当期における我が国経済は、政府の経済政策や金融政策を背景に、企業収益や雇用・所得環境の改善が見られるなど、緩やかな景気回復基調が続いておりますが、中国を始めとする海外経済の減速に加え、円高や原油安、英国のEU離脱問題など景気に対する先行きは不透明な状況で推移しました。
このような環境の下、学習塾業界では業界の再編が進むとともに、ICTを活用したサービスや顧客層の拡大、海外市場への進出など市場開拓に向けた動きが活発化しており、さらには2020年大学入試改革に向けて「能力開発」「アクティブラーニング」など新たな教育手法への対応が始まっております。出版業界では書籍や雑誌の市場縮小が進む中、出版社と書店・図書館の連携など、出版流通市場の活性化や出版文化の底上げの動きが進む一方、電子出版の拡大に伴い出版コンテンツから派生した新たなビジネスモデルの構築が図られております。介護業界では高齢者人口の増加や政府の支援策強化などによる市場拡大が進む中、介護報酬制度改定や介護職の労働環境などの問題が顕在化しております。保育業界では女性の就業率が上昇し共働き世帯が増加する中、保育施設の整備や保育士不足など待機児童解消が深刻な社会問題となっており、平成29年度末までに待機児童解消を目指す「待機児童解消加速化プラン」が実施されております。
以上のような状況の中、当期のグループ業績は、売上高99,049百万円(前期比3.2%増)、営業利益2,732百万円(前期比1,132百万円増)、経常利益2,922百万円(前期比1,179百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,368百万円(前期比1,103百万円増)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいています。詳細は、第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)をご覧ください。
[教室・塾事業]
売上高:27,492百万円(前期比0.4%増)、営業利益:1,403百万円(前期より86百万円減)
売上高は、学研教室事業では会員数が堅調に推移したことや、本年4月から月謝を改定したことにより増収となりました。進学塾事業では生徒募集の強化や受講コースの拡充を図り、㈱創造学園などでは増収となりましたが、集団指導コースを中心に生徒数が減少した塾が多かったため、微減となりました。
損益面では、進学塾事業の減収及び宣伝費の増加などにより減益となりました。
[出版事業]
売上高:30,518百万円(前期比3.0%増)、営業利益:993百万円(前期より1,371百万円の改善)
売上高は、企画の厳選・製作部数の適正化などにより返品率が改善したことに加え、児童書や小中学生向け学習参考書が好調だったこと、電子出版が堅調に推移したことにより増収となりました。
損益面では、不採算事業廃止に伴う大幅な損益改善、学習参考書の増収、ムック・書籍の新刊企画の厳選及び既刊本の好調、電子出版の増収、組織再編によるコスト削減効果などにより営業損益が大幅に改善しました。
[高齢者福祉・子育て支援事業]
売上高:16,807百万円(前期比15.3%増)、営業利益:225百万円(前期より123百万円増)
売上高は、高齢者福祉事業では首都圏エリアの高齢者向け住宅の入居者数が堅調に推移し、一部の施設で入居が遅れていた西日本エリアについても下期にかけて入居のペースが改善したほか、直近1年間に8施設を開業したことにより増収となりました。子育て支援事業では既存保育園の定員充足率向上や、本年4月に保育園を3園開業(9月に1園開業し通期では4園の開業)したことなどにより増収となりました。
損益面では、西日本エリアの入居遅れや介護士・保育士などの採用コストが増加したものの、規模拡大に伴う増収により増益となりました。
[園・学校事業]
売上高:16,785百万円(前期比0.02%増)、営業利益:474百万円(前期より124百万円増)
売上高については、幼稚園・保育園向けの新学期用品や太陽光発電等の設備納入が減少した一方、昨年の小学校教科書の採択を受けて、小学校保健の教科書や教科書指導書の販売高が増加したことにより、増収となりました。損益面では、園児用絵本の原価低減や小学校保健の教科書指導書等の売上増が寄与し、増益となりました。
損益面では、絵本・月刊誌・模擬試験の原価低減や販売経費圧縮により増益となりました。
[その他]
売上高:7,444百万円(前期比1.5%減)、営業損失:379百万円(前期より392百万円の損失増)
売上高は、国内向け文具・雑貨事業が好調だったものの、海外事業の見直しにより減収となりました。
損益面では、文具・雑貨事業の在庫処分による減益や教育ICT事業、教育情報誌事業等のコスト先行などにより損失に転じました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、14,340百万円と前連結会計年度末と比べ2,071百万円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,166百万円の資金増加(前連結会計年度は3,271百万円の増加)となりました。これは退職給付に係る負債の減少421百万円、未払消費税等の減少346百万円、法人税等の支払額1,107百万円などの資金減少があるものの、税金等調整前当期純利益2,427百万円の計上、減価償却費1,419百万円の計上、売上債権の減少859百万円などの資金増加によるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、4,028百万円の資金減少(前連結会計年度は1,774百万円の減少)となりました。これは保険積立金の払戻による収入648百万円などの資金増加があるものの、有形及び無形固定資産の取得による支出3,362百万円、投資有価証券の取得による支出1,210百万円などの資金減少によるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,210百万円の資金減少(前連結会計年度は569百万円の減少)となりました。これは短期借入金の増加1,270百万円などの資金増加があるものの、長期借入金の返済による支出1,555百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出1,092百万円などの資金減少によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については、相殺消去しておりません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度より、報告セグメントを変更しており、前年同期比は前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で算出しております。
