金額は消費税等抜きで記載しております。
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済対策等により企業収益や雇用環境に改善がみられるなど緩やかな回復傾向が続いた一方、アジアなど新興国経済の減速や米国の新政権発足による政策変更など、海外経済の不透明さに対する先行き懸念もありました。印刷業界におきましては、紙媒体の需要減少や競争激化に伴う受注価格の下落など、厳しい経営環境が続いています。
このような状況の中、共同印刷グループは中期経営方針「強みを活かし事業領域を拡大して利益を創出する」に基づき、グループ一丸となって業績の向上に取り組みました。情報コミュニケーション部門及び情報セキュリティ部門からなる情報系事業では、トータルソリューション提案による販促支援サービスや業務支援サービスの受注拡大に努めました。なかでもBPOの受注拡大に向けて営業の提案力及び業務設計力の向上を図るとともに、受託体制の強化に向けて川島ソリューションセンターに新棟を建設し生産スペースを拡張しました。生活・産業資材系事業では、軟包装の受注拡大をめざし生産拠点である守谷工場の再編作業に着手するとともに、紙器事業の生産効率向上に向け、日本製紙株式会社と合弁で共同NPIパッケージ株式会社を設立しました。またASEAN市場でのラミネートチューブの受注拡大をめざし提案活動を推進しました。
利益向上に向けた施策としては、生産設備の再配置や省力化設備の導入による生産効率向上と、業務フローの見直しによる収益力向上に取り組みました。
その結果、当連結会計年度における売上高は、945億5千3百万円(前期比0.6%減)となり、営業利益は33億4千7百万円(前期比27.5%増)、経常利益は40億9千6百万円(前期比17.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は25億8千9百万円(前期比17.1%増)となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりであります。
なお当連結会計年度より、従来の「出版商印部門」を「情報コミュニケーション部門」に、「ビジネスメディア部門」を「情報セキュリティ部門」にセグメント名称を変更しています。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。
情報コミュニケーション部門
出版印刷では、マンガを中心としたコンテンツをデジタル展開するデジタルソリューションを推進するとともに、デジタル印刷機を活用した小ロット印刷の拡大に取り組みました。コミックの電子配信は好調に推移しましたが、定期刊行物と書籍がともに減少したため、売上高は前期を下回りました。
一般商業印刷では、得意先の課題解決につながるトータルソリューションを推進し、顧客分析サービスや、デジタルサイネージ・スマートフォン用アプリなどを組み合わせた販促提案によって、受注拡大をめざしました。販促DMが増加し在庫管理業務などを行うロジスティクスサービスも好調に推移しましたが、情報誌やカタログ、POP、パンフレットが減少したため、売上高は前期を下回りました。
以上の結果、部門全体の売上高は413億4千万円(前期比4.3%減)、営業損失は3千8百万円(前期は営業損失4千1百万円)となりました。
情報セキュリティ部門
情報セキュリティ部門では、マイナンバー制度関連や金融関連、介護・医療分野におけるBPO需要の取り込みをめざし、川島ソリューションセンターの機能を生かした提案活動を推進しました。ICカードや抽選券をはじめとする証券類では、受注拡大に努める一方、生産効率向上に向けた体制作りに取り組みました。
官公庁や金融機関を中心にBPOは増加しましたが、データプリントが前年の大型案件の反動もあって減少したため、ビジネスフォームは減少となりました。証券類は通帳や抽選券の受注増によって増加し、IC乗車券をはじめとするICカードも好調でした。
以上の結果、部門全体での売上高は302億1千7百万円(前期比0.9%増)、営業利益は19億3千5百万円(前期比20.5%減)となりました。
生活・産業資材部門
生活・産業資材部門では、チューブ事業の拡大をめざし、化粧品向けにフルプリント仕様のラミネートチューブを提案するとともに、ベトナムの子会社を拠点としたASEAN市場での拡販に取り組みました。また湯切りフタ材「パーシャルオープン」の受注拡大に努めたほか、フィルム製コンテナー「ハンディキューブ」の提案を進めました。「モイストキャッチ」などの高機能製品については、医薬品包材向けを中心に新規得意先や新規市場の開拓に取り組み、受注拡大を図りました。
歯磨き向けや化粧品向けを中心にチューブが増加し、「パーシャルオープン」や「Tパウチ」の受注増によって軟包装も増加しました。ラップカートンの受注増によって紙器も増加し、産業資材や建材製品も増加となりました。
以上の結果、部門全体での売上高は210億4千8百万円(前期比5.3%増)、営業利益は6億3千万円(前期比155.9%増)となりました。
その他
