第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループが事業を展開する教育分野では、主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)の視点から学習指導要領が改訂され、小学校では2020年度よりプログラミング教育や英語教科等が導入されました。2021年度の大学入学者選抜からスタートする大学入学共通テストでは、英語民間試験と国語・数学の記述式問題の導入が見送りとなりました。

また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などによりオンライン対応が加速化し、教育ICT環境等の整備実現を目指したGIGAスクール構想が前倒しとなっています。

学習塾業界においては、少子化が進行する中、子供一人当たりの教育費増加により市場は緩やかに拡大しております。新カリキュラムへの対応に伴う個別最適化の教育サービスや、感染防止対策によるオンライン授業などの取り組み需要は一層高まっていくことが予想されています。

出版業界においては、スマートフォンやタブレット型端末などの浸透により、紙媒体の雑誌・書籍などは書店からインターネット流通にシフトし、電子出版などのデジタル市場は拡大しています。

次に、医療福祉分野の高齢者福祉事業においては、団塊の世代が高齢者となる2025年問題を控え、介護業界へのニーズが高まる一方で、人材確保や介護報酬改定の動きは課題となっています。

保育業界においては、共働き世帯の増加により都市部を中心に保育サービスの需要が高まっています。「子育て安心プラン」や「幼児教育・保育の無償化」など国をあげての子育て支援施策が進んでいますが、保育士不足を含めた環境整備など課題は残されています。

以上のような状況の中、当社グループは2018年11月策定の2ヵ年計画「Gakken2020」に基づき、中長期的な成長と株主・投資家重視の経営目標達成を目指してまいりました。

2020年11月策定の新中期経営計画「Gakken2023」では、本計画最終年度の2023年9月期計画を売上高165,000百万円、営業利益7,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,800百万円としております。また、売上高営業利益率4.5%、ROE8.0%、配当性向30%を目標として定め、引き続き収益力と資本効率の向上に努めてまいります。

 

今年、世界的に拡大が続く新型コロナウイルス感染症は、国内外に大きな影響をもたらしました。社会のあり方が大きく変わったことにあわせて、当社グループも新たな事業の展開を見据えつつ、創業の信念にも思いを馳せ「コロナ禍後の復興は教育と医療福祉をおいてほかにない」という姿勢のもと、「教育・医療福祉」のリーディングカンパニーを目指してまいります。当社グループの理念「すべての人が心ゆたかに生きることを願い、今日の感動・満足・安心と明日への夢・希望を提供します」のもと、今後とも良質な商品やサービスを提供し、持続的成長による企業価値向上を図ってまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものがあります。なお、記載内容のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。

 

①法的規制等に関するリスク

当社グループは教育・医療福祉に関する事業を中心に様々な事業を展開し、それぞれの事業分野において各種法令・諸規則等の適用を受けており、当社グループではコンプライアンス経営の確立に努め、全従業員への研修をはじめ、法的規制の順守および取り組み強化を進めております。しかしながら、これら法令・諸規則の改正もしくは解釈の変更、法的規制の新設によっては当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

②災害の発生に関するリスク

当社グループの本社及び主要な事業所は、東京を中心とした都市部にあり、高齢者福祉事業や教育サービス事業では全国で施設運営をしております。従来から、地震・風水害等の自然災害や火災などの災害発生に備え、対策マニュアルや事業継続計画(BCP)を整備し、被災状況の情報収集体制の構築を行っております。また、新型インフルエンザを想定した感染症対策マニュアルや、事業継続計画(BCP)を整備しておりましたが、新型コロナウイルス感染症を受け新たに策定しております。しかしながら、当該地域において、地震、津波、台風、洪水等の自然災害、火災、停電、感染症の蔓延、紛争・テロ、違法行為等、予測の範囲を超える事態の発生により、事業活動の停止や事業運営への重大な支障が生じた場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの設備やシステムが被害を免れた場合においても、取引先の被害状況によっては、上記同様のリスクが発生する可能性があります。

