第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当事業年度における我が国経済は、年初から株安・円高が進み、熊本地震もあって、前半は個人消費が伸び悩みました。政府による公共事業の前倒し実施や、英国のEU離脱ショックを経て、日銀による金融政策の一段の緩和などの政策が実施されました。その後、米国大統領選挙が予想外の結果になり、急速に円安・株高が進みました。また、人手不足の状況が続き、政策の後押しもあって賃金が上昇し、個人消費の改善が見られました。これらにより、後半は緩やかな回復に移行したものと思われます。

 フォーム印刷業界におきましては、社会全体が更なるペーパーレスに向かいつつも、新聞折り込み広告に代わるダイレクトメールの効果を見直す動きなど、底堅い需要もありました。マイナンバー制度については、公的部門で本格運用が始まり、金融機関の対応期限も定められましたが、印刷物の本格的な需要喚起には至りませんでした。

 このような情勢のもと、当社は営業部門におきましては、データ処理関連部門では、特にマイナンバー関連ビジネスの取り込みを狙い、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)関連業務の受託に注力し、フォーム印刷、データ・プリント業務をはじめ、関連サービスを併せた売上増強を図りました。

 製造部門におきましては、メーリングサービス関連機器の増強のほか、一層の省力化・人員配置の効率化に努めました。

 また、セキュリティ委員会を通じて、情報セキュリティ対策を強化すると共に、内部統制、ISO、個人情報保護の諸活動を通じて各製造工程の質的な見直しを図り、社員教育を繰り返し行いました。

 以上のとおり、営業・製造・管理各部門においてそれぞれの体質強化策を推進してまいりました結果、売上高は6,992百万円(前期比0.1%増)となり、経常利益221百万円(前期比5.6%増)、当期純利益157百万円(前期比2.1%減)となり、前事業年度に比べ増収・減益となりました。

(2)キャッシュ・フローの状況

 当事業年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ159百万円増加し、826百万円となりました。
 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果得られた資金は454百万円(前年同期比49百万円の減少)となりました。これは主として税引前当期純利益244百万円、減価償却費314百万円、売上債権の減少額190百万円、仕入債務の減少額179百万円及び法人税等の支払額112百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は40百万円(前年同期比255百万円の減少)となりました。これは主として有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出59百万円、投資有価証券の取得による支出407百万円及び投資有価証券の売却・償還による収入431百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は255百万円(前年同期比5百万円の減少)となりました。これは主として配当金の支払104百万円及びリース債務の返済による支出150百万円によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

製品区分

生産高(千円)

前年同期比(%)

ビジネスフォーム

2,845,584

109.4

一般帳票類

1,499,911

102.7

データプリント及び関連加工

2,429,491

104.6

合計

6,774,987

103.2

(注)1 当社は単一セグメントであるため、製品区分別に記載しております。

2 金額は販売価格で表示しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)商品仕入実績

製品区分

金額(千円)

前年同期比(%)

サプライ商品

245,327

94.6

(注)1 当社は単一セグメントであるため、製品区分別に記載しております。

2 金額は実際仕入額で表示しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)受注実績

製品区分

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ビジネスフォーム

2,828,012

99.8

144,230

111.5

一般帳票類

1,505,459

103.5

10,708

207.5

データプリント及び関連加工

2,412,956

104.5

34,235

207.5

合計

6,746,427

102.3

189,173

125.3

(注)1 当社は単一セグメントであるため、製品区分別に記載しております。

2 金額は販売価格で表示しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(4)販売実績

製品区分

販売高(千円)

前年同期比(%)

ビジネスフォーム

2,813,115

97.0

一般帳票類

1,499,911

102.7

データプリント及び関連加工

2,395,219

103.1

サプライ商品

284,746

95.1

合計

6,992,991

100.1

(注)1 当社は単一セグメントであるため、製品区分別に記載しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自  平成27年1月1日

至  平成27年12月31日)

当事業年度

(自  平成28年1月1日

至  平成28年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱大和総研ビジネス・イノベーション

800,381

11.5

810,301

11.6

    (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

 米国新大統領による財政政策や、英国のEU離脱に向けた具体的な政策動向の推移が注目されるほか、OPECによる減産合意の成立後に原油価格が上昇したことから、ロシア、ブラジル等の資源国において経済回復が期待されます。とはいえ、欧州における難民問題は解決策が見出せない状況が続いており、保護主義的な姿勢が強まれば、世界貿易の縮小につながるリスクもあります。中国の減速する経済に対する下支え政策の動向、韓国の政治的な混乱が、わが国経済面にも影を落としており、景気回復の道筋は依然不確実と考えられています。

 フォーム印刷業界におきましては、今後本格的化するマイナンバー制度の運用や、人手不足に伴うアウトソーシングの動きも、ビジネスチャンスと捉えて活動しております。もとより環境やセキュリティ等を踏まえた総合的な品質を確保することも当然の前提であり、経営環境は引き続き難しいものと考えられます。

 このような情勢の中で、当社は営業面におきましては、顧客ニーズの変化に迅速に対応する、総合的かつ具体的なソリューション提案を行い、ビジネスフォームと情報処理の技術を総合的に組み合わせて新しいサービスに結びつけるような活動を積極的に進めてまいります。特にBPOの分野で、顧客層の拡充と付加価値の高いサービスの提供を図りたいと考えております。

