第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
 なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。 

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の状況

当社グループが事業を展開する教育分野では、2020年の教育指導要領の改訂や大学入試改革を控え、アクティブラーニングやテクノロジーを使った教育手法が注目され、テクノロジーを通して教育(Education)に変革をもたらす「EdTech(エドテック)」により、教育市場の規模拡大が期待されております。さらに2018年6月には政府主催の「人生100年時代構想会議」で、社会人の学びなおし(リカレント教育)などの成人教育も強化する方針が発表され、少子化の影響を大きく受けるものの「学び」は世代を越えた広がりが予想されます。
 医療福祉分野では、日本は世界に類をみないスピードで超高齢社会に突入しており、2025年には国民の約5人に1人が75歳以上になるとの予測の下、社会保障費の急増が懸念されております。一方、共働き世帯の増加に伴い都市部の保育園に対する需要が増大する中、保育施設の整備や保育士不足などの課題に対し、「待機児童解消加速化プラン」に続き「子育て安心プラン」が前倒しで実施されております。これに加え、本年10月には幼児教育無償化の実施も予定されております。

 

このような環境の下、塾業界では、顧客ニーズが集団指導から個別指導にシフトし、競争激化や事業承継を起因とした業界再編が進んでおります。出版業界では、書籍・雑誌の市場が縮小し、出版社・取次・書店・印刷会社を巻き込んだ業界再編が進み、コミックを中心に拡大してきた電子出版市場は一部の読み放題サービスの会員数減少などにより伸び率が鈍化しております。介護業界では、高齢者人口の増加に伴う市場の拡大を背景に、職員への処遇改善など政府の支援拡大により高齢者住宅の供給が進む中、地域によっては過剰感も出始めており、厚生労働省は、各地域の課題に応じたサービスや街づくり地域包括ケアシステムの構築を推進しております。一方では介護報酬抑制の動きや介護職員の人材不足などの課題が顕在化しております。保育業界では、幼児期における教育の重要性が認識され始め、幼児向け教室が増加し、保育園において託児施設の機能に加えて、教育施設の機能を強化する試みが注目されております。また、保育園の託児施設機能と幼稚園の教育施設機能を一体化させた認定こども園の普及も進んでおります。子育て支援事業の社会的な役割は、これまで以上に重要性を増すものと考えられます。

 

当社グループは2018年11月14日に新2ヵ年計画「Gakken2020」を発表し、教育分野と医療福祉分野の「2つの成長エンジン」で次代を拓くを経営方針とし、経営基盤の強化や資本効率の向上と株主還元に努め、持続的成長による企業価値向上を推進いたします。具体的には、経営基盤強化のために下記7つの経営施策を選定し、2020年9月期の経営目標達成を目指しております。
(1)事業戦略モニタリング、(2)組織人事改革、(3)収益構造改革、(4)ポートフォリオ改革、(5)財務戦略、
(6)投資評価、(7)マーケティング強化

 

 

以上のような状況の中、当第1四半期連結累計期間の連結業績は、売上高33,642百万円(前年同期比34.0%増)、営業利益841百万円(前年同期より740百万円増)、経常利益785百万円(前年同期より577百万円増)、親会社株主に帰属する四半期純利益104百万円(前年同期より150百万円増)となりました。

当連結会計年度よりメディカル・ケア・サービス(株)(以下「MCS」)が連結業績に加わったため、大幅な増収・増益となりました。
なお、当社グループの事業特性上、小中学生向けの書籍・教科書販売や幼稚園・保育園向けの物販が第2四半期に集中する傾向があります。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

〔教育サービス事業〕

売上高:7,510百万円(前年同期比0.0%減)営業利益:456百万円(前年同期より26百万円減)

(学研教室事業)
 「学研教室」の会員数は前年夏より回復基調にありますが、売上高・営業利益ともに前年同期並みとなりました。
(進学塾事業)
 売上高は、前年より不採算校舎の見直しを進めてきましたが、全体では好不調の二極化もあり前年同期並みとなりました。
 損益面は、校舎開設費用、生徒募集費、労務費の増加により減益となりました。
 

