第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
  なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

3 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 業績の状況 

  当第3四半期連結累計期間(平成28年10月1日~平成29年6月30日)における我が国経済は、企業業績の緩やかな改善傾向が続く中、設備投資が増加基調となり、雇用情勢や所得環境の改善を受け個人消費も底堅く推移するなど、緩やかな回復基調が続きました。一方で、トランプ政権の政策運営やアジア地域の緊張など海外の政治・経済動向の不透明感が残っており、先行きは予断を許さない状況が続くものと予想されます。

  このような環境の下、学習塾業界では業界の再編が進むとともに、ICTを活用したサービスや顧客層の拡大、海外市場への進出など市場開拓に向けた動きが活発化しており、小学校での英語教科化や2020年大学入試改革に向けた「能力開発」「アクティブラーニング」など新たな教育手法への対応が進んでおります。出版業界では書籍や雑誌の市場縮小が進む中、出版社と書店・図書館の連携など、出版流通市場の活性化や出版文化の底上げの動きが進む一方、電子出版の拡大に伴い出版コンテンツから派生した新たなビジネスモデルの構築が図られております。介護業界では高齢者人口の増加や政府の支援策強化などによる市場拡大が進む中、介護報酬制度改定や介護職の労働環境などの問題が顕在化しております。保育業界では女性の就業率が上昇し共働き世帯が増加する中、保育施設の整備や保育士不足など待機児童解消が深刻な社会問題となっており、平成29年度末までに待機児童解消を目指す「待機児童解消加速化プラン」が実施されております。

  以上のような状況の中、当期の当社グループ業績は、売上高77,666百万円(前年同期比3.1%増)、営業利益2,748百万円(前年同期より66百万円減)、経常利益2,942百万円(前年同期より77百万円減)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,120百万円(前年同期より459百万円増)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの変更を行っており、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいています。詳細は、第4「経理の状況」1「四半期連結財務諸表」(セグメント情報等)Ⅱ 当第3四半期連結累計期間の「2.報告セグメントの変更等に関する事項」をご覧ください。

 

〔教育サービス事業〕

 売上高:20,898百万円(前年同期比4.3%増) 営業利益:421百万円(前年同期より271百万円減)

 ・売上高は、進学塾の不採算校整理や集団指導コースなど厳しい状況下で、従来型の個別指導コースや新たなサービス拡充に努める中、進学塾を運営する株式会社市進ホールディングスとの合弁会社である株式会社SIGN-1、および難関国立大学受験塾や医学部専門予備校を関西で運営する株式会社コーシン社グループが連結子会社となったこと、昨年4月に実施した学研教室の月謝改定などにより増収となりました。

 ・損益面では、教材改訂原価や宣伝費等の増加に加え、新規連結会社の営業損失などにより減益となりました。

 

 

〔教育コンテンツ事業〕

  売上高:24,469百万円(前年同期比3.5%減) 営業利益:1,508百万円(前年同期より69百万円増)

  ・売上高は、既刊本を中心に学習参考書や児童書が引き続き好調でしたが、出版分野全体では企画の厳選や不採算定期誌の整理による点数減、また、ホビー分野ではキャラクターブランドなどの低迷により減収となりました。

  ・損益面では、企画の厳選や不採算定期誌の整理による返品率・原価率の改善などにより増益となりました。

 

〔教育ソリューション事業〕

 売上高:14,278百万円(前年同期比5.6%増) 営業利益:256百万円(前年同期より214百万円減)

 ・売上高は、待機児童解消予算関連商品(備品・遊具)やライフスタイル用品の受注が引き続き好調だったほか、課外教室の会員増などにより増収となりました。

 ・損益面では、販売経費の増加、教科書指導書・副読本および模擬試験の減収などにより減益となりました。

 

〔医療福祉サービス事業〕

 売上高:15,689百万円(前年同期比12.2%増) 営業利益:537百万円(前年同期より342百万円増)

・売上高は、医療サービスでは、看護師向けe-ラーニング『学研ナーシングサポート』の契約増に伴い増収となりました。福祉サービスでは、サービス付高齢者向け住宅(以下「サ高住」)を直近1年間に9施設開業したことや西日本エリアの入居率が向上したこと、保育園を直近1年間に3施設開設したことや既存園の充足率が向上したことなどにより増収となりました。

・損益面では、医療サービスでのコスト削減や、福祉サービスでは労務費などの経費増があったものの事業成長により、増益となりました。

 なお、平成28年12月に、サ高住2物件(ココファン柏豊四季台、ココファン立川)の不動産流動化を実施し、固定資産売却益355百万円を計上いたしました。

 

〔その他〕

 売上高:2,330百万円(前年同期比4.0%減) 営業利益:24百万円(前年同期より4百万円増)

・主に海外子会社の受注減により減収となりましたが、コスト削減により増益となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間の総資産は、前連結会計年度末に比べ83百万円増加し、76,468百万円となりました。主な増減は、受取手形及び売掛金の増加1,458百万円、有形固定資産の減少2,862百万円、投資有価証券の増加2,842百万円などによるものです。

