第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

 当期における我が国経済は、物価上昇や新興国の景気減速の影響が懸念されるものの、雇用情勢や企業業績に改善傾向が見られるなど、景気は緩やかながらも回復基調の中で推移しました。一方、個人消費は、中国や新興国経済の減速感が強まる中、先行きは予断を許さない状況が続いております。

 このような環境の下、学習塾業界では、少子化により生徒数が減少する中、異業種の参入や合併・買収・提携などの再編が進むとともに、ターゲットとする年齢層の拡大やICTの活用などによるサービスの開発が行われております。出版業界では、活字離れに伴う書籍や雑誌の市場縮小が進む中、スマートフォンやタブレットユーザーの増加により電子出版の市場規模は拡大の一途をたどっております。高齢者福祉・子育て支援業界では、高齢者人口の増加や政府の子育て支援策の強化などにより市場が拡大する一方、介護報酬改定による環境の変化やサービス・価格面での競争激化が進んでおります。

 以上のような状況の中、当期の当社グループ業績は、売上高95,945百万円(前期比6.4%増)、営業利益1,599百万円(前期比1,319百万円増)、経常利益1,742百万円(前期比1,264百万円増)、当期純利益265百万円(前期比233百万円増)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 

[教室・塾事業]

 教室・塾事業の売上高は前期比0.2%増の27,392百万円、営業利益は前期に対し207百万円増の1,490百万円となりました。

 売上高については、「学研教室」事業がタブレットを活用した学習サービスや、幼児・小学校低学年を中心に学習コースを増設したことで、生徒数は前期比で微減となったものの、年間ベースの売上減少幅は抑制されました。進学塾事業においては個別指導の生徒数増や受講コースの充実を図り、顧客単価がアップした結果、前期並みとなりました。損益面では、募集活動を効果的に進め、販売経費を圧縮した結果、増益となりました。

 

[出版事業]

 出版事業における売上高は前期比2.1%増の29,693百万円、営業損益は前期比697百万円損失減の515百万円の損失となりました。(なお第2四半期から連結子会社化した株式会社文理(以下、文理という)を除いた売上高は26,152百万円、営業損益は1,136百万円の損失)売上高については、上期に歴史、女性実用関係等の不採算事業を廃止したこと、昨年発刊した絵本や図鑑など児童向け読み物の売上が減少したことなどが減収要因となりましたが、第2四半期から文理の売上が加わり、出版事業全体では増収となりました。損益面では、不採算事業の改善効果に加え、文理の営業利益が加算され、損失が減少しました。

 

[高齢者福祉・子育て支援事業]

 高齢者福祉・子育て支援事業における売上高は前期比38.7%増の14,574百万円、営業利益は前期比420百万円増の101百万円となりました。

 売上高については、高齢者福祉事業が開業後1年を経過したサービス付き高齢者向け住宅(以下、「サ高住」という)の入居率が向上した他、直近1年間に「サ高住」を5施設開業したことに加え、西日本の高齢者住宅7物件を譲受したこと、子育て支援事業では保育園を10園開業したことにより、増収となりました。損益面では、介護報酬改定による減収や譲受物件の引き継ぎなどによる固定費増があるものの、増収に加え、施設運営の効率化に努めたことが奏功し、営業利益に転じました。

 

[園・学校事業]

 園・学校事業における売上高は前期比2.9%増の16,141百万円、営業利益は前期比144百万円増の421百万円となりました。

 売上高については、幼稚園・保育園向けの新学期用品や太陽光発電等の設備納入が減少した一方、昨年の小学校教科書の採択を受けて、小学校保健の教科書や教科書指導書の販売高が増加したことにより、増収となりました。損益面では、園児用絵本の原価低減や小学校保健の教科書指導書等の売上増が寄与し、増益となりました。

 

[その他]

 その他における売上高は前期比8.2%増の8,142百万円、営業利益は前期比130百万円減の78百万円となりました。教育ICT事業関連の売上高が含まれる他、物流事業や採用・就職支援事業の損益が改善した一方で、文具・雑貨事業や教育ICT事業関連のコスト増の影響で減益となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、16,412百万円と前連結会計年度末と比べ1,021百万円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

 