〔教育コンテンツ事業〕

売上高:6,758百万円(前年同期比4.9%減)営業損失:336百万円(前年同期より22百万円損失増)

(出版事業)
 売上高は、英検書などにより学習参考書が増収となりましたが、前期にヒットしたムックの反動減などにより減収となりました。
 損益面は、上記要因に加え、在庫評価減や新規事業教材の原価増により損失増となりました。
(出版以外の事業)
 売上高は、オンライン英会話や東京都英語村(TOKYO GLOBAL GATEWAY)などの英語事業やドリル教材、版権などの海外事業で増収となりましたが、アニメ事業の縮小や文具事業の商品点数絞り込みなどにより前年同期並みとなりました。
 損益面は、東京都英語村の立ち上げによる先行コストを文具事業や学研プライムゼミ、学研ゼミなどの改善が補い損失減となりました。
 

〔教育ソリューション事業〕

売上高:4,493百万円(前年同期比13.8%増)営業損失:68百万円 (前年同期より146百万円損失減)

(幼児教育事業)
 幼保園での教師用ユニフォーム、園舎建替、園児誌の販売は、前期からの好調を維持しました。一方、幼児教室は不採算教室閉鎖や人件費増で減収減益となり、幼児教育全体では増収、損益面では前年同期並みとなりました。
(学校教育事業)
 中学校道徳教科書の新規採択などにより増収増益となりました。

 

 

〔医療福祉サービス事業〕

売上高:13,993百万円(前年同期比146.3%増)営業利益:718百万円(前年同期より554百万円増)

(高齢者福祉事業)
 サービス付き高齢者向け住宅は、直近1年間に10事業所開業、2事業所(累計128事業所)を事業承継により取得したほか、既存事業所の入居率向上により増収となりました。

 損益面では、上記増収要因の一方で人件費の増加などにより小幅増益となりました。
 当連結会計年度より当社グループに加わったグループホーム事業は、施設の効率的な運営により好調に推移しました。(MCSの業績 売上高: 7,473百万円 営業利益(のれん償却後):475百万円)
(子育て支援事業)
  保育園3施設(累計40施設)を開園し、学童保育施設4か所(累計10か所)の運営を受託したことにより増収となりました。

 損益面では、労務費・派遣社員費用が増加しましたが、上記増収要因により増益となりました。
(医学看護出版事業)
 医学出版販売や模試事業が好調に推移し、看護師向けeラーニング事業の契約数が引き続き伸長したことにより増収増益となりました。
  

〔その他〕

売上高:886百万円(前年同期比3.7%増) 営業利益:61百万円(前年同期より67百万円増)

主に物流事業の売上増により増収となりました。

 

 ②財政状態の状況

当第1四半期連結会計期間の総資産は、前連結会計年度末に比べ2,276百万円増加し、102,219百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の増加714百万円、受取手形及び売掛金の増加1,093百万円、商品及び製品の増加868百万円、仕掛品の増加481百万円、有形固定資産の増加1,090百万円、投資有価証券の減少2,142百万円などによるものです。

負債は、前連結会計年度末に比べ3,800百万円増加し、63,053百万円となりました。主な増減は、支払手形及び買掛金の増加1,775百万円、短期借入金の増加4,122百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少837百万円、未払法人税等の減少744百万円、賞与引当金の減少851百万円、長期借入金の増加860百万円などによるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べ1,524百万円減少し、39,165百万円となりました。主な増減は、資本剰余金の増加45百万円、利益剰余金の減少407百万円、その他有価証券評価差額金の減少1,228百万円などによるものです。

 

 

