第2【事業の状況】

  金額は消費税等抜きで記載しております。

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当グループは、経営理念「印刷事業を核に、生活・文化・情報産業として社会に貢献する」の実現に向け、過去にとらわれない柔軟で合理的な思考と変革の視点によって、「印刷関連事業で培った企業力を生かし、あらゆる関係者から評価・信頼され、従業員にとって働く魅力にあふれた躍動的な企業グループ」をめざし邁進してまいりました。

この活動を受け継ぎさらに進化していくため、2018年度をスタートとする新たなグループ経営ビジョンを設定いたしました。その中で「誠実なコミュニケーションと市場をリードする技術力でお客さまの思いをカタチにし、新たな価値を創出し続ける企業グループ」を将来ありたい姿として掲げ、その実現に向けた中期経営計画(2018年度から2020年度までの3ヵ年計画)を次のとおりといたしました。各事業における施策を着実に実行することで計画達成を確かなものにしてまいります。

 

■中期経営方針

  「強みの育成・拡大と、事業基盤の改革に挑戦し、成長を続ける」

 

■経営目標数値(2020年度)

連結売上高

連結営業利益

連結経常利益

ROE

EBITDA

1,080億円

35億円

42億円

5.0%

100億円

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

印刷業界においては、新型コロナウイルス感染症の拡大によるインバウンド需要や販促需要の減少に加え、競争激化による単価下落や原材料価格の値上がりなど収益面のリスクも懸念され、引き続き厳しい経営環境が予想されます。一方で、ライフスタイルの変化により、新たなサービスに関する新事業・新市場への期待も高まっています。

このような状況の中、当グループは中期経営方針「強みの育成・拡大と、事業基盤の改革に挑戦し、成長を続ける」に基づき、デジタルシフトの推進による売上拡大及び、営業・製造体制の構造改革による収益力向上を重要な課題と位置づけ、経営計画達成に向けて各種施策に取り組んでまいります。

情報系事業においては、お客さまの潜在的な課題を発掘し、当グループの企画・開発力を活かした付加価値の高いサービスメニューの拡充を進めています。情報コミュニケーション部門では、コミュニケーションチャネルの急速なデジタル化を捉え、アライアンスによるデジタルソリューション開発を推進し、顧客体験を重視した総合提案による受注を拡大させます。紙媒体の需要減少に対しては、優位性のある製本ラインを活用して比較的堅調な児童書需要に対応するなど売上確保を図ると同時に、生産体制の再構築及び抜本的な業務改善による生産性の向上に取り組みます。また、情報セキュリティ部門では、BPOで業務改革及び顧客データを活用したサービス向上を推進する動向を受けて、堅調な需要が見込まれます。今後は既存顧客からのさらなる受注拡大を図るとともに、高いセキュリティ環境や業務ノウハウを活用し、より付加価値の高い情報処理を伴うヘルスケア市場への事業領域拡大を推進します。さらに、法人向けプリペイドカードサービスによる決済ソリューション事業など、既存の枠組みにとらわれないビジネスモデル構築を目指してまいります。

生活・産業資材系事業においては、強みを持つ製品の生産体制の拡充により収益力を高めるとともに、消費者の高齢化や世帯構成の変化に伴う利便性に優れた製品ニーズの高まりに対して、独自技術による新製品開発で応えます。チューブ関連では、国内外の生産能力強化を目的として、和歌山工場の新棟に続いてインドネシアのカラワン新工場を建設し、生産を開始しました。引き続き需要が見込まれる化粧品チューブを中心に、国内及びASEAN地域でのさらなる拡販を目指します。また、ブローボトル事業の幅を広げ、機能性ボトルの開発・拡販を通じて、新たな強みの育成にも注力してまいります。軟包装関連では、守谷第一工場において食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC22000」認証を取得し、食の安全を支える信頼の生産体制を強化しました。あわせて、再封機能を備えたカップ用リシール蓋材など利便性を高める製品開発を進め、消費者の安全・安心と満足度に貢献する高付加価値製品の提供により売上拡大を図ってまいります。

 

しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、様々な企業・自治体において事業の中止・延期が相次いでいることや、新しい生活様式における消費行動の変化等により、当グループにおいても各事業への影響が予想されます。具体的には、情報コミュニケーション部門における企業のプロモーションにかかわる製品・サービスの需要減少、情報セキュリティ部門における各種試験等の中止・延期等によるBPOの需要減少などが見込まれます。生活・産業資材部門においては、即席麺用をはじめとする食品用包材類の受注増はあるものの、化粧品需要の減少によるチューブの需要減少が見込まれております。現在公表している中期経営計画の目標数値にはこういった一連の影響を見込んでおりません。今後、新型コロナウイルス感染症拡大の影響額を合理的に算定することが可能になった時点で、中期経営計画の進捗状況についても速やかに公表いたします。

 

2【事業等のリスク】

[方針]

当グループのリスク管理体制は、取締役の監督のもと、通常の業務執行において各部門がリスクの顕在化を予防するための日常的なマネジメントを行うほか、「内部統制委員会」「品質保証委員会」「製品安全委員会」「情報セキュリティ委員会」「環境委員会」など担当執行役員を中心とした専門委員会が連携し、全社視点でのリスクの特定・分析・評価・対応を行い、課題解決に努めております。

また、不測の事態が発生した場合は「危機管理委員会」が中心となって情報管理・情報共有を図り、関連部門と連携しながら対応にあたります。代表的な危機局面における対応フローをまとめた「危機管理マニュアル」を策定し、事業環境の変化に応じた見直しを随時行いながら有事に備えております。

 

<リスク管理体制図>

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[個別のリスク]

当グループの経営成績、株価及び財政状況に影響を及ぼす可能性のある事項については以下のようなものがあります。ただし、これらは当グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。

なお、当該事項は、本書提出日現在において入手し得る情報に基づいて判断したものであります。

 

(1)当面の注意を要するリスク

① 印刷需要の変化について

  当グループは、企業・団体及び官公庁向けの印刷物を多く取り扱っております。昨今のペーパーレス化の進行などに対しては、比較的堅調な需要品目への対応強化や電子書籍事業への注力等により売上確保を図るとともに、生産体制の再構築等による生産性の向上等に努めています。しかし、想定を上回るスピードで印刷需要が大きく変化した場合は、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 価格競争について

  当グループが事業を展開する市場の一部は、競争の激化により受注価格の低下が進んでおります。当グループは、付加価値の高い製品の開発による差別化やサービスの向上、コスト削減による利益の確保に努め、価格低下に対応していく方針でありますが、さらなる競争の激化により今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 法的規制・コンプライアンスについて

  当グループが事業を行う上では、環境法、下請法、製造物責任法、独占禁止法等、様々な法的規制の適用を受けています。これら法的規制の遵守を徹底するため、当グループでは、「グループ企業行動憲章」に基づき、法令遵守をCSR活動の主要テーマとして定め、従業員に対する教育や内部監査に努めています。しかし、規制の改廃や新設、適用基準等の変更があった場合、また、これらの法的規制に抵触するような事態が生じた場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

  当社は、2019年10月8日、日本年金機構の帳票作成業務等の入札に関して独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による立ち入り検査を受けました。現在、公正取引委員会の調査に全面的に協力しているところですが、万一、独占禁止法違反が判明した場合には、法的制裁を受けるだけではなく、社会的信用の低下をもたらし、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 大規模災害・感染症等について

  当グループでは、BCP基本方針を定めるとともに、データ処理事業を対象とした「事業継続マネジメントシステム(ISO22301)」の認証取得による事業継続体制の整備、建物や製造設備には防火・耐震対策を実施しております。こうした対策により経営への影響を最小限にとどめるよう努めておりますが、大規模地震や感染症などにより、事業所の設備や従業員等が予想を超える被害を受け、事業活動が停滞、または製品供給に支障が生じた場合、設備等の修復にかかる多額の費用を含め、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

  なお、新型コロナウイルス感染症の拡大により、当グループでも業績へのマイナス影響が予想されます。具体的には、企業のプロモーションに関わる製品やサービスの減少、各種試験の中止・延期等によるBPOの需要減少、旅客需要の低迷による交通系ICカードや乗車券類の減少、化粧品需要の落ち込みによるチューブ製品の減少等が見込まれますが、現時点でその影響額を合理的に算定することは困難であります。