①営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、3,271百万円の資金増加(前連結会計年度は262百万円の増加)となりました。これは投資有価証券売却及び評価損益781百万円、退職給付に係る負債の減少579百万円、仕入債務の減少667百万円、法人税等の支払額683百万円などの資金減少があるものの、税金等調整前当期純利益1,414百万円の計上、減価償却費1,346百万円の計上、たな卸資産の減少1,461百万円などの資金増加によるものであります。

 

②投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、1,774百万円の資金減少(前連結会計年度は3,032百万円の減少)となりました。これは有形及び無形固定資産の売却による収入2,760百万円、投資有価証券の売却による収入2,422百万円などの資金増加があるものの、有形及び無形固定資産の取得による支出5,999百万円などの資金減少によるものであります。

 

③財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、569百万円の資金減少(前連結会計年度は9,011百万円の増加)となりました。これは長期借入れによる収入1,570百万円などの資金増加があるものの、長期借入金の返済による支出1,614百万円、配当金の支払額462百万円などの資金減少によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

教室・塾事業

601

△11.0

出版事業

28,871

△6.1

高齢者福祉・子育て支援事業

園・学校事業

10,368

8.4

その他

3,952

8.9

合計

43,794

△1.8

 

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については、相殺消去しておりません。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

金額僅少のため、受注実績の記載は省略いたします。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

教室・塾事業

27,392

0.2

出版事業

29,693

2.1

高齢者福祉・子育て支援事業

14,574

38.7

園・学校事業

16,141

2.9

その他

8,142

8.2

合計

95,945

6.4

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合


相手先


前連結会計年度


当連結会計年度

 

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

 日本出版販売㈱

10,258

11.4

 

 

(注)当連結会計年度の日本出版販売㈱に対する販売実績は、総販売実績の10%未満のため、記載を省略しております。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、既存事業を取り巻く厳しい市場環境や、新規事業の構築および収益化の必要性を認識した上で、昨年11月にグループ2ヵ年計画「Gakken2016」を発表し、当期を起点とした2ヵ年を「成長軌道に乗せるための再構築フェーズ」と位置付けております。

教育ソリューション事業(「教室・塾事業」「出版事業」「園・学校事業」の総称)では、出版事業の不採算分野を段階的に縮小し、経営資源を学習参考書や児童書などの教育分野にシフトし、少子化や教育のデジタル化およびグローバル化など市場環境が大きく変化している中、「教育ICT」「電子出版」「海外展開」を軸とした新しい教育サービスの開発に取り組み、「教育コンテンツ&サービスの創造企業」を目指します。

また、高齢者福祉・子育て支援事業では、高齢者施設および保育園の開発・開業支援・経営コンサルティングを営むシスケアグループの子会社化により開発・営業・運営体制を強化し、新規開設拠点の早期利益化と開設ペースを加速し、利益確保と成長拡大を推進します。

以上のように当社グループは、「すべての人が心ゆたかに生きることを願い、今日の感動・満足・安心と明日への夢・希望を提供します」というグループ理念の実現に向けて、今後とも良質な商品やサービスを提供してまいります。

 

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 

①会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容

当社は、終戦直後の昭和21年、創業者の「荒廃した日本を再建するには、次代を担う子どもたちの教育が最も大切である」との信念のもと設立されました。以来、「教育」を基軸とし、月刊学習誌『科学』『学習』を中心に多くの人々のご支持を得ながら、多岐にわたる出版事業を手がけ、幼児・小学生・中学生・高校生、そして一般社会人へと対象を広げ、さらには、雑誌・書籍の出版に限ることなく、各種の教材や教具、教室事業、映像製作、文化施設の企画・施工などにも幅広く取り組んでまいりました。近年では、少子高齢化社会・女性の社会進出への変化に対応するため、高齢者福祉事業や子育て支援事業への参入も果たすなど、単に短期的利潤の追求に留まらず企業の社会的責務をも重視しつつ事業展開を図ってまいりました。

そして、60有余年、当社グループは、創業精神に裏打ちされたグループ理念(「私たち学研グループは、すべての人が心ゆたかに生きることを願い、今日の感動・満足・安心と明日への夢・希望を提供します」)を根底に置きながら事業を展開するとともに、多くの顧客・取引先・従業員そして株主の皆様等のステークホルダーとの間に築かれた関係の中で、各種事業の成長を遂げてまいりました。
 現在の企業価値は、グループ各社におけるそのような日々の企業活動の結果として生み出されたものであり、様々なステークホルダーへの還元が実行されるに至ったものと認識しております。

