第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。

(1) 会社の経営の基本方針

NISSHAグループでは、私たちの使命や考え方の基盤、行動の原則をMissionを頂点に据えた「Nissha Philosophy」に定め、大切にしています。Missionは私たちの存在意義・使命を、Competencyは高い成果を可能にするための行動特性を、またShared Valuesは社員一人ひとりの考え方や行動の基本指針をそれぞれ表しています。

 

1. Mission

「私たちは世界に広がる多様な人材能力と情熱を結集し、継続的な技術の創出と経済・社会価値への展開を通じて、人々の豊かな生活を実現します。」

2. Competency

① Change for growth

変化により成長する力

② Diverse capabilities and synergy

多様な能力の結集・シナジー

③ Global business foundation

グローバルな事業基盤

④ Leadership at all levels

リーダーシップ

⑤ Dedicated to customer loyalty

お客さまの信頼

⑥ Technologies that earn customers’ respect

ニーズに応える技術力

⑦ Proven in quality and process engineering

安定した品質・生産技術

3. Shared Values

① Customer is Our Priority

私たちは、お客さま価値の最大化を追求します。

② Diversity and Inclusion

私たちは、多様な人材能力が対等に関わり合うことにより、組織の実行力を高めます。

③ Commitment to Results

私たちは、成果を出すことにこだわります。

④ Done is Better than Perfect

私たちは、失敗を恐れず、まず行動することを重視します。

⑤ Act with Integrity

私たちは、誠実に行動し、信頼される企業であり続けます。

 

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標

当社グループは、2021年1月から第7次中期経営計画(2021年度~2023年度)を運用しています。その骨子は以下のとおりです。

1.中期ビジョン(定性的内容)

「グローバルシナジーの最大化による成長基盤の確立」

2.中期ビジョン(定量的内容)

2023年12月期に目指す主要な連結業績のビジョンは以下のとおりです。

ROE

9%以上

営業キャッシュ・フロー

(3年間累計)

435億円

売上高

1,950億円

営業利益

120億円

 

※ 上記ビジョンについては有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(3) 会社の対処すべき課題

次期のグローバル経済情勢については、景気の持ち直しが期待されています。ただし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の再拡大による経済活動への影響、金融資本市場の変動の影響などに留意が必要です。

次期は2021年1月から運用を開始した3カ年の第7次中期経営計画の初年度となります。当社グループは当期までに、医療機器市場およびサステナブル資材市場において積極的なM&A戦略により事業拠点の拡張や製品群の拡充を実現し、またモビリティ(自動車・輸送機器)市場向けにはフィルムタッチセンサーの供給を開始するなど、成長戦略を推進した重点市場において事業基盤の進展がありました。一方、コンシューマー・エレクトロニクス(IT機器)市場においては、製品需要の大きな季節性変動や、技術トレンドの移行などによる製品需要の減少に対し、収益性・効率性の改善および維持に努めました。

第7次中期経営計画では、これまでに獲得・構築したグローバルベースの事業基盤を最大限に活用し、シナジーの最大化による成長基盤の確立を目指します。医療機器、モビリティ、サステナブル資材などの市場においては、社会課題の解決に資する製品群・サービスの拡充による成長を目指します。IT機器市場においては製品需要の減少局面を迎えますが、収益性・効率性を追求します。

次期の業績につきましては、ディバイス事業ではスマートフォン向けの製品需要が鈍化する一方で、タブレット向けの製品需要は安定的に推移する見通しです。産業資材事業ではモビリティ向けの加飾製品やサステナブル資材である蒸着紙の製品需要は堅調に推移する見込みです。メディカルテクノロジー事業における開発製造受託(CDMO)やビジネスメディアの製品需要は、COVID-19の影響による低迷から回復基調に転じる見通しです。

 

 

2 【事業等のリスク】

経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

COVID-19の流行は当社グループの当期の事業活動に大きな影響を与えました。ディバイス事業の製品需要は堅調に推移したものの、産業資材事業やメディカルテクノロジー事業の製品需要は、その影響を受け減退しました。下半期において製品需要の持ち直しの動きは見られたものの、今後、事態が長期化またはCOVID-19の再拡大が進行した場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループは代表取締役社長を本部長とする「新型コロナウイルス対策本部」を設置し、感染拡大の防止、事業の継続、社員やお客さまなどの安全確保に向けた対策を実行しています。NISSHA行動ガイドラインや感染疑い発生時の初動マニュアルの発行、交替制テレワークの導入、国内外の出張規制などを実施した一方で、状況の変化に対応して行動ガイドラインを更新することで対策の実効性向上に努めています。

