当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
なお、重要事象等は存在しておりません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
①市況に関する説明
教育業界では少子化の影響を受けながらも、共働き世帯の増加や人材流動性拡大など社会情勢の変化を受け、新しい需要が生まれています。これらの変化は、政府の「骨太の方針」や「次元の異なる少子化対策」にも反映され、市場拡大の後押しになることが期待されます。特に顕著なのは以下の三つのトレンドです。
一つ目は、学校外学習支出の増加です。物価高騰が進むなかでも特定の領域では教育費用は増えています。首都圏を中心に受験指導の早期化や幼児教育需要、放課後の預かりニーズも拡大しています。
二つ目は、学校・家庭・塾の垣根を超えて学習者にアクセスする教育DXの流れです。学校ではGIGAスクール構想で配布された端末内のコンテンツ改良が進み、学校外では塾などの民間事業者が、オンラインコースやデジタル教材の開発に注力しています。
三つ目は、リスキリング需要の広がりです。多くの業界で人手不足やデジタル・ディスラプションが進むなか、企業向け・個人向けの社会人教育の需要が高まっています。6月に取りまとめられた「骨太の方針」にもリスキリング促進が織り込まれ、1人あたり最大24万円を助成する新制度の開始が発表されました。新たな成長領域を創出し、教育市場全体を活性化する起爆剤として期待されています。
介護業界では、65歳以上の高齢者人口が3,623万人で全人口の29.0%を占め過去最高の割合になるなど、引き続き需要拡大傾向となっています。また、2025年には高齢者人口の5人に1人にあたる約700万人が認知症になるとの推計等を鑑み、認知症の人が尊厳を保持しつつ、社会の一員として尊重される共生社会の実現に向けた「認知症基本法」が6月に可決・成立しました。
この法律では、国や地方公共団体等の責務や認知症施策の推進を定めるだけではなく、国民に対しても認知症に対する正しい知識や理解を深め、共生社会の実現への寄与を明記するなど、社会全体で認知症に注目し、支え合う環境の構築に向けた重要な位置づけとなっています。予防・診断及び治療等に関する学術的な研究の推進や、その成果を広く国民が享受できる環境整備なども盛り込まれ、認知症予防や治療の需要が一層大きくなることが期待されます。
事業環境としては、電気・ガス価格の激変緩和措置等により、光熱費の上昇は一定程度落ち着きを見せているものの、家庭用電気料金については6月より14~42%の値上げを電力会社が発表するなど、予断を許さない状況が続いています。食材や生活必需品の価格高騰も続いており、各事業者の経営環境に大きな影響を及ぼしています。新規開設についても、建築費の高止まりから事業化を見送るケースが散見されるなど、投資サイドも慎重な判断を余儀なくされています。
②経営成績に関する説明
上述のような市況において、当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高119,361百万円(前年同期比2.0%増)、営業利益3,307百万円(前年同期より1,477百万円、30.9%減)、経常利益3,486百万円(前年同期より1,523百万円、30.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,153百万円(前年同期より1,693百万円、59.5%減)となりました。
教育分野は、主に出版事業の販売不振、返品率の悪化、原価高などにより減収減益となりました。「地球の歩き方」やeラーニング事業は好調が続いているものの、児童書・学習参考書・塾教材等の販売実績が前年に対して悪化し、教育分野全体の収益を押し下げました。
医療福祉分野は、前期の不動産売却による一過性売上がなく反動減となったことや、光熱費・食材費などの価格高騰による影響がありながらも、新規拠点の積極的な開設と好調な入居が寄与し、高齢者住宅事業、認知症グループホーム事業ともに増収増益となりました。子育て支援事業は保育所の定員充足率は好調であるものの、人件費や新規事業開発に係る費用が増加し、わずかに減益となりました。
(単位:百万円)
〔教育分野〕
売上高:57,268百万円(前年同期比3.5%減)営業利益:1,956百万円(前年同期より1,331百万円、40.5%減)
(単位:百万円)
(教室・塾事業)
教室事業では、学研教室と幼児教室の新年度会員獲得が低調となったことから収益が伸び悩み、当第3四半期累計では減収減益となりました。幼児・児童数の減少傾向が続くなか「学研教室オンライン」や「ことばパーク」など新たなオンラインサービスも立ち上がり、デジタルサービスの需要は拡大基調にあります。
塾事業は、当第3四半期累計では減収減益となりました。さる5月8日より感染症法上の新型コロナの位置づけが5類に引き下げられたものの、小中学生の通塾開始時期が例年より遅れ、新年度生の獲得が低調となったことが主な要因です。他方で、自治体における教育課題解決支援に取り組む事業や、海外在住の日本人のお子様を対象とした海外塾などは堅調な業績を維持しています。
(出版コンテンツ事業)
出版事業は昨秋以降、児童書・学習参考書・塾教材を中心に販売実績が低調に推移しており、当第3四半期累計では減収減益となりました。「地球の歩き方」は引き続き好調に推移したほか、新学期商戦以降に学習参考書では回復の兆しが見られたものの、返品率上昇や児童書の伸び悩み、用紙代高騰に伴う原価高が重なり収益を押し下げました。
