第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)  会社の経営の基本方針

当社は、ディスクロージャー関連書類印刷の専門会社として60年余の歴史を歩み、現在では、お客様のディスクロージャーとIRに関するあらゆるご要望をサポートする「ディスクロージャー情報サービス」会社となっております。創業以来「顧客第一」の実践を図るべく、常に知識と技術の研鑚に努め、「正確・迅速・機密保持」をモットーに幅広いディスクロージャー関連のサービスを提供し、お客様のニーズに的確にお応えしてまいりました。
 当社は、この専門性を生かしながら、高品質のディスクロージャー情報サービスの提供を企業理念とし、情報化時代の新たなディスクロージャーのあり方に係わる問題解決に取り組みながら、「お得意様に感動していただける最善のサービスの提供」を社訓として、お客様との信頼関係の深耕に努め、ディスクロージャー事業の深化と拡大により業績の向上を図るとともに、コンプライアンス、社会環境や安全性に十分配慮し、企業価値の向上に努めることを経営の基本方針としております。

 

■経営理念と行動規範

 


 

(2)  経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社は、「効率化経営を展開し、高収益体質の維持・強化を図る」ことを経営方針の一つに掲げており、収益性と資本効率を重視する観点から「営業利益」と「自己資本利益率(ROE)」を目標数値とし、常に収益の改善に努め、コスト削減意識をもって企業経営に取り組んでおります。

なお、2017年7月3日に公表した2018年5月期から2020年5月期までの「新・中期経営計画2020」においては、ROE8%を安定的に達成する体質とし、計画最終年度の2020年5月期においてはROE9%とする目標を掲げております。

 

■「新・中期経営計画2020」の内容


 

(3)  経営環境および中長期的な会社の経営戦略

当社主要事業であるディスクロージャー関連の事業環境はこれまで、金融庁の電子開示制度EDINETの改訂、金融関連商品に対するディスクロージャーの詳細化、会社法の制定に伴う会社・株式制度の改革及び株主総会のIT化の促進、企業のIR活動の拡充、コーポレート・ガバナンスの充実、CSR情報の開示、四半期報告制度の導入など、近年、大きく変化いたしました。また、EDINETの高度化やIFRSの適用など、更なる環境の変化が見込まれ、足元ではスチュワードシップ・コードおよびコーポレートガバナンス・コードの適用が始まるなど、大きく、激しく変化しております。
  このような環境の中、当社は、ディスクロージャーの充実と強化ならびに迅速化を図るため、効率的で使いやすい法定開示書類作成支援ツールの提供など、お客様のご要望に的確に対応することにより、最善のサービスを提供し、下記の基本理念・基本方針に則り、事業の拡大と深化に努めてまいります。

①  基本理念
  当社はディスクロージャーのパイオニアとして「e-Disclosure Solutions」を基本コンセプトに掲げ、「グローバルなファイナンシャルサポート企業」と「ディスクロージャー&IRのオンリーワン企業」を目指し、企業としての社会的責任を果たすとともに、海外にも眼を向けつつ、お客様の企業価値の向上とディスクロージャー制度の発展とともに成長してまいります。

②  基本方針

イ.当社は、ディスクロージャー関連サービスを専門領域としてビジネスの発展を遂げてまいりました。今後もこの分野を基盤にしていく基本姿勢を堅持し、EDINETやIFRSへ積極的に対応するほか、新規事業開拓・育成を行い、領域の深化に努め、新しいディスクロージャー分野の開拓を通じ、また、海外にも留意しつつ、領域の拡大を図ります。

ロ.当社は、効率化経営を展開し、高収益体質の維持・強化を図り、企業価値の増大に努めるとともに高品質な製品の制作を提供してまいります。

ハ.当社は、環境保全への配慮、個人情報の保護及びインサイダー情報の管理、コンプライアンスの徹底、雇用を通じた社会貢献に努め、CSR経営を実践してまいります。

 

(4)  会社の対処すべき課題

①  開示書類の信頼性向上

お客様のニーズを的確に捉え、ディスクロージャー関連法令等の改正に関するアドバイスや原稿作成に関するコンサルティング、効率的で使いやすい法定開示書類作成支援ツールの提供など、従来の業務のクオリティを大きく改善し、お客様の信頼に応えてまいります。

