第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループが事業を展開する教育分野では、教育改革により小学校5・6年生の英語教科化やプログラミング教育の必修化、従来の大学入試センター試験に替わる大学入学共通テストが実施されました。新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は爆発的に増加、その後ピークアウトしている中、教育のデジタル化の需要はさらに高まっています。

学習塾業界においては、対面授業の需要は依然として高い一方、コロナ禍における感染症防止対策を契機に、個別指導のみならず、集団講義や自宅での学習支援までオンライン化が進展しています。さらに、AIを活用した学習計画や教材の提供により、個々の生徒に対応した個別最適化学習も拡大しています。

出版業界においては、雑誌は厳しい状況にあるものの、在宅時間が増加したことにより、紙の出版物の巣ごもり需要やコミックスの爆発的ヒット、電子出版の大幅伸長などにより、市場は下げ止まりの様相を呈しています。返品率の高止まりや物流コスト上昇等の長年の課題に対して、業界を超えた流通改革の取組みも始まっています。

学校教育業界においては、2021年度は新学習指導要領改訂による中学校教科書の使用開始時期にあたりました。また、教育ICT環境等の整備実現を目指したGIGAスクール構想が前倒しされています。児童生徒1人1台の学習端末の配布は完了し、デジタル教材の導入も進みつつありますが、一方、情報セキュリティ対策や教員のICT教育スキル不足が課題となっています。

社会人教育業界においては、企業がテレワークを推奨している中、自己学習時間の増加やオンライン語学研修等で遠隔教育の需要が高まり、eラーニング市場は拡大しています。

次に医療福祉分野の介護業界においては、団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題や認知症高齢者人口の急増に伴い、介護のニーズがさらに高まる中で、厚生労働省では可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進しています。介護現場を支える人材については待遇改善により定着化が進んでいますが、IT活用による業務負担の軽減、認知症や生活習慣病などの予防・早期発見が重要な課題となっています。

保育業界においては、共働き世帯の増加により保育サービスの需要が高まっています。「新子育て安心プラン」や「幼児教育・保育の無償化」など国をあげての子育て支援施策によって保育園児の受入れ数が増加し、新型コロナウイルス感染症拡大で特に0歳児の利用控えもあり待機児童数は減少していますが、隠れ待機児童は多く、問題解消への道筋はまだ遠い状況です。また、依然として学童保育施設は不足しており、様々な業界からの新規参入が相次いでおります。

介護・保育現場では入居者、園児・保護者、職員の安全確保や衛生用品の整備等、新型コロナウイルス感染症予防策の徹底がより求められています。

このような環境の中、当社グループは2020年11月策定の3か年計画「Gakken2023」のもとで「揺るぎない成長基盤の確立」をスローガンに定め、教育分野では「新たなまなびの創造と多様な学習機会の創出」、医療福祉分野では「トップカンパニーを目指し持続可能な街づくりに貢献」、グループ全体で「DX加速とグローバル展開」を経営方針に掲げて事業活動に取り組んでまいりました。

 

3ヵ年計画「Gakken2023」においては、以下の具体的施策を進めています。

(教育分野)
・リアルとオンラインをバランスさせた教室、塾の付加価値向上、未開拓エリア攻略 
・学習参考書に加え、児童書でのトップシェア奪取
・出版コンテンツを活用した学びのデジタル展開
・医学看護書の電子化、看護師向けeラーニングの拡大加速
・幼保こども園に向けた物販(絵本、新学期用品、机等の備品など)の強化とICTによる園業務のサービス向上
・グループ内コンテンツを活用した学校向け新サービス創出、営業体制の再編成
・社会人教育、企業研修領域のデジタルサービス展開
・不採算事業の見直し
 

(医療福祉分野)
・サービス付き高齢者向け住宅(以下「サ高住」)と認知症グループホームの新規開設スピードの加速
・子育て支援における保育品質の向上と、首都圏を中心とした成長事業(学童・児童発達支援)の新規開設加速
・職員の採用と教育体制の強化による早期離職の低減、従業員満足度と人材定着率の向上
・IoEやAI、ロボットの連携等による品質、生産性の向上
 
(グループ戦略)
・アジアを起点としたグローバル事業の展開
・認知症予防の新規事業創出

 