負債は、前連結会計年度末に比べ1,499百万円減少し、41,421百万円となりました。主な増減は、支払手形及び買掛金の増加226百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少331百万円、未払法人税等の増加410百万円、賞与引当金の減少552百万円、返品調整引当金の増加217百万円、長期借入金の減少2,677百万円、退職給付に係る負債の減少365百万円などによるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べ1,582百万円増加し、35,047百万円となりました。主な増減は、利益剰余金の増加1,423百万円、その他有価証券評価差額金の増加1,462百万円、非支配株主持分の減少1,408百万円などによるものです。

 

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 

①会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容

当社は、終戦直後の昭和21年、創業者の「荒廃した日本を再建するには、次代を担う子どもたちの教育が最も大切である」との信念のもと設立されました。以来、「教育」を基軸とし、月刊学習誌『科学』『学習』を中心に多くの人々のご支持を得ながら、多岐にわたる出版事業を手がけ、幼児・小学生・中学生・高校生、そして一般社会人へと対象を広げ、さらには、雑誌・書籍の出版に限ることなく、各種の教材や教具、教室事業、映像製作、文化施設の企画・施工などにも幅広く取り組んでまいりました。近年では、少子高齢化社会・女性の社会進出への変化に対応するため、高齢者福祉事業や子育て支援事業への参入も果たすなど、単に短期的利潤の追求に留まらず企業の社会的責務をも重視しつつ事業展開を図ってまいりました。

そして、70有余年、当社グループは、創業精神に裏打ちされたグループ理念(「私たち学研グループは、すべての人が心ゆたかに生きることを願い、今日の感動・満足・安心と明日への夢・希望を提供します」)を根底に置きながら事業を展開するとともに、多くの顧客・取引先・従業員そして株主の皆様等のステークホルダーとの間に築かれた関係の中で、各種事業の成長を遂げてまいりました。

現在の企業価値は、グループ各社におけるそのような日々の企業活動の結果として生み出されたものであり、様々なステークホルダーへの還元が実行されるに至ったものと認識しております。

このような当社グループの成長過程に鑑み、当社取締役会は、今後将来にわたり、当社グループの企業価値および株主共同の利益を確保し向上させるためには、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、ⅰ.短期的な視野に偏ることなく、中長期的な視野から経営を行い、適法かつ適正な利益を追求する、ⅱ.企業の社会的責務を十分に尊重し、株主の皆様はもとより、顧客、取引先、地域社会、従業員などすべてのステークホルダーとの関係基盤が企業価値を生み出す源泉である、これらの点を十分に理解する者であることが必要不可欠であると考えております。

 

②会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

 当社は、上場会社である以上、何人が会社の財務および事業の方針の決定を支配することを企図した当社の株式の大規模買付行為を行っても、原則として、これを否定するものではありません。しかしながら、大規模買付行為の中には、その目的等から企業価値・株主共同の利益を損なう懸念のある場合もあります。

 当社は、いわゆる事前警告型の買収防衛策として、平成18年3月20日開催の当社取締役会において、大規模買付行為への対応方針およびそれに基づく事前の情報提供に関する一定のルール(大規模買付ルール)を導入し、これについて、同年6月29日開催の第60回定時株主総会において出席された株主の皆様の総議決権数の3分の2を超えるご賛同をいただきました。

 その概略は、買付者からの十分な情報の収集・開示に努める体制を整備し、かつ第三者機関(特別委員会)の助言、意見または勧告を最大限に尊重することを前提に、当社の企業価値を防衛するため、しかるべき対抗措置をとることがある旨を事前に表明しておくというものでありました。

 その後、数度の改正を経て、平成22年12月22日開催の第65回定時株主総会においては、当社が定める会社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に則り、持続的な成長が可能な企業体を目指すための大規模買付ルールを継続することとするほか、法的な安定性を高めるために、定款に大規模買付ルールの改正やそのルールに基づく対抗措置の発動について、当社の取締役会や株主総会の決議により行うことができる旨などの根拠規定を新設することにつき、株主の皆様のご賛同をいただきました。

 さらに、平成28年12月22日開催の第71回定時株主総会においては、大規模買付ルールを継続することにつき、株主の皆様のご賛同をいただき、現在に至っております。

 

 

③上記②の取組みについての取締役会の判断及びその判断にかかる理由

 当社取締役会は、以下の理由により、上記②の取組み(以下「本取組み」といいます。)は、上記①の基本方針に沿うものであり、当社の企業価値または株主共同の利益を損なうものではなく、取締役の地位の維持を目的とするものではないと判断いたします。

ⅰ. 本取組みは、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)および企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を充足しております。

ⅱ. 本取組みの有効期間は2年であり、2年ごとに、定時株主総会において、株主の皆様のご信任を得ることとしております。

ⅲ. 本取組みは、独立性の高い社外者(特別委員会)の判断を重視し、その内容は情報開示することとしております。

(4) 従業員数

連結会社の状況

当第3四半期連結累計期間において、教育サービス事業の臨時従業員数(平均雇用人員)が著しく増加しております。

これは、㈱SIGN-1、㈱コーシン社、㈱高等進学塾が連結子会社に加わったことなどによるものです。