文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものです。
当社グループを取り巻く経営環境は、印刷市場の縮小傾向が続き、IT化やネットワーク化の進展による紙媒体の需要減少に加え、競争激化による受注単価の下落が続くなど、依然として厳しい状況が続いています。このような状況のなか、中長期的な視野に立ち、当社グループを再び成長路線に乗せるため、安定した利益の確保、それを原資にした積極的な投資を通して会社の体質強化に取り組みます。
印刷事業においては、昨今の厳しい市場環境下でも利益を確保できる強靭な収益体質を確立することを目的として、生産構造改革本部を新設しました。これにより、光村グループ一丸となり、生産機能規模の適正化と生産体制の見直しによる生産性向上及びコストダウンをはじめとした生産構造改革の達成により、抜本的な収益性の改善を図ってまいります。
営業部門においては、ラベル・シール等のBF(ビジネスフォーム)製品の伸張に取り組むため、BF戦略課を新設しました。得意先に向けたサービス体制を維持し、さらなる売上確保に取り組んでまいります。また、主要得意先を中心に顧客ニーズに対応したソリューション提案を展開し、既存得意先の深耕拡大や新規分野の開拓に向けた取組みを強化してまいります。さらに、POP部を増強しデザイン力を強化するとともに、付加価値の高い提案活動を行うことで潜在需要を取り込み、さらなる受注拡大を目指します。
生産部門においては、川越工場における紙面検査装置の全機設置や折機・断裁機の更新、草加工場におけるラベル印刷加工機の導入等を行っており、設備投資により生産量の拡大と品質向上に努めてまいります。
電子部品製造事業においては、自動車のIoT化により、車内で扱う情報量が多くなり、車載用のディスプレイの搭載数は今後ますます拡大していくことが予想されます。この市場動向に対し、今回開発したAgメッシュ製法による車載用静電容量タッチパネル製品の量産化により、大型化が進む車載用パネル市場で優位に立ち、世界的な電子部品需要の拡大に対応してまいります。
不動産賃貸等事業においては、経営資源の有効活用および財務体質の強化を図るため、不動産をはじめとする現有資産の積極的な活用や、太陽光発電の安定運営に取り組んでいます。
これらの施策により、次期の連結業績見通しにつきましては、売上高164億円、営業利益3億円、経常利益3億10百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2億円を見込んでいます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。
(1) 原材料価格の変動
当社グループは、原材料の調達について、複数のメーカーや代理店から購買を行い、安定的な原材料の確保と価格の維持に努めています。しかし、原油価格の高騰や円安の進行などにより、一時的に需給バランスが崩れ、購入価格が著しく上昇する懸念もあります。そのような場合には、当社の顧客との交渉を行いますが、全てを顧客に転嫁することは困難であり、業績等に影響を与える可能性があります。
(2) 市場の変化
当社グループの印刷事業は安定的な事業活動を展開していますが、ペーパーレス化などの進展により、印刷需要が大きく変化した場合には業績等に影響を与える可能性があります。また、電子部品製造事業は成長性が見込まれる事業ですが、市場の急激な変化による大幅な需要の変動や単価の下落、得意先による生産調整などが発生した場合には、業績等に影響を与える可能性があります。
(3) 受注単価の下落
当社グループは多くの企業と競合関係にあり、そのため、受注単価の下落が進んでいます。付加価値の高い製品やコスト削減により利益の確保に努めていますが、競争の激化により更なる急激な受注単価の下落があった場合、業績等に影響を与える可能性があります。
(4) 特定取引先への依存
当社グループは、株式会社読売新聞東京本社やヤマト運輸株式会社など、いくつかの特定取引先の売上に占める割合が高い傾向にあります。これら得意先との強固な信頼関係が当社グループの強みであると考えていますが、今後の特定取引先の経営成績や取引方針によっては業績等に影響を与える可能性があります。
(5) 債権回収
当社グループは、取引先の与信管理に努めており、必要な貸倒引当金を計上していますが、経済動向によっては、多額の貸倒により、業績等に影響を与える可能性があります。
(6) 個人情報の管理
当社グループは、個人情報の管理について、安全かつ正確に管理するとともに、紛失・改ざん・漏洩などの予防について厳重な対策を講じており、プライバシーマークの付与を受けていますが、万一個人情報が流出した場合は、信用の低下や対応コスト等により、業績等に影響を与える可能性があります。
(7) 製品の品質
当社グループは、徹底した品質管理のもとに製品を製造していますが、製造工程上の不備により製品の欠陥が生じた場合、再作成や信用の失墜により、業績等に影響を与える可能性があります。
(8) 情報システムとセキュリティ
当社グループは、草加工場における入退室システムなどの情報セキュリティ体制の高度化や社員教育などを通じてシステムとデータの保守・管理に万全を期し、サーバー類をデータセンターに設置することにより安全性の確保に努めていますが、万一システム障害が発生した場合は、業績等に影響を与える可能性があります。
