当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
なお、重要事象等は存在しておりません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
年初からのオミクロン株感染は、従来株と異なり幼児・児童にまで拡大し、教育現場では休園・休校が相次ぎました。また、ロシアによるウクライナ侵攻やインフレ加速などによる資源価格・物価の世界的高騰をうけ、国内でも物価が急激に上昇しています。教育業界では用紙価格、物流費等が値上がりし、介護業界では水道光熱費や食材費等が高騰するなど、広範な影響をもたらしています。
教育業界では、DXの流れが加速しています。学校現場ではGIGAスクール構想で配布された学習端末の活用に向け、デジタル教科書・ICT教材の導入が広がりを見せています。学習塾においては、対面に加えてオンラインでの指導が普及しつつあります。さらに、企業研修においても、デジタル関連のリスキリング需要が高まりを見せております。また、出版メディアにおいてはコンテンツのマルチユースが定着し、「コンテンツ販売」からデジタルを活用した「体験の提供」へと進化させる動きが活性化しています。出版流通では出版社・販売会社・書店等が連携し、AIの需要予測に基づいて配本精度を高め、返品率改善を目指す取組も進められています。他方、幼児関連では来年4月の「こども家庭庁」発足が注目を集めています。「こどもの居場所づくり指針」を制定して「子育ての社会化」を目指すとされており、保育園・学童等の運営に好影響が見込まれます。
介護業界では、高齢者人口の増加により、総需要の拡大が続いています。オミクロン株の拡大当初は、一部在宅サービスで利用控えが見られたものの、施設系サービスにおいては、一定の入居ニーズが底堅く推移しております。一方で、原材料価格の上昇や水道光熱費の高騰は一段と進んでおり、施設運営にも影響を及ぼし始めております。
サービスの担い手である介護従事者については、業界全体で依然として不足が継続しています。こうした状況を受け、政府の規制改革推進会議で人員配置基準の緩和について取り上げられるなど、各関係省庁・組織でも業務負担軽減に関する議論が活発化し、介護のテクノロジー活用を推し進める動きが見受けられます。
上述のような市況において、当第3四半期連結会計期間(累計)の連結売上高は前年同期比3.1%増収の117,011百万円となりました。分野別にみると、教育分野では教室・塾事業や出版コンテンツ事業ではオミクロン株の影響を受けながらも増収を維持しましたが、園・学校事業や学校利用中心の体験型施設等ではオミクロン株の影響が長期化し、買い控え・利用控えに繋がったことから、教育分野全体では減収となりました。一方、医療福祉分野では高齢者施設の新規開設を推し進めたことに加え、既存施設の入居率も高水準を維持し、増収を確保しました。
当第3四半期連結会計期間(累計)の連結営業利益は4,785百万円、前年同期比では23.2%減益となりました。医療福祉分野で前年に計上した不動産売却益やコロナ関連助成金等の一過性利益がなくなったほか、デジタル・グローバル分野への投資を強化したこと、さらに計画的な経費管理を強化し、費用計上を年間で平準化したことが主な減益要因です。事業面では、教室・塾事業、出版事業、および医療福祉分野は、オミクロン株感染拡大局面においても順調に推移しました。しかし、園・学校事業と学校向け体験型施設については、事業環境悪化の影響も顕在化しました。
3ヵ年計画「Gakken2023」においては、以下の具体的施策を進めています。
(教育分野)
・リアルとオンラインをバランスさせた教室、塾の付加価値向上、未開拓エリア攻略
・学習参考書に加え、児童書でのトップシェア奪取
・出版コンテンツを活用した学びのデジタル展開
・医学看護書の電子化、看護師向けeラーニングの拡大加速
・幼保こども園に向けた物販(絵本、新学期用品、机等の備品など)の強化とICTによる園業務のサービス向上
・グループ内コンテンツを活用した学校向け新サービス創出、営業体制の再編成
・社会人教育、企業研修領域のデジタルサービス展開
・不採算事業の見直し
(医療福祉分野)
・サービス付き高齢者向け住宅(以下「サ高住」)と認知症グループホームの新規開設スピードの加速
・子育て支援における保育品質の向上と、首都圏を中心とした成長事業(学童・児童発達支援)の新規開設加速
・職員の採用と教育体制の強化による早期離職の低減、従業員満足度と人材定着率の向上
・IoEやAI、ロボットの連携等による品質、生産性の向上
(グループ戦略)
・アジアを起点としたグローバル事業の展開
・認知症予防の新規事業創出
当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高117,011百万円(前年同期比3.1%増)、営業利益4,785百万円(前年同期より1,448百万円減)、経常利益5,010百万円(前年同期より1,128百万円減)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,847百万円(前年同期より803百万円増)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は251百万円減少し、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益への影響はありません。