売上高は物流業務等が堅調に推移したため19億4千6百万円(前期比0.0%減)となり、営業利益は4億9千9百万円(前期比1.2%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ31億8千万円増加し174億1千4百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ1億7千7百万円増加し、68億7千5百万円(前期比2.7%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益37億5千7百万円及び減価償却費37億1千6百万円の計上があった一方で、仕入債務の減少9億6千3百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ2億1千4百万円減少し、48億1千3百万円(前期比4.3%減)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出41億8百万円、投資有価証券の取得による支出5億2千3百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は、11億4千8百万円(前年同期は27億9千3百万円の使用)となりました。これは主に、社債の発行による収入79億7千1百万円があった一方、社債の償還による支出50億円、長期借入金の返済による支出6億2千1百万円及び配当金の支払7億2百万円があったことによるものです。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前期比(%) |
|
情報コミュニケーション部門 |
41,372 |
95.8 |
|
情報セキュリティ部門 |
30,296 |
100.5 |
|
生活・産業資材部門 |
20,873 |
103.5 |
|
その他 |
1,964 |
100.7 |
|
合計 |
94,507 |
99.0 |
(注)金額は販売価額によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。
(2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
|
情報コミュニケーション部門 |
41,100 |
95.9 |
4,919 |
95.3 |
|
情報セキュリティ部門 |
28,609 |
92.0 |
7,183 |
81.7 |
|
生活・産業資材部門 |
21,277 |
103.0 |
5,960 |
104.0 |
|
その他 |
1,944 |
99.9 |
- |
- |
|
合計 |
92,930 |
96.3 |
18,063 |
91.8 |
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
|
情報コミュニケーション部門 |
41,340 |
95.7 |
|
情報セキュリティ部門 |
30,217 |
100.9 |
|
生活・産業資材部門 |
21,048 |
105.3 |
|
その他 |
1,946 |
100.0 |
|
合計 |
94,553 |
99.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.相手先別販売実績は、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先はないため、記載を省略しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当グループは、経営理念「印刷事業を核に、生活・文化・情報産業として社会に貢献する」の実現に向けて、グループ経営ビジョン「KYODO SPIRIT」を制定しております。その中で、あらゆる関係者から評価・信頼され、従業員にとって働く魅力にあふれた躍動的な企業グループを目指すべき企業像として掲げるとともに、過去にとらわれない柔軟で合理的な思考と変革の視点を持ち、目標に向かって邁進していく決意を表明しております。
・高品質な製品の提供と提案型営業、新製品開発の積極的な推進により、受注拡大に努め成長性を高めます。
・継続的なコストダウンの実現により収益性を高めます。
・事業領域を見直し、組織や業務の効率化を進めることで、経営資源の有効活用と経営基盤の充実に努めます。
・顧客満足度の向上を通じ市場評価を高めるとともに、企業の社会的責任を積極的に担うことで企業価値の向上を実現します。
これらの実践を通じ、付加価値の高い製品・サービスを幅広い業界のお客さまに提供し続けることによって、あらゆる関係者から評価され信頼される企業グループを目指しております。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
近年の印刷業界は、電子書籍やインターネット広告などのデジタルメディアが好調に推移する一方、紙媒体の印刷需要が減少する傾向は変わらず、先行きの見極めが困難な状況が続いています。
こうした中、当グループは中期経営方針「強みを活かし事業領域を拡大して利益を創出する」に基づき、市場環境、これまでの事業活動の進捗等を踏まえて戦略の見直しや新たな施策の立案を行い、目標の達成に向けて取り組んでおります。
情報コミュニケーション部門においては、事前設計や進行管理などの業務フローや設備配置を見直すことで利益を確保できる体制を整え、グループの生産設備を生かせる印刷需要の取り込みに引き続き努めてまいります。その一方で、市場の伸長している電子書籍分野に対しては、デジタルコンテンツの配信を中心に対応を一段と強化し、事業拡大を図ります。また、トータルソリューション提案をより一層推し進めるため、企画関連機能を組織統合し効率的・効果的な体制に再編しました。お客さまの課題解決に軸足を置いて事業領域を拡大してまいります。
情報セキュリティ部門においては、増加の見込まれるBPO関連の受託作業に対応するため、川島ソリューションセンターに新棟を建設し生産スペースを拡張しました。設備を増強すると同時に、設計から製造に至るまでの各工程の省力化・省人化や設備の再配置による受託・生産体制の効率化を行い、競争力を強化してまいります。また、多様化するニーズに応えられるよう受託可能な作業の領域を広げながら、より幅広いお客さまへの提案にも積極的に取り組み、さらなる拡販に努めてまいります。
