なお、重要事象等は存在しておりません。
第1四半期連結会計期間より、在外連結子会社等の収益および費用の換算方法について会計方針の変更を行っており、遡及処理の内容を反映させた数値で前年同四半期連結累計期間との比較・分析を行っております。
また、前連結会計年度末において、Nissha Luxembourg Holdings SARL(同社は2016年9月16日付で清算結了)およびその傘下にある事業会社のAR Metallizing N.V.およびそのグループ会社との企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っております。そのため、前年同四半期連結累計期間との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるグローバル経済情勢を振り返りますと、アメリカでは個人消費の増加や雇用情勢の改善などにより景気の回復が継続しました。欧州ではイギリスのEU離脱問題などに伴い、先行きに不透明感があるものの、景気は緩やかに回復しました。中国をはじめとするアジア新興国の景気は一部で持ち直しの動きもみられましたが、緩やかに減速しました。わが国の経済については、景気は緩やかな回復基調を続けておりますが、海外経済の不確実性や為替変動リスクなどによって先行きに不透明感が増しております。
このような状況のもと、当社グループは、2015年4月1日から運用を開始した第5次中期経営計画の戦略に従い、自動車や蒸着紙、医療機器などの事業分野を拡大するとともに、為替耐性を確保するべく海外生産比率を高めるなど、持続的かつ安定的に収益を確保することのできる事業基盤の確立を急いでおります。しかし足元の業績は既存分野における製品需要の低迷や為替変動の影響などにより、想定を下回りました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高は818億39百万円(前年同四半期比5.3%減)、利益面では営業損失は16億30百万円(前年同四半期は83億50百万円の営業利益)、経常損失は22億72百万円(前年同四半期は85億80百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は33億55百万円(前年同四半期は76億20百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループは、当第3四半期連結会計期間においてGraphic Controls Holdings, Inc.およびそのグループ会社を連結範囲に含めたことにより、メディカル市場で事業を展開する同社グループを「ライフイノベーション」事業として新たな報告セグメントといたしました。また、従来、報告セグメントの「その他」の区分に含めておりましたガスセンサー生産販売に係る事業は、一層の規模拡大をするための組織変更を行った結果、当第3四半期連結会計期間より「ディバイス」に変更しております。
そのため、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
産業資材
産業資材は、さまざまな素材の表面に付加価値を与える独自技術を有するセグメントであります。プラスチックの成形と同時に転写を行うIMDは、グローバル市場で自動車(内装)、家電製品、スマートフォンなどに広く採用されております。また、金属光沢と印刷適性を兼ね備えた蒸着紙は飲料品や食品向けのパッケージ資材としてグローバルベースで業界トップのマーケットシェアを有しております。
当第3四半期連結累計期間においては、主力の自動車(内装)分野の需要は概ね想定通りに推移しましたが、その他の分野の需要は想定をやや下回りました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の連結売上高は358億45百万円(前年同四半期比33.2%増)となり、セグメント利益(営業利益)は5億71百万円(前年同四半期比260.2%増)となりました。
ディバイス
ディバイスは、タッチ入力ディバイスFineTouchを中心とし、精密で機能性を追求したディバイスを提供するセグメントであります。FineTouchはグローバル市場でタブレット端末、携帯ゲーム機、産業用機器、自動車などに採用されております。このほか、ガスや呼気などを検知するガスセンサーなどを提供しております。
当第3四半期連結累計期間においては、携帯ゲーム機向けの製品需要は概ね堅調に推移しましたが、主力のタブレット端末向けの製品需要は想定を下回りました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の連結売上高は339億57百万円(前年同四半期比27.8%減)となり、セグメント利益(営業利益)は、6億31百万円(前年同四半期比94.1%減)となりました。
ライフイノベーション
ライフイノベーションは、アメリカに本拠地を置く医療機器メーカーGraphic Controlsグループを中心に、医療機器やその関連分野において高品質で付加価値の高い製品を提供し、人々の健康で豊かな生活へ貢献することを目指す新たなセグメントであります。医療機関向けのディスポーザブル製品や手術用器具などを主力製品としており、現在は欧米市場においてGraphic Controlsグループの自社ブランド品を生産・販売するとともに、大手医療機器メーカー向けの受託生産を展開しております。
当第3四半期連結会計期間より当社グループへの売上貢献が始まりましたが、買収関連費用の計上により利益面での貢献はありませんでした。
その結果、当第3四半期連結累計期間の連結売上高は12億77百万円、セグメント損失(営業損失)は5億65百万円となりました。
なお、当セグメントは、当第3四半期連結会計期間よりGraphic Controlsグループを連結範囲に含めたことにより新設した報告セグメントであるため、前年同四半期連結累計期間との比較・分析はありません。
情報コミュニケーション
情報コミュニケーションは、出版印刷、商業印刷、セールスプロモーション、Webソリューション、デジタルアーカイブなど、さまざまな製品・サービスを提供し、お客さま企業のマーケティング戦略や広告宣伝・販売促進などのコミュニケーション戦略全般をサポートしております。