金額僅少のため、受注実績の記載は省略いたします。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度より、報告セグメントを変更しており、前年同期比は前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で算出しております。
4 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
当社グループは、既存事業を取り巻く厳しい市場環境や、新規事業の構築および収益化の必要性を認識した上で、平成26年11月にグループ2ヵ年計画「Gakken2016」を発表し、当期間を「成長軌道に乗せるための再構築フェーズ」と位置付け、①出版事業の選択と集中、②新しい教育サービスの開発、③高齢者福祉・子育て支援事業の利益確保と開設ペースの加速などに取り組んだ結果、売上高・営業利益の目標を達成することができました。
上記の結果を踏まえ、成果や課題などを十分に精査、検証したうえで、2017年9月期を起点とする新たな2ヵ年計画「Gakken2018」を策定し、平成28年11月に発表いたしました。同計画では「持続的成長へのテイクオフ」をスローガンに、中長期的な成長と株主・投資家を重視した経営を重点目標と位置付け、「教育分野」・「医療福祉分野」を二大事業ドメインとし、①「教育分野」ではブランド再構築によるさらなる成長と収益基盤の盤石化、②「医療福祉分野」では事業拡大と収益力の向上、さらに、③経営基盤の強化、④資本効率の向上と株主還元、以上の4項目を主要経営方針に定め、持続的成長による企業価値向上を図ります。
なお、次期より顧客視点・バリューチェーン重視のアプローチから「教育分野」では「教育サービス事業」、「教育コンテンツ事業」、「教育ソリューション事業」に、「医療福祉分野」では「医療福祉サービス事業」に報告セグメントを再編成するとともに名称を変更しております。
以上のように当社グループは、「すべての人が心ゆたかに生きることを願い、今日の感動・満足・安心と明日への夢・希望を提供します」というグループ理念の実現に向けて、今後とも良質な商品やサービスを提供してまいります。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
①会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容
当社は、終戦直後の昭和21年、創業者の「荒廃した日本を再建するには、次代を担う子どもたちの教育が最も大切である」との信念のもと設立されました。以来、「教育」を基軸とし、月刊学習誌『科学』『学習』を中心に多くの人々のご支持を得ながら、多岐にわたる出版事業を手がけ、幼児・小学生・中学生・高校生、そして一般社会人へと対象を広げ、さらには、雑誌・書籍の出版に限ることなく、各種の教材や教具、教室事業、映像製作、文化施設の企画・施工などにも幅広く取り組んでまいりました。近年では、少子高齢化社会・女性の社会進出への変化に対応するため、高齢者福祉事業や子育て支援事業への参入も果たすなど、単に短期的利潤の追求に留まらず企業の社会的責務をも重視しつつ事業展開を図ってまいりました。
そして、70有余年、当社グループは、創業精神に裏打ちされたグループ理念(「私たち学研グループは、すべての人が心ゆたかに生きることを願い、今日の感動・満足・安心と明日への夢・希望を提供します」)を根底に置きながら事業を展開するとともに、多くの顧客・取引先・従業員そして株主の皆様等のステークホルダーとの間に築かれた関係の中で、各種事業の成長を遂げてまいりました。
現在の企業価値は、グループ各社におけるそのような日々の企業活動の結果として生み出されたものであり、様々なステークホルダーへの還元が実行されるに至ったものと認識しております。
このような当社グループの成長過程に鑑み、当社取締役会は、今後将来にわたり、当社グループの企業価値および株主共同の利益を確保し向上させるためには、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、ⅰ. 短期的な視野に偏ることなく、中長期的な視野から経営を行い、適法かつ適正な利益を追求する、ⅱ.企業の社会的責務を十分に尊重し、株主の皆様はもとより、顧客、取引先、地域社会、従業員などすべてのステークホルダーとの関係基盤が企業価値を生み出す源泉である、これらの点を十分に理解する者であることが必要不可欠であると考えております。
②会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、上場会社である以上、何人が会社の財務および事業の方針の決定を支配することを企図した当社の株式の大規模買付行為を行っても、原則として、これを否定するものではありません。しかしながら、大規模買付行為の中には、その目的等から企業価値・株主共同の利益を損なう懸念のある場合もあります。
当社は、いわゆる事前警告型の買収防衛策として、平成18年3月20日開催の当社取締役会において、大規模買付行為への対応方針およびそれに基づく事前の情報提供に関する一定のルール(大規模買付ルール)を導入し、これについて、同年6月29日開催の第60回定時株主総会において出席された株主の皆様の総議決権数の3分の2を超えるご賛同をいただきました。
その概略は、買付者からの十分な情報の収集・開示に努める体制を整備し、かつ第三者機関(特別委員会)の助言、意見または勧告を最大限に尊重することを前提に、当社の企業価値を防衛するため、しかるべき対抗措置をとることがある旨を事前に表明しておくというものでありました。