生活・産業資材部門においては、強みを持つ製品の伸長とそれを支える体制の構築に努めます。チューブ製品に関しては、ベトナム子会社も含め国内外の生産能力を強化し、化粧品向けラミネートチューブを中心に受注拡大を進めます。また、利便性に優れた液体包材「ハンディキューブ」をはじめとする軟包装製品にも注力するため、守谷第一工場の新棟建設に着手しました。食品安全に配慮した最新鋭の生産環境を構築し、軟包装製品の拡販を目指します。本年1月には、ラップカートン、ティシューカートンなどの紙器製品の製造を担う合弁会社共同NPIパッケージ株式会社を設立しました。早期に安定した大量生産体制を構築し、紙器事業の基盤を強化してまいります。
これからも当グループは、付加価値の高い製品やサービスを幅広い業界のお客さまに提供することでグループ全体の収益力を高めてまいります。同時に、法令と企業倫理を遵守し、広く社会や環境との調和を図り企業の社会的責任を積極的に担うことで、あらゆるステークホルダーの皆さまから評価され信頼される企業グループを目指してまいります。
(3) 株式会社の支配に関する基本方針について
①基本方針の内容の概要
上場会社である当社の株式は、株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の支配権の移転を伴う買付提案がなされた場合においても、これに応じるか否かは最終的には株主の皆様の自由な意思により判断されるべきであると考えます。
しかしながら近年わが国の資本市場においては、対象となる企業の経営陣の賛同を得ずに、一方的に大量買付提案またはこれに類似する行為を強行する動きが顕在化しています。こうした大量買付の中には、対象会社の企業価値および株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業理念、さまざまな企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値および株主共同の利益を中長期的に確保、向上させるものでなければならないと考えております。従いまして、企業価値および株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付提案またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
②基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
当社の企業価値の源泉は、長い歴史の中で築き上げてきたお客さまとの信頼関係、お客さまのニーズを形にするための高いノウハウと技術を持つ従業員、そして株主・取引先や地域社会等の皆様からの継続的なご支援です。当グループは、経営理念「印刷事業を核に、生活・文化・情報産業として社会に貢献する」の実現に向けてグループ経営ビジョンを制定しています。その中で「印刷関連市場で培った企業力を活かし、あらゆる関係者から評価され信頼されるとともに、従業員にとって働く魅力にあふれた躍動的な企業グループ」を目指すべき企業像として掲げ、過去にとらわれない柔軟で合理的な思考と変革の視点を持ち、目標に向かって邁進していく決意を表明しております。営業・製造・技術・管理などあらゆる部門で働く従業員一人ひとりが「お客さま第一」の視点に立ち、企画提案力と独自技術、徹底した品質管理に支えられた付加価値の高い製品・サービスを幅広い業界のお客さまに提供し続けることで、顧客満足度を向上させるとともに、市場での評価を高め、目指すべき企業像の実現に取り組んでまいります。
③当社株式の大量買付行為への対応策(基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み)の概要
当社は平成28年6月29日開催の第136期定時株主総会の承認を得て、当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)を更新しました。
本プランは、買付者または買付提案者が当社株式の一定数以上の買付けその他の有償の譲受けまたはその提案(以下「買付け等」といいます。)を行うにあたり、所定の手続に従うことを要請するとともに、かかる手続に従った場合であっても当該買付け等が当社の企業価値および株主共同の利益を著しく害するものであると判断される場合には、かかる買付け等に対する対抗措置として、原則として新株予約権を株主の皆様に無償で割り当てるものであります。
なお、本プランの有効期間は、平成28年6月29日開催の定時株主総会の終結の時から平成31年3月期に係る定時株主総会の終結の時までとします。
本プランの対象となる買付け等は、(ⅰ)当社の株券等の保有者が保有する当社株券等に係る株券等保有割合の合計、(ⅱ)当社の株券等の買付けその他の有償の譲受けまたはこれらに類似する行為を行う者が所有しまたは所有することとなる当社の株券等およびその者の特別関係者が所有する当社の株券等に係る株券等所有割合の合計のいずれかが、20%以上となる者による当社株券等の買付けその他の有償の譲受けもしくはこれらに類似する行為またはその提案とします(ただし、当社取締役会があらかじめ承認したものを除きます。このような買付け等を行いまたは行おうとする者を以下「大量買付者」といいます。)。
本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)には、(ⅰ)大量買付者およびその関係者による行使を禁止する行使条件や、(ⅱ)当社が本新株予約権の取得と引換えに大量買付者およびその関係者以外の株主の皆様に当社株式を交付する取得条項等を付すことが予定されております。
本新株予約権の無償割当てが実施された場合、かかる行使条件や取得条項により、当該大量買付者およびその関係者の有する議決権の当社の総議決権に占める割合は、大幅に希釈化される可能性があります。
④上記②、③の取組みが基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由
イ.経済産業省・法務省、東京証券取引所の買収防衛策に関する指針や基準を完全に充足しています。
