当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間におけるDNPグループを取り巻く状況は、新型コロナウイルス変異株の世界的な感染拡大などの影響を受けて、人々の暮らしや社会・経済に対するさまざまな制約が続きました。働き方や生活様式の変化も加速するなかで、国内ではネットワークを活用した遠隔教育やオンライン診療が広がったほか、第5世代移動通信システム(5G)やより高性能なデジタル機器などの需要が拡大しました。また、地球温暖化防止や環境負荷低減に対する世界の人々の意識が一層高まっており、環境に配慮した製品・サービスの需要が拡大しました。
そのなかでDNPグループは、持続可能なより良い社会、より快適な暮らしの実現に向けて、社会の課題を解決するとともに、人々の期待に応える新しい価値の創出に努めました。DNPグループは常に、社会に貢献していくこと、人々の暮らしを豊かにしていくことを「志」として持ち続けており、現在は「未来のあたりまえをつくる。」というブランドステートメントにその思いを込めています。独自の「P&I」(印刷と情報)の強みを掛け合わせ、多くのパートナーとの連携も深めて、社会や人々に欠かせない価値を提供することで、欠かせない会社としての「存在意義」の発揮に努めています。特に、高い市場成長性と収益性を見込む「注力事業」として、「IoT・次世代通信」「データ流通」「モビリティ」「環境」関連のビジネスを設定し、経営資源を重点的かつ最適に配分して事業の拡大に取り組みました。また、競争力強化のための構造改革にも取り組み、強い事業ポートフォリオの構築を推進しています。
その結果、当第3四半期連結累計期間のDNPグループの売上高は1兆16億円(前年同期比1.4%増)、営業利益は492億円(前年同期比54.1%増)、経常利益は589億円(前年同期比48.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、退職給付制度の改定及び投資有価証券の売却に伴う特別利益の計上もあり、695億円(前年同期比188.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
情報イノベーション事業は、販促用DM等が回復傾向にある一方で、BPO(Business Process Outsourcing)の大型案件が減少したほか、ICカードもマイナンバーカード関連の需要拡大が一段落し、当事業全体では減収となりました。
イメージングコミュニケーション事業は、主力の米国市場を中心に写真の撮影・プリント用の部材やサービスの需要が回復し、増収となりました。
出版関連事業は、電子書籍の販売が引き続き堅調に推移し、紙と電子の両方に対応したハイブリッド型総合書店「honto」の売上が増加したほか、電子図書館サービスや図書館運営業務が順調に推移したものの、雑誌の印刷が伸び悩むなど、当事業全体で減収となりました。
その結果、部門全体の売上高は昨年実績の政策関連大型BPOの減少等の影響により5,186億円(前年同期比2.0%減)となりましたが、営業利益はコスト構造改革の効果もあり178億円(前年同期比67.7%増)になりました。
包装関連事業は、コロナ禍の影響で観光地等の土産物や飲食店向け等の業務用包材が減少しましたが、「DNP環境配慮パッケージング GREEN PACKAGING」の開発・販売に努めたほか、無菌充填システムの販売増加もあり、当事業全体で増収となりました。
生活空間関連事業は、住宅や自動車市場の需要回復により、住宅用内外装材や自動車内装用の加飾フィルムなどが増加しました。また、感染防止対策に有効な抗菌・抗ウイルス製品の需要も増加し、当事業全体で増収となりました。
産業用高機能材関連事業は、世界的な半導体不足による、サプライチェーンにおける一時的な減産の影響を受けたものの、リチウムイオン電池用バッテリーパウチが、電気自動車の世界的な需要拡大のほか、テレワークの広がり等によるタブレット端末やスマートフォン向け需要の拡大などによって増加し、当事業全体で増収となりました。
その結果、部門全体の売上高は2,905億円(前年同期比5.4%増)となりました。営業利益は、産業用高機能材関連事業の拡大や、製造体制の最適化等によるコストダウン、原材料高の影響分の価格転嫁などを進めた結果、116億円(前年同期比31.3%増)となりました。
ディスプレイ関連製品事業は、光学フィルム関連が、巣ごもり消費の一巡によりテレビ向けが減少したものの、ノートPCやモニター向けはテレワークやオンライン授業の普及などによって堅調に推移し、全体では増加しました。また、有機ELディスプレイ製造用メタルマスクも、スマートフォン用の有機ELディスプレイの需要が堅調に推移し、当事業全体で増収となりました。
電子デバイス事業は、企業や自治体等のデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速等による半導体需要の拡大により、通信や車載、データセンター向けの半導体用フォトマスクが増加しました。また、半導体パッケージ用部材のリードフレームも好調に推移し、当事業全体で増収となりました。
その結果、部門全体の売上高は1,569億円(前年同期比7.6%増)となり、営業利益は売上の増加によって、354億円(前年同期比29.3%増)となりました。
コロナ禍で通販が増えるといった生活様式の変化への対応や環境負荷の低減につながる施策として、商品名等のラベルを付けないペットボトル飲料のオンラインおよび店頭での販売に注力しました。また、アルコール飲料では、製品ラインアップを拡げた「檸檬堂」や新製品の「ノメルズ・ハードレモネード」の拡販に努めました。
部門全体の売上高は、外出自粛や行動制限の影響を受け飲食店での販売が伸び悩んだことにより、374億円(前年同期比3.5%減)となりました。営業利益は、コストダウン活動の徹底などにより、8億円(前年同期比6.2%増)となりました。
当第3四半期連結会計期間末の資産、負債、純資産については、総資産は、投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末に比べ810億円増加し、1兆9,060億円となりました。
負債は、繰延税金負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ245億円増加し、7,509億円となりました。
純資産は、その他有価証券評価差額金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ564億円増加し、1兆1,551億円となりました。
当第3四半期連結累計期間におけるDNPグループ全体の研究開発費は24,667百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。