第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)経営方針

①経営理念

 当社は、お客様に喜ばれる“良いものづくり”を通じて、社会の進歩発展に貢献すると共に、全従業員の働きがいと幸せを追求する。

②行動指針

 誠実 常に誠意をもって人に接する

 創意 常に創意工夫を志す

 確実 常に確実に職務を遂行する

 

(2)経営戦略

①営業戦略

 イ 企画・製版・印刷・製本加工・発送まで、ワンストップ体制を活かした提案

 ロ 印刷コスト・品質・納期・発注業務をトータルに改善するプリントマネジメントによる提案営業

 ハ 長年製版で培ったスキルを基にした高品位印刷技術の提案営業

②品質・生産性強化、コスト削減策

 イ SDCAの標準化サイクルを回して品質、生産性の向上を図る標準化プロジェクトの推進

※Standardize(標準化)Do(実行)Check(点検・評価)Act(改善・処置)

 ロ サンクスカードを導入し、従業員のモチベーションとコミュニケーションの向上を図り、品質と生産性強化のための土台作り

 

(3)経営指標

 当社は、変化する市場動向を適確に見極め、継続的な利益体質を構築することにより、売上高経常利益率5%を目標とする。

 

(4)業界動向

 当社が主力とする商業印刷業界は、景況に大きく左右される業界であり、先行き不透明な経済情勢の中、発注企業側の印刷発注量の縮小、他の安価なデジタル媒体への移行等が加速することが懸念される。

 このような状況下、コスト比較だけに捉われた印刷の受注では、印刷通販を中心に、より一層の厳しい価格競争が想定される。しかしながら、一方では、単にコスト・メリットだけではなく、印刷物の品質、納期及び発注業務での負荷軽減等の課題解決を期待する発注側企業も増加している。

 

(5)対処すべき課題

 当社は、長年培ってまいりました経験・知見を生かし、新規顧客の開拓と既存顧客の深耕に注力するとともに、印刷ワンストップ体制を活かした営業やプリントマネジメントの提案を通じ、お客様のニーズ・課題を解決し、より大きな付加価値をお客様にご提供することにより売上拡大を目指してまいります。また、生産技術及び生産効率の向上によるコストダウンを更に推進し、構造的な収益性をより一層高めてまいります。

 

(6)その他、会社の経営上重要な事項

該当事項はありません。

 

 

2【事業等のリスク】

 当社の経営成績及び財務諸表等に影響を及ぼす可能性のあるリスクにつきましては、以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項につきましては、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

①自然災害のリスク

 自然災害(台風、地震、火事等)により会社インフラの大規模な損壊や機能低下及び生産活動の停止にもつながるような事態が発生した場合は、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

②法的規制への対応

 社会倫理の遵守を基本として事業を進めるなかで、独占禁止法、個人情報保護法、特許法、税制など様々な法的規制等を受けており、今後さらにその規制が強化されることも考えられます。一方、規制緩和により、市場や業界の動向などが大きく変化することも予想されます。変化に対応するための負荷やコストの増加も予想され今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

③個人情報について

 当社は、情報加工サービス企業として、お客様からお預かりする個人情報の保護の重要性と社会的責任並びにその漏洩リスクを認識しております。その対策として「光陽社の個人情報保護方針」を定め、個人情報保護マネジメントシステム(PMS:Personal information protection Management Systems)を制定し、その適切な保護と管理の徹底に努めており、プライバシー・マークの認証を受けております。万一、情報が漏洩した場合には、企業としての信用を失い、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

④業界低迷による不良債権の増加

 印刷業界は受注価格の下落や紙媒体の電子化に伴う印刷物需要の低迷など厳しい環境が続いております。これにより業界の金融事情も厳しくなり、不良債権の増加が懸念されます。回収率の落込みに比例し、資金の回転率も悪くなり、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、企業収益及び雇用・所得環境の改善により個人消費にも明るさが見え、引き続き緩やかな回復基調となりました。しかしながら、欧米の政治や経済情勢など不確実性への懸念や東アジア地域における地政学リスクもあり、依然として先行き不透明な状況が続いております