ロ.株主の皆様の判断のための情報や時間を確保するためのものであり、企業価値および株主共同の利益の確保または向上を目的として導入されたものです。
ハ.定時株主総会での承認を経ており、株主意思を重視するものとなっています。
ニ.対抗措置の発動は、当社と特別な利害関係のない社外役員や有識者に該当する委員3名以上により構成される独立委員会を設置し、その勧告を最大限尊重した上で取締役会が決定するので、当社取締役会の恣意的判断を排除できます。
ホ.対抗措置の発動に関し、合理的な客観的要件を予め定めています。
ヘ.独立委員会は独立した地位にある第三者の助言を得ることができ、判断の公正性、合理性をより強く担保できます。
ト.本プランは取締役会の決議によりいつでも廃止することが可能であり、デッドハンド型買収防衛策ではありません。また、当社は取締役の任期を1年としており、期差任期制度を採用していないため、スローハンド型買収防衛策でもありません。
以上の理由で当社取締役会は上記②、③の取組みが基本方針に沿い、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断いたします。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。
(1) 印刷需要の変化について
当グループの売上高の大部分は、企業・団体及び官公庁向け印刷物となっており、ペーパーレス化の進行などにより印刷需要が大きく変化した場合は、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 業務提携、投資、企業買収の可否
業務提携、投資、企業買収等は事業の成長性向上のために重要な活動であり、最大限の成果を上げるためにさまざまな角度から検討してその可否を決定しております。しかしながらその成果は提携先の動向、投資先の業績、買収先の財務内容等に依存する部分があり、当初の目的が果たせない場合は当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 価格競争について
当グループが事業を展開する市場の一部は、競争の激化により受注価格の低下が進んでおります。当グループは、付加価値の高い製品の開発とコスト削減による利益の確保に努め、価格低下に対応していく方針でありますが、さらなる競争の激化により今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 原材料費の高騰について
当グループの使用する主要な原材料には、その価格が市況により変動するものがあります。それら主要原材料の価格が高騰し、原材料以外のコストの削減でカバーできない場合や、販売価格に転嫁できない場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 原材料の調達について
原材料に関しては、調達先が災害などにより被害を受け、調達の遅延又は停止が発生した場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 政策・法的規制の影響について
事業を行う上では、環境法規制を始めさまざまな法的規制を受けています。それら規制が強化される場合、事業活動におけるコストの増加となり、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 製品の品質について
当グループは、徹底した品質管理のもとで製品を製造しておりますが、設計上あるいは製造工程上の不備により製品の欠陥が生じた場合、損害賠償や売上の低下により業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 技術動向への対応について
当グループは、技術開発による高付加価値製品を一部製造しているため、技術開発の遅れや技術動向の変化に対応できなかった場合、競争力の低下から受注減少につながり、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 情報セキュリティの管理について
当グループでは、「プライバシーマーク」の認定や「情報セキュリティマネジメントシステム(ISO27001)」の認証取得に積極的に取り組み、個人情報や機密情報を安全かつ正確に管理するとともに、不正アクセス、情報の紛失・改ざん及び漏洩などの予防について万全な対策を講じております。しかしながら、万一情報が流出した場合には、当グループに対する信用低下や事後対応などのコスト増加により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)大規模災害などへの対応について
当グループでは、地震・火災などの災害発生時に生命と安全の確保を最優先とする基本方針を定めるとともに、データ処理事業を対象に「事業継続マネジメントシステム(ISO22301)」の認証を取得し、事業継続体制の整備を推進しております。また、建物や製造設備には防火、耐震対策を実施しております。こうした対策により経営への影響を最小限にとどめるよう努めておりますが、大規模地震などにより予想を越える被害が発生し生産活動が停止した場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
特記事項はありません。
当連結会計年度の研究開発活動は、連結財務諸表提出会社の技術開発本部を中核として、技術部門の総合力を発揮できる体制のもと、新技術及び新素材の研究と蓄積技術を有機的に結びつけ、市場ニーズを先取りする新技術、新製品の開発に努めました。
なお、セグメント別の主な研究開発活動を示すと次のとおりであり、当連結会計年度の研究開発費の総額は1,392百万円となりました。
情報コミュニケーション部門
・高付加価値印刷・加工技術の開発
・各種偽造防止技術の開発
・品質保証機器、ソフトウエアの開発