当第3四半期連結累計期間においては、主力の商業印刷分野で情報メディアの多様化による印刷物の減少などの影響があり、受注競争は激しいものとなりました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の連結売上高は105億82百万円(前年同四半期比14.3%減)となり、セグメント損失(営業損失)は、1億7百万円(前年同四半期は95百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における総資産は1,688億74百万円となり前連結会計年度末(2016年3月期末)に比べ127億66百万円増加しました。
流動資産は772億37百万円となり前連結会計年度末に比べ67億21百万円減少しました。主な要因は、受取手形及び売掛金が54億76百万円増加した一方、現金及び預金が153億73百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は916億36百万円となり前連結会計年度末に比べ194億88百万円増加しました。主な要因は、新規連結等によりのれんが104億48百万円、商標権が29億73百万円、顧客関係資産が21億10百万円増加したことに加え、その他有価証券の時価の変動等により投資有価証券が36億12百万円増加したこと等によるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における負債は1,007億15百万円となり前連結会計年度末に比べ147億4百万円増加しました。
流動負債は554億55百万円となり前連結会計年度末に比べ67億85百万円増加しました。主な要因は、短期借入金が76億76百万円増加したこと等によるものであります。
固定負債は452億60百万円となり前連結会計年度末に比べ79億18百万円増加しました。主な要因は、新株予約権の行使に伴い社債が30億円減少した一方、長期借入金が90億95百万円、新規連結およびその他有価証券の時価の変動等によりその他に含まれる長期繰延税金負債が32億26百万円増加したこと等によるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における純資産は681億58百万円となり前連結会計年度末に比べ19億37百万円減少しました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ170億78百万円減少し、246億10百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は58億25百万円(前年同四半期は65億26百万円の獲得)となりました。これは主に減価償却費として58億49百万円計上した一方、売上債権の増加額として49億18百万円、税金等調整前四半期純損失として29億13百万円、仕入債務の減少額として23億87百万円計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は177億70百万円(前年同四半期比6.3%減)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式等の取得として131億62百万円、有形及び無形固定資産の取得として46億23百万円支出したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は79億76百万円(前年同四半期比24.2%減)となりました。これは主に短期借入金の純増額として79億47百万円計上したこと等によるものであります。
(4) 事業上および財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
株式会社の支配に関する基本方針
Ⅰ.基本方針の内容
上場会社・公開会社である当社の株式は、自由な取引が認められており、当社は、会社の支配権の移転を伴うような大規模な株式の買付提案またはこれに類似する行為に応じるか否かの判断は、最終的には、株主のみなさまのご意思に基づき行われるべきものであると考えております。従いまして、大規模な株式の買付提案であっても、当社グループの企業価値・株主のみなさまの共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。
当社では、企業価値や株主のみなさまの共同の利益を確保・向上させるためには、当社の企業理念を礎とし、未来志向型企業として常に価値ある製品・サービスを提供することを通じて社会に貢献することが必要不可欠であると考えております。具体的には、グローバルベースで成長市場を捕捉し、他社にはできないものづくりを通じて当社ならではの付加価値の高い製品・サービスを提供し続けること、そして絶え間ない研究開発・技術開発によってこれまで培ってきた印刷技術の概念を打ち破ることが、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益の確保・向上につながるものと考えております。
当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、このような基本的な考え方を十分に理解し、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を中・長期的に確保し、向上させる者でなければならないと考えております。
従いまして、上記のような基本的な考え方を十分に理解せず、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益に資さない不適切な当社株式の大規模な買付提案またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考え、当社はそれを抑止するための取り組みが必要不可欠であると考えております。
Ⅱ. 基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社は、1929年に京都の地で創業して高級美術印刷を志向し、高品位な印刷技術によって「高級美術印刷の日写」と呼ばれる確固たるブランドを築きました。一方、1960年代以降、当社は紙への印刷だけではいずれ成長に限界が来るとの危機感から「水と空気以外には何にでも印刷する」という強い決意で事業領域の拡大に取り組み、現在の産業資材事業・ディバイス事業を誕生させました。そして1990年代の後半以降、コンシューマー・エレクトロニクスに関連する産業がグローバルベースで高い成長を遂げる中、当社はこの分野に経営資源を集中し、事業規模の拡大を実現しました。しかし、2008年の世界的な金融危機(リーマンショック)以降、コンシューマー・エレクトロニクスの分野では、製品需要の急激な変動や製品・サービスの低価格化が常態化するようになりました。
