第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは、平成28年11月に中長期的な成長と株主・投資家重視の経営を目指すとする2ヵ年中期経営計画「Gakken2018」を発表し、①教育分野においてはブランドの再構築による更なる成長と収益基盤の盤石化、②医療福祉分野においては事業拡大と収益力の向上、③経営基盤の強化、④資本効率の向上と株主還元を経営方針に掲げ、持続的成長による企業価値向上に取り組んでまいりました。同中期経営計画では、当該2ヵ年を「持続的成長へのテイクオフ」フェーズと位置づけ取り組みましたところ、教育分野においては、出版を中心とした新規事業の創出・育成や文具事業に課題があるものの、医療福祉分野における事業拡大などにより、経営目標を全て達成いたしました。

次の2ヵ年中期経営計画「Gakken2020」では、スローガンを「次代を拓くグループ力の結集」と定め、今一度グループ一丸となり、更なる企業価値向上に努めてまいります。

当社グループの主要事業を取り巻く市場環境は、教育分野においては2020年の教育改革、医療福祉分野においては団塊世代が75歳を超えて後期高齢者となる2025年問題など、対処すべき社会課題そのものであり、この市場環境変化や社会的課題に立ち向かうため、上記スローガンにもとることなく全力を尽くす所存であります。

具体的には、教育分野と医療福祉分野を事業成長の軸として、経営方針「2つの成長エンジンで次代を拓く」に基づき、教育分野においては事業変革により新しい学びを提供してまいります。一方、医療福祉分野においてはサービス拡大と更なる品質向上の追求により学研版地域包括ケアシステムを実現してまいります。

以上のように、当社グループは、「すべての人が心ゆたかに生きることを願い、今日の感動・満足・安心と明日への夢・希望を提供します」をグループ理念とし、今後とも良質な商品やサービスを提供し持続的成長による企業価値向上を図ってまいります。

 

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 

①会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容

当社は、終戦直後の昭和21年、創業者の「戦後の復興は教育をおいてほかにない」との信念のもと設立されました。以来、「教育」を基軸とし、月刊学習誌『科学』『学習』を中心に多くの人々のご支持を得ながら、多岐にわたる出版事業を手がけ、幼児・小学生・中学生・高校生、そして一般社会人へと対象を広げ、さらには、雑誌・書籍の出版に限ることなく、各種の教材や教具、教室事業、映像製作、文化施設の企画・施工などにも幅広く取り組んでまいりました。近年では、少子高齢化社会・女性の社会進出への変化に対応するため、高齢者福祉事業や子育て支援事業への参入も果たすなど、単に短期的利潤の追求に留まらず企業の社会的責務をも重視しつつ事業展開を図ってまいりました。

そして、創業から70有余年、当社グループは、創業精神に裏打ちされたグループ理念(「私たち学研グループは、すべての人が心ゆたかに生きることを願い、今日の感動・満足・安心と明日への夢・希望を提供します」)を根底に置きながら事業を展開するとともに、多くの顧客・取引先・従業員そして株主の皆様等のステークホルダーとの間に築かれた関係の中で、各種事業の成長を遂げてまいりました。
 現在の企業価値は、グループ各社におけるそのような日々の企業活動の結果として生み出されたものであり、様々なステークホルダーへの還元が実行されるに至ったものと認識しております。

このような当社グループの成長過程に鑑み、当社取締役会は、今後将来にわたり、当社グループの企業価値および株主共同の利益を確保し向上させるためには、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、ⅰ. 短期的な視野に偏ることなく、中長期的な視野から経営を行い、適法かつ適正な利益を追求する、ⅱ.企業の社会的責務を十分に尊重し、株主の皆様はもとより、顧客、取引先、地域社会、従業員などすべてのステークホルダーとの関係基盤が企業価値を生み出す源泉である、これらの点を十分に理解する者であることが必要不可欠であると考えております。

 

 

②会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

 当社は、上場会社である以上、何人が会社の財務および事業の方針の決定を支配することを企図した当社の株式の大規模買付行為を行っても、原則として、これを否定するものではありません。しかしながら、大規模買付行為の中には、その目的等から企業価値・株主共同の利益を損なう懸念のある場合もあります。