以上の取組みにより「Gakken2023」の最終年度である2023年9月期の経営目標として、売上高1,650億円、営業利益75億円、自己資本当期純利益率(ROE)8.0%の達成を目指して、より一層、事業成長の強化を推進してまいります。

 

今年も世界的に拡大が続く新型コロナウイルス感染症は、国内外に大きな影響をもたらしました。社会のあり方が大きく変わったことにあわせて、当社グループも「想像の先を、創造する」という新たな日常を創造するビジョンのもと新たな事業の展開を見据えつつ、創業の信念にも思いを馳せ「コロナ禍後の復興は教育と医療福祉をおいてほかにない」という社会課題解決の意思をもって「教育・医療福祉」のリーディングカンパニーを目指してまいります。当社グループの理念「すべての人が心ゆたかに生きることを願い、今日の感動・満足・安心と明日への夢・希望を提供します」のもと、今後とも良質な商品やサービスを提供し、持続的成長による企業価値向上を図ってまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものがあります。なお、記載内容のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。

 

①法的規制等に関するリスク

当社グループは教育・医療福祉に関する事業を中心に様々な事業を展開し、それぞれの事業分野において各種法令・諸規則等の適用を受けており、これら法令・諸規則の改正もしくは解釈の変更、法的規制の新設によっては当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、コンプライアンス経営の確立に努め、全従業員への定期的な研修をはじめ、法的規制の順守および取り組み強化を進めております。

②自然災害や感染症に関するリスク

当社グループの本社および主要な事業所は東京を中心とした都市部に、高齢者住宅事業や認知症グループホーム事業、教室・塾事業では全国で事業所や施設等の運営をしており、当該地域において、地震、津波、台風、洪水等の自然災害、火災、停電、感染症の蔓延等、予測の範囲を超える事態の発生により、事業活動の停止や事業運営への重大な支障が生じた場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの設備やシステムが被害を免れた場合においても、取引先の被害状況によっては、上記同様のリスクが発生する可能性があります。そのため、地震や風水害等の自然災害や火災などの災害発生に備え、対策マニュアルや事業継続計画(BCP)を整備し、緊急時の被災状況等の情報収集体制の確立、お客様や従業員等の安全確保と事業継続に向けた体制の構築に努めております。また、新型コロナウイルス感染症等の感染症対策ガイドライン、マニュアル等を整備し、感染予防・感染拡大防止対策を講じております。

③個人情報の管理に関するリスク

当社グループでは、商品・サービスの企画、制作、販売のあらゆる過程において多くの個人情報を有しており、今後不測の事態により個人情報が流出する事態になった場合、当社グループの信用失墜は免れず、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、個人情報の適正な取り扱いをすることは、事業活動の基本であり、社会的責務であるとの認識のもと、これらの個人情報の取得、保存、利用、処分等にあたっては、関連法令の順守はもとより、社内規程、ガイドライン、マニュアル等を制定し、外部からの不正アクセスには防止対策を強化するなど必要な措置を講じるよう努めております。

④情報システムの障害に関するリスク

当社グループは事業の多くにおいて、情報システム・通信ネットワークに依存しておりますが、予測の範囲を超える停電、災害、ソフトウエアや機器の欠陥、コンピュータウイルスの感染、不正アクセスなどにより、情報システムの停止、情報の消失、漏洩、改ざんなどの事態が発生した場合には営業活動に支障をきたし、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、システムトラブルの発生可能性を低減させるために、安定的運用に向けたシステム強化、セキュリティ強化及びデータセンターへサーバーを分散設置する等の対策に努めております。

⑤医療福祉分野に関するリスク

高齢者住宅事業や認知症グループホーム事業では、「サービス付き高齢者向け住宅」および「認知症グループホーム」などの事業を展開し、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期まで続けることができる社会を支える仕組みづくりに取り組んでおります。また、子育て支援事業では、認定こども園や保育所、学童保育などの運営を行い、子どもを安心して預けられる環境整備と待機児童問題の改善に向けた取り組みを推進しておりますが、利用者の安全・健康管理という側面において、ご利用者が高齢者や乳幼児等であることから、生命に関わる重大な問題(事故、食中毒、集団感染等)が生じる可能性があるため、これらの問題に基づき、訴訟が提起された場合や風評被害が生じた場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、高齢者福祉事業、子育て支援事業共に各事業所、施設等の運営において、ガイドラインやマニュアルの制定や研修などを通し、安全・安心な環境の整備などに努めております。なお、高齢者福祉事業は、介護保険法、高齢者住まい法、老人福祉法などの関係法令に従い展開しておりますが、今後の社会保障制度や法令の改正によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑥教育分野に関するリスク

