また、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はない。
以下各項目の記載金額は消費税等抜きのものである。
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、各企業において収益の拡大や成長分野への対応等を背景に設備投資が持ち直し、輸出も増加するなど、緩やかな回復基調が続いた。一方、雇用・所得環境が改善したものの生活者の節約志向は依然として強く、個人消費の伸び悩みが続き、本格的な回復には至らなかった。
印刷業界においては、電子書籍やインターネット広告の市場拡大による紙媒体の需要減少や、それにともなう競争の激化などもあり、厳しい経営環境が続いた。
このような状況のなか、DNPは、「DNPグループビジョン2015」に基づき、「知とコミュニケーション」「食とヘルスケア」「住まいとモビリティ」「環境とエネルギー」という4つの成長領域を軸として、印刷(Printing)と情報(Information)の強みを掛け合わせた「P&Iイノベーション」による新しい価値の創造に注力し、事業拡大に努めた。また、事業部門やグループ会社の再編・統合など、競争力強化に向けた構造改革に取り組んだ。
その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1兆509億円(前年同期比0.1%増)、営業利益は326億円(前年同期比45.6%増)、経常利益は362億円(前年同期比34.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純損失は32億円(前年同期は251億円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となった。
セグメントごとの業績は、次のとおりである。
出版関連事業のうち、出版メディア関連は、出版市場の低迷が続くなか、積極的な営業活動を推進したが、書籍、雑誌がともに前年を下回った。教育・出版流通関連は、書店での販売とネット通販、電子書籍販売サービスを連携させたハイブリッド型総合書店「honto」の事業拡大に注力し、ネット通販と電子書籍が順調に推移したほか、図書館運営業務の新規受託も増加した。しかし、平成28年10月に、株式の一部譲渡により、株式会社文教堂グループホールディングスを連結子会社から持分法適用会社としたため、教育・出版流通関連全体では前年から減少となり、当事業全体でも前年を下回った。
情報イノベーション事業は、カタログやパンフレットなどの紙媒体が減少したが、POPなどの販促関連ツールは好調に推移した。また、各種申込書の受付や生活者対応窓口の運営など、企業の幅広い業務を代行するBPO(Business Process Outsourcing)の拠点増強などにより、パーソナルメール等のデータ入力・印刷・発送等を行うIPS(Information Processing Services)が堅調に推移したほか、金融機関や電子マネー向けのICカードも順調に推移し、当事業全体で前年を上回った。
イメージングコミュニケーション事業は、コンテンツ画像のプリント販売を検討している企業に向けて、画像データの保管からサイト構築・画像加工・プリント・配送までの機能を一括提供するクラウド型画像販売ソリューション「Imaging Mall(イメージングモール)」や、記念撮影フォトブース「写Goo!(シャグー)」、証明写真機「Ki-Re-i(キレイ)」を活用したファンクラブ会員証の発行など、生活者が写真プリントを楽しめる付加価値の高いサービスの展開に努めた。写真プリント用昇華型熱転写記録材(カラーインクリボンと受像紙)は、東南アジアや欧州向けの販売が増加したが、国内や北米向けは減少し、当事業全体では前年を下回った。
その結果、部門全体の売上高は5,760億円(前年同期比3.1%減)、営業利益は152億円(前年同期比11.6%増)となった。
包装関連事業は、フィルムのパッケージや紙カップ、プラスチック成形品、充填包装機器などのシステム販売は堅調に推移したが、紙のパッケージが減少し、当事業全体では前年を下回った。
生活空間関連事業は、DNP独自のEB(Electron Beam)コーティング技術を活かした環境配慮製品の拡販に注力した。また、商業施設やオフィス、自動車や鉄道車両などの“非住宅”向けに、内・外装アルミパネル「アートテック」や、木目・金属などのデザインや触感を施した加飾フィルムが増加し、当事業全体で前年を上回った。
産業資材関連事業は、リチウムイオン電池用部材がモバイル用、車載用ともに順調に推移したほか、太陽電池用部材も海外向けが増加し、当事業全体で前年を上回った。
その結果、部門全体の売上高は2,962億円(前年同期比2.1%増)、営業利益は96億円(前年同期比13.0%減)となった。
ディスプレイ関連製品事業は、液晶ディスプレイ用カラーフィルターが、スマートフォンやタブレット端末向けの中小型品及びテレビ向けの大型品ともに前年を下回ったが、有機ELディスプレイの製造に使用するメタルマスクは好調に推移した。光学フィルム関連は、主力の液晶ディスプレイ用反射防止フィルムが堅調に推移したほか、有機ELディスプレイ向けも増加し、当事業全体で前年を上回った。
電子デバイス事業は、半導体製品用フォトマスクが、海外・国内向けの需要を取り込み、前年を上回った。
その結果、部門全体の売上高は1,396億円(前年同期比10.8%増)、営業利益は235億円(前年同期比115.9%増)となった。
清涼飲料業界では、販売促進費の積極的な投入や価格競争などによる各メーカーとの激しいシェア争いが続くなか、特定保健用食品や機能性表示食品などの新製品発売により主力ブランド商品の販売を強化した。また、自動販売機事業でエリアマーケティングや運用ノウハウの強みを活かした活動を展開することにより、既存市場でのシェア拡大と新規顧客の獲得に努めた。