お客様に満足していただくサービスの提供を通じて、信頼性の向上を図り、法定開示書類、任意開示書類の受注拡大を目指してまいります。

②  IPOにおける受注強化

IPOでのシェアは、その後の法定開示書類のシェアに直結し、売上獲得の安定性を左右してまいりますため、今後とも、IPOにおける受注強化を目指してまいります。

③  株主総会プロセスの電子化への対応

当社は、法令に則った株主総会招集通知を作成し、お客様企業の事業内容等を分かりやすく株主に伝えるという本質的な部分での当社の優位性は、一般印刷業者と一線を画しているものと考えていますが、株主総会招集通知の電子化等に対応する新サービスの開発ならびに会社法関連製品の販売増ないし他品目での売上獲得などの対応に取り組んでまいります。

④  新規事業の開拓と育成

当社が更に飛躍するためには、新規事業の開拓と育成が必要と考えております。

当社は、「グローバルなファイナンシャルサポート企業」を目指しており、国内企業の海外展開に必要な法定開示書類の作成、開示、翻訳の支援を強化すること、更には、今後も増加が見込まれるIFRSの任意適用企業に向けて、IFRSに関する情報の提供やコンサルティングに注力するとともに、IFRSに対応した決算・開示の自動化を進める当社グループのシステムの拡販を進めてまいります。

⑤  グループ経営の強化

当社グループは来たる2020年に向けて中期経営計画を策定・公表しております。この目標を達成するには、宝印刷グループが一丸となって各社の強みを発揮していかなければならず、経営資源を集約して収益拡大を図り、企業価値の最大化を目指してまいります。

 

(5)  会社の支配に関する基本方針

①  基本方針の内容の概要

当社は、当社株式について大量買付がなされる場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありませんが、当社の企業価値が毀損され、株主の皆様にとって不本意な形で不利益が生じる可能性があると判断されるような当社株式の大量取得行為や買付提案を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えます。

したがって、当社は、当社株式に対する買付が行われた際に、株主の皆様が買付に応じるか否かを判断するためや取締役会が代替案を提案するために、必要な情報や時間を確保したり、買付者と交渉を行うことを可能とすること等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する買付行為を抑止するための枠組みが必要であると考えております。

②  取組みの具体的な内容の概要

イ  会社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み

当社グループはこれまで進めてきた中期経営計画およびCSR経営を引き続き継続するとともに、攻めの経営を断行することにより持続的成長を実現させてまいります。

当社は、株式公開を目指した1988年頃から組織的な運営を行うため、諸規程の整備、運用、文書化の推進および内部監査を行い業務の改善に努めるとともに、利益計画を作成してまいりました。その精度を更に高めるため当社を取り巻く内部環境および外部環境の分析を基に、各ステーク・ホルダーにも配意した経営計画の必要性を感じ、中期経営計画を策定することといたしました。その後、社会・環境・経済のトリプル・ボトムラインを意識した目標を加え、継続的に中期経営計画を策定しております。

その実行計画として各年度予算を策定し、全社的な目標を設定のうえ、各部門でその具体策をまとめ、社訓とともに、これに則した経営を展開し、着実な成長を実現してまいりました。

一方で、当社は、機密性または秘匿性の高い企業のディスクロージャー書類の印刷等を専門とする会社でありますので、専門的な知識はもとより、情報管理体制、品質管理体制などが重視されます。そのため、当社はプライバシーマークの認証を全社で取得するとともにISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証を範囲を限定して取得するほか「森林認証」、日本印刷産業連合会が認定するグリーンプリンティング、または印刷部浮間工場においてISO品質規格(ISO9001)、環境規格(ISO14001)を取得し、それぞれが要求するマネジメントシステムをCSR運用マニュアルとそれに付随する各種の規程を定め、一体化して運用しております。

ロ  基本方針に照らして不適切な者が支配を獲得することを防止するための取組み

当社は、2007年8月23日開催の当社第70回定時株主総会において、当社の企業価値および株主共同の利益を確保し、または向上させることを目的として、株主の皆様のご承認をいただき、当社株式の大量買付行為に関する対応策(買収防衛策)を導入いたしました。その後、3年毎の4回の定時株主総会の決議に基づき継続しており、直近では、2019年7月9日開催の取締役会において当社株式の大量買付行為に関する対応策(買収防衛策)を継続することを決議し、2019年8月23日開催の当社第82回定時株主総会にて株主の皆様のご承認をいただきました。(以下、「本プラン」といいます。)