(9) 法務・コンプライアンス
当社グループは、内部監査室及び顧問弁護士により、契約内容の確認や業務上の不正行為の防止活動を行っていますが、万一不利益な契約や不正行為が行われた場合は、業績等に影響を与える可能性があります。
(10) 災害の発生
当社グループは、主要施設に対する防火・耐震対策並びに川越工場における自家発電設備及び地下水ろ過システムの設置を行い、災害により生産活動の停止をきたすことのないように努めていますが、万一重大な被害を受けた場合は、業績等に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
当連結会計年度におけるわが国の経済は、米国の保護主義的な動きや東アジア地域の情勢など懸念材料はあるものの、好調な企業業績を背景として個人消費や設備投資の持ち直しの動きなどが進んでおり、緩やかな景気回復が続いています。
印刷業界におきましては、印刷市場の縮小傾向が続き、IT化やネットワーク化の進展による紙媒体の需要減少に加え、競争の激化による受注単価の下落が続くなど、経営環境は依然として厳しい状況が続きました。
当社はこのような情勢のもと、グループ内の商業輪転印刷部門の生産工場の集約や製本加工部門の設備の再配置並びに帳票印刷物の生産工程の抜本的な見直しにより、生産性向上及びコスト削減に向けた取組みを強化しています。生産設備面ではラベル用生産設備の拡充を行うことにより受注拡大に努めています。電子部品製造事業においては、車載仕様のタッチパネル向けにAgメッシュ配線を直接形成する技術を得意先と共同開発し、本年秋の量産開始を予定しています。
また、老朽化していた社宅の廃止に伴い敷地を売却する一方で、一層の生産性の向上を図るため工場の一部建物・設備の解体を行うとともに、周辺環境の変化から一部倉庫を撤去し他の倉庫への集約を行いました。
しかしながら、印刷事業における競争激化に伴い、当連結会計年度の売上高は164 億73 百万円(前年同期比5.2%減)となり、損益面では営業利益2 億64 百万円(前年同期比54.3%減)、経常利益2 億80 百万円(前年同期比55.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2 億18 百万円(前年同期比30.3%減)となりました。
セグメント別の業績を示すと次のとおりです。
① 印刷事業
新聞関連やカレンダーなどの宣伝用印刷物の売上減少等があり、売上高は147億69百万円(前年同期比6.6%減)、セグメント利益(営業利益)1億2百万円(前年同期比78.0%減)となりました。
② 電子部品製造事業
車載用静電容量タッチパネル製品の売上は前年同期並みにとどまりましたが、移動通信体市場の成長に伴う水晶振動子関連の冶具の売上増加があり、売上高は13億90百万円(前年同期比9.8%増)、セグメント損失(営業損失)1億62百万円(前年同期は2億19百万円の損失)となりました。
③ 不動産賃貸等事業
売上高は4億35百万円(前年同期比4.0%減)、セグメント利益(営業利益)3億24百万円(前年同期比2.0%減)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ4億36百万円増加し、当連結会計年度末には23億5百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、14億52百万円の収入超過(前年同期比4億48百万円(44.7%)の増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益3億41百万円(前年同期比1億54百万円(31.2%)の減少)及び減価償却費10億50百万円(前年同期比1億22百万円(10.4%)の減少)の計上があったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、3億95百万円の支出超過(前年同期比46百万円(13.3%)の支出増加)となりました。
これは主に、有形固定資産の売却による収入5億43百万円(前年同期比5億28百万円(3,554.4%)の収入増加)があった一方で、有形固定資産の取得による支出9億67百万円(前年同期比5億92百万円(157.7%)の支出増加)があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、6億20百万円の支出超過(前年同期比3億97百万円(39.0%)の支出減少)となりました。
これは主に、セール・アンド・リースバックによる収入2億30百万円があった一方で、リース債務の返済による支出3億35百万円(前年同期比2億36百万円(41.4%)の支出減少)、長期借入金の返済による支出3億14百万円(前年同期比81百万円(35.2%)の支出増加)及び配当金の支払額1億55百万円(前年同期比1百万円(0.8%)の支出減少)などがあったことなどによるものです。
③ 資本の財源及び資金の流動性
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
|
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
印刷 |
14,784,188 |
△5.7 |
|