 

(2) 事業運営に関するリスク

① 成長戦略

当社グループは2021年1月から運用を開始した第7次中期経営計画において、これまでに獲得・構築したグローバルベースの事業基盤を最大限に活用し、シナジーの最大化による成長基盤の確立を目指しています。医療機器、モビリティ(自動車・輸送機器)、サステナブル資材などの市場において、社会課題の解決に資する製品群・サービスの拡充による成長を目指しています。市場環境・社会の動向、技術トレンドの変化、法令・規制の改正などの影響により、成長戦略が想定通りに進捗しない可能性があり、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループは、中期経営計画の進捗状況を取締役会で定期的にレビューし、1年ごとに事業環境の変化を反映させたローリングプランを策定しています。事業環境の変化に迅速に対応することで、中期経営計画の達成に向けた取り組みを強化しています。

② 特定のセグメントや特定のお客さまの需要変動

当社グループのディバイス事業は、主としてスマートフォンやタブレットなどのコンシューマー・エレクトロニクス(IT機器)市場向けに事業を展開していますが、この市場は市場トレンドやお客さまのニーズの変化が速く、技術や製品のライフサイクルが短くなる傾向にあります。これらの市場環境が急激に変化した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

また、当社グループでは売上高に占める特定のお客さまの割合が高い傾向にあります。こうした重要なお客さま向けの販売は、当該お客さまの製品需要の増減や仕様の変更、営業戦略の変更など当社グループによる管理が及ばない事項を理由として変動する可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループはこうした状況に対して、第7次中期経営計画において医療機器、モビリティ、サステナブル資材などの市場で成長戦略を遂行し、特定のセグメントや特定のお客さまの需要変動に関するリスクの最小化を図っています。

 

(3) 財務に関するリスク

① のれんの減損損失

当社では事業ポートフォリオの組み換え・最適化のための成長戦略としてM&Aを積極的に活用しています。そのため、当連結会計年度末において18,327百万円を計上しています。市場環境や競争環境がM&A実行時の想定から大きく変化した場合、買収先会社の業績が悪化し、のれんの減損損失が発生する可能性があります。

M&Aの実行にあたっては事前にデュー・ディリジェンス(対象企業の調査)を徹底するとともに、買収後の経営統合を促進する体制を構築することでリスクの最小化を図っています。

② 為替の変動

当連結会計年度における当社グループの海外売上高比率は85.8%です。これらは外貨建て取引が中心であり、急激に為替相場が変動した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループではこのような状況に対して、生産の現地化や為替予約取引などにより為替リスクを最小化するように努めています。

③ その他の財務に関するリスク

その他、保有有価証券の時価減少や売上債権の貸倒れ、棚卸資産の陳腐化などが発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性がありますが、適正な管理体制の強化に努めており、リスクの最小化を図っています。

 

(4) ESGに関するリスク

 脱炭素社会への対応

世界各国では、パリ協定を受けて地球温暖化ガスの削減に向けた脱炭素社会の実現の動きが進展しています。当社グループは脱炭素社会への対応を重要な課題として捉え、それらに関するリスク低減とともに、社会課題の解決につながる事業機会の創出に取り組んでいます。今後、環境関連法規制等の強化、気候変動に関するリスクへの対策、環境負荷低減の追加的な義務等による環境保全に関連する費用が増加した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、サステナビリティビジョン(長期ビジョン)のなかで2050年カーボンニュートラルを見据えて、2030年にはCO2総排出量の20%削減(2020年比)の実現を掲げています。サステナビリティ委員会を構成する環境安全部会がCO2排出の要因の把握とその低減に向けた活動を推進し、サステナビリティ委員会がこれらの活動内容を年1回取締役会に報告しています。 また、当社グループは脱プラスチックを目的とするサステナブル資材(紙・パルプ由来)を重点市場の一つと定め、社会課題の解決につながる製品・サービスをお客さまに提供することによって、事業機会を創出しています。