 

(2)その他のリスク

① 業務提携、投資、企業買収の可否

  当グループにとって業務提携、投資、企業買収等は事業の成長性向上のために重要な活動です。最大限の成果を上げるために、資本効率を含めさまざまな角度から検討し、その可否を決定するとともに、当該事業計画の進捗状況については定期的なモニタリングを実施しています。しかしながらその成果は提携先の動向、投資先の業績、買収先の財務内容等に依存する部分があり、当初の目的が果たせない場合は当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 情報セキュリティの管理について

  当グループでは、「プライバシーマーク」の認定や「情報セキュリティマネジメントシステム(ISO27001)」の認証取得に積極的に取り組み、個人情報や機密情報を安全かつ正確に管理するとともに、危機管理委員会の下部組織である「TOMOWEL-CSIRT」を中心に、不正アクセス、情報の紛失・改ざん及び漏洩などの予防について万全な対策を講じております。しかしながら、万一情報が流出した場合には、当グループに対する信用低下や事後対応などのコスト増加により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 製品の品質について

  当グループは「共同印刷グループ品質方針」に基づき、ISO9001をはじめとする各種外部認証取得のほか、製品安全委員会を中心とした製品安全推進体制を基盤とし、徹底した品質管理のもとで製品を製造しております。しかしながら、設計上あるいは製造工程上の不備により製品に欠陥が生じた場合、損害賠償や売上の低下により業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 原材料の調達について

  当グループの事業を維持するためには、原材料を安定的に調達することが求められます。しかし大幅な市況変動等により、主要原材料の価格が高騰し、原材料以外のコストの削減でカバーできない場合や販売価格へ適正に転嫁できない場合、また、調達先が災害などにより被害を受け、調達の遅延又は停止が発生した場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 技術動向への対応について

  当グループは、技術開発による高付加価値製品を一部製造しているため、技術開発の遅れや技術動向の変化に対応できなかった場合、競争力の低下から受注減少につながり、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益が堅調に推移し、雇用環境が改善する中で個人消費も持ち直しの動きをみせるなど、緩やかな回復傾向が続きました。しかしながら、景気の先行きについては、米中通商問題が世界経済に与える影響や消費増税後の消費者マインドの動向に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い国内外の経済活動が急速に悪化していることなどから、今後大幅に下振れすることが見込まれます。印刷業界におきましては、電子書籍市場やインターネット広告市場が拡大する一方で紙媒体需要は減少し、受注価格の下落や原材料価格の高騰など依然として厳しい経営環境が続きました

このような状況の中、共同印刷グループは2018年度を初年度とする3カ年の中期経営方針「強みの育成・拡大と、事業基盤の改革に挑戦し、成長を続ける。」に基づいた取り組みを進めました。

情報系事業では、お客さまの課題解決に向けた販促支援サービスや業務支援サービスの提案拡大に注力しました。情報コミュニケーション部門では、デジタルコンテンツの受注拡大とデジタル領域を中心とした販促ソリューションの提案力強化に取り組むとともに、紙媒体の生産体制の最適化によるコスト削減に努めました。情報セキュリティ部門では、ヘルスケアなど新たな分野でのBPO事業の拡大と、法人向け決済ソリューション事業の立ち上げに注力しました

生活・産業資材系事業では、株式会社クレハから承継したブローボトル事業が2019年11月から本格稼働を開始したほか、チューブ事業の生産能力増強に向け、和歌山工場の新棟とインドネシアのカラワン工場が竣工しました

以上の結果、当連結会計年度における売上高は、1,008億5千8百万円(前期比3.1%増)となり、営業利益は15億6千9百万円(前期比52.8%増)、経常利益は21億6千3百万円(前期比23.7%増)となりました。特別利益に投資有価証券売却益15億6千4百万円、本社再開発に伴う固定資産解体費用引当金戻入額として6億1千4百万円、特別損失に環境対策引当金繰入額6億2千8百万円を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は15億9百万円(前期比36.6%増)となりました。