(単位:百万円)
〔教育分野〕
売上高:59,332百万円(前年同期比1.9%減)営業利益:3,287百万円(前年同期より702百万円減)
(単位:百万円)
(教室・塾事業)
教室事業では、オミクロン株が子どもたちに拡大し、新学期の会員募集や営業活動が抑制されました。その影響が長引き、会員数は本格回復の途上にありますが、受け皿となる新規FCの組織開発は、前期を上回って進捗しています。また、会員の学習見守りアプリや、オンライン学習コースなど、デジタルサービス拡充による顧客単価増や、前期7月に事業譲受した「めばえ教室」の寄与、経費利用の効率化を進めた結果、増収増益となりました。
塾事業においては、春休みやゴールデンウィーク中の特別講習や、オンラインとのハイブリッド型授業によって顧客単価が上昇し、複数のグル-プ塾会社で増収増益を達成しました。一方、オミクロン株流行により新学期生募集が軟調となったほか、不採算校収斂等による合理化を進めたこともあり、全体としては、減収増益となりました。こうした状況を踏まえ、グループ塾各社では夏季講習での新規生獲得や、バーチャル教室、AIを活用した個別指導など、様々な収益改善策を推し進めています。
(出版コンテンツ事業)
出版は、児童書ジャンルが好調に推移しています。なかでも学研の代名詞ともいえる図鑑群の実績が伸びており,「最強王」や、この夏にリニューアルした「学研の図鑑 LIVE」は、発売後すぐに増刷が掛かるなど、際立った初速を見せています。また、前期にグループインした(株)地球の歩き方では、2月に刊行した雑誌ムーとのコラボタイトルが12万部を超え、地図ガイド本としては驚異的な売れ行きです。利益面では、用紙代などの原価高影響が懸念されるものの、こうしたヒット作が全体の業績を牽引し、当第3四半期(累計)は、増収増益となりました。
医学看護は、増収増益となりました。病院でのオミクロン株影響が一服し、年間最大の増売期である4月から本格営業を再開できたことで、看護師向けeラーニングの契約病院数が大幅増加しました。前年同期比では265病院増加し、収益増に貢献しています。また、医学書・看護書出版では、電子書籍および看護書の既刊売上が伸長し、全体の収益増にも寄与しました。
出版以外の事業では、巣籠需要の反動減に伴うトイ市場の不振に、折からの原価高も重なり、収益を押し下げました。他方、体験型英語施学習施設 TOKYO GLOBAL GATEWAY においては、前年限りの受託売上が剥落し、収益を低減する要因となりました。さらにオミクロン株影響により、利用者の来訪がままならない局面もありましたが、サマーキャンプや企業・法人向け研修など、文字通りの「体験型」プログラムを多数開発してリーチを強化しました。こうした工夫が奏功し、今夏の予約状況は前年を上回るペースで推移しています。当第3四半期(累計)においては、全体で減収減益となったものの、挽回への地ならしは着実に進捗しています。
(園・学校事業)
幼児教育は、少子化を背景に新設園が減少し、月刊誌や新年度用品の販売が減少しました。また、コロナ関連助成金による備品・衛生用品・園舎改築等の受注が大幅鈍化したのに加え、オミクロン株流行により保育所・幼稚園の休園が相次ぐなど、事業環境の悪化も目立っていることから、全体では減収減益となりました。他方、保育現場のDX化を進め、新たなマーケットを創出するために保育ICTへの開発投資・人的投資を継続強化しています。なかでも園と家庭のコミュニケーションを支援する「ハグモー」の契約が順調に伸びており、収益改善にも貢献しています。
学校教育は教科書改訂の端境期に当たっており、前期に計上した中学教師用の指導書収益が反動減となりました。また、少子化に伴い教科書・副読本の部数や、小論文模試の受験者数が減少したこともあり、全体では減収減益となりました。この苦境を打開し、GIGAスクール構想への対応を加速するために、デジタル教科書・ICT教材のコンテンツ制作・営業体制を強化するなど、教育ICT事業への成長投資を推し進めています。
社会教育は、採用支援事業でオミクロン株影響により対面イベントが中止となったのに加え、オンラインセミナーでも出展企業が大きく減少しました。また、制度廃止に伴い教員免許更新eラーニング事業が中止となるなど、厳しい局面が続いています。こうした市況のなかでも、グループ会社の(株)ジェイテックスマネジメントセンターが展開する企業向け研修事業は順調に業績拡大し、全体では増収増益となりました。新人研修から労務管理まで、多様なテーマをオンラインで学べるコースウェアが、人的投資の加速を迫られるプライム上場企業のニーズにマッチし、事業成長のブースターとなりました。CGコード改訂やESGの観点から、企業研修の需要は一段と高まると見込まれるため、一層のコンテンツ拡充に注力しています。