 人材能力の向上、多様な人材の活躍

当社グループでは人種・国籍・性別にかかわらず、様々な伝統や文化を持つ社員が働いています。その多様性を尊重し、社員の個性や強みを活かし、当社グループのビジョンを実現することを目指していますが、当社の事業ポートフォリオの組み換えに沿った人材を十分に確保・育成ができない場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループは、人事基本方針に基づき、会社とともに成長しビジョンの実現に資する人材を育成する人事制度の策定、女性活躍の推進や研修によるリーダー・幹部候補の育成に取り組み、リスクの最小化に努めています。

 人権の尊重

人権を尊重した事業活動は継続的な企業活動を行う上で必要不可欠であり、人権侵害関連の事象が発生することで、訴訟や賠償金の発生、企業価値の毀損などにより、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループは、人権および労働における国際規範、法令を順守するとともに、取り組み内容の継続的な改善に努めています。サステナビリティ委員会を構成する労働・人権部会は、当社グループの主要な生産拠点を対象として、国際的な行動規範であるRBA(Responsible Business Alliance)を運用しています。

 

 品質問題の発生

当社グループでは国内外の生産拠点において多様な製品を生産・販売しており、その中にはモビリティ(自動車・輸送機器)市場向けや医療機器市場向けなど、高い安全性が要求される製品も含まれています。想定外の事象を原因とする大規模な品質問題が発生した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループではお客さまからの要求やISOなどの認証機関が定める規格に準拠した最適な品質管理体制を構築し、継続的な改善を進めることで、品質問題が発生するリスクの最小化に努めています。

 取締役会の実効性向上

当社グループは創業以来、経営者の強いリーダーシップのもと、経営環境の変化に的確に対応した戦略を実践してきました。重要な経営判断および取締役の業務執行の監督を担う取締役会が実効的に機能しない事態となった場合、迅速かつ果断な意思決定および経営の透明性、公正性の確保が困難となり、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。

当社の取締役会は、知見・経験・能力のバランス、多様性を考慮したメンバーで構成されています。議案の重要度に応じた説明時間や審議時間を設定し、割り当てることで重要度に応じて効率的な運営を行っています。また、年1回、前年度の取締役会の構成や運営などについて分析・評価を行うことで、コーポレートガバナンスの実効性を高めるための継続的な改善に取り組み、リスクの最小化を図っています。

 その他のESGに関するリスク

その他、生産性の向上、コンプライアンスの推進、事業活動の継続、情報資産の保護と活用、職場の安全衛生に関連するリスクが、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。当社はこのようなリスクに対して、IT技術を駆使した生産性改革の推進、企業倫理・コンプライアンス指針の策定や社内研修による社員への周知、経営層を含むBCP(事業継続計画)訓練の定期的な実施、情報セキュリティシステムの構築、労働安全衛生方針の制定・周知などにより、リスクの最小化に努めています。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

2019年11月25日に行われたゾンネボード製薬㈱との企業結合に係る暫定的な会計処理について第2四半期連結会計期間に確定したため、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いて前連結会計年度との比較・分析を行っています。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

① 財政状態および経営成績の状況

当連結会計年度におけるグローバル経済情勢は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の影響により、先行きに不透明さが残る厳しいものとなりました。アメリカやヨーロッパでは、停滞した経済活動は徐々に再開を果たしたものの、COVID-19の再拡大が重石となり、景気回復の動きは鈍いものとなりました。中国では経済活動の大幅な縮小が生じた後、景気の回復基調が持続しました。わが国の経済については、緊急事態宣言の解除後、経済活動の再開と主に国外の需要回復に伴い、景気持ち直しの動きが見られました。

当社グループは、2018年1月から運用を開始した第6次中期経営計画において、事業ポートフォリオの組み換え・最適化による成長を志向してきました。主力のコンシューマー・エレクトロニクス(IT機器)に加え、モビリティ(自動車・輸送機器)、医療機器、サステナブル資材を重点市場と定め、バランスの取れた事業基盤の構築を図り、グローバルベースの成長戦略の実践による企業価値の向上を目指してまいりました。

当連結会計年度は第6次中期経営計画の最終年度となりましたが、主にIT機器市場における事業環境の変化に備えて収益力強化策を実行するなど、収益性の改善に取り組んだ一方で、医療機器市場やサステナブル資材市場において企業買収による事業拠点の拡張や製品群の拡充を果たしました。