当社は、いわゆる事前警告型の買収防衛策として、平成18年3月20日開催の当社取締役会において、大規模買付行為への対応方針およびそれに基づく事前の情報提供に関する一定のルール(大規模買付ルール)を導入し、これについて、同年6月29日開催の第60回定時株主総会において出席された株主の皆様の総議決権数の3分の2を超えるご賛同をいただきました。

その概略は、買付者からの十分な情報の収集・開示に努める体制を整備し、かつ第三者機関(特別委員会)の助言、意見または勧告を最大限に尊重することを前提に、当社の企業価値を防衛するため、しかるべき対抗措置をとることがある旨を事前に表明しておくというものでありました。

その後、数度の改正を経て、平成22年12月22日開催の第65回定時株主総会においては、当社が定める会社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に則り、持続的な成長が可能な企業体を目指すための大規模買付ルールを継続することとするほか、法的な安定性を高めるために、大規模買付ルールの改正やそのルールに基づく対抗措置の発動を、当社の取締役会や株主総会の決議により行うことができる旨などの根拠規定を定款に新設することにつき、株主の皆様のご賛同をいただきました。

さらに、平成30年12月21日開催の第73回定時株主総会においては、大規模買付ルールを継続することにつき、株主の皆様のご賛同をいただき、現在に至っております。

 

③上記②の取組みについての取締役会の判断及びその判断にかかる理由

当社取締役会は、以下の理由により、上記②の取組み(以下「本取組み」といいます。)は、上記①の基本方針に沿うものであり、当社の企業価値または株主共同の利益を損なうものではなく、取締役の地位の維持を目的とするものではないと判断いたします。

ⅰ. 本取組みは、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)および企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を充足しております。

ⅱ. 本取組みの有効期間は2年であり、2年ごとに、定時株主総会において、株主の皆様のご信任を得ることとしております。

ⅲ. 本取組みは、独立性の高い社外者(特別委員会)の判断を重視し、その内容は情報開示することとしております。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものがあります。なお、記載内容のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。

 

①法的規制等に関するリスク

当社グループは教育・医療福祉に関する事業を中心に様々な事業を展開し、それぞれの事業分野において各種法令・諸規則等の適用を受けており、当社グループではコンプライアンス経営の確立に努め、全従業員への研修をはじめ、法的規制の順守および取り組み強化を進めております。しかしながら、これら法令・諸規則の改正もしくは解釈の変更、法的規制の新設によっては当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

②災害の発生に関するリスク

当社グループの本社及び主要な事業所は、東京を中心とした都市部にあります。従来、火災や地震及び新型インフルエンザを想定した対策マニュアルを整備しておりましたが、東日本大震災以降、事業継続計画(BCP)の策定と合わせて見直しを行いました。しかしながら、当該地域において、地震、津波、台風、洪水等の自然災害、火災、停電、感染症の蔓延、紛争・テロ、違法行為等、予測の範囲を超える事態の発生により、事業活動の停止や事業運営への重大な支障が生じた場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの設備やシステムが被害を免れた場合においても、取引先の被害状況によっては、上記同様のリスクが発生する可能性があります。

③個人情報の管理に関するリスク

当社グループでは、商品・サービスの企画、制作、販売のあらゆる過程において多くの個人情報を有しております。個人情報の適正な取扱いをすることは、事業活動の基本であり、社会的責務であると認識しております。これらの個人情報の取得、保存、利用、処分等にあたっては、関連法令の順守はもとより、社内規程、ガイドライン、マニュアル等を制定し、外部からの不正アクセスには防止対策強化など万全を図っておりますが、今後不測の事態により個人情報が流出する事態になった場合、当社グループの信用失墜は免れず、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④情報システムの障害に関するリスク

当社グループは事業の多くにおいて、情報システム・通信ネットワークに依存しております。当社グループはシステムトラブルの発生可能性を低減させるために、安定的運用に向けたシステム強化、セキュリティ強化及びデータセンターへサーバーを分散設置する等の対策を行いました。しかしながら、予測の範囲を超える停電、災害、ソフトウエアや機器の欠陥、コンピュータウイルスの感染、不正アクセスなどにより、情報システムの停止、情報の消失、漏洩、改ざんなどの事態が発生した場合には営業活動に支障をきたし、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤高齢者福祉事業の運営に関するリスク