その後、数度の改正を経て、平成22年12月22日開催の第65回定時株主総会においては、当社が定める会社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に則り、持続的な成長が可能な企業体を目指すための大規模買付ルールを継続することとするほか、法的な安定性を高めるために、定款に大規模買付ルールの改正やそのルールに基づく対抗措置の発動について、当社の取締役会や株主総会の決議により行うことができる旨などの根拠規定を新設することにつき、株主の皆様のご賛同をいただきました。
さらに、平成28年12月22日開催の第71回定時株主総会においては、大規模買付ルールを継続することにつき、株主の皆様のご賛同をいただき、現在に至っております。
③上記②の取組みについての取締役会の判断及びその判断にかかる理由
当社取締役会は、以下の理由により、上記②の取組み(以下「本取組み」といいます。)は、上記①の基本方針に沿うものであり、当社の企業価値または株主共同の利益を損なうものではなく、取締役の地位の維持を目的とするものではないと判断いたします。
ⅰ. 本取組みは、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)および企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を充足しております。
ⅱ. 本取組みの有効期間は2年であり、2年ごとに、定時株主総会において、株主の皆様のご信任を得ることとしております。
ⅲ. 本取組みは、独立性の高い社外者(特別委員会)の判断を重視し、その内容は情報開示することとしております。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものがあります。なお、記載内容のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。
当社グループは教育・福祉・出版に関する事業を中心に様々な事業を展開し、それぞれの事業分野において各種法令・諸規則等の適用を受けており、当社グループではコンプライアンス経営の確立に努め、全従業員への研修をはじめ、法的規制の遵守および取り組み強化を進めております。しかしながら、これら法令・諸規則の改正もしくは解釈の変更、法的規制の新設によっては当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの本社及び主要な事業所は、東京を中心とした都市部にあります。従来、火災や地震及び新型インフルエンザを想定した対策マニュアルを整備しておりましたが、東日本大震災以降、事業継続計画(BCP)の策定と合わせて見直しを行いました。しかしながら、当該地域において、地震、津波、台風、洪水等の自然災害、火災、停電、感染症の蔓延、紛争・テロ、違法行為等、予測の範囲を超える事態の発生により、事業活動の停止や事業運営への重大な支障が生じた場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの設備やシステムが被害を免れた場合においても、取引先の被害状況によっては、上記同様のリスクが発生する可能性があります。
当社グループでは、商品・サービスの企画、制作、販売のあらゆる過程において多くの個人情報を有しております。個人情報の適正な取扱いをすることは、事業活動の基本であり、社会的責務であると認識しております。これらの個人情報の取得、保存、利用、処分等にあたっては、関連法令の遵守はもとより、社内規程、ガイドライン、マニュアル等を制定し、外部からの不正アクセスには防止対策強化など万全を図っておりますが、今後不測の事態により個人情報が流出する事態になった場合、当社グループの信用失墜は免れず、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは事業の多くにおいて、情報システム・通信ネットワークに依存しております。当社グループはシステムトラブルの発生可能性を低減させるために、安定的運用に向けたシステム強化、セキュリティ強化及びデータセンターへサーバーを分散設置する等の対策を行いました。しかし、予測の範囲を超える停電、災害、ソフトウェアや機器の欠陥、コンピュータウイルスの感染、不正アクセスなどにより、情報システムの停止、情報の消失、漏洩、改ざんなどの事態が発生した場合には営業活動に支障をきたし、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、平成23年に制度化された「サービス付き高齢者向け住宅」の事業を拡大し、高齢者が安心できる社会を迎えられるよう取り組んでおります。高齢者向け事業サービスは、介護保険法、高齢者住まい法などの関係法令に従い展開しておりますが、今後の社会保障制度や法令の改正によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、高齢者福祉事業では、利用者の安全・健康管理という側面において、利用者が高齢者であることもあり、生命に関わる重大な問題(事故、食中毒、集団感染等)が生じる可能性があるため、これらの問題に基づき、訴訟が提起された場合や風評被害が生じた場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、子育て支援事業として、認定こども園や保育所の運営を行い、子どもを安心して預けられる環境整備と待機児童問題の改善に向けた取り組みを推進しております。施設運営では、安全・健康管理という側面において、利用者が乳児から就学前児童であり、生命に関わる重大な問題(事故、食中毒、集団感染等)が生じる可能性があるため、これらの問題に基づき、訴訟が提起された場合や風評被害が生じた場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、幼児から高校生を対象とした教室・塾事業では、全国で教室や塾を運営しており、利用者が安全に通っていただくために交通・防犯指導や緊急時対策等、体制整備を進めております。しかし、利用者の安全を脅かす事態が発生した場合は、信頼性が低下する可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、子どもの知的好奇心を満たす図鑑や知育教材、学習ニーズに対応した学習参考書や辞典をはじめ、料理・健康・教養・芸能など様々なライフスタイルに向けた出版物を提供しております。併せて今後拡大が見込まれる電子書籍市場に対応するコンテンツの充実に努めております。しかしながら出版市場では、書籍及び雑誌等の販売減少傾向が続いており、また、広告収入においても景気変動の影響を受けやすい状況にあるため、急激な市場変化によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
