当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間におけるDNPグループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)の影響により、個人消費や企業活動が大きく抑制され、各種印刷物などの需要も落ち込むなど、極めて厳しい状況となりました。第2四半期の後半には各国・地域で経済活動が徐々に再開されたものの、依然として景気の回復は鈍く、第3四半期の終盤には感染症の感染者数が大きく増加するなど、コロナ禍の収束までの見通しは不透明感を増しました。一方、テレワークが大きく進展するとともに、ネットワークを活用した遠隔教育やオンライン診療などDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速し、第5世代移動通信システム(5G)の利用が本格化するなかで、より高性能なデジタルデバイスの需要が拡大しました。また、地球環境への負荷低減に関する世界的な意識の高まりから、環境に配慮した製品・サービスへの需要が拡大しました。
こうした大きな変化のなか、DNPグループは、ICT(情報通信技術)を含む独自の「P&I」(印刷と情報)の強みを掛け合わせて、高い収益性と市場成長性を見込む「IoT・次世代通信」「データ流通」「環境」「モビリティ」関連の事業に注力しています。これらの事業に経営資源を最適配分し、競争力を強化していくための構造改革に取り組み、強い事業ポートフォリオの構築を進めています。また、ICT活用による生産性の向上や社内システム基盤の革新、「環境」及び「人財・人権」に関する取組みを推進するなど、グループ全体の持続可能な成長を支える経営基盤の強化に努めました。
その結果、当第3四半期連結累計期間のDNPグループの売上高は9,876億円(前年同期比5.7%減)、営業利益は319億円(前年同期比22.7%減)、経常利益は395億円(前年同期比17.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は241億円(前年同期比72.3%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
情報イノベーション事業は、マイナンバーカード等のIDカードのほか、人手不足や働き方改革の対策のひとつとして企業等の業務を代行するBPO(Business Process Outsourcing)関連の事業が、経済対策関連の需要増加もあって順調に拡大しました。一方、全国のイベントの延期や中止、キャンペーン等の広告需要の減少に加え、パンフレットやカタログ等の紙媒体の落ち込みもあり、当事業全体では減収となりました。
イメージングコミュニケーション事業は、外出自粛の影響から観光地やアミューズメント施設などでの写真撮影やプリントの機会が減少し、関連する製品・サービスの販売が大幅に落ち込み、減収となりました。
出版関連事業は、外出自粛等によって自宅で過ごす機会が増えるなか、紙と電子の両方に対応したハイブリッド型総合書店「honto」の電子書籍販売が順調に推移したほか、電子図書館サービスの受託も増加しましたが、書籍・雑誌等の印刷受注の減少が続き、当事業全体では減収となりました。
その結果、部門全体の売上高は5,291億円(前年同期比7.8%減)となり、営業利益は売上の減少により106億円(前年同期比49.9%減)となりました。
包装関連事業は、コロナ禍への対策等によって医薬品や衛生材料向け包材の需要が増加しましたが、外出自粛などによって飲料や土産品、飲食店向け等の業務用包材が減少して、当事業全体では減収となりました。
生活空間関連事業は、感染症対策として、抗菌・抗ウイルスの機能を付与した製品を投入し、新しい需要創出に努めました。また、国内外の自動車需要が回復の兆しを見せるなか、加飾フィルム等の関連製品の引き合いも復調してきたものの、国内の住宅建築やリフォームの延期・休止にともない住宅用内外装材の需要が減少し、減収となりました。
産業用高機能材関連事業は、リチウムイオン電池用バッテリーパウチが、環境負荷低減につながる電気自動車向けの需要が世界的に拡大していることに加え、テレワークの広がりなどによってタブレット端末やスマートフォン向けなども増加し、増収となりました。
その結果、部門全体の売上高は2,757億円(前年同期比6.5%減)となりました。営業利益は、産業用高機能材関連事業の伸びや原材料価格の下落などにより、88億円(前年同期比10.1%増)となりました。
ディスプレイ関連製品事業は、光学フィルム関連で、コロナ禍等による生活者の購買動向の変化もあり、店頭販売が伸び悩んだプロジェクター用スクリーンなどが減少したものの、テレワークや巣ごもり需要の拡大によってタブレット端末やモニター向けが増加したほか、テレビ向けも好調に推移しました。また、液晶ディスプレイ用カラーフィルターは、事業構造を転換し、事業整理を進めたことにより減収となったものの、有機ELディスプレイ製造用のメタルマスクが、スマートフォンにおける有機ELディスプレイの増加もあり安定的に推移し、当事業全体では増収となりました。
電子デバイス事業は、テレワークや5G関連サービスの拡大により、通信やデータセンター向けを中心に需要が増加し、増収となりました。
その結果、部門全体の売上高は1,459億円(前年同期比4.4%増)となり、営業利益は、売上の増加や事業構造改革の成果により、274億円(前年同期比3.9%増)となりました。
外出自粛の影響から、観光地や飲食店等での需要が減少しましたが、「家飲み」需要の増加でアルコール飲料「檸檬堂」の販売が増加したほか、飲食店等でのテイクアウト需要の拡大に対応するなど、コロナ禍による生活者の変化に対応した新しい価値の提供に努めました。
部門全体の売上高は、「檸檬堂」の販売が増加したものの、外出自粛の影響や観光客・宿泊客の減少、外食を中心とした休業にともなう飲料需要の減少などにより、388億円(前年同期比6.8%減)となりました。営業利益は、販売数量の減少などにより、7億円(前年同期比56.5%減)となりました。
なお、2019年10月に発売したアルコール飲料の販売増加にともない、第1四半期連結会計期間より、従来「清涼飲料事業」及び「清涼飲料部門」としていた名称を、それぞれ「飲料事業」及び「飲料部門」に変更しております。
当第3四半期連結会計期間末の資産、負債、純資産については、総資産は、現金及び預金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ148億円減少し、1兆7,068億円となりました。
負債は、1年内償還予定の社債の減少などにより、前連結会計年度末に比べ779億円減少し、6,752億円となりました。
純資産は、その他有価証券評価差額金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ630億円増加し、1兆316億円となりました。
当第3四半期連結累計期間において、DNPグループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間において、会社の支配に関する基本方針について重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間におけるDNPグループ全体の研究開発費は24,288百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
前連結会計年度末において実施中及び計画中であった主要な設備の新設、除却等の計画について、当第3四半期連結累計期間に著しい変更があったものは、次のとおりであります。
鶴瀬工場の産業資材関連製造設備の新設は、投資予定総額を10,900百万円から15,930百万円に、完成予定を2023年上期から2022年9月に変更しております。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。