第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当事業年度におけるわが国経済は、政府、日銀による一連の経済対策、金融緩和策により企業収益や雇用環境が改善し、また、外国人観光客によるインバウンド消費の伸びも加わり、国内景気は回復基調となりました。しかしながら、中国をはじめとする新興国経済の減速や長期化する原油等の大幅な価格下落、さらに年明けから、急激な円高、株安が進行し、景気の先行きは不透明な状況になっております。

 一方、印刷業界におきましては、電子メディア普及による印刷物の需要の減少、競争激化による受注価格の下落など依然として厳しい業界環境が続きました。

 このような状況の中、当社は、お客様のニーズに応えるべく、引き続き、営業力・提案力の強化を図り、新規顧客の開拓と既存顧客の深耕に注力いたしました。また、9月から飯能プリンティングセンターBASE(ベース)の稼働により、更なる内製化の推進を図り、収益性の向上に努めてまいりました。

 以上のとおり、経営全般にわたる諸施策の展開に努めた結果、当事業年度における売上高は41億89百万円(前年比11.7%増収)となりました。その内訳は写真製版売上高10億98百万円(前年比1.0%減収)、印刷売上高29億48百万円(前年比13.1%増収)、商品売上高1億41百万円(前年比303.6%増収)となりました。損益面においては、設備関連費用及び飯能工場への移転に伴う費用が当初計画より大幅に増加し、営業利益90百万円(前年比52.4%減益)、経常利益90百万円(前年比52.3%減益)、当期純利益45百万円(前年比72.5%減益)となりました。

 なお、当社は印刷関連事業の単一セグメント事業であります。したがって、セグメント別の業績の記載はしておりません。

(2)キャッシュ・フロー

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローで37百万円増加、投資活動によるキャッシュ・フローで6億21百万円減少、財務活動によるキャッシュ・フローで2億7百万円増加し、資金は3億75百万円減少となり、当事業年度末残高は4億93百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業度末において営業活動における資金は、37百万円の増加となりました。これは主に税引前当期純利益55百万円、減価償却費1億71百万円、仕入債務の増加71百万円による資金の増加に対して、売上債権の増加83百万円、たな卸資産の増加46百万円、未払又は未収消費税等の増減額135百万円による資金の減少などによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度末において、投資活動における支出は6億21百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得6億45百万円による支出と、差入保証金の回収24百万円による収入であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 事業年度末において財務活動における収入は2億7百万円となりました。これは主に長期借入金4億円による収入、長期借入金の返済1億91百万円による支出であります。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社は、印刷関連事業の単一セグメント事業であり、事業部門は「製品制作」、「印刷」及び「商品」に分かれております。

(1)生産実績

 当事業年度における生産実績を事業部門ごとに示すと、以下のとおりであります。

事業部門の名称

当事業年度(千円)

前年同期比(%)

製品制作

1,088,643

△3.2

印刷

2,092,017

△20.1

合計

3,180,660

△15.1

(注)1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 当事業年度における受注状況を事業部門ごとに示すと、以下のとおりであります。

事業部門の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

製品制作

1,100,346

△2.2

77,524

2.2

印刷

2,075,713

△21.6

106,451

△2.3

合計

3,176,059

△15.8

183,976

△0.5

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)商品仕入実績

 当事業年度における商品仕入実績を事業部門ごとに示すと、以下のとおりであります。

事業部門の名称

当事業年度(千円)

前年同期比(%)

商品

112,172

199.4

合計

112,172

199.4

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(4)販売実績

 当事業年度における販売実績を事業部門ごとに示すと、以下のとおりであります。

事業部門の名称

当事業年度(千円)

前年同期比(%)

製品制作

1,098,641

△1.0

印刷

2,948,661

13.1

商品

141,846

303.6

合計

4,189,149

11.7

(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

カルビー株式会社

735,088

19.6

864,261

20.6

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 印刷事業においては、電子メディア普及による印刷物の需要の減少並びに同業社間の競争激化による受注価格の下落等の厳しい経営環境が、今後とも続くものと想定しております。このような状況において、当社は、長年培ってまいりました経験・知見を生かし、新規顧客の開拓と既存顧客の深耕に注力するとともに、お客様のニーズ・課題を解決し、より大きな付加価値をお客様にご提供できる課題解決型営業を、引き続き、重点課題として展開してまいります。また、飯能プリンティングセンターBASEの稼働により、生産能力増強はもとより、生産技術及び生産効率の大幅な向上によりコストダウンを推進し、構造的な収益性を更にアップさせてまいります

 

4【事業等のリスク】

 当社の経営成績及び財務諸表等に影響を及ぼす可能性のあるリスクにつきましては、以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項につきましては、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

①自然災害のリスク

 自然災害(台風、地震、火事等)により会社インフラの大規模な損壊や機能低下及び生産活動の停止にもつながるような事態が発生した場合は、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

②法的規制への対応

 社会倫理の遵守を基本として事業を進めるなかで、独占禁止法、個人情報保護法、特許法、税制など、様々な法的規制等を受けており、今後さらにその規制が強化されることも考えられます。一方、規制緩和により、市場や業界の動向などが大きく変化することも予想されます。変化に対応するための負荷やコストの増加も予想され今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