当連結会計年度の業績につきましては、COVID-19の影響により一部の製品需要は減少したものの、ディバイス事業のIT機器向けの製品需要は年初の想定を大きく上回り、産業資材事業のモビリティ向けの製品需要はCOVID-19の影響による低迷から下半期に入り回復基調に転じました。上半期は収益力強化策に関連する一時的な費用が発生したものの、その効果や製品需要の増加の影響、安定的な需要継続による生産効率性の向上などにより、通期の営業利益は大幅に改善しました。

これらの結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高は1,800億6百万円(前期比3.4%増)、利益面では営業利益は72億90百万円(前期は162億53百万円の営業損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益は70億69百万円(前期は171億83百万円の親会社の所有者に帰属する当期損失)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりです。

 

産業資材

産業資材事業は、さまざまな素材の表面に付加価値を与える独自技術を有するセグメントです。プラスチックの成形と同時に加飾や機能の付与を行うIMD、IMLおよびIMEは、グローバル市場でモビリティ、家電製品などに広く採用されています。また、金属光沢と印刷適性を兼ね備えた蒸着紙は、飲料品や食品向けのサステナブル資材としてグローバルベースで業界トップのマーケットシェアを有しています。

当連結会計年度においては、加飾分野のモビリティ向けの製品需要がCOVID-19の影響による大幅な減少から、下半期に入り回復基調に転じました。また、サステナブル資材である蒸着紙の分野で企業買収による事業拠点の拡張を実現しました。製品需要の増加の影響に加え、収益力強化策の効果などにより、営業利益は黒字に転じました。

その結果、当連結会計年度の連結売上高は488億58百万円(前期比5.6%増)となり、セグメント利益(営業利益)は8億69百万円(前期は72億78百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。

 

ディバイス

ディバイス事業は、精密で機能性を追求した部品・モジュール製品を提供するセグメントです。主力製品であるフィルムタッチセンサーはグローバル市場でスマートフォン、タブレット、携帯ゲーム機、産業用端末(物流関連)、モビリティなどに幅広く採用されています。このほか、気体の状態を検知するガスセンサーなどを提供しています。

 

当連結会計年度においては、主力のスマートフォンおよびタブレット向けの製品需要は年初の想定を大幅に上回り、ゲーム機や産業用端末向けの製品需要は堅調に推移しました。上半期は収益力強化策に関連する一時的な費用が発生したものの、その効果や製品需要の増加の影響、安定的な需要継続による生産効率性の向上などにより、通期の営業利益は大幅に改善しました。

その結果、当連結会計年度の連結売上高は1,027億8百万円(前期比6.8%増)となり、セグメント利益(営業利益)は101億31百万円(前期は117億69百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。

 

メディカルテクノロジー

メディカルテクノロジー事業は、医療機器やその関連市場において高品質で付加価値の高い製品を提供し、人々の健康で豊かな生活に貢献することを目指すセグメントです。心疾患向けを中心に幅広い分野で使われる低侵襲治療用の手術機器や医療用ウェアラブルセンサーなどの製品を手がけており、現在はグローバルベースで大手医療機器メーカー向けの開発製造受託(CDMO)を展開するとともに、医療機関向けに自社ブランド品を製造・販売しています。

当連結会計年度においては、COVID-19の影響により、自社ブランド品の医療用電極やフェースシールドなどの個人用防護具の需要が増加し、CDMOの待機的手術向けの製品需要の減少を吸収しました。また、商業施設向けなどのビジネスメディアの製品需要はCOVID-19の影響により減少した後、緩やかに持ち直しました。

その結果、当連結会計年度の連結売上高は205億68百万円(前期比14.6%減)となり、セグメント利益(営業利益)は9億89百万円(前期比7.7%増)となりました。

 

情報コミュニケーション

情報コミュニケーション事業は、出版印刷やアートソリューションなど高精細で高品位な色調再現が活かせる分野に注力しているほか、商業印刷やセールスプロモーション関連のサービスを提供しています。

当連結会計年度においては、COVID-19の影響により、商業印刷の製品需要が減少しました。

その結果、当連結会計年度の連結売上高は62億33百万円(前期比10.3%減)となり、セグメント損失(営業損失)は3億77百万円(前期は54億63百万円のセグメント利益(営業利益))となりました。

 

当連結会計年度末における総資産は1,997億26百万円となり、前連結会計年度末(2019年12月期末)に比べ129億63百万円増加しました。

流動資産は926億25百万円となり、前連結会計年度末に比べ142億49百万円増加しました。主な要因は、現金及び現金同等物が75億67百万円、営業債権及びその他の債権が34億36百万円、棚卸資産が40億19百万円増加したこと等によるものです。