③個人情報の管理に関するリスク

当社グループでは、商品・サービスの企画、制作、販売のあらゆる過程において多くの個人情報を有しております。個人情報の適正な取扱いをすることは、事業活動の基本であり、社会的責務であると認識しております。これらの個人情報の取得、保存、利用、処分等にあたっては、関連法令の順守はもとより、社内規程、ガイドライン、マニュアル等を制定し、外部からの不正アクセスには防止対策強化など万全を図っておりますが、今後不測の事態により個人情報が流出する事態になった場合、当社グループの信用失墜は免れず、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④情報システムの障害に関するリスク

当社グループは事業の多くにおいて、情報システム・通信ネットワークに依存しております。当社グループはシステムトラブルの発生可能性を低減させるために、安定的運用に向けたシステム強化、セキュリティ強化及びデータセンターへサーバーを分散設置する等の対策を行っております。しかしながら、予測の範囲を超える停電、災害、ソフトウエアや機器の欠陥、コンピュータウイルスの感染、不正アクセスなどにより、情報システムの停止、情報の消失、漏洩、改ざんなどの事態が発生した場合には営業活動に支障をきたし、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤高齢者福祉事業の運営に関するリスク

当社グループでは、「サービス付き高齢者向け住宅」および「認知症グループホーム」などの事業を展開し、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期まで続けることができる社会を支える仕組みづくりに取り組んでおります。高齢者福祉事業は、介護保険法、高齢者住まい法、老人福祉法などの関係法令に従い展開しておりますが、今後の社会保障制度や法令の改正によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、高齢者向け住宅では、利用者の安全・健康管理という側面において、利用者が高齢者であることもあり、生命に関わる重大な問題(事故、食中毒、集団感染等)が生じる可能性があるため、これらの問題に基づき、訴訟が提起された場合や風評被害が生じた場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥子育て支援事業及び教育サービス事業の運営に関するリスク

当社グループでは、子育て支援事業として、認定こども園や保育所の運営を行い、子どもを安心して預けられる環境整備と待機児童問題の改善に向けた取り組みを推進しております。施設運営では、安全・健康管理という側面において、利用者が乳児から就学前児童であり、生命に関わる重大な問題(事故、食中毒、集団感染等)が生じる可能性があるため、これらの問題に基づき、訴訟が提起された場合や風評被害が生じた場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、主に幼児から高校生を対象とした教育サービス事業では、全国で教室や塾を運営しており、利用者が安全に通っていただくために交通・防犯指導や緊急時対策等、体制整備を進めております。しかしながら、利用者の安全を脅かす事態が発生した場合は、信頼性が低下する可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑦出版市場の動向に関するリスク

当社グループは、子どもの知的好奇心を満たす図鑑や知育教材、学習ニーズに対応した学習参考書や辞典をはじめ、医療者向け等の専門書・料理・健康・教養・芸能など様々なライフスタイルに向けた出版物を提供しております。併せて今後拡大が見込まれる電子書籍市場に対応するコンテンツの充実に努めております。しかしながら、出版市場では、書籍及び雑誌等の販売減少傾向が続いており、また、広告収入においても景気変動の影響を受けやすい状況にあるため、急激な市場変化によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑧著作物再販制度に関するリスク

公正取引委員会の2001年3月23日公表「著作物再販制度の取扱いについて」において、著作物再販制度の廃止の考えがコメントされておりますが、同制度の廃止に反対する意見も多く、当面廃止が見送られております。将来において同制度が廃止された場合、出版業界全体への影響、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑨委託販売制度に関するリスク

出版業界の慣行として委託販売(返品条件付販売)制度があり、この制度に基づいた返品による損失に備えるため、「返品調整引当金」を計上しておりますが、想定以上の返品の増加となった場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑩無体財産権に関するリスク

当社グループの製作・販売している出版物などのコンテンツには、著作権・肖像権など様々な無体財産権が存在しており、今後権利者からの出版差し止め、損害賠償などの係争に発展するリスクを完全に回避することは困難であり、係争に発展した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑪海外への事業展開に関するリスク