仮に当社株式に対する買付その他これに類似する行為またはその提案(以下総称して「買付」といいます。)が行われた場合、買付を行う者またはその提案者(以下総称して「買付者」といいます。)に対し、遵守すべき手続を明確にし、株主の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報および時間ならびに買付者との交渉の機会の確保をしようとするものであります。当社は、基本方針に照らして、当社の企業価値および株主の皆様の共同の利益を明白に侵害するおそれのある買付者によって、当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値が毀損され、株主の皆様にとって不本意な形で不利益が生じることを未然に防止しようとするものであります。

 

③  取組みの具体的な内容に対する当社取締役会の判断およびその理由

イ  買収防衛策に関する指針の要件をすべて充足していること

本プランは、基本方針に沿い、関係諸法令、裁判例、株式会社東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る規則および「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」(平成17年5月27日  経済産業省・法務省)の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性確保の原則)、ならびに「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」(平成20年6月30日  企業価値研究会)の定める指針の内容を充足するものです。

ロ  株主意思の重視

本プランは、取締役会において決議を行い、株主総会に付議し株主の皆様の承認をいただき、導入しております。

また、本プランの有効期間は約3年間に限定されていること、さらに、取締役の任期は1年とされていることから、取締役の選任議案を通じても、1年ごとに株主の皆様のご意思が反映されることになります。

ハ  独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示

本プランでは、取締役を監督する立場にある社外取締役、社外監査役または弁護士・大学教授等の社外有識者からなる特別委員会を設置し、取締役会は特別委員会の勧告に従い本プランの発動または不発動を決議するという手続を採用することにより、当社経営陣の恣意的判断を排し、当社の企業価値および株主共同の利益の維持・向上に資する公正な運営が行われる仕組みが確保されております。

また、特別委員会の判断の透明性を一層高めるため、買付者から提出された買付説明書の概要、買付者の買付内容に対する取締役会の意見、代替案の概要、その他特別委員会が適切と判断する事項を、原則として株主の皆様に対し速やかに情報開示を行うことといたしております。

ニ  本プラン発動のための合理的な客観的要件の設定

本プランは、あらかじめ定められた合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されております。これにより、取締役会による恣意的な発動が防止される仕組みになっております。

ホ  第三者専門家の意見の取得

特別委員会は、当社の費用で、公認会計士、弁護士、コンサルタント、フィナンシャル・アドバイザー等の専門家など、独立した第三者の助言を得ることができるため、特別委員会による判断の公正さ、客観性は一層強く担保されるといえます。

ヘ  デッドハンド型・スローハンド型の買収防衛策ではないこと

本プランは、その有効期間の満了前であっても、取締役会の決議によって廃止することができるため、いわゆるデッドハンド型買収防衛策ではありません。

また、当社の取締役の任期は1年であり、期差任期制ではありませんので、いわゆるスローハンド型の買収防衛策でもありません。

当社株式の大量買付行為に関する対応策(買収防衛策)の詳細につきましては、当社ホームページ(https://www.takara-print.co.jp/ir/policy/defense-measures/)に記載しておりますので、ご参照願います。

 

 

2 【事業等のリスク】

当連結会計年度末において当社が認識している経営成績、財政状況及びキャッシュ・フロー等に影響を及ぼす可能性のあるリスク及び変動要因は以下に記載するとおりですが、当社では、これらリスクの発生に伴う影響を極力回避するための努力を継続してまいります。

①  情報の管理

当社が取扱うお客様のデータの中には、インサイダー取引規制に該当するものも含む開示前機密データや個人情報があり、万一情報漏洩や情報流出が生じた場合は、当社の信用および業績に影響を与える可能性があります。このため、当社においては、プライバシーマーク認証の取得や情報セキュリティに対応するためのISMS認証を範囲を限定して取得するなど、システムと運用の両面で整備、強化するとともに、インサイダー取引管理規程をはじめとする諸規程を制定し、従業員教育を徹底するなど機密保持に努めております。

お客様に対するサービス内容は、EDINETをはじめとしたディスクロージャーのIT化の流れを踏まえ、IT技術を有効に活用したものとなってきております。そのため、当社は情報漏洩の事故防止の観点からお客様の情報セキュリティの確保を最重要課題と位置づけ、より強固な管理体制の構築に努めております。