等について研究開発を行いました。研究開発費の金額は233百万円であります。
情報セキュリティ部門
・ICカードの媒体開発
・各種品質保証及び省力・合理化機器、ソフトウエアの開発
・個人情報保護関連技術の開発
・抽選券、通帳媒体の応用開発
・ユニバーサルデザイン関連技術の開発
等について研究開発を行いました。研究開発費の金額は281百万円であります。
生活・産業資材部門
・各種機能包材の開発
・各種環境対応包材の開発
・高機能蓋材の開発
・各種機能性シートの開発
等について研究開発を行いました。研究開発費の金額は691百万円であります。
その他
・上記のほか、特定のセグメントに関連付けられないセグメント間に共通する基礎研究等の研究開発費の金額は186百万円であります。
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
(1) 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は501億1千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億6千万円増加しました。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は644億6千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ75億4百万円増加しました。これは主に、有形固定資産の増加29億2千4百万円、「投資有価証券」の増加44億4千1百万円によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は282億4千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ39億9千2百万円減少しました。これは主に、「1年内償還予定の社債」の償還による減少50億円によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は231億5千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ83億4千7百万円増加しました。これは主に、「社債」の発行による増加80億円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は631億8千万円となり、前連結会計年度末に比べ49億1千万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益25億8千9百万円、配当金の支払7億2百万円等による「利益剰余金」の増加18億8千6百万円及び「その他有価証券評価差額金」の増加28億9千9百万円によるものであります。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は、情報セキュリティ部門におけるICカードや、生活・産業資材部門におけるチューブや軟包装の好調による増加があったものの、情報コミュニケーション部門における出版印刷や商業印刷が既存市場の縮小や価格下落等により低調に推移したため、前連結会計年度(以下「前期」)に比べ5億4千4百万円(0.6%)減の、945億5千3百万円となりました。
売上総利益は、労務費の増加はあったものの、材料費や外注加工費の減少に加え、減価償却方法を定率法から定額法へ変更したことによる減価償却費の減少が約11億円あったため、前期比8億5千6百万円(5.1%)増の175億3千3百万円になりました。販売費及び一般管理費については、人件費の増加等により前期比1億3千4百万円(1.0%)増の141億8千6百万円となりましたが、売上総利益の増加により、営業利益は前期比7億2千2百万円(27.5%)増の33億4千7百万円となりました。
営業外損益は7億4千8百万円の利益となり、その結果、経常利益は前期比6億1千3百万円(17.6%)増の40億9千6百万円となりました。
特別損益は、固定資産処分損に加え、越谷工場の再編作業に伴う減損損失の計上により、3億3千8百万円の損失となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は37億5千7百万円になり、法人税等控除後の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比3億7千7百万円(17.1%)増の25億8千9百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ31億8千万円増加し174億1千4百万円となりました。
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ1億7千7百万円増加し、68億7千5百万円(前期比2.6%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益37億5千7百万円及び減価償却費37億1千6百万円の計上があった一方で、仕入債務の減少9億6千3百万円があったことによるものです。
投資活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ2億1千4百万円減少し、48億1千3百万円(前期比4.3%増)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出41億8百万円、投資有価証券の取得による支出5億2千3百万円があったことによるものです。
財務活動により獲得した資金は、11億4千8百万円(前年同期は27億9千3百万円の使用)となりました。これは主に、社債の発行による収入79億7千1百万円があった一方、社債の償還による支出50億円、長期借入金の返済による支出6億2千1百万円及び配当金の支払額7億2百万円があったことによるものです。