第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
  また、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるDNPグループを取り巻く環境は、デジタル化の進展により、インターネット広告の市場が拡大し、生活者の属性に合わせたデジタルマーケティングの動きが活発になっています。また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向け、イベントの企画など、大会を盛り上げていくためのさまざまな準備が始まっています。さらに、環境に配慮した製品・サービスへの需要が増大するとともに、自動運転など次世代のクルマ社会の実現に向けた新製品開発の動きも活発化し、DNPグループにとって活躍の機会が到来しています。

こうした状況のなかDNPグループは、「人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する」という企業理念のもと、世界的に競争力の高いICカードのほか、ワールドワイドでトップシェアを獲得しているリチウムイオン電池用バッテリーパウチ、有機ELディスプレイ製造用のメタルマスク、写真プリント用熱転写記録材、ディスプレイ用光学フィルムなどの製品・サービスを中心に、重点事業の強化に努めました。また、事業の成長領域である「知とコミュニケーション」「食とヘルスケア」「住まいとモビリティ」「環境とエネルギー」において、「P&I(印刷と情報)」の強みを掛け合わせて新しい価値を創出する「P&Iイノベーション」を推進しています。当第3四半期も、こうした価値創出の取組みを進めるとともに、事業の選択と集中による強い事業ポートフォリオの構築に注力しました。

こうした取組みにより収益性が向上し、DNPグループの当第3四半期連結累計期間の売上高営業利益率は、前年同期比0.4ポイント増の3.9%となりました。

また、資産の有効活用と効率化のため、政策保有株式など保有資産の見直しを進めるとともに、資本効率の向上と株主還元を目的として、2019年9月12日から3,000万株、600億円を上限とする自己株式取得を開始し、第3四半期までに1,183万株、343億円の取得を実施しました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間のDNPグループの売上高は1兆471億円前年同期比0.1%増)、営業利益は413億円前年同期比14.4%増)、経常利益は479億円前年同期比15.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は870億円前年同期比242.4%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

〔印刷事業〕
(情報コミュニケーション部門)

情報イノベーション事業は、パンフレットやカタログなどの紙媒体は減少しましたが、キャッシュレス化の進展にともない需要が拡大しているICカードや、人手不足や働き方改革の対策として、企業等の業務を代行するBPO(Business Process Outsourcing)事業などの重点事業が順調に拡大し、当事業全体で増収となりました。

イメージングコミュニケーション事業は、写真プリント用熱転写記録材の販売が堅調に推移したほか、観光地やイベント会場などで写真を撮影するとともに、人々の体験価値を高める「コトづくり」事業も順調に推移し、増収となりました。

出版関連事業は、出版企画・広告・製造・流通・販売など、出版業界のサプライチェーン全般に対して総合的に関わる唯一の企業グループとして出版業界の課題解決に取組みました。出版流通関連は、書店とネット通販、電子書籍販売を連動させた「honto」事業で電子書籍が順調に推移したほか、図書館運営業務の受託館数も増加し、前年並みを確保しました。しかし、出版市場の低迷により、出版メディア関連の印刷物が書籍、雑誌ともに減少し、当事業全体では減収となりました。

当部門の営業利益については、印刷用紙など原材料の値上がりの影響を受けたものの、情報イノベーション事業、イメージングコミュニケーション事業の拡大により増益となりました。

その結果、部門全体の売上高は5,739億円前年同期比1.7%増)、営業利益は212億円前年同期比25.8%増)となりました。

 

(生活・産業部門)

包装関連事業は、「持続可能な原料調達」「COの削減」「資源の循環」という3つの価値の提供を起点として、循環型社会の実現を目指し、環境負荷の低減につながるパッケージシリーズ「GREEN PACKAGING」の開発・販売に努めました。その一方で、資本効率の改善を目指し、低付加価値製品の見直しを強力に推し進めた結果、汎用の紙及びフィルムのパッケージが減少し、当事業全体で減収となりました。

