(1)業績
当事業年度におけるわが国経済は、急激な円高の進行でスタートしたものの、一連の経済対策や金融緩和策が継続される中で、企業収益や雇用環境等の改善が更に進みました。しかしながら、米国の新体制移行に伴う影響、英国のEU離脱、新興国経済の減速などにより、依然として先行きは不透明な状況となっております。
印刷業界におきましては、電子メディアの多様化による印刷物の需要の減少、受注価格の下落など、引き続き厳しい経営環境となりました。
このような状況の中、当社は、お客様のニーズに応えるべく、営業力・提案力の強化を図り、新規顧客の開拓と既存顧客の深耕に、より一層注力するとともに、生産効率の向上、更なる内製化の推進により、売上の拡大、収益性の改善に取り組んでまいりました。また、将来を見据えて、経営資源の効率的活用及び財務体質強化を図るため、本社及び東京事業所の土地及び建物の売却を行いました。
以上のとおり、経営全般にわたる諸施策の展開に努めた結果、当事業年度における売上高は43億15百万円(前事業年度比3.0%増収)となりました。その内訳は写真製版売上高10億43百万円(前事業年度比5.0%減収)、印刷売上高31億57百万円(前事業年度比7.1%増収)、商品売上高1億14百万円(前事業年度比19.1%減収)となりました。損益面においては、営業利益1億22百万円(前事業年度比35.9%増益)、経常利益1億43百万円(前事業年度比58.0%増益)、当期純利益は、9億32百万円(前事業年度比8億86百万円増益)となりました。
なお、当社は印刷関連事業の単一セグメント事業であります。したがって、セグメント別の業績の記載はしておりません。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローで5億15百万円増加、投資活動によるキャッシュ・フローで9億18百万円増加、財務活動によるキャッシュ・フローで3億97百万円減少し、資金は10億36百万円増加となり、当事業年度末残高は15億29百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末において営業活動における資金は、5億15百万円の増加となりました。これは主に税引前当期純利益11億95百万円、減価償却費2億円、未払又は未収消費税等の増減額1億92百万円による資金の増加に対して、有形固定資産売却益10億91百万円による資金の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末において投資活動における資金は、9億18百万円の増加となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入12億円、定期預金の預入2億90百万円の支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末において財務活動における資金は、3億97百万円の減少となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出によるものです。
当社は、印刷関連事業の単一セグメント事業であり、事業部門は「製品制作」、「印刷」及び「商品」に分かれております。
(1)生産実績
当事業年度における生産実績を事業部門ごとに示すと、以下のとおりであります。
|
事業部門の名称 |
当事業年度(千円) |
前年同期比(%) |
|
製品制作 |
1,044,316 |
△4.1 |
|
印刷 |
3,163,660 |
6.8 |
|
合計 |
4,207,976 |
3.9 |
(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当事業年度における受注状況を事業部門ごとに示すと、以下のとおりであります。
|
事業部門の名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
製品制作 |
1,021,439 |
△7.2 |
55,217 |
△28.8 |
|
印刷 |
3,170,749 |
7.6 |
120,181 |
12.9 |
|
合計 |
4,192,189 |
3.6 |
175,398 |
△4.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)商品仕入実績
当事業年度における商品仕入実績を事業部門ごとに示すと、以下のとおりであります。
|
事業部門の名称 |
当事業年度(千円) |
前年同期比(%) |
|
商品 |
92,015 |
△18.0 |
|
合計 |
92,015 |
△18.0 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)販売実績
当事業年度における販売実績を事業部門ごとに示すと、以下のとおりであります。
|
事業部門の名称 |
当事業年度(千円) |
前年同期比(%) |
|
製品制作 |
1,043,747 |
△5.0 |
|
印刷 |
3,157,019 |
7.1 |
|
商品 |
114,778 |
△19.1 |
|
合計 |
4,315,545 |
3.0 |