また、当社内の資料等につきましても、情報管理規程の見直しを行い、更にその施行細則である情報管理実行マニュアルを制定・運用し、情報の管理に努めております。

②  ディスクロージャー関連法令等の改正及び会計基準の変更による影響

当社事業の根幹であるディスクロージャー関連書類の多くは、金融商品取引法および会社法に基づいて作成されておりますが、近年は投資家保護の観点等から、より適切な開示内容が求められ、法律や関連する諸制度の改正が頻繁に行われております。

また、わが国の会計基準はIFRSとのコンバージェンスを進め、ここ数年、数多くの改正が行われ、引き続き様々な検討がなされております。

さらに、株主総会プロセスの電子化に係る議論が進められ、当社の主要な製品である株主総会招集通知の印刷に対しても何らかの影響が予想されるところであります。

これらの改正等により、当社が受注しているディスクロージャー関連書類は、記載内容の変更等に伴いページ数や必要部数の増減が生じるなど、当社の売上に影響を与えることがあります。

EDINETの高度化など、ディスクロージャーの開示手段及び方法も度々変更されており、大規模なシステム改修を行うことによって、お客様のディスクロージャー実務の支援を継続しなければならない場合もあります。

当社は、このような改正の動向を一早く把握し、対応策を素早く講ずることができるよう、常にディスクロージャー制度や会計基準に関するあらゆる情報を収集・分析するとともに、社内各部署と十分に情報共有を行い対応しております。

③  退職給付関係

退職給付に係る負債は、退職給付債務と年金資産の動向によって変動しますが、数理計算上の仮定に変動が生じた場合、又は運用環境の悪化等により年金資産が減少した場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。

④  株式市場からの影響

当社が専門領域としているディスクロージャー関連書類の作成につきましては、有価証券報告書や株主総会招集通知などの継続開示書類と、株式の新規上場時の申請書類やファイナンスに関する書類などの不定期開示書類とがあります。このうち不定期開示書類関連の受注につきましては、株式市場の影響を受け、当社の売上及び利益は大きな影響を受けることがあります。

当社は、この影響を軽減するため、継続開示書類を積極的に受注すべく営業活動を展開し、お客様のニーズに的確に応えるサービスの提供に努めることにより、業績の安定を目指しております。

また、上場会社数の減少は、当社にとってお客様の減少に繋がることから、売上及び利益の減少要因となります。

⑤  売上高の季節的変動

当社の売上高は、お得意様の決算期が3月に集中していることに伴い季節的変動があり、第1四半期(6月~8月)の売上高が他の四半期に比べて高くなる傾向があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号  平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用情勢や所得環境の改善が続き、緩やかな回復基調で推移しました。一方で米中貿易摩擦への懸念等、海外経済の不確実性の高まりにより先行き不透明な状況となりました。

こうした状況のもと、当社のディスクロージャー関連事業に関係が深い国内株式市場においては、好調な企業業績や円安進行を受けて日経平均株価が24,000円台まで上昇する場面もありましたが、米政権の運営不安等により一時19,000円を割り込むなど、不安定な動きで推移しました。

このような事業環境において、当社グループは法定開示書類作成支援ツールの他、コーポレートガバナンス・コードの適用を受けて情報開示を強化した株主総会関連商品等の拡販および各種ディスクロージャー書類の翻訳ニーズの取り込みによる受注増加に注力してまいりました。

その結果、当連結会計年度の売上高は18,257百万円(前連結会計年度比2,465百万円増、同15.6%増)となりました。利益面については、営業利益は1,780百万円(同245百万円増、同16.0%増)、経常利益は1,904百万円(同225百万円増、同13.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,236百万円(同125百万円増、同11.3%増)となりました。

 

当社グループは、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、ディスクロージャー関連事業の単一セグメントでありますが、売上高につきましては、金融商品取引法関連製品、会社法関連製品、IR関連製品、その他製品に区分して記載しております。

・金融商品取引法関連製品

目論見書の売上増加および法定開示書類作成支援ツール「X-Smartシリーズ」の導入顧客数が増加したことにより、売上高は6,688百万円(同636百万円増、同10.5%増)となりました。