電子部品製造 |
1,434,564 |
13.6 |
|
不動産賃貸等 |
― |
― |
|
合計 |
16,218,753 |
△4.3 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 生産高は販売価額をもって表示したものです。
3 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
印刷 |
14,497,839 |
△8.3 |
669,163 |
△28.9 |
|
電子部品製造 |
1,521,723 |
17.5 |
276,347 |
90.6 |
|
不動産賃貸等 |
― |
― |
― |
― |
|
合計 |
16,019,563 |
△6.3 |
945,510 |
△13.0 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
印刷 |
14,769,982 |
△6.6 |
|
電子部品製造 |
1,390,359 |
9.8 |
|
不動産賃貸等 |
312,691 |
2.3 |
|
合計 |
16,473,032 |
△5.2 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社読売新聞東京本社 |
5,584,194 |
32.1 |
4,964,087 |
30.1 |
|
ヤマト運輸株式会社 |
1,995,545 |
11.5 |
2,031,121 |
12.3 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。なお、個々の「重要な会計方針及び見積もり」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
① 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ3億88百万円増加の276億17百万円となりました。これは、現金及び預金の増加並びに株価の上昇により投資有価証券が増加したことなどによるものです。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ19百万円減少の97億72百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4億7百万円増加の178億44百万円となりました。これは、主にその他有価証券評価差額金の増加によるものです。
② 経営成績
当連結会計年度は、移動通信体市場の成長に伴う水晶振動子関連の治具の増加により電子部品製造事業の売上は増加したものの、新聞関連やカレンダーなどの宣伝用印刷物の減少により印刷事業の売上は減少しました。印刷市場の縮小に伴う競争の激化による受注単価の下落が印刷事業の収益悪化の要因となっています。また、電子部品製造事業は市場の成長に伴い、収益は改善しつつありますが、依然として厳しい環境下にあります。売上高は164億73百万円(前年同期比5.2%減)となり、営業利益2億64百万円(前年同期比54.3%減)、経常利益2億80百万円(前年同期比55.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2億18百万円(前年同期比30.3%減)となりました。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等は行われていません。
当社グループの研究開発活動は、社会に貢献する新商品の開発と、経済・社会性・環境に配慮したプロセス開発を、技術開発部と各事業部等の営業・生産部門が一体となって継続的に行っています。
当社は、印刷事業において長年にわたって蓄積してきた製版、印刷技術を応用し、電子部品製造事業においても新しい技術を確立しています。
技術本部において、当連結会計年度も新商品開発、新規事業開発、生産技術の改善、人材育成を積極的に進めています。
なお、当連結会計年度におきましては、86百万円を投資し、研究開発を行いました。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりです。
(1) 印刷事業
情報のデジタル化とお客様のニーズに対応した製品開発を進め、「良いものを、早く安く」をモットーにお客様の要求に応えていきます。
主な研究開発の内容は次のとおりです。
① 印刷工程のデジタル化対応
② 短納期・小ロット生産システムの構築
③ デジタル化に対応した配送伝票の開発及び製品化
④ コピー防止効果と意匠性に優れた偽造防止製品の開発及び製品化
⑤ 環境にやさしいオフセット印刷方式による小ロット軟包装分野への参入
当連結会計年度における当事業の研究開発費の金額は15百万円です。
(2) 電子部品製造事業
市場のニーズを先取りした電子部品の開発を行い、お客様に満足いただく品質と価格の製品供給に努めています。
主な研究開発の内容は次のとおりです。
① 産業資材における高精細・薄膜印刷の開発
② 産業資材における微細表面加工技術の開発
③ ITO代替材料としてCNT(カーボンナノチューブ)関連技術の開発
④ 新素材(Agレジスト)を使ったメタル配線の開発、立ち上げ、量産化
当連結会計年度における当事業の研究開発費の金額は70百万円です。