当社グループは、海外においても商品の生産・販売をはじめとして、出版事業・学習塾事業・介護事業、またODAコンサルタント事業などを行っており、今後も、積極的に世界各国で事業の拡大を図ってまいります。当社グループでは、法制度の改正や解釈の変更、行政の動向等に係る情報収集及び状況把握を行い、体制強化を図っておりますが、海外事業を推進する上で、事業展開する国・地域における政治的・社会的・経済的不安定要因、自然災害・伝染病、法律や規制の新設・変更などの顕在化により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑫株式の評価損やのれんの減損損失に関するリスク

当社グループは、事業領域の拡大及び事業運営の円滑化等の目的で、有価証券を保有しております。近時の経済環境、市場環境は、ますます不透明な状況となっていることから、当該会社の業績悪化の危険性が増大しており、当該株式価値の急激な下落に伴う当該株式の評価損の可能性があります。また、M&Aの実施に際しては、対象会社の財務・法務・事業等について詳細な事前調査を行い、リスクの把握や正常収益力を分析した上で決定しておりますが、買収後の事業環境の変化等により、当初想定した事業計画通りに進まなかった場合、のれんの減損損失や株式の評価損が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要 

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の連結業績は、売上高143,564百万円(前年同期比2.1%増)、営業利益5,075百万円(前年同期より551百万円増)、経常利益5,273百万円(前年同期より518百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,321百万円(前年同期より381百万円増)となりました。

 

 参考:第4四半期(2020年7月~9月)連結業績

(単位:百万円)

 

前第4四半期

(7月~9月)

当第4四半期

(7月~9月)

増減額

売上高

34,722

34,452

△270

営業利益

804

38

△766

 

サービス付き高齢者向け住宅で新規事業所の開業による増収要因がありましたが、メディア事業(定期雑誌等)を会社分割したことなどにより減収となったほか、学研教室や幼児教室の会員数減少、進学塾で夏期講習や合宿行事が通常通り行えなかったことなどにより減益となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っており、同期間の比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいています。詳細は、『第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)「連結財務諸表」「注記事項」(セグメント情報等)』をご参照ください。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

 報告セグメント

売上高

営業利益

売上高

営業利益

売上高

営業利益

 教育分野

81,627

1,873

78,710

2,291

△2,916

417

  教育サービス事業

34,232

970

32,969

424

△1,263

△545

  教育コンテンツ事業

28,314

542

26,643

1,440

△1,671

898

  教育ソリューション事業

19,080

361

19,098

425

17

64

 医療福祉分野

 

 

 

 

 

 

  医療福祉サービス事業

55,430

2,499

60,786

2,562

5,355

63

 その他

3,500

130

4,067

225

566

94

 調整額

19

△4

△23

 グループ合計

140,559

4,523

143,564

5,075

3,005

551

 

 

 

 

当連結会計年度の財政状態は、次のとおりであります。

(単位:百万円)

区分

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

流動資産

54,811

60,030

5,218

 

うち現預金

21,185

25,596

4,411

固定資産

44,538

43,711

△826

資産合計

99,349

103,741

4,392

流動負債

30,747

36,476

5,729

固定負債

28,624

31,025

2,401

負債合計

59,371

67,502

8,131

 

うち有利子負債 ※1

30,858

37,808

6,950

純資産合計

39,978

36,239

△3,738

負債・純資産合計

99,349

103,741

4,392

自己資本比率(%) ※2

38.7

34.6

△4.1

DEレシオ(倍)  ※3

0.80

1.05

0.25

 

※1 有利子負債=借入金+社債+リース債務

※2 自己資本比率=自己資本÷総資産

※3 DEレシオ=有利子負債÷自己資本

 

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ4,392百万円増加し、103,741百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の増加4,411百万円、商品及び製品の減少906百万円、有形固定資産の増加1,105百万円、投資有価証券の減少2,767百万円などによるものです。