生活空間関連事業は、高度な画像処理技術や印刷技術を活かした高い意匠性と、独自のEB(Electron Beam)コーティング技術を融合させた機能性の高い環境配慮製品の販売に取組みましたが、国内の新設住宅着工戸数減少の影響が大きく、当事業全体で減収となりました。

産業資材関連事業は、電気自動車の普及にともない、車載用途のリチウムイオン電池用バッテリーパウチが大幅に増加したほか、太陽電池用部材も前年を上回り、当事業全体で増収となりました。

当部門の営業利益については、産業資材関連事業の売上の増加に加え、構造改革の成果や原材料価格の下落などにより、増益となりました。

その結果、部門全体の売上高は2,949億円前年同期比1.2%減)、営業利益は80億円前年同期比30.9%増)となりました。

 

(エレクトロニクス部門)

ディスプレイ関連製品事業は、スマートフォンにおける液晶ディスプレイから有機ELディスプレイへの切替えが進み、有機ELディスプレイ製造用のメタルマスクは増加しましたが、液晶ディスプレイ用のカラーフィルターは、需要の減少にともない事業構造の見直しを進めたことにより、売上は大幅に減少しました。光学フィルム関連も、有機ELディスプレイ向けは増加しましたが、液晶テレビ向けが減少し、当事業全体で減収となりました。

電子デバイス事業は、半導体市況の悪化により、半導体製品用のフォトマスクが減少し、減収となりました。

当部門の営業利益については、売上の減少により、減益となりました。

その結果、部門全体の売上高は1,398億円前年同期比4.4%減)、営業利益は263億円前年同期比5.6%減)となりました。

 

〔清涼飲料事業〕
(清涼飲料部門)

「コカ・コーラ」など主力ブランドの新商品を発売したほか、自動販売機事業、量販店向けの販売促進活動などを強化し、既存市場におけるシェア拡大や新規の顧客獲得などに努めました。

部門全体の売上高は、北海道向けは増加したものの、天候不順により北海道以外の他のボトラー向けの販売が減少した結果、416億円前年同期比1.3%減)となりました。また、営業利益は、生産数量減少にともなう原価高や販売促進費の増加などにより、18億円前年同期比15.6%減)となりました。

 

当第3四半期連結会計期間末の資産、負債、純資産については、総資産は、現金及び預金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ42億円増加し、1兆7,792億円となりました。

負債は、補修対策引当金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ173億円減少し、7,110億円となりました。

純資産は、利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ215億円増加し、1兆682億円となりました。

 

 

(2)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、DNPグループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。

なお、株式会社の支配に関する基本方針は以下のとおりであります。

 

株式会社の支配に関する基本方針

 

 ①当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社を支配する者の在り方は、最終的には株主全体の意思に基づいて決定されるべきであり、会社の支配権の移転を伴う買収提案に応じるか否かの判断についても、最終的には、株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えます。

しかし、当社株式の大量買付行為の中には、大量買付者のみが他の株主の犠牲の上に利益を得るような大量買付行為、株主が買付けに応じるか否かの判断をするために合理的に必要な期間・情報を与えない大量買付行為、大量買付け後の経営の提案が不適切である大量買付行為、大量買付者の買付価格が不当に低い大量買付行為等、株主共同の利益を毀損するものもあり得ます。

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方として、当社の企業理念を理解し、当社の様々なステークホルダーとの信頼関係を築きながら、企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させることができる者でなければならないと考えます。したがって、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。

 

 ②会社の支配に関する基本方針の実現のための取り組み

当社は、当社株式の大量買付行為を行おうとする者に対しては、大量買付行為の是非を株主が適切な判断を行うために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の検討のために必要な時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法、及びその他関連法令に基づき、適宜適切な措置を講じます。また、取締役会の意見等の開示にあたっては、その内容の客観性を確保するため、社外役員で構成する独立した委員会に取締役会としての意見を諮問するとともに、本委員会の答申を最大限尊重します。

 

 

(3)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるDNPグループ全体の研究開発費は25,305百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

    当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。