なお、重要事象等は存在しておりません。
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるグローバル経済情勢を振り返りますと、米国では個人消費の増加や設備投資の持ち直しによって景気の回復が続き、欧州では景気は緩やかに回復しました。一方、中国をはじめとするアジア新興国の景気は緩やかに減速しました。わが国経済については、輸出や生産など一部に弱さもみられましたが、企業収益は改善傾向にあり、景気は緩やかな回復基調を続けております。
このような状況のもと、当社グループにおいては、主力のディバイス事業は需要変動に適応したリーンな生産体制を確立するとともに生産効率の改善に努め、産業資材事業はグローバル市場で安定的な成長の見込める自動車や家電向け製品を拡販するなど、利益の拡大に取り組みました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高は860億69百万円(前年同四半期比10.1%減)、利益面では営業利益は83億45百万円(前年同四半期比19.4%減)、経常利益は85億77百万円(前年同四半期比40.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は76億25百万円(前年同四半期比38.7%減)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
産業資材
産業資材は、さまざまな素材の表面を美しく彩る独自技術を有するセグメントであります。プラスチックの成形と同時に転写を行うIMDは、グローバル市場で自動車(内装)、家電製品、スマートフォンなどに広く採用されております。また、平成27年8月6日には、高級ラベルやパッケージ向けの蒸着紙を手がけるAR Metallizingグループを買収・子会社化し、印刷の近接領域で蒸着紙を製品ポートフォリオに取り込むとともに、グローバル市場における飲料品、食品、日用品などの商圏を獲得することとなりました。
当第3四半期連結累計期間においては、主力の自動車(内装)向けの製品需要が堅調に推移したほか、蒸着紙分野の業績貢献などにより事業規模が拡大しました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の連結売上高は265億52百万円(前年同四半期比28.5%増)となり、セグメント利益(営業利益)は1億54百万円(前年同四半期は5億14百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。
ディバイス
ディバイスは、タッチ入力ディバイスFineTouchを中心とし、精密で機能性を追求したディバイスを提供していくセグメントであります。グローバル市場でタブレット端末、スマートフォン、携帯ゲーム機、自動車などに採用されております。
当第3四半期連結累計期間においては、タブレット端末向け静電容量方式タッチパネルの製品需要が想定を下回って推移したものの、利益面では需要変動に適応した生産体制の構築や生産効率の改善などが奏功し、当初の想定を上回りました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の連結売上高は461億31百万円(前年同四半期比24.8%減)となり、セグメント利益(営業利益)は109億48百万円(前年同四半期比23.2%減)となりました。
情報コミュニケーション
情報コミュニケーションは、出版印刷、商業印刷、セールスプロモーション、Webソリューション、デジタルアーカイブなど、さまざまな製品・サービスを提供し、お客さま企業のマーケティング戦略や広告宣伝・販売促進などのコミュニケーション戦略全般をサポートしております。
当第3四半期連結累計期間においては、主力の商業印刷分野で情報メディアの多様化による需要の減少などの影響があり、受注競争は激しいものとなりました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の連結売上高は123億54百万円(前年同四半期比4.8%減)となり、セグメント損失(営業損失)は95百万円(前年同四半期は5億59百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における総資産は1,468億9百万円となり前連結会計年度末(平成27年3月期末)に比べ313億78百万円増加しました。
流動資産は749億21百万円となり前連結会計年度末に比べ149億38百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金が20億7百万円減少した一方、受取手形及び売掛金が86億80百万円、商品及び製品が29億85百万円、仕掛品が21億5百万円増加したこと等によるものであります。
固定資産は718億87百万円となり前連結会計年度末に比べ164億40百万円増加しました。主な要因は、新規連結等によりのれんが133億85百万円、有形固定資産が29億1百万円増加したこと等によるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における負債は748億98百万円となり前連結会計年度末に比べ257億81百万円増加しました。
流動負債は596億65百万円となり前連結会計年度末に比べ193億58百万円増加しました。主な要因は、短期借入金が129億16百万円、支払手形及び買掛金が63億45百万円増加したこと等によるものであります。
固定負債は152億32百万円となり前連結会計年度末に比べ64億22百万円増加しました。主な要因は、長期借入金が38億43百万円、その他に含まれるリース債務が14億69百万円増加したこと等によるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における純資産は719億10百万円となり前連結会計年度末に比べ55億97百万円増加しました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ20億76百万円減少し、274億8百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は65億23百万円(前年同四半期比56.0%減)となりました。これは主に売上債権の増加額として58億76百万円、たな卸資産の増加額として34億91百万円計上した一方、税金等調整前四半期純利益として83億49百万円、減価償却費として56億59百万円、仕入債務の増加額として42億87百万円計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は189億27百万円(前年同四半期比791.8%増)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式等の取得として143億57百万円、有形及び無形固定資産の取得として32億42百万円支出したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は105億22百万円(前年同四半期は72億12百万円の使用)となりました。これは主に短期借入金の純増額として119億87百万円計上したこと等によるものであります。
(4) 事業上および財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
株式会社の支配に関する基本方針
Ⅰ.基本方針の内容
当社は、会社の支配権の移転を伴うような大規模な株式の買付提案またはこれに類似する行為に応じるか否かの判断は、最終的には、株主のみなさまのご意思に基づき行われるべきものであると考えております。
