当連結会計年度におけるわが国の経済は、企業収益や雇用環境は改善基調で推移し、全体としては景気は緩やかな回復を続けていますが、個人消費にその効果を及ぼすまでにはいたっていません。一方、海外においては、中国の景気減速や資源価格の下落もあり、世界経済は依然として先行きが不透明な状況が続いています。
印刷業界におきましては、デジタルメディアが拡大する一方で、受注競争の激化による単価下落、出版市場の長期低迷等に加え原材料価格の上昇などがあり、経営環境は依然として厳しい状況が続きました。
当社はこのような情勢のもと、営業部門につきましては、重点得意先や拡大基調得意先に営業部門の人員を重点配置するなどの営業強化策を実行し、受注活動に努めています。
生産部門につきましては、プリプレス工程の合理化、短納期化に即応できる体制を構築するとともに、全社の生産コストの一層の低減に向けた施策を実行しています。また、全社的な品質管理体制の構築を推進するために、社長直轄の独立部門として品質保証室を再編し、活動を行っています。
また、当社グループにおける収益構造の再構築をめざし、抜本的な合理化・市場に対する高い競争力と収益力の確保・持続的成長を牽引する体制づくり・事業規模に応じた人員体制の再構築と年齢構成の是正といった経営課題を完遂するため、希望退職の募集を実施しました。
その結果、当連結会計年度の売上高は175億75百万円(前年同期比3.7%増)となり、損益面では、営業利益2億45百万円(前年同期比219.0%増)、経常利益2億54百万円(前年同期比201.8%増)となり、資産の効率化及び財務体質の強化を図るために投資有価証券の一部を売却したことに伴い投資有価証券売却益3億25百万円を特別利益に計上し、一方、上記希望退職募集に伴い発生した退職加算金等2億19百万円を特別損失に計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益1億95百万円(前年同期は63百万円の損失)となりました。
セグメント別の業績を示すと次のとおりです。
① 印刷事業
宣伝用印刷物の売上増加等により、売上高は161億85百万円(前年同期比3.1%増)、セグメント利益(営業利益)2億15百万円(前年同期比33.6%増)となりました。
② 電子部品製造事業
エッチング精密製品の売上減少はありましたが、車載用静電容量タッチパネル製品の売上増加により、売上高は10億87百万円(前年同期比9.0%増)、セグメント損失(営業損失)2億97百万円(前年同期は3億68百万円の損失)となりました。
③ 不動産賃貸等事業
前第3四半期連結会計期間に太陽光発電事業を開始したこともあり、売上高は4億54百万円(前年同期比16.1%増)、セグメント利益(営業利益)3億27百万円(前年同期比15.5%増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ8億89百万円増加し、当連結会計年度末には22億32百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、17億4百万円の収入超過(前年同期比1百万円(0.1%)の減少)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益3億46百万円(前年同期比3億20百万円(1,229.8%)の増加)及び減価償却費14億8百万円(前年同期比3百万円(0.3%)の減少)の計上があったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1億64百万円の収入超過(前年同期は6億31百万円の支出超過)となりました。
これは主に、投資有価証券の売却による収入3億84百万円があった一方で、有形固定資産の取得による支出1億44百万円(前年同期比3億94百万円(73.1%)の支出減少)があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、9億79百万円の支出超過(前年同期比42百万円(4.2%)の支出減少)となりました。
これは主に、リース債務の返済による支出8億1百万円(前年同期比1億92百万円(31.6%)の支出増加)があったことなどによるものです。
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セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
印刷 |
16,071,738 |
2.3 |
|
電子部品製造 |
1,102,335 |
30.5 |
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不動産賃貸等 |
― |
― |
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合計 |
17,174,073 |
3.8 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 生産高は販売価額をもって表示したものです。
3 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
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セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
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印刷 |
16,365,996 |
3.8 |
939,878 |
23.8 |