 

セグメント別の概況は、次のとおりであります。

 

情報コミュニケーション部門

出版印刷では、マンガを中心としたコンテンツをデジタル展開するデジタルソリューションを推進するとともに、デジタル教材やパーソナル教材の提案を通じて教育分野での受注拡大に取り組みました。電子コミックの配信やデジタルコンテンツの受注が増加したほか、コミックスの単行本や教育関連分野の受注増により書籍が増加しましたが、定期刊行物の減少が大きく、売上高は前期を下回りました

一般商業印刷では、スマートフォン用アプリを活用したパーソナルマーケティングツール「CRooM+」や動画の制作・配信からレスポンスの分析までを行うワンストップ型ソリューション「OneDouga」など、企業と顧客をつなぐ販促ソリューションの提案を推進しました。2019年1月に共同日本写真印刷株式会社を連結子会社化したことにより、カタログ・POP・パンフレット等が増加したため、売上高は前期を上回りました

以上の結果、部門全体の売上高は398億1千5百万円(前期比1.7%増)、営業利益は9千7百万円(前期は営業損失8億2千8百万円)となりました

 

情報セキュリティ部門

情報セキュリティ部門では、データプリント及びBPOの受注拡大をめざし、金融機関や官公庁・自治体等への業務最適化・効率化提案を積極的に進めるとともに、医療やヘルスケアといった新たな市場の開拓に取り組みました。抽選券・乗車券などの証券類では、安定した受注量確保に努めるとともに、品質向上やコスト削減施策の取り組みを進めました。ICカードでは、金融関連での受注拡大を図るとともに、強みを持つ交通系ICカードを中心に発行業務の受託拡大に注力しました

証券類は前期並みとなりましたが、金融機関及び官公庁・自治体等からデータプリント及びBPOの受注が増加したためビジネスフォームが増加し、ICカードも交通系カードが増加したため前期を上回りました

以上の結果、部門全体での売上高は319億6千5百万円(前期比2.6%増)、営業利益は14億7千5百万円(前期比4.5%増)となりました

 

生活・産業資材部門

生活・産業資材部門では、食品分野を中心に機能性の高い軟包装材を提供するため、守谷工場に建設した軟包装専用棟を安定稼働させるとともに、「パーシャルオープン」をはじめとするフタ材と「Tパウチ」などの液体向け包材の拡販に取り組みました。チューブでは、旺盛な需要を背景に和歌山工場に新棟を建設するなど生産体制の強化を図りました。「モイストキャッチ」をはじめとする高機能製品については、新規得意先の開拓や中国をはじめとする海外市場への拡販に取り組みました。紙器については、既存製品を中心に安定した収益確保をめざしました

その結果、歯磨き向け・化粧品向けともにチューブが増加しました。軟包装では、フタ材が前期並みに推移したほか、液体向け包材が増加しました。紙器では、ラップカートンは減少しましたがティシューカートンが増加しました。産業資材は医薬品向け包材を中心に減少しました。なお、株式会社クレハから承継したブローボトル事業は、当セグメントに含めております

以上の結果、部門全体での売上高は263億3千8百万円(前期比4.2%増)となりましたが、事業拡大に向けた投資の増加や紙器・軟包装事業の生産体制整備のためのコストが先行したことなどから、3億7千3百万円の営業損失(前期は営業利益2億8百万円)となりました

 

その他

売上高は、偽造防止関連製品の受注増などにより27億3千9百万円(前期比25.7%増)となりましたが、物流拠点の新設による費用増などのため営業利益は3億2千4百万円(前期比12.3%減)となりました

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ26億3千8百万円増加し130億7千万円となりました

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、103億4千6百万円(前期比78億7千万円増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益30億4千5百万円、減価償却費53億8千8百万円の計上及び売上債権の減少11億9百万円があった一方、固定資産解体費用引当金の減少14億2千4百万円があったことによるものです

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、90億8百万円(前期比10億1千4百万円減)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出91億7千8百万円及び事業譲受による支出16億7千7百万円があった一方、投資有価証券の売却による収入15億6千5百万円があったことによるものです

