当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
なお、重要事象等は存在しておりません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループが事業を展開する教育分野では、教育改革により小学校5・6年生の英語教科化やプログラミング教育の必修化、従来の大学入試センター試験に替わる大学入学共通テストが実施されました。新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言の影響などから、教育のデジタル化は一段と加速しています。
学習塾業界においては、対面授業の需要は依然として高い一方、コロナ禍における感染防止対策を契機に、個別指導のみならず、集団講義や自宅での学習支援までオンライン化が進展しています。生徒の学習データを保護者と共有するアプリや、講師の業務管理プラットフォームの導入も進んでいます。
出版業界においては、雑誌は厳しい状況にあるものの、在宅時間が増加したことにより紙の出版物の巣ごもり需要やコミックスの爆発的ヒット、電子出版の大幅伸長などにより、市場は下げ止まりの様相を呈しています。また、大手出版社と総合商社による出版流通会社の設立といった、業界を超えた新たな取り組みも始まっています。
学校教育業界においては、2021年度は新学習指導要領改訂による中学校教科書の使用開始時期にあたります。また、教育ICT環境等の整備実現を目指したGIGAスクール構想が前倒しされており、生徒1人1台の学習端末の配布が進む中で、情報セキュリティ対策や教員のICT教育スキル不足が課題となっています。
社会人教育業界においては、企業がテレワークを推奨している中、自己学習時間の増加や企業研修においてオンライン語学等で遠隔教育の需要が高まり、eラーニング市場は拡大しています。
次に医療福祉分野の介護業界においては、団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題や認知症高齢者人口の急増にともない介護のニーズが更に高まる中で、厚生労働省では可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進しています。一方で、介護現場を支える人材確保や介護報酬改定の動きは注視すべき課題となっており、IT活用による業務負担の軽減、認知症や生活習慣病などの予防・早期発見が重要となっています。
保育業界においては、共働き世帯の増加により保育サービスの需要が高まっています。「新子育て安心プラン」や「幼児教育・保育の無償化」など国をあげての子育て支援施策によって保育園児の受け入れ数が増加し、待機児童問題の解消への道筋は見えてきておりますが、依然として学童保育施設は不足しており、様々な業界からの新規参入が相次いでおります。
介護・保育現場では入居者、園児・保護者、職員の安全確保や衛生用品の整備等、新型コロナウイルス感染症予防策の徹底がより求められています。
以上のような状況の中、当社グループは2020年11月策定の3ヵ年計画「Gakken2023」のもとで「揺るぎない成長基盤の確立」をスローガンに定め、教育分野では「新たなまなびの創造と多様な学習機会の創出」、医療福祉分野では「トップカンパニーを目指し持続可能な街づくりに貢献」、グループ全体で「DX加速とグローバル展開」を経営方針に掲げています。
3ヵ年計画「Gakken2023」においては、以下の具体的施策を進めています。
(教育分野)
・リアルとオンラインをバランスさせた教室、塾の付加価値向上、未開拓エリア攻略
・学習参考書に加え、児童書でのトップシェア奪取
・出版コンテンツを活用した学びのデジタル展開
・医学看護書の電子化、看護師向けeラーニングの拡大加速
・幼保こども園に向けた物販(絵本、新学期用品、机等の備品など)の強化とICTによる園業務のサービス向上
・グループ内コンテンツを活用した学校向け新サービス創出、営業体制の再編成
・社会人教育、企業研修領域のデジタルサービス展開
・不採算事業の見直し
(医療福祉分野)
・サービス付き高齢者向け住宅(以下「サ高住」)と認知症グループホームの新規開設スピードの加速
・子育て支援における保育品質の向上と、首都圏を中心とした成長事業(学童・児童発達支援)の新規開設加速
・職員の採用と教育体制の強化による早期離職の低減、従業員満足度と人材定着率の向上
・IoEやAI、ロボットの連携等による品質、生産性の向上
(グループ戦略)
・アジアを起点としたグローバル事業の展開
・認知症予防の新規事業創出
当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高113,505百万円(前年同期比4.0%増)、営業利益6,233百万円(前年同期より1,196百万円増)、経常利益6,139百万円(前年同期より1,012百万円増)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,043百万円(前年同期より692百万円減)となりました。なお、親会社株主に帰属する四半期純利益については、メディカル・ケア・サービス株式会社の連結納税加入に伴う時価評価により見積実効税率が上昇したため、前年同期比で減少しております。
なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの変更を行っており、同期間の比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいています。詳細は、『第4「経理の状況」1「四半期連結財務諸表」「注記事項」(セグメント情報等)「セグメント情報」Ⅱ 当第3四半期連結累計期間 2.報告セグメントの変更等に関する事項』をご参照ください。
(単位:百万円)
〔教育分野〕
売上高:60,473百万円(前年同期比0.4%増)営業利益:3,990百万円(前年同期より1,458百万円増)