③個人情報について

 当社は、情報加工サービス企業として、お客様からお預かりする個人情報の保護の重要性と社会的責任並びにその漏洩リスクを認識しております。その対策として「光陽社の個人情報保護方針」を定め、個人情報保護マネジメントシステム(PMS:Personal information protection Management Systems)を制定し、その適切な保護と管理の徹底に努めており、プライバシー・マークの認証を受けております。万一、情報が漏洩した場合には、企業としての信用を失い、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

④業界低迷による不良債権の増加

 印刷業界は受注競争の激化による単価下落や紙媒体の電子化に伴う印刷物需要の低迷など厳しい環境が続いております。これにより業界の金融事情も厳しくなり、不良債権の増加が懸念されます。回収率の落込みに比例し、資金の回転率も悪くなり、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

固定資産の譲渡契約

 当社は、平成28年5月26付けで本社及び東京事業所の譲渡手続きを完了いたしました。この譲渡の内容につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な後発事象」に記載しております。

 

6【研究開発活動】

 当社は、創業以来オフセット用写真版の製造販売に関する研究開発を主体としてまいりました。デジタル化の進行に伴い、研究開発活動もその分野を広げ、デジタル化に対応した印刷技術の研究及びソフト開発、情報収集、分析などを行っております。併せてその技術を活かした新商品開発や、新機材の性能評価と導入の可否の決定などを行っております。

 当事業年度における主要課題及び研究開発費は、次の通りであります。

①印刷技術の開発促進(高品位印刷Favorite、広色域印刷、トータル管理)

②CMS(カラーマネジメントシステム)による印刷技術の標準化

③DTP・印刷関連ソフトの検証と情報の共有化

④サーバー・通信・データベースシステムによる生産・営業面での効率向上

⑤業態変化に対する生産・営業面への技術支援

⑥印刷業務における環境負荷の低減への取り組み

 上記事業にかかわる当事業年度の研究開発費は5百万円となっております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

 なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

 

(2)当事業年度の財政状態の分析

 当事業年度末の流動資産は、17億42百万円となり、前事業年度末に比べて1億63百万円減少しました。これは主に、現金及び預金の減少3億75百万円と、未収消費税等の増加81百万円、売掛金の増加61百万円、仕掛品の増加47百万円によるものです。有形固定資産の合計は15億33百万円となり、前事業年度末に比べて4億32百万円増加しました。これは、主に飯能プリンティングセンターBASE(ベース)の建設に伴う増加によるものです。投資その他の資産は1億7百万円となり、前事業年度末に比べて25百万円減少いたしました。これは、主に差入保証金の減少24百万円によるものです。前述の結果、固定資産合計は16億70百万円となり、前事業年度末に比べて4億円増加しました。以上の結果、資産合計は34億13百万円となり、前事業年度末に比べて2億37百万円増加しました。

 当事業度末の流動負債は9億44百万円となり、前事業年度末に比べて17百万円減少しました。これは主に、未払消費税等の減少53百万円、未払法人税等の減少24百万円、工場移転損失引当金の減少10百万円と、支払手形の増加35百万円、買掛金の増加36百万円によるものです。固定負債は13億97百万円となり、前事業年度末に比べて2億10百万円の増加となりました。これは主に、金融機関からの長期借入金の増加2億12百万円によるものです。前述の結果、負債合計は23億42百万円となり、前事業年度末に比べて1億92百万円の増加となりました。

 当事業年度末の純資産合計は10億71百万円となり、前事業年度末に比べて45百万円増加しました。これは主に、当期純利益45百万円による利益剰余金の増加によるものです。

 以上の結果、負債・資本合計は34億13百万円となり、前事業年度末に比べて2億37百万円の増加となりました。

 

(3)当事業年度の経営成績の分析

 当事業年度の経営成績は、営業利益90百万円(前事業年度比99百万円の減益)、経常利益90百万円(前事業年度比99百万円の減益)、当期純利益45百万円(前事業年度比1億19百万円の減益)となりました。

 売上高は41億89百万円(前事業年度比4億37百万円の増収)、売上原価は33億65百万円(前事業年度比5億41百万円の増加)となり、売上総利益は8億24百万円(前事業年度比1億3百万円の減益)となりました。

 販売費及び一般管理費は7億33百万円(前事業年度比4百万円の減少)で、90百万円の営業利益となりました。

 また、営業外収益は24百万円(前事業年度比0百万円の減少)、営業外費用は23百万円(前事業年度比0百万円の減少)となり、90百万円の経常利益となりました。

 さらに、税引前当期純利益は55百万円(前事業年度比1億32百万円の減益)となり、法人税、住民税及び事業税10百万円を計上して、45百万円の当期純利益となりました。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社の主な資金需要は、設備投資資金、運転資金、借入金の返済等があり、資金の源泉は、営業活動によるキャッシュ・フローに伴う収入と金融機関からの借入によるものです。

 当事業年度における状況につきましては「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。