果は次のとおりである。
(1) 情報コミュニケーション部門
出版印刷分野では、視覚障がい者や高齢者など、視力が低下している生活者が電子図書館を独力で利用できるよう、音声読み上げとキーボード操作で読みたい本を探せる機能を搭載したサイト・ビューワ(閲覧用ウェブブラウザ)などから成る電子図書館システムを開発した。また、ハイブリッド型総合書店「honto」では、著名人や作家、編集者、書店員などの本に精通したブックキュレーターが集めた本を、利用者の興味や関心、なりたい気分などに合わせて紹介するサービス「ブックツリー」を開始した。
セールスプロモーション分野では、電子ペーパー世界最大手のE Inkホールディングスの電子ペーパー「PRISM(プリズム)」を搭載した、生活者の行動に反応して色や絵柄を変化させてアイキャッチ効果や意匠性を高めるプロモーション用製品(POP)を、E Inkホールディングスと共同開発した。また、独自開発したAI(Artificial Intelligence:人工知能)の活用により、円滑なコミュニケーションを支援する「知能コミュニケーションプラットフォーム」の構築を進めている。この「知能コミュニケーションプラットフォーム」を実際に搭載したロボットを自治体のインフォメーションセンターに設置し、来訪者のニーズに合わせて観光地や特産品などを案内する実証実験も開始している。
カード・セキュリティ分野では、クレジットカードや電子マネーなど多様な決済手段にワンストップで対応でき、決済情報と顧客情報をセキュアな環境下で統合管理する「DNPマルチペイメントサービス」を開始した。また、1枚で国内・国外両方の通信規格に対応した非接触型決済が可能なICカードを国内で初めて開発した。
イメージングコミュニケーション分野では、DNPの証明写真機「Ki-Re-i(キレイ)」とICT技術を組み合わせ、顔写真の撮影からICカード社員証の製造・発行までをトータルで提供するサービスを開始した。また、記念撮影フォトブース「写Goo!(シャグー)」に観光地やイベントの画像との合成機能を追加し、グループでの撮影も可能な大型の筐体を開発した。
当部門に係る研究開発費は2,458百万円である。
(2) 生活・産業部門
包装関連分野では、廃棄の際に紙の層とプラスチック層を容易に分離でき、簡単に資源リサイクルが行えるアルコール飲料向け紙容器や、ユニバーサルデザインに配慮した、キャップと中栓を同時に開栓できる注出口付きの液体用紙容器を開発した。また、世界大手の紙容器メーカーであるSIG(エスアイジー)コンビブロックグループと、日本市場における飲料・食品用紙容器事業で協業を開始した。
生活空間分野では、建築外装用の化粧材として、多様な形状のアルミ建材に高級感のあるデザインを演出できる「EB外装フィルム」を開発した。また、射出成形と同時に表面の凹凸などの触感を付与できる新型の加飾フィルムを開発し、自動車などの内装材向けに販売を開始した。
高機能フィルム関連では、窓から入る太陽光を効果的に天井などに反射・拡散し、室内をより明るくする「DNP採光フィルム」が、消費電力の削減や、明るく快適な空間の実現に寄与すると評価され、第26回地球環境大賞「日本経済団体連合会会長賞」を受賞した。また、ディスプレイ向け光学フィルムなどで培った光学設計や液晶パターニング技術を活用して、偏光板と位相差フィルムを貼り合わせた2枚のガラスを手動でスライドさせ、簡単に透明と遮蔽の切り替えが可能な「DNP調光ブラインド スマートシェード」を開発した。さらに、自動車関連事業の拡大に向けて、耐候性、耐摩耗性に優れた「DNP超耐候ハードコート転写フィルム」の加工性を改良し、軽量化が求められる自動車のサンルーフなどに対応できる曲面樹脂ガラスを開発した。
当部門に係る研究開発費は1,216百万円である。
(3) エレクトロニクス部門
DNP独自のフォトリソグラフィ技術やエッチング技術を活かし、有機EL用ディスプレイ向けに、1000ppi以上の解像度に対応したメタルマスクの開発を進めている。
一方、電子書籍端末などの反射型ディスプレイ向けに、ナノインプリント技術を活用して、シートの表面に超微細な凹凸形状を施すことにより光を効率的に拡散させて、暗いところでも視認性が向上するDNP独自のフロントライト用導光板を開発し、量産を開始した。さらに、ナノインプリント技術の開発を通じて培ってきた材料技術・加工技術・装置技術などを応用し、数10nmの超微細な凹凸のパターンを持つテンプレート(パターン形成用の版)を段差なく高精度でつなぎ、大面積対応の部材の量産を可能にする“つなぎ合わせ技術”を開発した。
当部門に係る研究開発費は7,469百万円である。
(4) 清涼飲料部門
該当事項はない。
DNPの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されている。連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債の貸借対照表計上金額並びに当連結会計年度における収益・費用の損益計算書計上金額に影響する判断、見積りを実施する必要がある。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。DNPの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載している。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度(以下「前期」)に比べて457億円減少し、1兆4,101億円(前期比3.1%減)となった。
売上原価は、前期に比べて300億円減少して1兆1,431億円(前期比2.6%減)となり、売上高に対する比率は前期の80.6%から81.1%となった。販売費及び一般管理費は、前期に比べて16億円減少して2,355億円(前期比0.7%減)となり、この結果、営業利益は前期に比べて140億円減少して314億円(前期比30.9%減)となった。
営業外収益は、持分法による投資利益の減少等により前期に比べて10億円減少して136億円(前期比7.3%減)となり、営業外費用は、前期に比べて7億円増加して83億円(前期比10.3%増)となった。この結果、経常利益は前期に比べて159億円減少して367億円(前期比30.2%減)となった。
特別利益は、投資有価証券売却益の増加等により、前期に比べて331億円増加して496億円(前期比201.0%増)となり、特別損失は、補修対策引当金繰入額の発生等により前期に比べて322億円増加して465億円(前期比225.4%増)となった。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は252億円(前期比24.9%減)となった。1株当たり当期純利益は、前期に比べて12.31円減少して40.78円となった。
当連結会計年度末(以下「当期末」)の財政状態については、総資産は、現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末(以下「前期末」)に比べて232億円増加して1兆7,419億円(前期末比1.4%増)となった。
負債は、繰延税金負債の増加等により、前期末に比べて52億円増加して6,606億円(前期末比0.8%増)となった。
純資産は、その他有価証券評価差額金の増加等により、前期末に比べて180億円増加して1兆812億円(前期末比1.7%増)となった。
この結果、自己資本比率は前期末の59.2%から59.4%となり、当期末の1株当たり純資産額は、前期末に比べて61.90円増加して1,680.55円となった。
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載している。なお、当期の期末配当金について、1株につき16円としたことにより、中間配当金16円とあわせて、年間配当金は1株につき32円となった。