〔医療福祉分野〕
売上高:53,401百万円(前年同期比9.6%増)営業利益:2,251百万円(前年同期より308百万円減)
医療福祉分野全体で、持株会社への経営管理料の負担が増加(前期より70百万円増)しており、実質営業利益は前年同期比 238百万円減、△7.3%となります。
※前期は第2四半期に不動産売却益81百万円、第3四半期にコロナ関連助成金230百万円を計上
※光熱費負担増の影響は当累計期間中に275百万円と試算
(単位:百万円)
(高齢者住宅事業)
サ高住は当第3四半期、新規に3棟を開設。累計で182事業所(FC含む)、9,191居室となりました。また、学研グループでは、医療福祉分野においてトップカンパニーを目指して持続可能な街づくりを進めており、グループの教育・医療福祉サービスを結集した「学研版地域包括ケアシステム」拠点を当第2四半期に2か所開設。当第3四半期においては、それら2カ所の新規入居も順調に推移しました。パナソニックグループとの協業拠点である、藤沢SSTに次ぐ第2弾の吹田SSTでは、浴室内での異常検知の見守りシステムや、生活ログ解析によるMCI(軽度認知障害)検知の実証実験を進めるなど、DX領域の技術開発にも注力しており、付加価値の高い多機能拠点として地域でのブランド形成に寄与しながら、学研の存在感を高めております。
その他、既存事業所においてもコロナ禍における効果的な営業手法の浸透・定着が進んだことにより、前期までに出店した事業所が全体を牽引し、入居率は前年同期比で2.9%上昇。こうした取組が奏功し、感染再拡大に伴う通所介護の利用減や、水道光熱費等の高騰によるコスト増を補い、全体では増収増益となりました。
(認知症グループホーム事業)
認知症グループホームは当第3四半期、新規に1棟を開設し、累計286棟となりました。オミクロン株感染拡大下も地域事情に合わせた細やかな営業活動を継続し、入居率は97-98%程度で高位安定しており、増収基調を維持しています。21年9月に開設した、施設利用者向けの調剤薬局事業も順調に成長し、当第3四半期には営業黒字化を果たすなど、全体の売上増にも貢献しています。また、認知症予防領域の事業として立ち上げた、健康・認知症予防のデジタルメディア「健達ねっと」は、認知症関連記事の配信数が日本最大級となり、アクセス数も順調に増加しています。
これら新規事業に伴う先行投資に加え、水道光熱費等のコスト上昇や、前第2四半期に計上した不動産売却益、前第3四半期に受領したコロナ関連助成金による一過性利益などによる影響もあり、既存事業は堅調ながら増収減益となりました。
(子育て支援事業)
保育園の定員充足率は上昇傾向にあり、安定的に推移しています。また、当期は学研の特長を活かし、より魅力的な園運営を目指したリブランディングを進めており、4月には新ブランド「Gakkenほいくえん」のもと、2園をリニューアルオープンしました。運営コストの適正化、不採算園の定員変更や閉園等による収益改善を推し進めたことに加え、課外保育や学童の利用者増も寄与し、増収増益となりました。
〔その他〕
売上高:4,278百万円(前年同期比1.0%減)営業利益:615百万円(前年同期より52百万円減)
新興国向けODAならびにビジネスコンサルティング事業は、海外でのプロジェクトが好調です。グループ全体のDX人材確保や、DX新商材の開発等のDX投資のため、当期に設立した事業会社も順調に推移しています。他方、物流事業は主要顧客の不振影響が大きく、全体でも減収減益となりました。
従来その他に含めておりました当社の全社費用について、実態をより的確に把握するため、その他から除いて調整額として表示しております。
(単位:百万円)
※1 有利子負債=借入金+社債+リース債務
※2 自己資本比率=自己資本÷総資産
※3 DEレシオ=有利子負債÷自己資本
当第3四半期連結会計期間の総資産は、前連結会計年度末に比べ9,646百万円増加し、126,546百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の増加4,158百万円、受取手形及び売掛金の増加1,947百万円、商品及び製品の増加1,239百万円、有形固定資産の増加738百万円、投資有価証券の増加2,188百万円などによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ8,094百万円増加し、77,580百万円となりました。主な増減は、支払手形及び買掛金の減少89百万円、短期借入金の増加800百万円、長期借入金の増加4,651百万円などによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,551百万円増加し、48,965百万円となりました。主な増減は、利益剰余金の増加1,813百万円、自己株式の減少399百万円、その他有価証券評価差額金の減少613百万円などによるものです。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。