当社グループでは、「サービス付き高齢者向け住宅」および「認知症グループホーム」などの事業を展開し、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期まで続けることができる社会を支える仕組みづくりに取り組んでおります。高齢者福祉事業は、介護保険法、高齢者住まい法、老人福祉法などの関係法令に従い展開しておりますが、今後の社会保障制度や法令の改正によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、高齢者向け住宅では、利用者の安全・健康管理という側面において、利用者が高齢者であることもあり、生命に関わる重大な問題(事故、食中毒、集団感染等)が生じる可能性があるため、これらの問題に基づき、訴訟が提起された場合や風評被害が生じた場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥子育て支援事業及び教育サービス事業の運営に関するリスク

当社グループでは、子育て支援事業として、認定こども園や保育所の運営を行い、子どもを安心して預けられる環境整備と待機児童問題の改善に向けた取り組みを推進しております。施設運営では、安全・健康管理という側面において、利用者が乳児から就学前児童であり、生命に関わる重大な問題(事故、食中毒、集団感染等)が生じる可能性があるため、これらの問題に基づき、訴訟が提起された場合や風評被害が生じた場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、主に幼児から高校生を対象とした教育サービス事業では、全国で教室や塾を運営しており、利用者が安全に通っていただくために交通・防犯指導や緊急時対策等、体制整備を進めております。しかしながら、利用者の安全を脅かす事態が発生した場合は、信頼性が低下する可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑦出版市場の動向に関するリスク

当社グループは、子どもの知的好奇心を満たす図鑑や知育教材、学習ニーズに対応した学習参考書や辞典をはじめ、料理・健康・教養・芸能など様々なライフスタイルに向けた出版物を提供しております。併せて今後拡大が見込まれる電子書籍市場に対応するコンテンツの充実に努めております。しかしながら、出版市場では、書籍及び雑誌等の販売減少傾向が続いており、また、広告収入においても景気変動の影響を受けやすい状況にあるため、急激な市場変化によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑧著作物再販制度に関するリスク

公正取引委員会の平成13年3月23日公表「著作物再販制度の取扱いについて」において、著作物再販制度の廃止の考えがコメントされておりますが、同制度の廃止に反対する意見も多く、当面廃止が見送られております。将来において同制度が廃止された場合、出版業界全体への影響、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑨委託販売制度に関するリスク

出版業界の慣行として委託販売(返品条件付販売)制度があり、この制度に基づいた返品による損失に備えるため、「返品調整引当金」を計上しておりますが、想定以上の返品の増加となった場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑩無体財産権に関するリスク

当社グループの製作・販売している出版物などのコンテンツには、著作権・肖像権など様々な無体財産権が存在しており、今後権利者からの出版差し止め、損害賠償などの係争に発展するリスクを完全に回避することは困難であり、係争に発展した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑪海外への事業展開に関するリスク

当社グループは、アジア地域を中心に商品の販売・生産・仕入や、出版事業および学習塾を中心とした教室事業を展開しており、今後も、積極的に海外における事業の拡大を図ってまいります。当社グループでは、法制度の改正や解釈の変更、行政の動向等に係る情報収集及び状況把握を行い、体制強化を図っておりますが、海外事業を推進する上で、事業展開する国・地域における政治的・社会的・経済的不安定要因、自然災害・伝染病、法律や規制の新設・変更などの顕在化により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑫株式の評価損やのれんの減損損失に関するリスク

当社グループは、事業領域の拡大及び事業運営の円滑化等の目的で、有価証券を保有しております。近時の経済環境、市場環境は、ますます不透明な状況となっていることから、当該会社の業績悪化の危険性が増大しており、当該株式価値の急激な下落に伴う当該株式の評価損の可能性があります。また、M&Aの実施に際しては、対象会社の財務・法務・事業等について詳細な事前調査を行い、リスクの把握や正常収益力を分析した上で決定しておりますが、買収後の事業環境の変化等により、当初想定した事業計画通りに進まなかった場合、のれんの減損損失や株式の評価損が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要 

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況 

教育分野では、2020年の学習指導要領の改訂や大学入試改革を控え、アクティブラーニングやテクノロジーを使って教育(Education)の変革を目指すEdTech(エドテック)が注目されており、オンライン教育サービスや eラーニング事業の市場が広がりつつあります。さらに本年6月には政府主催の人生100年時代構想会議で、社会人の学びなおし(リカレント教育)などの成人教育も強化する方針が発表され、少子化の影響を大きく受けるものの「学び」は世代を越えた広がりが期待されております。