・会社法関連製品

株主総会招集通知の売上および関連文書の翻訳の受注が増加したことにより、売上高は4,395百万円(同228百万円増、同5.5%増)となりました。

・IR関連製品

統合報告書等の売上が増加したことにより、売上高は4,400百万円(同277百万円増、同6.7%増)となりました。

・その他製品

株主優待関連の売上増加や、当連結会計年度より株式会社イーツー、株式会社十印およびTOIN USA INC.を連結の範囲に含めたことなどにより、売上高は2,772百万円(同1,322百万円増、同91.1%増)となりました。

 

当連結会計年度より、従来「その他製品」に区分しておりました「コンサルティング」をその内容に合わせて「金融商品取引法関連製品」「会社法関連製品」「IR関連製品」に変更しており、前連結会計年度の数値を変更後の売上区分に組み替えて比較しております。

 

 

また、当連結会計年度における財政状態の概況は次のとおりであります。

・資産

流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,954百万円(17.8%)増加し、12,910百万円となりました。これは、現金及び預金が1,093百万円、受取手形及び売掛金が698百万円それぞれ増加したことなどによります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて527百万円(6.0%)増加し、9,291百万円となりました。これは、のれんが388百万円増加したことなどによります。

この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて2,481百万円(12.6%)増加し、22,201百万円となりました。

・負債

流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,437百万円(37.5%)増加し、5,275百万円となりました。これは、買掛金が286百万円、「その他」に含まれております未払金が454百万円それぞれ増加したことなどによります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて228百万円(17.1%)増加し、1,567百万円となりました。これは、長期借入金が429百万円増加したことなどによります。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,666百万円(32.2%)増加し、6,842百万円となりました。

・純資産

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて814百万円(5.6%)増加し、15,359百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上1,236百万円、剰余金の配当558百万円による減少などによります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1,093百万円(16.2%)増加し、7,840百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

・  営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果得られた資金は1,800百万円(前連結会計年度比21.1%増)となりました。

収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,912百万円および減価償却費624百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額463百万円および法人税等の支払額579百万円であります。

・  投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は777百万円(前連結会計年度比8.5%減)となりました。

収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入14百万円および投資事業組合からの分配による収入28百万円であり、支出の主な内訳は、無形固定資産の取得による支出451百万円および連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出323百万円であります。

・  財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は29百万円(前連結会計年度比93.8%減)となりました。

収入の主な内訳は、長期借入れによる収入560百万円であり、支出の主な内訳は、配当金の支払額557百万円であります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループは、「第5  経理の状況 1 連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりディスクロージャー関連事業の単一セグメントでありますが、生産、受注及び販売の実績につきましては、金融商品取引法関連、会社法関連、IR関連、その他の4製品区分別に記載しております。

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績を製品区分別に示すと、次のとおりであります。

製品区分別の名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

金融商品取引法関連

6,688,358

10.5

会社法関連

4,395,732

5.5

IR関連

4,400,896

6.7

その他

2,772,823

91.1

合計

18,257,811

15.6

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績を製品区分別に示すと、次のとおりであります。

製品区分別の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

金融商品取引法関連

7,447,814

12.7

2,307,230

14.6

会社法関連

4,332,332

7.4

741,258

△7.9

IR関連

4,435,067

5.1

1,443,585

2.4

その他

2,469,941

78.2

532,201

44.2

合計

18,685,156

15.0

5,024,275

9.3

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績を製品区分別に示すと、次のとおりであります。

製品区分別の名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

金融商品取引法関連

6,688,358

10.5

会社法関連

4,395,732

5.5

IR関連

4,400,896

6.7

その他

2,772,823

91.1

合計

18,257,811

15.6

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.最近2連結会計年度において、総販売実績の10%以上を占める販売顧客に該当するものはありません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①  重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産および負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
 当社グループの連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a. 経営成績の分析

当連結会計年度におけるわが国経済は、海外情勢の影響等により先行き不透明な状況が続いておりますが、国内株式市場においては、好調な企業業績を背景に上昇し、2018年9月には日経平均株価が24,000円台の高値をつけました。その後は米政権の運営不安等により一時19,000円を割り込むなど、不安定な動きで推移しました。

こうした状況のもと、当社グループは、コーポレートガバナンス・コードの適用を受けて情報開示を強化した株主総会関連商品等の拡販および各種ディスクロージャー書類の翻訳ニーズの取り込みによる受注増加に引き続き注力してまいりました。