 生産面では、一段の省力化投資による生産機能のレベルアップを通じて新しいサービスの提供力向上を目指すと共に、人員・設備の効率的再配置により、原価率のさらなる低減に努めてまいります。また、内部統制やISO活動・個人情報保護活動を通じて、社会的にも関心の高い法令遵守やセキュリティ・環境・女性活躍推進・長時間労働削減への取り組みといった企業の社会的責任を果たしてまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

 投資者の判断に重要な影響を及ぼす主な事項は、以下のようなものがあります。なお下記におけるリスク項目は、全てのリスクを網羅したものではありません。また、本文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

(1)景気動向による影響

 当社は官公庁、証券、金融、生損保一般事業会社等幅広い業種にわたり多くの顧客との取引を行っております。国内景気の変動、消費動向やそれらに伴う顧客サイドのビジネス環境により、受注量の減少や受注単価の低下等業績に影響が生じる可能性があります。

 

(2)ビジネスフォーム市場変化の影響

 コンピュータ用事務帳票類等の従来型のビジネスフォーム市場は、デジタル化・ネット化が進む中で、縮小傾向にあります。当社の売上高においてデータ出力関連売上高の比率が高まっているとはいえ、ビジネスフォームはまだ主要部分を占めており、その市場変化への対応を著しく損ねた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)原材料の価格変動

 当社主要製品の材料は印刷用紙であります。安定的な量の確保と可能な限りの低価格での仕入に努めております。しかしながら、石油価格や海外チップ・パルプ市場動向などにより製紙メーカー等の仕入価格が上昇し、製造コストの削減で補いきれない場合や、販売価格に転嫁できない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)情報のセキュリティ

 個人情報の取扱いについては重要な経営課題の一つとして位置づけ、平成14年6月に個人情報保護方針を制定し、一般財団法人日本情報経済社会推進協会のプライバシーマーク使用の許諾(いわゆるプライバシーマーク)については、平成15年3月に認定を受け、平成27年3月に6度目の更新認定を受けております。

 情報漏洩の可能性は皆無と信じておりますが、想定を超えた条件の中での事故が発生した場合、お客様から損害賠償請求等の事態がおこる可能性があります。

 顧客情報の取扱いについては、今後とも設備及びシステム上での安全管理体制と人的管理措置を整備する等万全を期してまいります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態

① 資産

 当事業年度末の総資産は前事業年度末に比べて139百万円減少し、9,116百万円となりました。うち流動資産は2,271百万円(前年同期比12百万円の増加)、固定資産は6,845百万円(前年同期比152百万円の減少)となりました。流動資産の主な増加要因は、売上債権が190百万円減少したものの現金及び預金が159百万円、立替金が30百万円、有価証券が17百万円増加したこと等によるものであります。また固定資産の主な減少要因は、有形固定資産が103百万円、投資有価証券が38百万円減少したこと等によるものであります。

 

② 負債

 当事業年度末の負債は前事業年度末に比べて181百万円減少し、2,193百万円となりました。うち流動負債は1,409百万円(前年同期比148百万円の減少)、固定負債は783百万円(前年同期比32百万円の減少)となりました。流動負債の主な減少要因は、未払金が21百万円、リース債務が16百万円増加したものの仕入債務が174百万円、未払法人税等が16百万円減少したこと等によるものであります。また固定負債の主な減少要因は、リース債務が28百万円、繰延税金負債が13百万円減少したこと等によるものであります。

 

③ 純資産

 当事業年度末の純資産は前事業年度末に比べて41百万円増加し、6,922百万円となりました。うち株主資本は6,761百万円(前年同期比53百万円の増加)、評価・換算差額等は161百万円(前年同期比11百万円の減少)となりました。株主資本の主な増加要因は、利益剰余金が53百万円増加したことによるものであります。評価・換算差額等の主な減少要因は、その他有価証券評価差額金が11百万円減少したことによるものであります。

 

(2)経営成績

 当事業年度の売上高は前事業年度に比べ9百万円増加の6,992百万円、売上原価は前事業年度に比べ15百万円減少の5,689百万円となりました。この結果、営業利益は前事業年度に比べて0百万円増加の216百万円となりました。

 営業外損益は前事業年度に比べて10百万円増益の5百万円となりました。これは、受取利息・配当金や受取保険料等による営業外収益が38百万円、支払利息等による営業外費用が32百万円計上されたことによるものであります。この結果、経常利益は前事業年度に比べて11百万円増加の221百万円となりました。

 特別損益は前事業年度に比べて10百万円減益の22百万円となりました。これは、投資有価証券売却益等による特別利益が26百万円、投資有価証券売却損等による特別損失が3百万円計上されたことによるものであります。この結果、当期純利益は前事業年度に比べて3百万円減少の157百万円となりました。

 

(3)キャッシュ・フロー

 当事業年度のキャッシュ・フローは、営業活動で得た資金454百万円を、投資活動に40百万円及び財務活動に255百万円使用しました。その結果、当事業年度の現金及び現金同等物の残高は、前年同期に比べ159百万円増加し、826百万円となりました。

 なお、詳細につきましては「第2[事業の状況]1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。