医療福祉分野では、日本は世界に類をみないスピードで超高齢社会に突入しており、2025年には国民の約5人に1人が75歳以上になるとの予測の下、社会保障費の急増が懸念されております。一方、共働き世帯の増加に伴い都市部の保育所に対する需要が増大する中、保育施設の整備や保育士不足などの課題に対し、待機児童解消加速化プランに続き子育て安心プランが前倒しで実施されております。これに加え2019年10月には幼児教育無償化の実施も予定されております。

 

このような環境の下、当社グループが事業を展開する塾業界では、顧客ニーズが集団指導から個別指導にシフトし、競争激化や事業承継を起因とした業界再編が進んでおります。

出版業界では、書籍・雑誌の市場が縮小し、出版社・取次・書店・印刷会社を巻き込んだ業界再編が進み、コミックを中心に拡大してきた電子出版市場は、読み放題サービスの会員数減少により伸び率が縮小しております。

介護業界では、高齢者人口の増加に伴う市場の拡大を背景に、職員への処遇改善などの政府による支援拡大により高齢者住宅の供給が進む中、地域によっては過剰感も出始めており、厚生労働省は、各地域の課題に応じたサービスや街づくり地域包括ケアシステムの構築を推進しております。一方では介護報酬抑制の動きや介護職員の労働環境問題・人材不足などの課題が顕在化しております。

保育業界では、幼児期における教育の重要性が認識され始め、幼児向け教室が増加し、保育所において託児施設の機能に加えて教育施設の機能を強化する試みが注目されております。また、保育所の託児施設機能と幼稚園の教育施設機能を一体化させた認定こども園の普及も進んでおります。子育て支援事業の社会的な役割は、これまで以上に重要性を増すものと考えられます。

 

以上のような状況の中、当社グループは平成29年9月期を起点とした中期経営計画「Gakken2018」に基づき、中長期的な成長と株主・投資家重視の経営目標の達成を目指してまいりました。

 

その結果、当期の当社グループ業績は、売上高107,030百万円(前年同期比4.8%増)、営業利益3,652百万円(前年同期より269百万円増)、経常利益4,002百万円(前年同期より476百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,058百万円(前年同期より272百万円減)となりました。

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

 セグメント別業績の概要                                (単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

 事業別セグメント

売上

営業利益

売上

営業利益

売上

営業利益

  教育サービス事業

28,741

1,276

30,353

1,392

1,611

116

  教育コンテンツ事業

31,132

1,058

30,059

549

△ 1,072

△ 508

  教育ソリューション事業

17,886

174

18,928

646

1,041

472

  医療福祉サービス事業

21,434

871

24,415

1,036

2,981

165

  その他

2,982

△ 15

3,273

42

291

57

  調整額

17

△ 16

△ 33

 グループ合計

102,177

3,382

107,030

3,652

4,853

269

 

 

〔教育サービス事業〕

売上高:30,353百万円(前年同期比5.6%増)営業利益:1,392百万円(前年同期より116百万円増)

 

(学研教室事業)

学研教室の会員数は法人契約、新設コースなどの強化により期末に向けて回復基調となりましたが、新学期、夏商戦の時期に発生した災害の影響などもあり、年間トータル数では前期に追い付かず減収となりました。上記減収要因に加え、委託費などのコスト増により減益となりました。

(進学塾事業)

既存進学塾では集団指導部門の生徒数が減少しましたが、山梨県と静岡県で集団指導塾を展開する株式会社文理学院(本社山梨県:当期第1四半期より連結)、超難関大学受験進学塾・医学部進学予備校運営の株式会社高等進学塾(本社大阪府:前期第1四半期末より連結、損益影響は同第2四半期より)の業績が加算されたことにより、進学塾事業全体では増収となりました。損益面では既存進学塾の減収要因があったものの、文理学院、高等進学塾が利益貢献し増益となりました。

 

〔教育コンテンツ事業〕

売上高:30,059百万円(前年同期比3.4%減)営業利益:549百万円(前年同期より508百万円減)

 

(出版事業)

学習参考書では英検書、児童書では読み物やキャラクター系でヒット作を創出したものの、学習指導要領改訂を控えた学習参考書市場の停滞や定期誌の苦戦もあり減収減益となりました。

(出版以外の事業)