(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前事業年度 |
当事業年度 |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
カルビー株式会社 |
864,261 |
20.6 |
322,405 |
7.5 |
|
カルネコ株式会社 |
- |
- |
452,690 |
10.5 |
|
合計 |
864,261 |
20.6 |
775,096 |
18.0 |
2 カルビー株式会社は、平成28年8月1日付け会社分割により、カルネコ株式会社を設立しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
①経営理念
当社は、お客様に喜ばれる“良いものづくり”を通じて、社会の進歩発展に貢献すると共に、全従業員の働きがいと幸せを追求する。
②行動指針
誠実 常に誠意をもって人に接する
創意 常に創意工夫を志す
確実 常に確実に職務を遂行する
(2)経営戦略
①営業戦略
イ 企画・製版・印刷・製本加工・発送まで、ワンストップ体制を活かした提案
ロ 印刷コスト・品質・納期・発注業務をトータルに改善するプリントマネジメントによる提案営業
ハ 長年製版で培ったスキルを基にした高品位印刷技術の提案営業
②品質・生産性強化、コスト削減策
イ SDCAの標準化サイクルを回して品質、生産性の向上を図る標準化プロジェクトの推進
※Standardize(標準化)Do(実行)Check(点検・評価)Act(改善・処置)
ロ サンクスカードを導入し、従業員のモチベーションとコミュニケーションの向上を図り、品質と生産性強化のための土台作り
(3)経営指標
当社は、変化する市場動向を適確に見極め、継続的な利益体質を構築することにより、売上高経常利益率5%を目標とする。
(4)業界動向
当社が主力とする商業印刷業界は、景況に大きく左右される業界であり、先行き不透明な経済情勢の中、発注企業側の印刷発注量の縮小、他の安価なデジタル媒体への移行等が加速することが懸念される。
このような状況下、コスト比較だけに捉われた印刷の受注では、印刷通販を中心に、より一層の厳しい価格競争が想定される。しかしながら、一方では、単にコスト・メリットだけではなく、印刷物の品質、納期及び発注業務での負荷軽減等の課題解決を期待する発注側企業も増加している。
(5)対処すべき課題
当社は、長年培ってまいりました経験・知見を生かし、新規顧客の開拓と既存顧客の深耕に注力するとともに、印刷ワンストップ体制を活かした営業やプリントマネジメントの提案を通じ、お客様のニーズ・課題を解決し、より大きな付加価値をお客様にご提供することにより売上拡大を目指してまいります。また、生産技術及び生産効率の向上によるコストダウンを更に推進し、構造的な収益性をより一層高めてまいります。
(6)その他、会社の経営上重要な事項
該当事項はありません。
当社の経営成績及び財務諸表等に影響を及ぼす可能性のあるリスクにつきましては、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項につきましては、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
①自然災害のリスク
自然災害(台風、地震、火事等)により会社インフラの大規模な損壊や機能低下及び生産活動の停止にもつながるような事態が発生した場合は、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。
②法的規制への対応
社会倫理の遵守を基本として事業を進めるなかで、独占禁止法、個人情報保護法、特許法、税制など様々な法的規制等を受けており、今後さらにその規制が強化されることも考えられます。一方、規制緩和により、市場や業界の動向などが大きく変化することも予想されます。変化に対応するための負荷やコストの増加も予想され今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。
③個人情報について
当社は、情報加工サービス企業として、お客様からお預かりする個人情報の保護の重要性と社会的責任並びにその漏洩リスクを認識しております。その対策として「光陽社の個人情報保護方針」を定め、個人情報保護マネジメントシステム(PMS:Personal information protection Management Systems)を制定し、その適切な保護と管理の徹底に努めており、プライバシー・マークの認証を受けております。万一、情報が漏洩した場合には、企業としての信用を失い、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。
④業界低迷による不良債権の増加