非流動資産は1,071億円となり、前連結会計年度末に比べ12億86百万円減少しました。主な要因は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動および売却等により、その他の金融資産が27億60百万円減少したこと等によるものです。

当連結会計年度末における負債は1,176億44百万円となり、前連結会計年度末に比べ58億84百万円増加しました。

流動負債は842億63百万円となり、前連結会計年度末に比べ101億83百万円増加しました。主な要因は、営業債務及びその他の債務49億2百万円、未払法人所得税等が17億70百万円、その他の流動負債が23億99百万円増加したこと等によるものです。

非流動負債は333億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ42億98百万円減少しました。主な要因は、社債及び借入金53億67百万円減少したこと等によるものです。

当連結会計年度末における資本は820億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ70億78百万円増加しました。主な要因は、その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動額の減少等により、その他の資本の構成要素が26億41百万円減少した一方、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の売却および親会社の所有者に帰属する当期利益の計上等により、利益剰余金が96億15百万円増加したこと等によるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ75億67百万円増加し、250億67百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は146億83百万円(前期比797.2%増)となりました。これは税引前利益70億51百万円の計上に対して、主に営業債権及びその他の債権の増加額として24億44百万円、棚卸資産の増加額として27億60百万円計上した一方、減価償却費及び償却費として84億30百万円、営業債務及びその他の債務の増加額として21億29百万円計上したこと等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は13億94百万円(前期比71.8%減)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入として61億10百万円計上した一方、有形固定資産の取得による支出として52億97百万円、子会社又はその他の事業の取得による支出として31億52百万円計上したこと等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は59億97百万円(前期は36億80百万円の獲得)となりました。これは主に短期借入れによる収入として118億64百万円計上した一方、短期借入金の返済による支出として151億90百万円、長期借入金の返済による支出として24億10百万円、親会社の所有者への配当金の支払として17億46百万円計上したこと等によるものです。

 

 

③ 生産、受注および販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

産業資材

48,491

5.3

ディバイス

105,901

20.5

メディカルテクノロジー

20,735

△13.6

情報コミュニケーション

6,170

△13.3

その他

1,729

300.1

合計

183,026

10.6

 

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しています。

2. 金額は、販売価格によっています。

3. 上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

産業資材

51,009

11.5

7,160

66.9

ディバイス

108,807

20.2

22,907

36.3

メディカルテクノロジー

18,682

△32.2

6,749

△20.7

情報コミュニケーション

6,159

△10.3

639

△8.5

その他

1,635

206.2

0

△90.4

合計

186,294

8.8

37,457

23.5

 

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しています。

2. 上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

産業資材

48,858

5.6

ディバイス

102,708

6.8

メディカルテクノロジー

20,568

△14.6

情報コミュニケーション

6,233

△10.3

その他

1,636

207.2

合計

180,006

3.4

 

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しています。

2. 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

APPLE OPERATIONS LIMITEDおよびそのグループ会社

74,200

42.6

79,357

44.1

 

3. 上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものです。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度における経営成績につきましては、売上高は、前連結会計年度に比べ3.4%増加1,800億6百万円となりました。このうち、海外売上高は1,544億12百万円であり、連結売上高に占める割合は85.8%です。海外売上高は主として産業資材、ディバイスおよびメディカルテクノロジーによるものです。また、売上原価は前連結会計年度に比べ4.5%減少1,431億95百万円、販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ6.1%減少259億88百万円となりました。売上原価、販売費及び一般管理費に含まれる減価償却費及び償却費は前連結会計年度に比べ16.3%減少84億30百万円となりました。その他の収益費用については、前連結会計年度は固定資産売却益などを主としたその他の収益を62億円計上する一方で、減損損失などを主としたその他の費用を189億17百万円計上したのに対して、当連結会計年度では負ののれん発生益を主としたその他の収益を17億25百万円計上する一方で、事業構造改善費用を主としたその他の費用を52億14百万円計上しました。

これらの結果、営業利益は72億90百万円(前期は162億53百万円の営業損失)となりました。

なお、セグメント別の経営成績につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態および経営成績の状況」に記載のとおりです。