書籍や雑誌などの出版から派生した受託事業で増収となりましたが、文具玩具事業の商品販売が低迷し減収となりました。損益面では受託事業の原価増、学研ゼミ、学研プライムゼミや文具玩具の損失増、英語教育事業の先行投資などにより減益となりました。

 

〔教育ソリューション事業〕

売上高:18,928百万円(前年同期比5.8%増)営業利益:646百万円 (前年同期より472百万円増)

 

(幼児教育事業)

幼保園の教師用ユニフォームなど企画力、商品力が奏功し販売増となったほか、待機児童解消対策に伴う園舎建替などの需要を獲得し増収増益となりました。

(学校教育事業)

小学校道徳教科書の新規採択により増収増益となりました。

 

 

〔医療福祉サービス事業〕

売上高:24,415百万円(前年同期比13.9%増)営業利益:1,036百万円(前年同期より165百万円増)

 

(高齢者福祉事業)

直近1年間にサービス付き高齢者向け住宅を7事業所開業、3事業所を事業承継により取得(累計126事業所)したほか、既存事業所の入居率向上により増収となりました。損益面ではメディカル・ケア・サービス株式会社の取得関連費用107百万円を計上しましたが、上記増収要因により増益となりました。

(子育て支援事業)

保育園3施設(累計40施設)を開園、および学童保育施設4か所(累計10か所)の運営を受託したことにより増収となりました。損益面では求人募集費・紹介手数料が増加しましたが、上記増収要因により増益となりました。

(医学看護出版事業)

本年9月に第1回公認心理師国家試験が実施されたことに伴い看護出版の関連書籍が好調に推移し、看護師向けeラーニング事業の契約数が引き続き伸長した結果、増収増益となりました。

 

〔その他〕

売上高:3,273百万円(前年同期比9.8%増) 営業利益:42百万円(前年同期より57百万円増)

主に海外子会社の新規販売先の開拓、物流事業の売上増により増収増益となりました。

 

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ23,091百万円増加し、99,955百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の増加3,172百万円、受取手形及び売掛金の増加3,638百万円、有形固定資産の増加2,401百万円、のれんの増加7,590百万円、差入保証金の増加2,115百万円などによるものです。

負債は、前連結会計年度末に比べ18,605百万円増加し、59,265百万円となりました。主な増減は、短期借入金の増加15,247百万円、その他の流動負債の増加3,152百万円、長期借入金の減少1,239百万円、その他固定負債の増加1,094百万円などによるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べ4,486百万円増加し、40,689百万円となりました。主な増減は、資本剰余金の増加361百万円、利益剰余金の増加2,194百万円、自己株式の減少1,213百万円、非支配株主持分の増加1,070百万円などによるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、17,494百万円と前連結会計年度末と比べ2,668百万円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、3,145百万円の資金増加(前連結会計年度は5,099百万円の増加)となりました。これは法人税等の支払額1,349百万円などの資金減少があるものの、税金等調整前当期純利益3,436百万円の計上、減価償却費1,373百万円の計上などの資金増加によるものであります。

 

投資活動によるキャッシュ・フローは、14,898百万円の資金減少(前連結会計年度は473百万円の増加)となりました。これは投資有価証券の売却による収入1,015百万円などの資金増加があるものの、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出10,148百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出3,304百万円、投資有価証券の取得による支出1,743百万円などの資金減少によるものであります。

 

財務活動によるキャッシュ・フローは、14,431百万円の資金増加(前連結会計年度は5,119百万円の減少)となりました。これは長期借入金の返済による支出1,407百万円、配当金の支払額864百万円などの資金減少があるものの、短期借入金の増加15,225百万円、自己株式の売却による収入1,664百万円などの資金増加によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

教育サービス事業

559

△18.1

教育コンテンツ事業

31,343

△0.5

教育ソリューション事業

10,596

11.1

医療福祉サービス事業

1,773

6.5

その他

合計

44,273

2.0

 

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については、相殺消去しておりません。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