教室・塾事業では、主に幼児から高校生を対象として全国で教室や塾を運営しており、利用者の安全を脅かす事態が発生した場合は、信頼性が低下する可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、利用者が安全に通っていただくために交通・防犯指導や緊急時対策等、体制の整備に努めております。

出版コンテンツ事業では、子どもの知的好奇心を満たす図鑑や知育教材、学習ニーズに対応した学習参考書や辞典をはじめ、医療者向け等の専門書のほか、料理・健康・教養など様々なライフスタイルに向けた出版物を提供しており、電子書籍等、更なるコンテンツの充実に努めておりますが、出版市場では、書籍及び雑誌等の販売減少傾向が続いており、また、広告収入においても景気変動の影響を受けやすい状況にあるため、急激な市場変化によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。製作・販売している出版物などのコンテンツには、著作権・肖像権など様々な無体財産権が存在しており、今後権利者からの出版差し止め、損害賠償などの係争に発展するリスクを完全に回避することは困難であり、係争に発展した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、公正取引委員会の2001年3月23日公表「著作物再販制度の取扱いについて」において、著作物再販制度の廃止の考えがコメントされておりますが、同制度の廃止に反対する意見も多く、当面廃止が見送られております。将来において同制度が廃止された場合、出版業界全体への影響、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、出版業界の慣行として委託販売(返品条件付販売)制度があり、この制度に基づいた返品による損失に備えるため、「返品調整引当金」を計上しておりますが、想定以上の返品の増加となった場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、市場予測の精度の向上や、返品率の改善などに取り組むとともに、電子書籍や出版物以外の事業拡大など、収益の最大化を目指してまいります。

⑦海外への事業展開に関するリスク

当社グループは、海外においても商品の生産・販売をはじめとして、出版・学習塾・介護、またODAコンサルタントなどの事業を行っており、当該国・地域における新型コロナウイルス感染症の感染状況に伴う渡航制限や大幅な事業制約など、事業展開する国・地域における政治的・社会的・経済的不安定要因、自然災害、感染症・伝染病、法律や規制の新設・変更などの顕在化により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当該国・地域での法制度の改正や解釈の変更、行政の動向等に係る情報収集及び状況把握を行い、体制の強化に努めております。

⑧株式の評価損やのれんの減損損失に関するリスク

当社グループは、事業領域の拡大及び事業運営の円滑化等の目的で、有価証券を保有しておりますが、近時の経済環境、市場環境は、引き続き不透明な状況となっていることから、業績への影響も懸念され、当該株式価値の急激な下落に伴う当該株式の評価損の可能性があります。また、買収後の事業環境の変化等により、当初想定した事業計画通りに進まなかった場合、のれんの減損損失や株式の評価損が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、M&Aの実施に際しては、対象会社の財務・法務・事業等について詳細な事前調査を行い、リスクの把握や正常収益力を分析した上での決定など、リスクの顕在化の可能性の低減に努めております。

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要 

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の連結業績は、売上高150,288百万円(前年同期比4.7%増)、営業利益6,239百万円(前年同期より1,164百万円増)、経常利益6,126百万円(前年同期より853百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,617百万円(前年同期より295百万円増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っており、同期間の比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいています。詳細は、『第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)「連結財務諸表」「注記事項」(セグメント情報等)』をご参照ください。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

報告セグメント

売上高

営業利益

売上高

営業利益

売上高

営業利益

教育分野

77,379

2,202

78,919

4,138

1,540

1,935

医療福祉分野

60,786

2,744

65,792

3,042

5,005

297

その他

5,398

127

5,576

△950

177

△1,078

調整額

0

9

9

グループ合計

143,564

5,075

150,288

6,239

6,724

1,164

 

 

 

当連結会計年度の財政状態は、次のとおりであります。

(単位:百万円)

区分

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

流動資産

60,030

56,554

△3,475

 