このような当社グループの成長過程に鑑み、当社取締役会は、今後将来にわたり、当社グループの企業価値および株主共同の利益を確保し向上させるためには、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、ⅰ. 短期的な視野に偏ることなく、中長期的な視野から経営を行い、適法かつ適正な利益を追求する、ⅱ.企業の社会的責務を十分に尊重し、株主の皆様はもとより、顧客、取引先、地域社会、従業員などすべてのステークホルダーとの関係基盤が企業価値を生み出す源泉である、これらの点を十分に理解する者であることが必要不可欠であると考えております。

 

 

②会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

 当社は、上場会社である以上、何人が会社の財務および事業の方針の決定を支配することを企図した当社の株式の大規模買付行為を行っても、原則として、これを否定するものではありません。しかしながら、大規模買付行為の中には、その目的等から企業価値・株主共同の利益を損なう懸念のある場合もあります。

当社は、いわゆる事前警告型の買収防衛策として、平成18年3月20日開催の当社取締役会において、大規模買付行為への対応方針およびそれに基づく事前の情報提供に関する一定のルール(大規模買付ルール)を導入し、これについて、同年6月29日開催の第60回定時株主総会において出席された株主の皆様の総議決権数の3分の2を超えるご賛同をいただきました。

その概略は、買付者からの十分な情報の収集・開示に努める体制を整備し、かつ第三者機関(特別委員会)の助言、意見または勧告を最大限に尊重することを前提に、当社の企業価値を防衛するため、しかるべき対抗措置をとることがある旨を事前に表明しておくというものでありました。

その後、数度の改正を経て、平成22年12月22日開催の第65回定時株主総会においては、当社が定める会社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に則り、持続的な成長が可能な企業体を目指すための大規模買付ルールを継続することとするほか、法的な安定性を高めるために、定款に大規模買付ルールの改正やそのルールに基づく対抗措置の発動について、当社の取締役会や株主総会の決議により行うことができる旨などの根拠規定を新設することにつき、株主の皆様のご賛同をいただきました。

さらに、平成26年12月19日開催の第69回定時株主総会においては、大規模買付ルールを継続することにつき、株主の皆様のご賛同をいただき、現在に至っております。

 

③上記②の取組みについての取締役会の判断及びその判断にかかる理由

当社取締役会は、以下の理由により、上記②の取組み(以下「本取組み」といいます。)は、上記①の基本方針に沿うものであり、当社の企業価値または株主共同の利益を損なうものではなく、取締役の地位の維持を目的とするものではないと判断いたします。

ⅰ. 本取組みは、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)および企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を充足しております。

ⅱ. 本取組みの有効期間は2年であり、2年ごとに、定時株主総会において、株主の皆様のご承認を得ることとしております。

ⅲ. 本取組みは、独立性の高い社外者(特別委員会)の判断を重視し、その内容は情報開示することとしております。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものがあります。なお、記載内容のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。

 

①法的規制等に関するリスク

当社グループは教育・福祉・出版に関する事業を中心に様々な事業を展開し、それぞれの事業分野において各種法令・諸規則等の適用を受けており、当社グループではコンプライアンス経営の確立を目指し、全従業員への研修をはじめ、法的規制の遵守および取り組み強化を進めております。しかしながら、これら法令・諸規則の改正もしくは解釈の変更、法的規制の新設によっては当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

②災害の発生に関するリスク

当社グループの本社及び主要な事業所は、東京を中心とした都市部にあります。従来、火災や地震及び新型インフルエンザを想定した対策マニュアルを整備しておりましたが、東日本大震災以降、事業継続計画(BCP)の策定と合わせて見直しを行いました。しかしながら、当該地域において、地震、津波、台風、洪水等の自然災害、火災、停電、感染症の蔓延、紛争・テロ、違法行為等、予測の範囲を超える事態の発生により、事業活動の停止や事業運営への重大な支障が生じた場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの設備やシステムが被害を免れた場合においても、取引先の被害状況によっては、上記同様のリスクが発生する可能性があります。

③個人情報の管理に関するリスク

当社グループでは、商品・サービスの企画、制作、販売のあらゆる過程において多くの個人情報を有しております。個人情報の適正な取扱いをすることは、事業活動の基本であり、社会的責務であると認識しております。これらの個人情報の取得、保存、利用、処分等にあたっては、関連法令の遵守はもとより、社内規程、ガイドライン、マニュアル等を制定し、外部からの不正アクセスには防止対策強化など万全を図っておりますが、今後不測の事態により個人情報が流出する事態になった場合、当社グループの信用失墜は免れず、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④情報システムの障害に関するリスク