金額僅少のため、受注実績の記載は省略いたします。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

教育サービス事業

30,353

5.6

教育コンテンツ事業

30,059

△3.4

教育ソリューション事業

18,928

5.8

医療福祉サービス事業

24,415

13.9

その他

3,273

9.8

合計

107,030

4.8

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択や適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要といたします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況]の1「連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績)

a. 売上高

 当連結会計年度の売上高は、前期に比べ4,853百万円増加の107,030百万円(前期比4.8%増)となりました。医療福祉サービス事業での新規施設の開設やサービス付き高齢者向け住宅の入居率の向上、教育サービス事業での連結子会社の増加や、教育ソリューション事業での小学校道徳教科書の新規採択などにより増加いたしました。

b. 営業利益

 当連結会計年度の営業利益は、前期に比べ269百万円増加の3,652百万円となりました。教育ソリューション事業での小学校道徳教科書の新規採択、医療福祉サービス事業や教育サービス事業の増収などにより増加いたしました。

c. 経常利益

 当連結会計年度の経常利益は、前期に比べ476百万円増加の4,002百万円となりました。主な増減要因は営業
利益や受取配当金が増加したこと、持分法による投資利益を計上したことなどによるものです。なお、営業外収益は前期に比べ201百万円増加の619百万円、営業外費用は前期に比べ5百万円減少の269百万円となりました。

d. 親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べ272百万円減少の3,058百万円となりました。主な増減要因は営業利益が269百万円増加したこと、法人税等調整額を△789百万円計上したものの、前期△1,166百万円計上した反動減によるものです。なお、特別利益は前期に比べ219百万円減少の820百万円、特別損失は前期に比べ59百万円増加の1,386百万円となりました。

 

 (財政状態)

当連結会計年度の財政状態の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

 (資本の財源及び資金の流動性)

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループの運転資金需要の主なものは、製品の製造費や販売費及び一般管理費等の営業費用であり、戦略的投資資金としては、拠点展開の整備等の設備投資、企業買収及び業務資本提携などがあります。また運転資金及び戦略的投資資金は、内部留保資金及び金融機関からの借入により資金調達することとしております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 

業務・資本提携契約

契約会社名

相手方の名称

契約

締結日

契約期間

契約内容

㈱学研
ホールディングス
(当社)

㈱明光ネットワークジャパン

平成20年

8月28日

期間の定めなし

業務提携

①両社の対面教育事業における生徒の相互紹介

②教材の共同開発

③当社の教育システムを㈱明光ネットワークジャパンで活用

④その他模擬試験の共同開発・実施、教具の共同購入、講師の派遣等の実施

資本提携

 株式の相互保有

㈱学研
ホールディングス
(当社)

㈱市進
ホールディングス

平成26年
5月14日

自 平成26年5月14日
至 平成29年5月13日
以後1年ごとの自動更新

業務提携

①市進ウイングネット事業の拡大

②学研幼児教室の展開

③介護サービス事業

④学童サービスなど子育て支援と共に親子の触れ合いの場を提供する事業

⑤人材交流

資本提携

 株式の保有

㈱学研
ホールディングス
(当社)

㈱ODK
ソリューションズ
 

平成25年
6月20日

自 平成25年6月20日
至 平成26年6月19日
以後1年ごとの自動更新

業務提携

①入学試験業務効率化サービスの開発

②入試データと教育コンテンツを融合した教育支援・広報支援サービスの開発

資本提携

 株式の相互保有

㈱学研
ホールディングス
(当社)

㈱河合楽器製作所

平成27年

7月31日

自 平成27年10月1日
至 平成32年9月30日
以後1年ごとの自動更新

業務提携

 ①教室事業の拡大

 ②シニア向け事業の拡大

 ③グローバル事業の拡大

④園・学校向けの教室運営ノウハウやコンテンツ、リソースなどを活用し、それぞれの事業拡大にむけた連携

⑤人材の交流

資本提携

 株式の相互保有

㈱学研
ホールディングス
(当社)

㈱進学会ホールディングス

平成29年
10月2日

自 平成29年10月2日
至 平成32年10月1日
以後2年ごとの自動更新

業務提携

 ①教室・学習塾の連携

 ②学習コンテンツの共同開発

③学習アセスメントの共同開発・普及

④学校教育と民間企業教育領域への展開

資本提携

 株式の相互保有

㈱学研
ホールディングス
(当社)

㈱日本政策投資銀行

平成30年
2月23日

自 平成30年2月23日
至 平成40年2月22日
以後1年ごとの自動更新

業務提携

①医療福祉サービス分野(医療福祉サービス事業)の事業開発・拡大

②当社グループに対する投融資その他の金融サービスの提供

資本提携

 当社株式の保有

 

 

 

 

5 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。