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は、11億9千7百万円(前期比22億1千3百万円減)となりました。これは主に、長期借入れによる収入80億円があった一方、社債の償還による支出50億円、配当金の支払8億7千1百万円及び自己株式の取得による支出3億6千1百万円があったことによるものです

 

生産、受注及び販売の状況

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

情報コミュニケーション部門

39,891

102.1

情報セキュリティ部門

32,344

103.2

生活・産業資材部門

26,887

105.2

その他

2,729

125.3

合計

101,852

103.8

(注)金額は販売価額によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

情報コミュニケーション部門

42,370

107.7

7,337

153.4

情報セキュリティ部門

33,397

108.3

9,578

117.6

生活・産業資材部門

26,414

102.8

7,268

101.1

その他

2,877

123.4

290

190.9

合計

105,059

107.0

24,475

120.7

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

情報コミュニケーション部門

39,815

101.7

情報セキュリティ部門

31,965

102.6

生活・産業資材部門

26,338

104.2

その他

2,739

125.7

合計

100,858

103.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.相手先別販売実績は、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先はないため、記載を省略しております。

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

(1) 重要な会計方針及び見積り

当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

新型コロナウイルス感染症の影響については、今後の広がり方や収束時期等を正確に予測することは困難な状況にありますが、期末日以降連結財務諸表作成時までに入手可能であった4月以降の売上高の実績等を考慮のうえ、当期末の見積りに大きな影響を与えるものではないと仮定し、会計処理を行っております。

なお、当グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針については「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

(2) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

①財政状態の分析

総資産は1,246億3千4百万円となり、前期比で7億5千6百万円減少しました。これは主に、現金及び預金が23億7千2百万円、本社新社屋の建設や和歌山工場の生産設備増設により固定資産の建設仮勘定が14億5千3百万円増加した一方で、投資有価証券が52億5千万円減少したことによるものです。負債は、648億6千9百万円となり、前期比で28億6千3百万円増加しました。これは主に、設備投資や新株予約権付社債償還のための資金として銀行借り入れを実施したことにより長期借入金が80億1千2百万円増加した一方、1年内償還予定の新株予約権付社債50億円、固定資産解体費用引当金が14億2千4百万円減少したことによるものです。純資産は、597億6千4百万円となり、前期比で36億1千9百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益15億9百万円があった一方、配当金の支払8億7千1百万円、自己株式の取得3億6千1百万円があったことに加え、その他有価証券評価差額金が36億3千6百万円減少したことによるものです。

 

②経営成績の分析

当グループは、情報コミュニケーション部門における出版印刷と商業印刷、情報セキュリティ部門におけるデータプリントやBPO受託、証券類やICカード製造、生活・産業資材部門におけるチューブ・軟包装・紙器等のパッケージ類と、産業資材等の製造を主な事業としております。

情報コミュニケーション部門及び情報セキュリティ部門では、デジタル技術の発達と活用の広がりにより人と人、人と物との関係性が急激に変化する中で紙媒体需要が減少し、当グループの経営にとって大きな課題となっております。一方、ライフスタイルの変化により、新たなサービスに関する新事業・新市場への期待も高まっており、これまでになかった新しい付加価値をお客さまに提案するチャンスも生まれております。生活・産業資材部門では、中食・内食市場の広がりや個食化の進行により軟包装を中心に包材の需要が拡大しております。また、スキンケア、ヘアケアなどの化粧品用途においては、日本国内のみならず東南アジア市場においてもバリア性や美麗性の高い高品質のラミネートチューブの需要が高まっており、当社にとって受注拡大の機会が広がっております。