その結果、当連結会計年度の売上高は18,257百万円(前連結会計年度比2,465百万円増、同15.6%増)となり、その要因について各製品区分にご説明いたしますと、次のとおりであります。

・金融商品取引法関連製品

当関連製品の売上高は、6,688百万円(同636百万円増、同10.5%増)となりました。主な増加要因は、大型銘柄による目論見書の作成の受注に加え、法定開示書類作成支援ツール「X-Smartシリーズ」の導入顧客数が増加したことによります。

・会社法関連製品

当関連製品の売上高は、4,395百万円(同228百万円増、同5.5%増)となりました。主な増加要因は、招集通知の早期発送による影響や、昨年に引き続き企業と株主との対話姿勢強化を背景とした招集通知のカラー化、大判化およびそれに関連する翻訳事業が受注社数、件数ともに増加したことによります。

・IR関連製品

当関連製品の売上高は、4,400百万円(同277百万円増、同6.7%増)となりました。主な増加要因は、統合報告書およびそれに関連する翻訳事業の売上が増加したことによります。

統合報告書については、企業の情報開示において非財務情報を重視する傾向は益々強くなり、統合報告書の作成企業数も増加しています。制作には非財務情報開示に関する専門的な知見と幅広いノウハウが必要とされ、当社グループの株式会社ディスクロージャー&IR総合研究所内に設置しております「ESG/統合報告研究室」を中心に、組織を強化しております。
 株主総会関連サービスについては、株主総会資料のビジュアル化や運営サポート等、幅広く対応できる体制を整えております。

・その他製品

その他製品の売上高は、2,772百万円(同1,322百万円増、同91.1%増)となりました。主な増加要因は、株主優待関連の売上増加、当連結会計年度より連結の範囲に含めた株式会社イーツー、株式会社十印およびTOIN USA INC.の売上などにより増加したことによります。

 

当連結会計年度より、従来「その他製品」に区分しておりました「コンサルティング」をその内容に合わせて「金融商品取引法関連製品」「会社法関連製品」「IR関連製品」に変更しており、前連結会計年度の数値を変更後の売上区分に組み替えて比較しております。

 

 b. 資本の財源及び資金の流動性について

当社グループにおける資金需要の主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金および設備投資資金であります。当社グループの資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入による資金調達となります。

 

 

③ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2018年5月期から2020年5月期までの「新・中期経営計画2020」において売上高191億円、営業利益19億円、営業利益率10.0%、親会社株主に帰属する当期純利益13億円、ROE9.0%を最終年度の計画に掲げております。

同計画の2年目である2019年5月期の計画は、売上高169億円、営業利益16億円、営業利益率10.0%、親会社株主に帰属する当期純利益12億円、ROE8.3%を掲げておりました。計画に対して実績は、営業利益率が未達成となったもののその他目標としていた計画値は達成し、売上高から各利益についても過去最高の実績となりました。

当社グループ事業を取り巻く環境は、株主総会プロセスの電子化、一体的開示の推進、非財務情報の重要性向上等変動期といえます。このような環境を機会と捉え、「新・中期経営計画2020」の最終年度となる2020年5月期はさらなる成長を遂げてまいりたいと考えております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1) 当社は、当連結会計年度において、株式会社十印の全株式を譲り受ける株式譲渡契約を締結し、2019年2月15日付で同社を完全子会社化いたしました。詳細につきましては、「第5  経理の状況  1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表  注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりです。

 

(2) 当社は、2019年7月9日および2019年7月23日開催の取締役会において、201912月2日をもって持株会社体制へ移行するため新設分割方式による会社分割を実施すること、これに伴い同日付で商号を「株式会社TAKARA & COMPANY」に変更すること、事業目的を一部変更するため定款を一部変更することを決議しました。

 

新設分割に係る割当ての内容及びその算定根拠

新設分割会社は新設分割に際して普通株式1,000株を発行し、その全てを当社へ割当て交付いたします。本新設分割は、当社が単独で行う新設分割であり、本新設分割に際して新設分割設立会社が発行する株式はすべて当社に割当て交付されることから、第三者機関による算定は実施せず、新設分割設立会社の資本金の額等を考慮して決定したものであります。

詳細につきましては、「第5  経理の状況  1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表  注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりです。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。