負債は、前連結会計年度末に比べ8,131百万円増加し、67,502百万円となりました。主な増減は、短期借入金の増加2,900百万円、社債の増加6,000百万円、長期借入金の減少2,963百万円などによるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べ3,738百万円減少し、36,239百万円となりました。主な増減は、資本剰余金の減少3,677百万円、利益剰余金の増加1,507百万円、その他有価証券評価差額金の減少541百万円、非支配株主持分の減少1,231百万円などによるものです。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、24,765百万円と前連結会計年度末と比べ4,927百万円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、5,971百万円の資金増加(前連結会計年度は5,353百万円の増加)となりました。これは法人税等の支払額2,203百万円などの資金減少があるものの、税金等調整前当期純利益5,167百万円の計上、減価償却費1,786百万円の計上などの資金増加によるものであります。

 

投資活動によるキャッシュ・フローは、1,588百万円の資金減少(前連結会計年度は2,825百万円の減少)となりました。これは投資有価証券の売却による収入2,120百万円などの資金増加があるものの、有形及び無形固定資産の取得による支出3,504百万円、投資有価証券の取得による支出568百万円などの資金減少によるものであります。

 

財務活動によるキャッシュ・フローは、22百万円の資金減少(前連結会計年度は352百万円の減少)となりました。これは短期借入金の増加2,300百万円、社債の発行による収入5,962百万円などの資金増加があるものの、長期借入金の返済による支出2,842百万円連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出5,311百万円、配当金の支払額751百万円などの資金減少によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

教育サービス事業

5,424

27.9

教育コンテンツ事業

28,192

△6.9

教育ソリューション事業

11,524

11.8

医療福祉サービス事業

その他

合計

45,141

0.7

 

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については、相殺消去しておりません。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 当連結会計年度より、報告セグメントを変更しており、前期比は前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で算出しております。

 

b. 受注実績

金額僅少のため、受注実績の記載は省略いたします。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

教育サービス事業

32,969

△3.7

教育コンテンツ事業

26,643

△5.9

教育ソリューション事業

19,098

0.1

医療福祉サービス事業

60,786

9.7

その他

4,067

16.2

合計

143,564

2.1

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 当連結会計年度より、報告セグメントを変更しており、前期比は前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で算出しております。

4 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択や適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要といたします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況]の1「連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、新型コロナウイルス感染症拡大による会計上の見積りへの影響については、第5[経理の状況]の1「連結財務諸表等」の「追加情報」に記載しております。

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績)

当社グループは、2018年11月に発表した中期経営計画「Gakken2020」のもとで、教育分野と医療福祉分野の「2つの成長エンジン」で次代を拓くことを経営方針とし、経営基盤の強化や資本効率の向上と株主還元に努め、持続的成長による企業価値向上を推進してまいりました。

具体的には、教育分野と医療福祉分野を事業成長の軸として、教育分野においては事業変革により新しい学びを提供し、他方、医療福祉分野においてはサービス拡大と更なる品質向上の追求により、学研版地域包括ケアシステムを実現してまいりました。

中期経営計画「Gakken2020」の最終年度にあたる当連結会計年度の連結業績は、売上高143,564百万円営業利益5,075百万円経常利益5,273百万円親会社株主に帰属する当期純利益2,321百万円となりました。また、重要な経営指標と位置付けている売上高営業利益率は3.5%、ROEは6.2%、配当性向31.9%でした。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります

なお、当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っており、同期間の比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいています。詳細は、『第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)「連結財務諸表」「注記事項」(セグメント情報等)』をご参照ください。

 

 

〔教育サービス事業〕

売上高:32,969百万円(前年同期比3.7%減)、営業利益:424百万円(前年同期より545百万円減

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

 主な事業

売上高

営業利益

売上高

営業利益

売上高

営業利益

  学研教室事業

10,590

652

9,819

△24

△770

△676

  進学塾事業

19,682

179

18,567

△55

△1,115

△235

  教材出版事業

3,958

138

4,581

504

622

366

 セグメント合計

34,232

970

32,969

424

△1,263

△545

 