しかし、このような大規模な株式の買付提案またはこれに類似する行為の中には、その目的等から見て企業価値・株主のみなさまの共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主のみなさまに株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、取締役会や株主のみなさまが大規模な株式の買付提案またはこれに類似する行為について検討し、あるいは取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を与えないものなど、企業価値・株主のみなさまの共同の利益に資さないと考えられるものも少なくありません。
当社は、企業理念を礎とし、長年築きあげてきた固有技術を核に新たな価値を創出し続ける未来志向型の企業として広く社会と共生することを使命としております。有形・無形の経営資源を組み合わせ、当社ならではの特徴ある製品・サービスを提供することを通じてステークホルダーの期待に応え、良好な関係を構築します。
当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、このような基本的な考え方を十分に理解し、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を中・長期的に確保し、向上させる者でなければならないと考えております。
従いまして、上記のような基本的な考え方を十分に理解せず、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益に資さない不適切な当社株式の大規模な買付提案またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考え、それを抑止するための取り組みが必要不可欠であると考えております。
Ⅱ. 基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社は、「印刷を基盤に培った固有技術を核とする事業活動を通して、広く社会との相互信頼に基づいた《共生》を目指す」という企業理念のもと、4つの事業領域で独創性の高い製品・サービスを提供しております。当社は、私たちの社会生活の多くが、色・デザイン・機能といった要素から形成されていることに注目し、伝統的な紙への印刷にとどまらず、産業資材、ディバイス、ライフイノベーションという事業分野においても、独自技術をベースとしたソリューションにより市場ニーズを充足しております。
平成27年度から運用が開始された第5次中期経営計画においては、「印刷技術に新たなコア技術を獲得・融合し、グローバル成長市場で事業ポートフォリオの組み換えを完成させる」ことを中期ビジョンとして掲げ、当社がこれまでに培ってきた印刷技術の拡がりに加えて、新たなコア技術を取り込むことで、世の中にない全く新しい価値や製品群を創出するとともに、対象市場の拡充を図り、持続的な成長を実現する考えです。
また、当社取締役会は社内取締役4名と社外取締役3名で構成されており、経営環境の変化に柔軟に対処するとともに、経営責任を明確化するために、取締役の任期を1年としております。執行役員制度により業務執行体制を整備し、取締役会の戦略策定ならびに経営監視機能と執行役員の業務執行機能の分化を図っております。監査役会は、社内監査役2名(常勤)と公認会計士・弁護士等の財務および会計、または法務に関する相当程度の知見を有する者を含む社外監査役2名(非常勤)で構成され、監査役の職務を補助する部門として監査役室を設置し、専属の従業員を配置することで、監査の客観性と実効性を確保するとともに、監査業務が円滑に遂行できる体制としております。社内管理体制では、内部監査機能として代表取締役社長直轄の内部監査部門を設置し内部監査機能を充実させているほか、会社情報の適時開示の必要性および開示内容を審議する開示統制委員会を設置し、当社グループ全社に関する重要情報を適時適切に開示しております。
Ⅲ. 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、平成25年5月10日開催の当社取締役会において、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益のより一層の確保・向上を目的として、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針の一部改定 (以下、「本プラン」といいます。)を決議し、平成25年6月21日開催の第94期定時株主総会において株主のみなさまにご承認いただきました。
本プランは、当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付け、もしくは、当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の株券等所有割合およびその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けに該当する行為もしくはこれに類似する行為(以下、「買付等」といいます。)を行うまたは行うことを提案する者(以下、「買付者等」といいます。)が現れた場合に、買付者等に対し、事前に当該買付等に関する情報の提供を求め、当社が、当該買付等についての情報収集・検討等を行う期間を確保したうえで、株主のみなさまに対して当社取締役会策定の計画や代替案等を提示したり、買付者等との交渉等を行うという、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を確保・向上させるための手続を定めています。買付者等が本プランにおいて定められた手続に従うことなく買付等を行う場合、または、買付者等による買付等が当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を著しく損なうと判断される場合は、一定の対抗措置を実施することがあります。
本プランの内容の詳細につきましては、当社ウェブサイトをご参照ください。
Ⅳ. 上記の取り組みについての取締役会の判断
上記Ⅱ.の取り組みは、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を確保・向上させるために策定されたものであり、その結果が株主および投資家のみなさまによる当社株式の評価に適正に反映されることにより、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を著しく損なうおそれのある買付等は困難になるものと考えられます。
上記Ⅲ.の取り組みは、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を確保・向上させるための手続を定めるものです。また、本プランにおいては、(ⅰ)株主総会において株主のみなさまのご承認を得て導入されたものであることに加え、一定の場合には対抗措置の実施または不実施につき株主のみなさまのご意思を確認する仕組みが設けられていること、(ⅱ)株主総会で選任された取締役で構成される取締役会の決議によりいつでも本プランを廃することができること、(ⅲ)当社取締役会の恣意的判断を排除するため、独立委員会を設置し、取締役会は独立委員会の勧告を最大限尊重して意思決定を行うものとしていること、(ⅳ)本プランの発動に関する合理的な客観的要件が設定されていること等が定められております。
従いまして、上記Ⅱ.およびⅢ.の取り組みは、いずれも、基本方針に沿うものであり、株主のみなさまの共同の利益の確保・向上に資するものであり、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は17億79百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 従業員数
① 連結会社の状況
該当事項はありません。
② 提出会社の状況
当第3四半期累計期間において、従業員数は167名減の788名となりました。これは主に、平成27年7月1日を効力発生日として、当社の情報コミュニケーション事業を、当社の完全子会社である日本写真印刷コミュニケーションズ㈱に承継させる吸収分割を実施したことによるものであります。
なお、従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員であります。