(単位:百万円)
※1 当期よりODA事業などの海外事業は旧教育ソリューションセグメントから、「その他」に移管しております。
なお、前第3四半期連結業績は変更後の区分により記載しております。
※2 前期まで各事業に含めておりましたが、当期より別途記載しております。
(教室・塾事業)
学研教室は、新学期から会員数の回復基調が顕著で、6月末までに幼児、小学生、中学生の全部門で前期を上回り、コロナ前(前々期)をクリアする学齢も増えました。また、小学英語併習率の上昇や、学びの見守りアプリの普及などで顧客単価も増加しています。さらに事業譲受した小学館アカデミーや、園・学校事業から移管した幼保・こども園向け幼児教室の収益性が向上したことにより、大幅な増収増益となりました。
塾は、新学期から本格的な回復基調に入り、6月末までに前期生徒数を上回り、一部の塾はコロナ前(前々期)もクリアしました。オンライン学習システムの整備・拡充に注力しており、オンライン生徒数の増加により収益率が向上しています。また、第2四半期に不振2社を清算したこともあり、減収増益となりました。
(出版コンテンツ事業)
出版は、中学学習参考書改訂による新刊売上増と、児童書やヒット本による既刊実用書が好調でしたが、事業構造改革を進める中で前期7月にメディア事業(雑誌)を会社分割したことや、前期巣ごもり特需と比べて学習参考書の減少と原価増により減収減益となりました。
医学看護は、看護書の販売減少がありましたが、看護師向けeラーニングの契約病院数が引き続き伸長し、増収増益となりました。
出版以外は、英語事業は伸長しておりますが、文具カード・レターの不採算商品の整理や園・学校事業へ教育ICTサービスの移管、メディア事業分割によるWeb広告減などで、減収増益となりました。
(園・学校事業)
幼児教育は、幼保・こども園向け幼児教室を教室・塾事業に移管したことにより減収となりましたが、園舎設計や大型遊具、先生向け衣類の販売好調に加え、コロナ対策衛生用品の受注増があり増益となりました。
学校教育は、中学校教科書教師用指導書の採択部数が、前期の小学校に対し減少したことから減収減益となりま したが、新たにGIGAスクールへの対応として、デジタル教科書や、出版コンテンツ事業から移管したICT教材の売上を計上しております。
社会教育は、就職セミナーや企業向け研修のデジタル化推進により売上は前期並み、原価を抑制し増益となりました。
〔医療福祉分野〕
売上高:48,712百万円(前年同期比8.0%増)営業利益:2,559百万円(前年同期より439百万円増)
(単位:百万円)
※3 前期まで各事業に含めておりましたが、当期より別途記載しております。
医療福祉分野全体では、持株会社への経営管理料の負担が増加しております。
(高齢者住宅事業)
サ高住は、第3四半期に新規3事業所の開設とM&Aによる2事業所を事業承継し、累計161事業所(FC含む)となりました。コロナ禍で住み替え自粛と、特に自立度の高い高齢者の施設見学が減少したことにより、新規開設事業所の入居立ち上がりが苦戦しましたが、拠点数の拡大により増収、利益はほぼ前期並みとなりました。
(認知症グループホーム事業)
グループホームは、第3四半期に4棟の新規開設と1棟のM&Aによる事業承継を行ったことで、累計279棟となりました。人材充足や感染症対策に伴いコストが増加しましたが、高入居率の維持や、今期開設した新規施設の伸長、新型コロナ感染症対策助成等も加わり増収増益となりました。
(子育て支援事業)
認可保育園1施設を新規開設し、認証園の認可化を2施設、認証園2施設を閉園、学童施設2事業所を受託しました。その結果、認可保育園39施設、認証保育園2施設、認定こども園2施設(累計43園)、学童施設27事業所、児童発達支援施設2事業所になりました。
不採算園の業態転換により収益改善を進めていますが、コロナ禍における利用控えの影響で4月入園数が減少、労務費等の増加により増収減益となりました。
〔その他〕
売上高:4,320百万円(前年同期比13.8%増)営業利益:△324百万円(前年同期より706百万円減)
グループ全体のDX推進に伴う、システムおよび人材投資を行ったことにより、減益となりました。
従前は、持株会社である学研ホールディングスとシェアード会社の学研プロダクツサポートに係る四半期決算ごとの最終営業損益を各セグメントに加減算しておりましたが、当期より加減算前の営業利益による損益情報をセグメントごとの評価指標とするため、上記2社の営業利益はその他に含めております。
(単位:百万円)
※1 有利子負債=借入金+社債+リース債務
※2 自己資本比率=自己資本÷総資産
※3 DEレシオ=有利子負債÷自己資本
当第3四半期連結会計期間の総資産は、前連結会計年度末に比べ19,509百万円増加し、123,251百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の増加959百万円、受取手形及び売掛金の増加1,408百万円、商品及び製品の増加1,440百万円、有形固定資産の増加3,017百万円、投資有価証券の増加10,774百万円などによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ9,846百万円増加し、77,348百万円となりました。主な増減は、支払手形及び買掛金の増加1,647百万円、短期借入金の増加6,950百万円、長期借入金の減少1,320百万円などによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ9,663百万円増加し、45,903百万円となりました。主な増減は、資本金の増加1,460百万円、資本剰余金の増加3,944百万円、利益剰余金の増加1,035百万円、自己株式の減少2,546百万円、その他有価証券評価差額金の増加662百万円などによるものです。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。