当社グループは事業の多くにおいて、情報システム・通信ネットワークに依存しております。当社グループはシステムトラブルの発生可能性を低減させるために、安定的運用に向けたシステム強化、セキュリティ強化及びデータセンターへサーバーを分散設置する等の対策を行いました。しかし、予測の範囲を超える停電、災害、ソフトウェアや機器の欠陥、コンピュータウイルスの感染、不正アクセスなどにより、情報システムの停止、情報の消失、漏洩、改ざんなどの事態が発生した場合には営業活動に支障をきたし、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤高齢者福祉事業の運営に関するリスク

当社グループでは、平成23年に制度化された「サービス付き高齢者向け住宅」の事業を拡大し、高齢者が安心できる社会を迎えられるよう取り組んでおります。高齢者向け事業サービスは、介護保険法、高齢者住まい法などの関係法令に従い展開しておりますが、今後の社会保障制度や法令の改正によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、高齢者福祉事業では、利用者の安全・健康管理という側面において、利用者が高齢者であることもあり、生命に関わる重大な問題(事故、食中毒、集団感染等)が生じる可能性があるため、これらの問題に基づき、訴訟が提起された場合や風評被害が生じた場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥子育て支援及び教室・塾事業の運営に関するリスク

当社グループでは、子育て支援事業として、認定こども園や保育所の運営を行い、子どもを安心して預けられる環境整備と待機児童問題の改善に向けた取り組みを推進しております。施設運営では、安全・健康管理という側面において、利用者が乳児から就学前児童であり、生命に関わる重大な問題(事故、食中毒、集団感染等)が生じる可能性があるため、これらの問題に基づき、訴訟が提起された場合や風評被害が生じた場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、幼児から高校生を対象とした教室・塾事業では、全国で教室や塾を運営しており、利用者が安全に通っていただくために交通・防犯指導や緊急時対策等、体制整備を進めております。しかし、利用者の安全を脅かす事態が発生した場合は、信頼性が低下する可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑦出版市場の動向に関するリスク

当社グループは、子どもの知的好奇心を満たす図鑑や知育教材、学習ニーズに対応した学習参考書や辞典をはじめ、料理・健康・教養・芸能など様々なライフスタイルに向けた出版物を提供しております。併せて今後拡大が見込まれる電子書籍市場に対応するコンテンツの充実に努めております。しかしながら出版市場では、書籍及び雑誌等の販売減少傾向が続いており、また、広告収入においても景気変動の影響を受けやすい状況にあるため、急激な市場変化によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑧著作物再販制度に関するリスク

公正取引委員会の平成13年3月23日公表「著作物再販制度の取扱いについて」において、著作物再販制度の廃止の考えがコメントされておりますが、同制度の廃止に反対する意見も多く、当面廃止が見送られております。将来において同制度が廃止された場合、出版業界全体への影響、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑨委託販売制度に関するリスク

出版業界の慣行として委託販売(返品条件付販売)制度があり、この制度に基づいた返品による損失に備えるため、「返品調整引当金」を計上しておりますが、想定以上の返品の増加となった場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑩無体財産権に関するリスク

当社グループの製作・販売している出版物などのコンテンツには、著作権・肖像権など様々な無体財産権が存在しており、今後権利者からの出版差し止め、損害賠償などの係争に発展するリスクを完全に回避することは困難であり、係争に発展した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑪海外への事業展開に関するリスク

当社グループは、アジア地域を中心に商品の販売・生産・仕入や、出版事業および学習塾を中心とした教室事業を展開しており、今後も、積極的に海外における事業の拡大を図ってまいります。当社グループでは、法制度の改正や解釈の変更、行政の動向等に係る情報収集及び状況把握を行い、体制強化を図っておりますが、海外事業を推進する上で、事業展開する国・地域における政治的・社会的・経済的不安定要因、自然災害・伝染病、法律や規制の新設・変更などの顕在化により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

業務・資本提携契約

契約会社名

相手方の名称

契約

締結日

契約期間

契約内容

㈱学研
ホールディングス
(当社)