うち現預金

25,596

19,772

△5,823

固定資産

43,711

60,345

16,633

資産合計

103,741

116,900

13,158

流動負債

36,476

39,177

2,700

固定負債

31,025

30,309

△716

負債合計

67,502

69,486

1,984

 

うち有利子負債 ※1

37,808

38,753

944

純資産合計

36,239

47,413

11,174

負債・純資産合計

103,741

116,900

13,158

自己資本比率(%) ※2

34.6

40.2

5.6

DEレシオ(倍)  ※3

1.05

0.83

△0.23

 

※1 有利子負債=借入金+社債+リース債務

※2 自己資本比率=自己資本÷総資産

※3 DEレシオ=有利子負債÷自己資本

 

 

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ13,158百万円増加し、116,900百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の減少5,823百万円、受取手形及び売掛金の増加6百万円、商品及び製品の減少40百万円、有形固定資産の増加3,185百万円、投資有価証券の増加12,515百万円などによるものです。

負債は、前連結会計年度末に比べ1,984百万円増加し、69,486百万円となりました。主な増減は、支払手形及び買掛金の増加116百万円、短期借入金の増加2,883百万円、長期借入金の減少715百万円などによるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べ11,174百万円増加し、47,413百万円となりました。主な増減は、資本金の増加1,460百万円、資本剰余金の増加4,005百万円、利益剰余金の増加1,747百万円、自己株式の減少2,588百万円、その他有価証券評価差額金の増加678百万円などによるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、18,920百万円と前連結会計年度末と比べ5,845百万円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、4,441百万円の資金増加(前連結会計年度は5,971百万円の増加)となりました。主な増減は、税金等調整前当期純利益の計上6,010百万円、減価償却費の計上1,988百万円、のれん償却額の計上858百万円、法人税等の支払額3,947百万円などによるものです。

 

投資活動によるキャッシュ・フローは、18,112百万円の資金減少(前連結会計年度は1,588百万円の減少)となりました。主な増減は、有形及び無形固定資産の取得による支出4,722百万円、投資有価証券の取得による支出12,183百万円などによるものです。

 

財務活動によるキャッシュ・フローは、7,806百万円の資金増加(前連結会計年度は22百万円の減少)となりました。主な増減は、短期借入金の純増加額2,883百万円、長期借入れによる収入3,570百万円、長期借入金の返済による支出5,523百万円、自己株式の売却による収入5,391百万円、株式の発行による収入2,889百万円、配当金の支払額858百万円などによるものです。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

教育分野

40,178

△11.0

医療福祉分野

その他

合計

40,178

△11.0

 

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については、相殺消去しておりません。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 当連結会計年度より、報告セグメントを変更しており、前期比は前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で算出しております。

 

b. 受注実績

金額僅少のため、受注実績の記載は省略いたします。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

教育分野

78,919

2.0

医療福祉分野

65,792

8.2

その他

5,576

3.3

合計

150,288

4.7

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 当連結会計年度より、報告セグメントを変更しており、前期比は前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で算出しております。

4 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択や適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要といたします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、『第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)「連結財務諸表」「注記事項」(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)』に記載しております。

また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは『第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)「連結財務諸表」「注記事項」(重要な会計上の見積り)』に記載しております。新型コロナウイルス感染症拡大による会計上の見積りへの影響については、『第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)「連結財務諸表」「注記事項」(追加情報)』に記載しております。

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績)

当社グループは、2020年11月策定の3か年計画「Gakken2023」のもとで「揺るぎない成長基盤の確立」をスローガンに定め、教育分野では「新たなまなびの創造と多様な学習機会の創出」、医療福祉分野では「トップカンパニーを目指し持続可能な街づくりに貢献」、グループ全体で「DX加速とグローバル展開」を経営方針に掲げて事業活動に取り組んでまいりました。

当連結会計年度の連結業績は、売上高150,288百万円営業利益6,239百万円経常利益6,126百万円親会社株主に帰属する当期純利益2,617百万円となりました。また、重要な経営指標と位置付けている売上高営業利益率は4.2%、ROEは6.3%、配当性向34.1%でした。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります

なお、当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っており、同期間の比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいています。詳細は、『第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)「連結財務諸表」「注記事項」(セグメント情報等)』をご参照ください。

 

 