(学研教室事業)

全国一斉臨時休校の影響で休退会者が増加したことや、新学期の募集活動ができなかったことで新入会者が減少しました。緊急事態宣言解除後は安全な環境維持に努めながら教室運営を継続し会員数は回復しつつあるものの、前期水準までは至らず、減収となりました。

損益面は、上記減収要因や学習指導要領改訂に伴う教材改訂費用の増加などにより、減益となりました。

(進学塾事業)

集団授業の自粛に伴いオンラインによる双方向授業を早期展開しましたが、新学期の募集活動ができなかったことで生徒数は減少しました。緊急事態宣言解除後は短期集中講座の実施や労務費を主とするコスト削減に取り組みましたが、夏期講習短縮化や合宿行事の制約などの影響により、減収減益となりました。

(教材出版事業)

全国一斉臨時休校を機に家庭学習の需要が高まり、ドリル関連などの自宅学習教材の販売が増加しました。さらに、書店での販売好調により第4四半期に見込んでいた返品が大幅に減少し、増収増益となりました。

 

〔教育コンテンツ事業〕

売上高:26,643百万円(前年同期比5.9%減)、営業利益:1,440百万円(前年同期より898百万円増

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

 主な事業

売上高

営業利益

売上高

営業利益

売上高

営業利益

  出版事業

16,669

1,554

16,300

2,231

△369

677

  医学看護事業

2,829

477

2,791

451

△37

△26

  出版以外の事業

8,815

△1,489

7,550

△1,242

△1,264

247

 セグメント合計

28,314

542

26,643

1,440

△1,671

898

 

(出版事業)

家庭学習の巣ごもり需要により、児童書ドリルや総復習系の小・中学生向け学習参考書がネット通販や書店で大きく伸長し、第4四半期に見込んでいた書店からの返品が大幅に減少しました。また、事業譲渡や会社分割などによる事業の選択と集中を進めた結果、減収となったものの増益となりました。

(医学看護事業)

看護師向けeラーニング契約病院数は伸長しましたが、医学書や看護書のイベント自粛による販売機会の縮小などにより、前年同期並みの業績となりました。

(出版以外の事業)

事業譲渡や会社分割に加えて、学習まんがの受託売上の減少や店舗休業による文具玩具の販売が減少したことなどから、減収となりました。

損益面は、アニメなどの不採算事業改善により、損失減となりました。

 

 

〔教育ソリューション事業〕

売上高:19,098百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益:425百万円(前年同期より64百万円増

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

 主な事業

売上高

営業利益

売上高

営業利益

売上高

営業利益

  幼児教育事業

13,679

557

12,549

△22

△1,130

△579

  学校教育事業

4,179

△303

4,161

367

△17

671

  社会教育事業

1,221

107

2,387

80

1,166

△26

 セグメント合計

19,080

361

19,098

425

17

64

 

(幼児教育事業)

幼保園の休園に伴い、幼児教室が新年度募集中止や長期休室を余儀なくされ、緊急事態宣言後は順次再開を進めましたが会員数の回復には至りませんでした。園舎設計は工事発注延期や見直しがあり減少、新学期用品・備品は受注が減少しました。緊急事態宣言解除後も引き続き営業促進活動の制約などにより、減収減益となりました。

(学校教育事業)

売上高は、高等学校・大学向けのテストや小論文の一部が延期または中止となりましたが、小学校の教科書(保健・道徳)及び教師用指導書発行による搬入増加などから、前年同期並みとなりました。

損益面は、利益率の高い教師用指導書搬入の増加などから、増益となりました。

(社会教育事業)

売上高は、ODAコンサルティング事業のアイ・シー・ネット㈱の連結加入により、増収となりました。

損益面は、海外渡航停止の影響などで、前年同期並みとなりました。

 