2015年度から運用が開始された第5次中期経営計画において、当社は「印刷技術に新たなコア技術を獲得・融合し、グローバル成長市場で事業ポートフォリオの組み換えを完成させる」ことを中期ビジョンに掲げ、コンシューマー・エレクトロニクス業界への過度な依存を是正し、バランスの取れた事業・製品ポートフォリオを再構築する、「組み換え」の戦略に着手しています。また、当社では、中期経営計画の進捗を捕捉するための経営管理指標として、ROEおよびROICを採用し、第5次中期経営計画ではROE10%以上、ROIC8%以上を目標としています。
前述のとおり、当社は創業以来、経営者の強いリーダーシップのもと、経営環境の変化に合わせて、これに適応した戦略を実践してきました。当社はこの強いリーダーシップのもとでコーポレートガバナンスが強化されることにより、迅速かつ果断な意思決定が促進され、同時に経営の透明性、公正性を確保することに繋がるものと考えており、コーポレートガバナンスを重要な経営課題と認識しています。
当社は、執行役員制度を導入し、取締役会が担うべき戦略策定および経営監視機能と、執行役員が担うべき業務執行機能との分化を図っています。また、取締役会のダイバーシティーを推進し、現在の取締役会は、独立性の高い社外取締役4名を含む取締役8名(社外取締役比率50%、女性比率12.5%)で構成されています。社外取締役は他社での企業経営の経験や、コーポレートガバナンス・経営戦略の研究者としての知見などから有益な指摘、意見を述べており、取締役会の議論は活性化しています。また、2015年10月には、当社はコーポレートガバナンス基本方針を制定しました。役員の選任や報酬に関して客観性と公正性を確保するために社外取締役の知見を活用した指名・報酬委員会を新設すること、取締役会の機能をさらに向上させるために取締役会の実効性の評価を年1回行うことなどを定めています。
当社は、以上の取り組みを継続して実行することによって、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益の確保・向上を実現できるものと考えています。
Ⅲ. 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、2016年5月12日開催の当社取締役会において、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益のより一層の確保・向上を目的として、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針の一部改定(以下、「本プラン」といいます。)を決議し、2016年6月17日開催の第97期定時株主総会において株主のみなさまにご承認いただきました。
本プランは、当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付け、もしくは、当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の株券等所有割合およびその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けに該当する行為もしくはこれに類似する行為(以下、「買付等」といいます。)を行うまたは行うことを提案する者(以下、「買付者等」といいます。)が現れた場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主のみなさまが判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保すること、株主のみなさまのために買付者等との交渉を行うこと等を可能とすることを目的とし、その実現のために必要な手続を定めています。買付者等が本プランにおいて定められた手続に従うことなく買付等を行う場合、または、買付者等による買付等が当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を著しく損なうと判断される場合は、一定の対抗措置を実施することがあります。
本プランの詳細につきましては、当社ウェブサイトをご参照ください。
Ⅳ. 上記の取り組みについての取締役会の判断
上記Ⅱ.の取り組みは、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を確保・向上させるための施策であり、その結果が株主および投資家のみなさまによる当社株式の評価に適正に反映されることにより、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を著しく損なうおそれのある買付等は困難になるものと考えられます。
上記Ⅲ.の取り組みは、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を確保・向上させるための手続を定めるものです。また、本プランにおいては、(ⅰ)株主総会において株主のみなさまのご承認を得て導入されたものであることに加え、一定の場合には対抗措置の実施または不実施につき株主のみなさまのご意思を確認する仕組みが設けられていること、(ⅱ)株主総会で選任された取締役で構成される取締役会の決議によりいつでも本プランを廃することができること、(ⅲ)当社取締役会の恣意的判断を排除するため、独立委員会を設置し、取締役会は独立委員会の勧告を最大限尊重して意思決定を行うものとしていること、(ⅳ)本プランの発動に関する合理的な客観的要件が設定されていること等が定められております。
従いまして、上記Ⅱ.およびⅢ.の取り組みは、いずれも、基本方針に沿うものであり、株主のみなさまの共同の利益の確保・向上に資するものであり、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は17億74百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 従業員数
① 連結会社の状況
当第3四半期連結累計期間において、「ライフイノベーション」の従業員数は947名増加しております。これは主に、当第3四半期連結会計期間より、株式を取得したGraphic Controls Holdings, Inc.およびそのグループ会社を連結の範囲に含めたことに伴うものであります。
なお、従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。
② 提出会社の状況
該当事項はありません。