公正取引委員会の平成13年3月23日公表「著作物再販制度の取扱いについて」において、著作物再販制度の廃止の考えがコメントされておりますが、同制度の廃止に反対する意見も多く、当面廃止が見送られております。将来において同制度が廃止された場合、出版業界全体への影響、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
出版業界の慣行として委託販売(返品条件付販売)制度があり、この制度に基づいた返品による損失に備えるため、「返品調整引当金」を計上しておりますが、想定以上の返品の増加となった場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの製作・販売している出版物などのコンテンツには、著作権・肖像権など様々な無体財産権が存在しており、今後権利者からの出版差し止め、損害賠償などの係争に発展するリスクを完全に回避することは困難であり、係争に発展した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、アジア地域を中心に商品の販売・生産・仕入や、出版事業および学習塾を中心とした教室事業を展開しており、今後も、積極的に海外における事業の拡大を図ってまいります。当社グループでは、法制度の改正や解釈の変更、行政の動向等に係る情報収集及び状況把握を行い、体制強化を図っておりますが、海外事業を推進する上で、事業展開する国・地域における政治的・社会的・経済的不安定要因、自然災害・伝染病、法律や規制の新設・変更などの顕在化により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
業務・資本提携契約
特記すべき事項はありません。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択や適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要といたします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況]の1「連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は、前期に比べ3,103百万円増加の99,049百万円(前期比3.2%増)となりました。出版事業での返品率改善や児童書・学習参考書が好調だったこと、高齢者福祉・子育て支援事業でのサービス付き高齢者向け住宅(以下「サ高住」)や保育施設の新規開業、西日本エリアのサ高住物件の入居ペース改善などにより増加いたしました。
当連結会計年度の営業利益は、前期に比べ1,132百万円増加の2,732百万円となりました。出版事業で不採算事業を廃止したこと、学習参考書の増収、原価・販管費の低減などにより増加いたしました。
当連結会計年度の経常利益は、前期に比べ1,179百万円増加の2,922百万円となりました。主な増減要因は営業利益が1,132百万円増加したことによるものです。なお、営業外収益は前期に比べ25百万円増加の450百万円、営業外費用は前期に比べ21百万円減少の259百万円となりました。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べ1,103百万円増加の1,368百万円となりました。主な増減要因は営業利益が1,132百万円増加したことによるものです。なお、特別利益は前期に比べ541百万円減少の310百万円、特別損失は前期に比べ374百万円減少の805百万円となりました。
(3)当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2,819百万円減少し、76,384百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の減少1,994百万円、受取手形及び売掛金の減少864百万円、有形固定資産の増加1,552百万円、投資有価証券の減少722百万円などによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ1,586百万円減少し、42,920百万円となりました。主な増減は、支払手形及び買掛金の減少292百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加1,040百万円、未払法人税等の減少450百万円、長期借入金の減少426百万円、退職給付に係る負債の減少749百万円などによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,233百万円減少し、33,464百万円となりました。主な増減は、資本剰余金の減少518百万円、利益剰余金の増加906百万円、その他有価証券評価差額金の減少929百万円、非支配株主持分の減少416百万円などによるものです。
(4)当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの現金及び現金同等物期末残高は、前連結会計年度末に比べ2,071百万円(12.6%)減少し、14,340百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,166百万円の資金増加(前連結会計年度は3,271百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、4,028百万円の資金減少(前連結会計年度は1,774百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,210百万円の資金減少(前連結会計年度は569百万円の減少)となりました。
なお、キャッシュ・フローの詳細は、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。