医学・看護事業では、ネット書店における出版物の販売や電子書籍の売上が伸張しています。看護師向けeラーニングの契約病院数は2,577病院(前年同期比293病院増)となり順調に売上を伸ばしましたが、新コンテンツ開発費用の増加などにより、全体では増収減益となりました。
出版以外の事業では、体験型英語学習施設 Tokyo Global Gatewayは、学校利用が回復傾向にあり増収となりました。新規施設の開設費用や新プログラム開発費用の増加がありながら、利益面でも増益を確保しました。トイ事業は、市況の不振と円安影響に起因する原価高が重なり減収減益となりました。オンライン英会話「Kimini」事業は利用者数の伸張に加え、価格改定も相まって収益とも大幅増となったことなどから、全体でも増収増益となりました。
(園・学校事業)
幼児教育は減収減益となりました。新設園の減少に伴い大型遊具や備品の販売が伸び悩んだことに加え、先生向けのエプロンなど、利益率の高いアパレル商材の不調が収益を押し下げています。一方で、中核商材の一つである園向け月刊誌「つながるえほん」については新年度以降も増売施策を継続しており、順調に推移しています。
学校教育では、副読本や小論文模試などが堅調に推移しているものの、収益の基盤となる小中学校の教科書事業が教科書採択の端境期にあたっているため、教師用指導書の売上がなく全体では減収減益となりました。
社会人向けの教育では、採用支援事業や人的資本への投資を進める上場企業向けの研修事業などを展開しています。急速な需要増に応えるべく新コンテンツ開発を進めているものの、顧客数増に至らず減収減益となりました。
〔医療福祉分野〕
売上高:57,721百万円(前年同期比8.1%増)営業利益:2,451百万円(前年同期より200百万円、8.9%増)
※光熱費負担は2,628百万円(前年同期より623百万円増/既存店比較、サ高住と認知症GH合算)
(単位:百万円)
(高齢者住宅事業)
サービス付き高齢者向け住宅は当第3四半期、新規に3拠点を開設し、累計で199拠点(FC含む)となりました。居室数は10,000居室の大台を突破し10,258居室となりました。一部、人手不足による工期の長期化や、建設費の高止まりなど外部環境の影響はあるものの、引き続き積極的な新規開設を進めています。入居率も高水準を維持しており、新規開設を続けながらも過去最高水準の95.6%(前年同期比1.1%ポイント増)となりました。足もとでは光熱費、食材費など物価高騰に伴う収益圧迫要素はあるものの、光熱費増についてはお客様への協力金の導入及び助成金受給、その他不急経費の削減等により補完できています。加えて新型コロナ関連助成金の受領手続きも概ね完了したことから、当第3四半期累計では増収増益を達成しました。
(認知症グループホーム事業)
認知症グループホームは当第3四半期、新規に5棟を開設し、累計で303棟、5,786居室となりました。M&Aによる事業所承継も積極的に進めており、通期で12~15棟の新規開設計画に対して既に11棟を開設し、順調に進捗しています。入居率も97%程度で高位安定し、増収基調を維持しています。光熱費・食材費等の高騰影響を受けながらも、価格改定とコストコントロールにより利益を確保し増収増益となりました。
(子育て支援事業)
子育て支援事業では、4月に行った定員変更などもあり、6月末の保育園定員充足率は94.4%(前年同期比2.6%ポイント増)と、園児数は順調に推移しています。学童事業も4月に新たに3拠点の運営を受託するなど好調に推移しており、大幅な増収となりました。利益面では人件費や新規事業開発費等が増加し、わずかに減益となりました。
〔その他〕
売上高:4,371百万円(前年同期比2.2%増)営業利益:334百万円(前年同期より280百万円、45.6%減)
グローバル事業では売上の大半を占める新興国向けODAの案件公示が今秋以降にずれこみ、新規案件獲得が前期好調の反動減となりましたが、ベトナムなど戦略地域におけるパートナーとの協業は着実に進行しています。デジタル領域においては、㈱Gakken LEAPが社会人のリスキリング学習を支援するウェブサービス「Shikaku Pass」の販売を今春から開始しました。その他事業全体では、物流事業の受注増などにより増収となりましたが、利益面ではデジタル・グローバル関連の人件費や開発費等の増加に伴い、減益となりました。
(単位:百万円)
※1 有利子負債=借入金+社債+リース債務
※2 自己資本比率=自己資本÷総資産
※3 DEレシオ=有利子負債÷自己資本
当第3四半期連結会計期間の総資産は、前連結会計年度末に比べ5,842百万円増加し、129,524百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の減少1,430百万円、受取手形及び売掛金の増加959百万円、商品及び製品の増加146百万円、有形固定資産の減少226百万円、投資有価証券の増加4,946百万円などによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ4,505百万円増加し、79,299百万円となりました。主な増減は、支払手形及び買掛金の増加406百万円、短期借入金の増加2,800百万円、長期借入金の増加1,482百万円などによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,336百万円増加し、50,224百万円となりました。主な増減は、利益剰余金の増加79百万円、その他有価証券評価差額金の増加1,122百万円などによるものです。
当第3四半期連結会計期間において、新たに締結した経営上の重要な契約等は次のとおりであります。
業務・資本提携契約