このような中、当グループは当連結会計年度の計画を、売上高1,040億円、営業利益17億円、経常利益24億円、親会社株主に帰属する当期純利益16億円といたしました。計画達成をめざし、情報コミュニケーション部門においてはデジタルコンテンツの受注拡大及び電子書籍事業の拡大を図るとともに、プロモーション分野におけるソリューション提案の推進に取り組みました。情報セキュリティ部門では、豊富なノウハウ及び高いセキュリティ環境を武器に金融機関や官公庁・自治体等からのBPOの受注拡大に取り組むとともに、新たな分野として健康診断等に関連するヘルスケア分野への取り組みを推進しました。ICカードでは、IC乗車券の受注量確保とともにクレジット機能等を搭載した多機能カードの受注拡大を図りました。生活・産業資材部門においては、軟包装の受注拡大と紙器の収益力向上に取り組みました。チューブでは、和歌山工場の新棟及びインドネシアのカラワン工場を建設し、国内外での生産力増強を図りました。また新しい分野として、株式会社クレハからブローボトル事業を買収し、2019年11月に本生産を開始しました。

以上の結果、売上高についてはBPOやICカードの受注増、ブローボトル事業の貢献があったものの、紙媒体需要の大幅な減少やプロモーション分野における進捗の遅れ、消費増税後の需要落ち込みやインバウンド需要の失速により情報コミュニケーション部門及び生活・産業資材部門の売上高が計画を下回ったため、1,008億5千8百万円となりました。利益につきましては、情報コミュニケーション部門では固定費削減による利益改善があったものの、生活・産業資材部門において収益性が低下したため、営業利益は15億6千9百万円、経常利益は21億6千3百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は15億9百万円と、いずれも計画を下回る結果となりました。

 

当グループは2020年度を最終年度とする3カ年の中期経営計画を実行中であり、中期経営方針に基づき持続的な利益の創出に向けて抜本的な構造改革を進めながら、経営計画の達成に向けた各種施策に取り組んでおります。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、様々な企業・自治体において事業の中止・延期が相次いでいることや、外出自粛要請に伴う個人消費の減少等により、当グループにおいても各事業へ下記のような影響が予想されます。

 

 

情報コミュニケーション部門

情報セキュリティ部門

生活・産業資材部門

増加が見込まれる

製品・サービス

・即席麺用をはじめとする食品用包材(中食・内食需要の増加)

減少が見込まれる

製品・サービス

・企業のプロモーション関連販促物(中止・延期)

・女性誌、情報誌等(取材困難)

・各種試験関連BPO

 (中止・延期)

・交通系ICカード及び乗車券(旅客需要の減少)

・ラミネートチューブ

 (UVカット製品の需要減少)

 

現在公表している中期経営計画の目標数値にはこういった一連の影響を見込んでおりません。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性

当グループの運転資金のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。

当グループは、運転資金及び設備資金については、安定的な資金調達、調達コスト抑制及び調達方法の分散・多様化を基本方針としております。

当連結会計年度は設備投資において、チューブ事業の生産能力増強に向けた和歌山工場新棟建設等に伴い、シンジケート方式による30億円の借入を実行しております。また、2019年満期円貨建転換社債型新株予約権付社債の償還資金として50億円の銀行借入を実行しております。

翌連結会計年度は、設備資金としてシンジケート方式による40億円の借入を予定しております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は246億3千4百万円、現金及び現金同等物の残高は130億7千万円となっております。

 

4【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

5【研究開発活動】

  当連結会計年度の研究開発活動は、連結財務諸表提出会社の技術開発本部を中核として、技術部門の総合力を発揮できる体制のもと、新技術及び新素材の研究と蓄積技術を有機的に結びつけ、市場ニーズを先取りする新技術、新製品の開発に努めました。

  なお、セグメント別の主な研究開発活動を示すと次のとおりであり、当連結会計年度の研究開発費の総額は977百万円となりました。

 

情報コミュニケーション部門

・高付加価値印刷・加工技術の開発

・各種偽造防止技術の開発

について研究開発を行いました。研究開発費の金額17百万円であります。

 

情報セキュリティ部門

・個人情報保護関連技術の開発

・抽選券、通帳媒体の応用開発

について研究開発を行いました。研究開発費の金額83百万円であります。

 

生活・産業資材部門

・液体包材の開発

・高機能蓋材の開発

・チューブ製品の開発

について研究開発を行いました。研究開発費の金額は487百万円であります。

 

その他

・上記のほか、特定のセグメントに関連付けられないセグメント間に共通する基礎研究等の研究開発費の金額は389百万円であります。