(2)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 

①会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容

当社は、終戦直後の昭和21年、創業者の「戦後の復興は教育をおいてほかにない」との信念のもと設立されました。以来、「教育」を基軸とし、月刊学習誌『科学』『学習』を中心に多くの人々のご支持を得ながら、多岐にわたる出版事業を手がけ、幼児・小学生・中学生・高校生、そして一般社会人へと対象を広げ、さらには、雑誌・書籍の出版に限ることなく、各種の教材や教具、教室事業、映像製作、文化施設の企画・施工などにも幅広く取り組んでまいりました。近年では、少子高齢化社会・女性の社会進出への変化に対応するため、高齢者福祉事業や子育て支援事業への参入も果たすなど、単に短期的利潤の追求に留まらず企業の社会的責務をも重視しつつ事業展開を図ってまいりました。

そして、創業から70有余年、当社グループは、創業精神に裏打ちされたグループ理念(「私たち学研グループは、すべての人が心ゆたかに生きることを願い、今日の感動・満足・安心と明日への夢・希望を提供します」)を根底に置きながら事業を展開するとともに、多くの顧客・取引先・従業員そして株主の皆様等のステークホルダーとの間に築かれた関係の中で、各種事業の成長を遂げてまいりました。

現在の企業価値は、グループ各社におけるそのような日々の企業活動の結果として生み出されたものであり、様々なステークホルダーへの還元が実行されるに至ったものと認識しております。

このような当社グループの成長過程に鑑み、当社取締役会は、今後将来にわたり、当社グループの企業価値および株主共同の利益を確保し向上させるためには、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、ⅰ. 短期的な視野に偏ることなく、中長期的な視野から経営を行い、適法かつ適正な利益を追求する、ⅱ.企業の社会的責務を十分に尊重し、株主の皆様はもとより、顧客、取引先、地域社会、従業員などすべてのステークホルダーとの関係基盤が企業価値を生み出す源泉である、これらの点を十分に理解する者であることが必要不可欠であると考えております。

 

②会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

 当社は、上場会社である以上、何人が会社の財務および事業の方針の決定を支配することを企図した当社の株式の大規模買付行為を行っても、原則として、これを否定するものではありません。しかしながら、大規模買付行為の中には、その目的等から企業価値・株主共同の利益を損なう懸念のある場合もあります。

当社は、いわゆる事前警告型の買収防衛策として、平成18年3月20日開催の当社取締役会において、大規模買付行為への対応方針およびそれに基づく事前の情報提供に関する一定のルール(大規模買付ルール)を導入し、これについて、同年6月29日開催の第60回定時株主総会において出席された株主の皆様の総議決権数の3分の2を超えるご賛同をいただきました。

その概略は、買付者からの十分な情報の収集・開示に努める体制を整備し、かつ第三者機関(特別委員会)の助言、意見または勧告を最大限に尊重することを前提に、当社の企業価値を防衛するため、しかるべき対抗措置をとることがある旨を事前に表明しておくというものでありました。

その後、数度の改正を経て、平成22年12月22日開催の第65回定時株主総会においては、当社が定める会社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に則り、持続的な成長が可能な企業体を目指すための大規模買付ルールを継続することとするほか、法的な安定性を高めるために、大規模買付ルールの改正やそのルールに基づく対抗措置の発動を、当社の取締役会や株主総会の決議により行うことができる旨などの根拠規定を定款に新設することにつき、株主の皆様のご賛同をいただきました。

さらに、平成30年12月21日開催の第73回定時株主総会においては、大規模買付ルールを継続することにつき、株主の皆様のご賛同をいただき、現在に至っております。

 

 

③上記②の取組みについての取締役会の判断及びその判断にかかる理由

当社取締役会は、以下の理由により、上記②の取組み(以下「本取組み」といいます。)は、上記①の基本方針に沿うものであり、当社の企業価値または株主共同の利益を損なうものではなく、取締役の地位の維持を目的とするものではないと判断いたします。

ⅰ. 本取組みは、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)および企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を充足しております。

ⅱ. 本取組みの有効期間は2年であり、2年ごとに、定時株主総会において、株主の皆様のご信任を得ることとしております。

ⅲ. 本取組みは、独立性の高い社外者(特別委員会)の判断を重視し、その内容は情報開示することとしております。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

 

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。