その結果、主力ブランドの「コカ・コーラ」のほか、「綾鷹」などの無糖茶飲料が増加したが、ミネラルウォーター関連の減少や、北海道地域以外のグループボトラーへの販売減少もあり、部門全体の売上高は430億円(前年同期比0.7%減)、営業利益は21億円(前年同期比8.6%減)となった。
当第3四半期連結累計期間において、DNPが対処すべき課題について、重要な変更はない。
なお、株式会社の支配に関する基本方針は以下のとおりである。
株式会社の支配に関する基本方針
当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社を支配する者のあり方は、最終的には株主全体の意思に基づいて決定されるべきであり、会社の支配権の移転をともなう買収提案に応じるか否かの判断についても、最終的には、株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えている。
しかし、当社株式の大量買付行為の中には、大量買付者のみが他の株主の犠牲の上に利益を得るような大量買付行為、株主が買付けに応じるか否かの判断をするために合理的に必要な期間・情報を与えない大量買付行為、大量買付け後の経営の提案が不適切である大量買付行為、大量買付者の買付価格が不当に低い大量買付行為等、株主共同の利益を毀損するものもあり得る。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方として、当社の企業理念を理解し、当社の様々なステークホルダーとの信頼関係を築きながら、企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させることができる者でなければならないと考えている。したがって、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えている。
この基本方針に基づき、当社株式の大量買付けが行われる場合の手続を定め、株主が適切な判断をするために必要かつ十分な情報と時間を確保するとともに、大量買付者との交渉の機会を確保することで、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するために、当社は、買収防衛策を導入しており、平成28年6月29日開催の当社第122期定時株主総会において継続の承認を得た(以下、継続後のプランを「本プラン」)。本プランの概要は次のとおりである。
株券等保有割合が20%以上となる当社株式の買付け等をする者(以下「買付者」)は、買付行為を開始する前に、本プランに従う旨の買付説明書、及び買付内容の検討に必要な、買付者の詳細、買付目的、買付方法その他の情報を、当社に提出するものとする。
下記(3)に記載された独立委員会(以下「独立委員会」)は、買付者より提出された情報が不十分であると判断した場合は、買付者に対して、回答期限(最長60日)を定めて、追加的に情報を提供するよう求めることがある。また、当社取締役会に対して、回答期限(最長30日)を定めて、買付けに対する意見、代替案等の提示を求めることがある。
独立委員会は、買付者及び当社取締役会から情報を受領した後60日間の評価期間をとり、受領した情報の検討を行う。なお、独立委員会は、買付者の買付け等の内容の検討、買付者との協議・交渉、代替案の作成等に必要とされる合理的な範囲内(最長30日)で期間延長の決議を行うことがある。
当社は、買付説明書が提出された事実及び買付者より提供された情報のうち独立委員会が適切と判断する事項等を、独立委員会が適切と判断する時点で株主に開示する。
独立委員会は、買付者が本プランに従うことなく買付け等を開始したと認められる場合、又は独立委員会における検討の結果、買付者の買付け等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を害するおそれがあると判断した場合は、当社取締役会に対して、本プランの発動(新株予約権の無償割当て)を勧告する。なお、独立委員会は当該勧告にあたり、本プランの発動に関して事前に株主総会の承認を得るべき旨の留保を付すことがある。
当社取締役会は、独立委員会からの勧告を最大限尊重して、新株予約権の無償割当ての実施又は不実施に関して決議する。なお、当該決議を行った場合は、速やかに、当該決議の概要の情報開示を行う。
買付者は、当社取締役会が新株予約権の無償割当ての不実施を決議した後に、買付け等を開始するものとする。
本プランを適正に運用し、取締役の恣意性を排するためのチェック機関として、独立委員会を設置する。独立委員会の委員は3名以上とし、公正で客観的な判断を可能とするため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社社外取締役、当社社外監査役、又は社外の有識者の中から選任するものとし、当社社外取締役の塚田忠夫氏及び宮島司氏並びに当社社外監査役の松浦恂氏が就任している。
本プランは、買収防衛策に関する指針等の要件を完全に充足していること、株主意思を重視するものとなっていること、経営陣から独立した独立委員会の判断が最大限尊重されること等の点で、合理性のあるプランとなっている。そのため、本プランは、当社の上記基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、かつ、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断している。
なお、本プランの詳細については、インターネット上の当社ウェブサイト参照。
(http://www.dnp.co.jp/topic/__icsFiles/afieldfile/2016/06/29/info_1600629_1.pdf)
当第3四半期連結累計期間におけるDNP全体の研究開発費は24,674百万円である。
なお、当第3四半期連結累計期間において、DNPの研究開発活動の状況に重要な変更はない。