金融収益費用については、前連結会計年度は為替差益などを主とした金融収益を10億56百万円計上する一方で、支払利息などを主とした金融費用を14億37百万円計上したのに対して、当連結会計年度では受取配当金などを主とした金融収益を8億91百万円計上する一方で、支払利息などを主とした金融費用を11億30百万円計上しました。

その結果、税引前利益は70億51百万円(前期は166億34百万円の税引前損失)となりました。

法人所得税費用は、前連結会計年度では588百万円計上したのに対して、当連結会計年度では税効果会計の適用などの影響から18百万円のマイナスを計上しました。

これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は70億69百万円(前期は171億83百万円の親会社の所有者に帰属する当期損失)となりました。また、基本的1株当たり当期利益は141円50銭(前期は344円27銭の基本的1株当たり当期損失)となりました。

 

財政状態の分析につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態および経営成績の状況」に記載のとおりです。

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

② 資本の財源および資金の流動性

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

当社グループの主な資金需要は、事業上必要な運転資金や設備投資、M&Aによる投資です。これらの資金需要については調達規模や調達市場環境に応じて自己資金および金融機関からの借入や社債の発行等により対応します。また、金融コストの最小化と資金効率の向上のため、日本国内のグループ会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、当社への資金フローの集約により一元的な管理を行っています。

 

③ 経営方針・経営戦略等または経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループは、2018年1月から運用を開始した第6次中期経営計画において、事業ポートフォリオの組み換え・最適化による成長を志向してきました。主力のコンシューマー・エレクトロニクス(IT機器)に加え、モビリティ(自動車・輸送機器)、医療機器、サステナブル資材を重点市場と定め、バランスの取れた事業基盤の構築を図り、グローバルベースの成長戦略の実践による企業価値の向上を目指してまいりました。

この間、医療機器市場およびサステナブル資材市場において積極的なM&A戦略により事業拠点の拡張や製品群の拡充を実現し、またモビリティ市場向けにはフィルムタッチセンサーの供給を開始するなど、成長戦略を推進した重点市場において事業基盤の進展がありました。一方、IT機器市場においては、製品需要の大きな季節性変動や、技術トレンドの移行などによる製品需要の減少に対し、収益性・効率性の改善および維持に努めました。

なお、第6次中期経営計画の中期ビジョン(定量的内容)については、IT機器の市場環境を考慮し、2020年2月に取り下げました。

なお、第6次中期経営計画の最終年度である2020年12月期の連結業績は、売上高は1,800億6百万円、営業利益は72億90百万円、ROEは9.0%、営業活動によるキャッシュ・フローは146億83百万円となりました。

2021年1月から運用を開始した第7次中期経営計画では、これまでに獲得・構築したグローバルベースの事業基盤を最大限に活用し、シナジーの最大化による成長基盤の確立を目指します。医療機器、モビリティ、サステナブル資材などの市場においては、社会課題の解決に資する製品群・サービスの拡充による成長を目指します。IT機器市場においては製品需要の減少局面を迎えますが、収益性・効率性を追求します。

第7次中期経営計画の骨子は以下のとおりです。

1.中期ビジョン(定性的内容)

 「グローバルシナジーの最大化による成長基盤の確立」

2.中期ビジョン(定量的内容)

 2023年12月期に目指す主要な連結業績のビジョンは以下のとおりです。

ROE

9%以上

営業キャッシュ・フロー

(3年間累計)

435億円

売上高

1,950億円

営業利益

120億円

 

※ 上記ビジョンについては有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。

 

④ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記  2.作成の基礎(4)重要な会計上の判断および見積りを伴う判断」に記載しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループは「印刷」「コーティング」「ラミネーション」「成形」「パターンニング」を5つのコア技術と定義し、特徴ある製品群を創出するとともに、対象市場の多様化、グローバル市場への進出などを通じて事業領域を拡大してきました。

お客さまのニーズに対応する中期的な製品開発は事業部内の開発部門が担い、より長期的な視点に立った研究開発・製品開発は技術開発室が担う体制となっています。

事業部内の開発部門は、お客さまの要望に基づく開発を中心に行い、事業の継続・発展に寄与しています。技術開発室は、当社グループの事業領域の拡大を目指し、開発テーマの調査・企画および新製品の開発・事業化を推進する一方、コア技術の拡張に取り組んでいます。

なお、2021年1月1日付で、技術開発室は事業開発室に改称、再編されました。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、各セグメントに配分できない当社の技術開発室および事業部の開発部門で行っている基礎・応用費用2,869百万円です。