〔医療福祉サービス事業〕

売上高:60,786百万円(前年同期比9.7%増)、営業利益:2,562百万円(前年同期より63百万円増

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

 主な事業

売上高

営業利益

売上高

営業利益

売上高

営業利益

  高齢者福祉事業

50,889

2,426

55,805

2,445

4,916

18

 

MCS

30,333

1,387

31,995

1,284

1,662

△103

  子育て支援事業

4,541

72

4,980

117

438

44

 セグメント合計

55,430

2,499

60,786

2,562

5,355

63

 

(高齢者福祉事業)

サービス付き高齢者向け住宅は感染拡大防止策の徹底に努め、新規事業所の開業遅延がありましたが、直近1年間に12事業所を開設(累計148事業所)し、増収となりました。

損益面は、上記増収要因や訪問介護報酬の増加などにより増益となりました。

グループホームは、新規開設4事業所(累計274事業所)と入居率の好調を維持し、増収となりました。

損益面は、上記増収要因があったものの、給与改定や人材充足による人件費などが増加したことや感染症対策の防疫コスト増などから、減益となりました。

(子育て支援事業)

保育園2施設(累計45施設)を開園し、学童保育施設6か所(累計26か所)の運営を受託したことや労務費・食材費等のコスト管理改善により増収増益となりました

 

〔その他〕

売上高:4,067百万円(前年同期比16.2%増)、営業利益:225百万円(前年同期より94百万円増

主に物流事業の売上増により増収となりました。

 

 

 

(財政状態)

当連結会計年度の財政状態の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当連結会計年度のキャッシュ・フローの詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの運転資金需要の主なものは、製品の製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用であり、戦略的投資資金としては、拠点展開の整備等の設備投資、企業買収及び業務資本提携などがあります。また運転資金及び戦略的投資資金は、内部留保資金、金融機関からの借入及び社債の発行等により資金調達することとしております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 

業務・資本提携契約

契約会社名

相手方の名称

契約

締結日

契約期間

契約内容

㈱学研
ホールディングス
(当社)

㈱市進
ホールディングス

2014年
5月14日

自 2014年5月14日
至 2017年5月13日
以後1年ごとの自動更新

業務提携

①市進ウイングネット事業の拡大

②学研幼児教室の展開

③介護サービス事業

④学童サービスなど子育て支援と共に親子の触れ合いの場を提供する事業

⑤人材交流

資本提携

 株式の保有

㈱学研
ホールディングス
(当社)

㈱ODK
ソリューションズ
 

2013年
6月20日

自 2013年6月20日
至 2014年6月19日
以後1年ごとの自動更新

業務提携

①入学試験業務効率化サービスの開発

②入試データと教育コンテンツを融合した教育支援・広報支援サービスの開発

資本提携

 株式の相互保有

㈱学研
ホールディングス
(当社)

㈱河合楽器製作所

2015年

7月31日

自 2015年10月1日
至 2020年9月30日
以後1年ごとの自動更新

業務提携

 ①教室事業の拡大

 ②シニア向け事業の拡大

 ③グローバル事業の拡大

④園・学校向けの教室運営ノウハウやコンテンツ、リソースなどを活用し、それぞれの事業拡大にむけた連携

⑤人材の交流

資本提携

 株式の相互保有

㈱学研
ホールディングス
(当社)

㈱進学会ホールディングス

2017年
10月2日

自 2017年10月2日
至 2020年10月1日
以後2年ごとの自動更新

業務提携

 ①教室・学習塾の連携

 ②学習コンテンツの共同開発

③学習アセスメントの共同開発・普及

④学校教育と民間企業教育領域への展開

資本提携

 株式の相互保有

㈱学研
ホールディングス
(当社)

㈱日本政策投資銀行

2018年
2月23日

自 2018年2月23日
至 2028年2月22日
以後1年ごとの自動更新

業務提携

①医療福祉サービス分野(医療福祉サービス事業)の事業開発・拡大

②当社グループに対する投融資その他の金融サービスの提供

資本提携

 当社株式の保有

 

 

 

 

5 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。