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電子部品製造 |
1,027,522 |
19.7 |
116,109 |
△34.2 |
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不動産賃貸等 |
― |
― |
― |
― |
|
合計 |
17,393,518 |
4.6 |
1,055,988 |
12.9 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
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セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
印刷 |
16,185,106 |
3.1 |
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電子部品製造 |
1,087,931 |
9.0 |
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不動産賃貸等 |
302,654 |
26.7 |
|
合計 |
17,575,691 |
3.7 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
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株式会社読売新聞東京本社 |
6,174,108 |
36.4 |
5,945,091 |
33.8 |
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ヤマト運輸株式会社 |
2,221,477 |
13.1 |
2,025,072 |
11.5 |
当社グループの永遠のミッションは、人に感動を伝えることです。“美の再現”を原点にした印刷技術を核に、育んできた歴史と経験を活かしながら、期待を超えるクオリティで応え続け、いかなる時代にあっても決してゆらぐことなく、『感動伝達企業』としてかけがえのない存在であり続けます。
当社グループは、この基本理念に掲げられた目指すところを実現するため、事業基盤の再構築、経営の意思決定の迅速化、品質へのこだわりを軸とした印刷需要の創出、コーポレートガバナンスの充実・強化に取り組み、経営基盤の強化に努めてまいります。
当社グループを取り巻く経営環境は、IT化や企業のコスト削減策による印刷需要減退や価格競争の激化により、引き続き厳しい状況が続くものと思われます。
このような環境のもと、当社グループは常にお客様から信頼される存在であり続けるため、変化を自らの成長の機会ととらえ、活力溢れる会社づくりに全員で取り組み、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。
印刷事業においては、引き続き取引先と、より強固な信頼関係を築き上げてまいります。営業部門は、得意先のニーズを汲み取り、抱えている問題を解決するための提案(ソリューションサービスの提案)活動にシフトして、企画から物流まで総合力を結集して潜在需要を取り込み、売上増をはかります。生産部門は、生産性向上による社内生産量の拡大、生産体制の見直し等により、全社の生産コストの一層の低減に向けた施策を実行いたします。
電子部品製造事業においては、新たな得意先の受注獲得に努めるとともに、歩留り向上、固定費の削減によりコストダウンを図り、収益の改善に努めてまいります。
研究開発部門においては、従来の技術を生かした印刷製品の開発から電子製品への印刷技術応用等、幅広い開発に取り組んでまいります。
不動産賃貸等事業においては、現有資産を有効活用し安定した収益の確保に努めてまいります。
また、事業の継続的な発展には人材の確保と成長が不可欠な課題であり、教育・人事諸制度の整備に努めるとともに、安全を第一に考え、働きやすく多様な人材が充実感を持って活躍できる職場環境づくりに努め、将来にわたる成長力、収益力のある企業体質を目指してまいります。
なお、企業の果たすべき社会的責任については、内部統制・コンプライアンス体制の確立に向けた社内整備を推進するとともに、環境面においては、地球環境と企業活動の調和を追求することが重要であるとの認識のもと、環境方針を定め太陽光発電事業や紙資源を適切に管理するFSC森林認証用紙の活用を推進するなど、環境負荷が少ない低炭素型社会の実現に向けた取り組みを行い、社会からの要請に応えていくことで企業価値の向上につなげていきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。
(1) 原材料価格の変動
当社グループは、原材料の調達について、複数のメーカーや代理店から購買を行い、安定的な原材料の確保と価格の維持に努めています。しかし、原油価格の高騰や円安の進行などにより、一時的に需給バランスが崩れ、購入価格が著しく上昇する懸念もあります。そのような場合には、当社の顧客との交渉を行いますが、全てを顧客に転嫁することは困難であり、業績等に影響を与える可能性があります。
(2) 市場の変化
当社グループの印刷事業は安定的な事業活動を展開していますが、ペーパーレス化などの進展により、印刷需要が大きく変化した場合には業績等に影響を与える可能性があります。また、電子部品製造事業は成長性が見込まれる事業ですが、市場の急激な変化による大幅な需要の変動や単価の下落、得意先による生産調整などが発生した場合には、業績等に影響を与える可能性があります。
(3) 受注単価の下落