㈱明光ネットワークジャパン

平成20年

8月28日

期間の定めなし

業務提携

①両社の対面教育事業における生徒の相互紹介

②教材の共同開発

③当社の教育システムを㈱明光ネットワークジャパンで活用

④その他模擬試験の共同開発・実施、教具の共同購入、講師の派遣等の実施

資本提携

 株式の相互保有

㈱学研
ホールディングス
(当社)

㈱市進
ホールディングス

平成23年
1月24日

自 平成23年1月24日
至 平成24年1月23日
以後1年ごとの自動更新

業務提携

①市進ウイングネット事業の拡大

②学研幼児教室の展開

③海外事業

④介護サービス事業

⑤学童サービスなど子育て支援と共に親子の触れ合いの場を提供する事業

⑥アドバイザーの選任

資本提携

 株式の相互保有

㈱学研
ホールディングス
(当社)

㈱ODK
ソリューションズ
 

平成25年
6月20日

自 平成25年6月20日
至 平成26年6月19日
以後1年ごとの自動更新

業務提携

①入学試験業務効率化サービスの開発

②入試データと教育コンテンツを融合した教育支援・広報支援サービスの開発

資本提携

 株式の相互保有

㈱学研
ホールディングス
(当社)

㈱河合楽器製作所

平成27年

7月31日

自 平成27年10月1日
至 平成32年9月30日
以後1年ごとの自動更新

業務提携

 ①教室事業の拡大

 ②シニア向け事業の拡大

 ③グローバル事業の拡大

④園・学校向けの教室運営ノウハウやコンテンツ、リソースなどを活用し、それぞれの事業拡大にむけた連携

⑤人材の交流

資本提携

 株式の相互保有

 

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択や適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要といたします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況]の1「連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高

 当連結会計年度の売上高は、前期に比べ5,811百万円増加の95,945百万円(前期比6.4%増)となりました。高齢者福祉・子育て支援事業でのサービス付き高齢者向け住宅(以下「サ高住」)や保育施設の新規開業、西日本エリアのサ高住物件を取得したことなどにより増加いたしました。

② 営業利益

 当連結会計年度の営業利益は、前期に比べ1,319百万円増加の1,599百万円となりました。出版事業で一部の事業を廃止したこと、文理の連結子会社化、高齢者福祉・子育て支援事業での増収や施設運営の効率化などにより増加いたしました。

③ 経常利益

 当連結会計年度の経常利益は、前期に比べ1,264百万円増加の1,742百万円となりました。主な増減要因は営業利益が1,319百万円増加したことによるものです。なお、営業外収益は前期に比べ15百万円増加の424百万円、営業外費用は前期に比べ70百万円増加の280百万円となりました。

④ 当期純利益

 当連結会計年度の当期純利益は、前期に比べ233百万円増加の265百万円となりました。主な増減要因は営業利益が1,319百万円増加したことによるものです。なお、特別利益は前期に比べ40百万円減少の851百万円、特別損失は、477百万円増加の1,179百万円となりました。

 

(3)当連結会計年度の財政状態の分析

 資産、負債及び純資産の状況

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ4,704百万円増加し、79,203百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の増加1,087百万円、受取手形及び売掛金の増加294百万円、商品及び製品の減少171百万円、有形固定資産の増加2,946百万円、投資有価証券の減少266百万円などによるものです。

 負債は、前連結会計年度末に比べ2,913百万円増加し、44,506百万円となりました。主な増減は、支払手形及び買掛金の増加282百万円、短期借入金の増加857百万円、未払法人税等の増加369百万円、長期借入金の増加231百万円、退職給付に係る負債の減少517百万円などによるものです。

 純資産は、前連結会計年度末に比べ1,790百万円増加し、34,697百万円となりました。主な増減は、利益剰余金の減少765百万円、退職給付に係る調整累計額の増加1,005百万円、少数株主持分の増加1,195百万円などによるものです。

 

(4)当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析

 当社グループの現金及び現金同等物期末残高は、前連結会計年度末に比べ1,021百万円(6.6%)増加し、16,412百万円となりました。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、3,271百万円の資金増加(前連結会計年度は262百万円の増加)となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、1,774百万円の資金減少(前連結会計年度は3,032百万円の減少)となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、569百万円の資金減少(前連結会計年度は9,011百万円の増加)となりました。

 なお、キャッシュ・フローの詳細は、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。