〔教育分野〕

売上高:78,919百万円(前年同期比2.0%増)営業利益:4,138百万円(前年同期より1,935百万円増

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

 主な事業

売上高

営業利益

売上高

営業利益

売上高

営業利益

  教室・塾事業

28,387

310

31,493

933

3,105

622

  出版コンテンツ事業

31,726

1,764

31,531

2,791

△195

1,026

  園・学校事業※1

17,266

494

15,895

745

△1,370

251

  のれん※2

△366

△332

33

 セグメント合計

77,379

2,202

78,919

4,138

1,540

1,935

 

※1 当期よりODA事業などの海外事業は旧教育ソリューションセグメントから、「その他」に移管しております。

   なお、前連結業績は変更後の区分により記載しております。

※2 前期まで各事業に含めておりましたが、当期より別途記載しております。

 

(教室・塾事業)

学研教室は、新学期からの会員数の回復基調に一服感が生じたものの、デジタルサービスの浸透などによる売上増の流れは変わらず、売上、営業利益ともコロナ禍前の前々年水準にまで回復しました。今期、園・学校事業から移管した幼保・こども園向け幼児教室が好調であることに加え、7月に「めばえ教室」を事業譲受したこともあり、大幅な増収増益となりました。

 

塾は、コロナ禍から順調に回復し、複数の塾会社で過去最高売上・最高益を達成しました。第2四半期に不振2社を清算した影響から、生徒総数は前期実績に届かない状況が続いていますが、相対的に顧客単価がアップしたこともあり、減収増益となりました。

 

(出版コンテンツ事業)

出版は、中学学習参考書改訂に伴う新刊が好調に推移し、また児童書や実用書で新刊・既刊ともヒット本が出ましたが、前期7月にメディア事業(雑誌)を会社分割したことや前期巣ごもり特需と比べ学習参考書の減少で減収、利益は前期並みとなりました。

 

医学看護は、看護書の販売減少がありましたが、コロナ禍において看護師向けeラーニングのオンライン研修がさらに拡大、契約病院数が引き続き増加したことにより、増収増益となりました。

 

出版以外は、文具カード・レターの不採算商品の整理や園・学校事業の教育ICTサービスへの移管、メディア事業分割によるWeb広告減がありましたが、英語事業の伸長などで、増収増益となりました。

 

(園・学校事業)

幼児教育は、幼保・こども園向け幼児教室を教室・塾事業に移管したことにより減収となりましたが、園舎設計や大型遊具、先生向け衣類の販売好調に加え、コロナ対策衛生用品の受注増があり増益となりました。

 

学校教育は、高等学校向け小論文模試の伸長があったものの、中学校教科書教師用指導書の採択部数が、前期の小学校に対し減少したことから減収減益となりました。新たにGIGAスクールへの対応として、デジタル教科書や、出版コンテンツ事業から移管したICT教材の売上を計上しております。

 

社会教育は、就職セミナーや企業向け研修のデジタル化推進により売上は前期並み、原価を抑制し増益となりました。

 

 

〔医療福祉分野〕

売上高:65,792百万円(前年同期比8.2%増)営業利益:3,042百万円(前年同期より297百万円増

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

 主な事業

売上高

営業利益

売上高

営業利益

売上高

営業利益

  高齢者住宅事業

23,952

1,211

27,431

1,275

3,479

64

  認知症グループホーム事業

31,995

1,871

33,151

2,203

1,156

332

  子育て支援事業

4,838

124

5,208

26

369

△98

  のれん※3

△462

△462

 セグメント合計

60,786

2,744

65,792

3,042

5,005

297

 

※3 前期まで各事業に含めておりましたが、当期より別途記載しております。

 

医療福祉分野全体では、持株会社への経営管理料の負担が増加しております。

 

(高齢者住宅事業)

サ高住は、通期で21事業所の開設(第4四半期に新規8事業所の開設)とM&Aによる2事業所を事業承継し、累計169事業所(FC含む)となりました。拠点数の拡大により大きく増収したものの、1年を通しコロナ禍で住み替え自粛と、自立度の高い高齢者の施設見学が減少したことにより、新規開設事業所の入居立ち上がりが苦戦し、グループ内の費用負担割合も増加しましたが、前期比利益増は確保しました。

 

(認知症グループホーム事業)