当社グループは多くの企業と競合関係にあり、そのため、受注単価の下落が進んでいます。付加価値の高い製品やコスト削減により利益の確保に努めていますが、競争の激化により更なる急激な受注単価の下落があった場合、業績等に影響を与える可能性があります。
(4) 特定取引先への依存
当社グループは、いくつかの特定取引先の売上に占める割合が高い傾向にあります。これら得意先との強固な信頼関係が当社グループの強みであると考えていますが、今後の特定取引先の経営成績や取引方針によっては業績等に影響を与える可能性があります。
(5) 債権回収
当社グループは、取引先の与信管理に努めており、必要な貸倒引当金を計上していますが、経済動向によっては、多額の貸倒により、業績等に影響を与える可能性があります。
(6) 個人情報の管理
当社グループは、個人情報の管理について、安全かつ正確に管理するとともに、紛失・改ざん・漏洩などの予防について厳重な対策を講じており、プライバシーマークの付与を受けていますが、万一個人情報が流出した場合は、信用の低下や対応コスト等により、業績等に影響を与える可能性があります。
(7) 製品の品質
当社グループは、徹底した品質管理のもとに製品を製造していますが、製造工程上の不備により製品の欠陥が生じた場合、再作成や信用の失墜により、業績等に影響を与える可能性があります。
(8) 情報システムとセキュリティ
当社グループは、草加工場における入退室システムなどの情報セキュリティ体制の高度化や社員教育などを通じてシステムとデータの保守・管理に万全を期し、サーバー類をデータセンターに設置することにより安全性の確保に努めていますが、万一システム障害が発生した場合は、業績等に影響を与える可能性があります。
(9) 法務・コンプライアンス
当社グループは、内部監査室及び顧問弁護士により、契約内容の確認や業務上の不正行為の防止活動を行っていますが、万一不利益な契約や不正行為が行われた場合は、業績等に影響を与える可能性があります。
(10) 災害の発生
当社グループは、主要施設に対する防火・耐震対策並びに川越工場における自家発電設備及び地下水ろ過システムの設置を行い、災害により生産活動の停止をきたすことのないように努めていますが、万一重大な被害を受けた場合は、業績等に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等は行われていません。
当社グループの研究開発活動は、社会に貢献する新製品の開発と、経済・社会性・環境に配慮したプロセス開発を、技術開発部と各事業部の営業・生産部門が一体となって継続的に行っています。
当社は、印刷事業において長年にわたって蓄積してきた製版、印刷技術を応用し、電子部品製造事業においても新しい技術を確立しています。
技術本部において、当連結会計年度においても新製品開発、新規事業開発、生産技術、人材育成を積極的に進めています。
なお、当連結会計年度におきましては、1億15百万円を投資し、研究開発を行いました。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりです。
(1) 印刷事業
情報のデジタル化とお客様のニーズに対応した製品開発を進め、「良いものを早く安く」をモットーにお客様の要求に応えていきます。
主な研究開発の内容は次のとおりです。
① 印刷工程のデジタル化対応
② 短納期・小ロット生産システムの構築
③ デジタル化に対応した配送伝票の開発及び製品化
④ コピー防止効果と意匠性に優れた偽造防止製品の開発及び製品化
⑤ オフセット印刷方式による小ロット軟包装分野への参入
当連結会計年度における当事業の研究開発費の金額は14百万円です。
(2) 電子部品製造事業
市場のニーズを先取りした電子部品の開発を行ない、お客様に満足いただく品質と価格の製品供給に努めています。
主な研究開発の内容は次のとおりです。
① 産業資材における高精細・薄膜印刷の開発
② 印刷法を用いた有機太陽電池等の各種回路形成法の開発
③ ITO代替材料としてCNT(カーボンナノチューブ)関連技術の開発
④ 新素材を使ったメタル配線の開発
当連結会計年度における当事業の研究開発費の金額は1億円です。
(1) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ15億73百万円減少の273億86百万円となりました。これは、主に投資有価証券の減少によるものです。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ5億46百万円減少の104億17百万円となりました。これは、主にリース債務の減少によるものです。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ10億26百万円減少の169億69百万円となりました。これは、主にその他有価証券評価差額金の減少によるものです。
(2) 経営成績
当連結会計年度は、新聞関連の売上減少はありましたが宣伝用印刷物や伝票類の増加により、売上高は175億75百万円(前年同期比3.7%増)、営業利益2億45百万円(前年同期比219.0%増)、経常利益2億54百万円(前年同期比201.8%増)となり、資産の効率化及び財務体質の強化を図るために投資有価証券の一部を売却したことに伴い投資有価証券売却益3億25百万円を特別利益に計上し、一方、希望退職募集に伴い発生した退職加算金等2億19百万円を特別損失に計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益1億95百万円(前年同期は63百万円の損失)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
1 [業績等の概要](2) キャッシュ・フローの状況を参照下さい。