印刷業界は受注競争の激化による単価下落や紙媒体の電子化に伴う印刷物需要の低迷など厳しい環境が続いております。これにより業界の金融事情も厳しくなり、不良債権の増加が懸念されます。回収率の落込みに比例し、資金の回転率も悪くなり、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社は、創業以来オフセット用写真版の製造販売に関する研究開発を主体としてまいりました。デジタル化の進行に伴い、研究開発活動もその分野を広げ、デジタル化に対応した印刷技術の研究及びソフト開発、情報収集、分析などを行っております。併せてその技術を活かした新商品開発や、新機材の性能評価と導入の可否の決定などを行っております。
当事業年度における主要課題及び研究開発費は、次の通りであります。
①印刷技術の開発促進(高品位印刷Favorite、広色域印刷、トータル管理)
②CMS(カラーマネジメントシステム)による印刷技術の標準化
③DTP・印刷関連ソフトの検証と情報の共有化
④サーバー・通信・データベースシステムによる生産・営業面での効率向上
⑤業態変化に対する生産・営業面への技術支援
⑥印刷業務における環境負荷の低減への取り組み
上記事業にかかわる当事業年度の研究開発費は5百万円となっております。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
(2)当事業年度の財政状態の分析
当事業年度末の流動資産は、29億67百万円となり、前事業年度末に比べて12億24百万円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加12億6百万円、売掛金の増加55百万円、繰延税金資産の増加51百万円と、未収消費税等の減少81百万円によるものです。有形固定資産の合計は13億4百万円となり、前事業年度末に比べて2億29百万円減少しました。これは、主に本社及び東京事業所の不動産売却による建物69百万円並びに土地23百万円が減少し、機械及び装置が31百万円増加した一方、減価償却費1億91百万円を計上したことによるものです。無形固定資産の合計は15百万円となり、前事業年度末に比べて13百万円減少しました。これは主に、電話加入権の解約等による16百万円の減少と、ソフトウエア仮勘定3百万円の増加によるものです。投資その他の資産は1億40百万円となり、前事業年度末に比べて32百万円増加しました。これは、主に差入保証金の増加26百万円、長期前払費用の増加7百万円によるものです。前述の結果、固定資産合計は14億60百万円となり、前事業年度末に比べて2億9百万円減少しました。以上の結果、資産合計は44億28百万円となり、前事業年度末に比べて10億15百万円増加しました。
当事業年度末の流動負債は10億98百万円となり、前事業年度末に比べて1億54百万円増加しました。これは主に、未払消費税等の増加1億11百万円、未払法人税等の増加59百万円、賞与引当金の増加23百万円、買掛金の増加10百万円と、1年内返済予定の長期借入金の減少65百万円によるものです。固定負債は13億26百万円となり、前事業年度末に比べて71百万円の減少となりました。これは主に、長期借入金の返済による減少3億32百万円と、繰延税金負債の増加2億60百万円によるものです。前述の結果、負債合計は24億25百万円となり、前事業年度末に比べて83百万円の増加となりました。
当事業年度末の純資産合計は20億3百万円となり、前事業年度末に比べて9億32百万円増加しました。これは主に、当期純利益9億32百万円による利益剰余金の増加によるものです。
以上の結果、負債・資本合計は44億28百万円となり、前事業年度末に比べて10億15百万円の増加となりました。
(3)当事業年度の経営成績の分析
当事業年度の経営成績は、営業利益1億22百万円(前事業年度比32百万円の増益)、経常利益1億43百万円(前事業年度比52百万円の増益)、当期純利益9億32百万円(前事業年度比8億86百万円の増益)となりました。
売上高は43億15百万円(前事業年度比1億26百万円の増収)、売上原価は34億40百万円(前事業年度比75百万円の増加)となり、売上総利益は8億75百万円(前事業年度比51百万円の増益)となりました。
販売費及び一般管理費は7億52百万円(前事業年度比18百万円の増加)で、1億22百万円の営業利益となりました。
営業外収益は37百万円(前事業年度比13百万円の増加)、営業外費用は16百万円(前事業年度比7百万円の減少)となり、1億43百万円の経常利益となりました。
税引前当期純利益は、本社及び東京事業所の土地、建物の売却益10億91百万円を計上する一方、本社移転に伴う関連費用等40百万円を計上したことにより、11億95百万円(前事業年度比11億39百万円の増益)となりました。
当期純利益は、法人税、住民税及び事業税54百万円、法人税等調整額2億8百万円計上し、9億32百万円となりました。なお、法人税等調整額は、繰延税金資産の計上57百万円、固定資産圧縮特別勘定の積立による繰延税金負債の計上2億66百万円によるものです。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の主な資金需要は、設備投資資金、運転資金、借入金の返済等があり、資金の源泉は、営業活動によるキャッシュ・フローに伴う収入と金融機関からの借入によるものです。
当事業年度における状況につきましては「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。