グループホームは、第4四半期に2棟の新規開設を行ったことで累計281棟となりました。感染症対策や施設修繕に伴うコストが増加しましたが、グループホームが高水準の入居率を維持し、特定施設については対前期から伸長し収益性が高まりました。さらに、当期開設した新規施設の伸長や自社保有施設2棟の不動産売却の実施も寄与し、増収増益となりました。

 

(子育て支援事業)

保育所の数は、認可保育園39施設、認証保育園2施設、認定こども園2施設(累計43園)、学童クラブは27施設、児童発達支援は2施設となり、子育て支援施設の合計は72施設となりました。新型コロナウイルス感染症の影響により0~1歳児を中心とした入園先送りを背景に充足率が想定を下回り、人件費や開設コスト及びグループ内の費用負担割合が増加したこと等により、増収減益となりました。

 

〔その他〕

売上高:5,576百万円(前年同期比3.3%増)営業利益:△950百万円(前年同期より1,078百万円減

グループ全体のDX推進に伴う、システムおよび人材投資を行ったことにより、減益となりました。

従前は、持株会社である㈱学研ホールディングスとシェアード会社の㈱学研プロダクツサポートに係る営業損益を各セグメントに加減算しておりましたが、当期より加減算前の営業利益による損益情報をセグメントごとの評価指標とするため、上記2社の営業利益はその他に含めております。

 

 

(財政状態)

当連結会計年度の財政状態の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当連結会計年度のキャッシュ・フローの詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの運転資金需要の主なものは、製品の製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用であり、戦略的投資資金としては、拠点展開の整備等の設備投資、企業買収及び業務資本提携などがあります。また運転資金及び戦略的投資資金は、内部留保資金、金融機関からの借入、社債の発行及び新株式の発行等により資金調達することとしております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 

業務・資本提携契約

契約会社名

相手方の名称

契約

締結日

契約期間

契約内容

㈱学研
ホールディングス
(当社)

㈱市進
ホールディングス

2014年
5月14日

自 2014年5月14日
至 2017年5月13日
以後1年ごとの自動更新

業務提携

①市進ウイングネット事業の拡大

②学研幼児教室の展開

③介護サービス事業

④学童サービスなど子育て支援と共に親子の触れ合いの場を提供する事業

⑤人材交流

資本提携

 株式の保有

㈱学研
ホールディングス
(当社)

㈱ODK
ソリューションズ
 

2013年
6月20日

自 2013年6月20日
至 2014年6月19日
以後1年ごとの自動更新

業務提携

①入学試験業務効率化サービスの開発

②入試データと教育コンテンツを融合した教育支援・広報支援サービスの開発

資本提携

 株式の相互保有

㈱学研
ホールディングス
(当社)

㈱河合楽器製作所

2015年

7月31日

自 2015年10月1日
至 2020年9月30日
以後1年ごとの自動更新

業務提携

 ①教室事業の拡大

 ②シニア向け事業の拡大

 ③グローバル事業の拡大

④園・学校向けの教室運営ノウハウやコンテンツ、リソースなどを活用し、それぞれの事業拡大にむけた連携

⑤人材の交流

資本提携

 株式の相互保有

㈱学研
ホールディングス
(当社)

㈱進学会ホールディングス

2017年
10月2日

自 2017年10月2日
至 2020年10月1日
以後2年ごとの自動更新

業務提携

 ①教室・学習塾の連携

 ②学習コンテンツの共同開発

③学習アセスメントの共同開発・普及

④学校教育と民間企業教育領域への展開

資本提携

 株式の相互保有

㈱学研
ホールディングス
(当社)

㈱日本政策投資銀行

2018年
2月23日

自 2018年2月23日
至 2028年2月22日
以後1年ごとの自動更新

業務提携

①医療福祉サービス分野(医療福祉サービス事業)の事業開発・拡大

②当社グループに対する投融資その他の金融サービスの提供

資本提携

 当社株式の保有

㈱学研
ホールディングス
(当社)

 

㈱JP
ホールディングス

2021年
1月14日

自 2021年1月14日
至 2022年1月13日
以後1年ごとの自動更新

 

業務提携

①園児向け教育・学習支援

②幼児教育、知育領域におけるサービス・コンテンツの開発・展開

③保育人材の開発・育成、保育品質の向上

④保護者・家族向けサービス拡充

⑤資産、インフラの相互利活用、研究開発等の連携

 

 

 

 

5 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。