 印刷業界におきましては、電子メディアの多様化による印刷物の需要の減少、受注価格の下落など、引き続き厳しい経営環境となりました。

 このような状況の中、当社は、お客様のニーズに応えるべく、営業力・提案力の強化を図り、新規顧客の開拓と既存顧客の深耕に、より一層注力するとともに、生産効率の向上、更なる内製化の推進により、売上の拡大、収益性の改善に取り組んでまいりました。

 以上のとおり、経営全般にわたる諸施策の展開に努めた結果、当事業年度における売上高は42億99百万円(前期比0.4%減収)となりました。損益面においては、営業利益1億45百万円(前期比18.4%増益)、経常利益1億76百万円(前期比23.1%増益)、当期純利益4億59百万円(前期比50.7%減益)となりました。

 当事業年度末の流動資産は、30億99百万円となり、前事業年度末に比べて1億32百万円増加しました。有形固定資産は11億77百万円となり前事業年度末に比べて1億27百万円の減少、無形固定資産は10百万円となり前事業年度末に比べて4百万円の減少、投資その他の資産は2億円となり前事業年度末に比べて60百万円の増加となり、固定資産合計は13億89百万円となり、前事業年度末に比べて71百万円減少しました。以上の結果、資産合計は44億89百万円となり、前事業年度末に比べて60百万円増加しました。

 当事業年度末の流動負債は9億33百万円となり、前事業年度末に比べて1億65百万円減少しました。固定負債は9億89百万円となり、前事業年度末に比べて3億36百万円の減少となりました。前述の結果、負債合計は19億23百万円となり、前事業年度末に比べて5億1百万円の減少となりました。当事業年度末の純資産合計は25億65百万円となり、前事業年度末に比べて5億62百万円増加しました。以上の結果、負債純資産合計は44億89百万円となり、前事業年度末に比べて60百万円の増加となりました。

 なお、当社は印刷関連事業の単一セグメント事業であります。したがって、セグメント別の業績の記載はしておりません。

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローで1億92百万円増加、投資活動によるキャッシュ・フローで16百万円増加、財務活動によるキャッシュ・フローで1億8百万円減少し、資金は1億円増加となり、当事業年度末残高は16億30百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度末において営業活動における資金は、1億92百万円の増加となりました。これは主に税引前当期純利益1億74百万円、減価償却費1億88百万円、たな卸資産の減少額36百万円の資金の増加に対して、未払又は未収消費税等の増減額88百万円の資金の減少、法人税等の支払額77百万円の資金の減少、売上債権の増加額49百万円の資金の減少によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度末において投資活動における資金は、16百万円の増加となりました。これは主に、定期預金の払戻による3億60百万円の収入、差入保証金の回収による14百万円の収入と、定期預金の預入3億10百万円の支出、有形固定資産の取得による47百万円の支出によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度末において財務活動における資金は、1億8百万円の減少となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出によるものです。

③生産、受注及び販売の実績

 当社は、印刷関連事業の単一セグメント事業であり、事業部門は「製品制作」、「印刷」及び「商品」に分かれております。

a.生産実績

当事業年度における生産実績を事業部門ごとに示すと、以下のとおりであります。

事業部門の名称

当事業年度(千円)

前年同期比(%)

製品制作

1,005,636

△3.7

印刷

3,198,376

1.1

合計

4,204,013

△0.1

(注)1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

当事業年度における受注実績を事業部門ごとに示すと、以下のとおりであります。

事業部門の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

製品制作

992,545

△2.8

45,107

△18.3

印刷

3,204,330

1.1

117,562

△2.2

合計

4,196,875

0.1

162,670

△7.3

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.商品仕入実績

当事業年度における商品仕入実績を事業部門ごとに示すと、以下のとおりであります。

事業部門の名称

当事業年度(千円)

前年同期比(%)

商品

73,121

△20.5

合計

73,121

△20.5

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

d.販売実績

当事業年度における販売実績を事業部門ごとに示すと、以下のとおりであります。

事業部門の名称

当事業年度(千円)

前年同期比(%)

製品制作

1,002,655

△3.9

印刷

3,206,948

1.6

商品

89,860

△21.7

合計

4,299,465

△0.4

(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

カルビー株式会社

322,405

7.5

カルネコ株式会社

452,690

10.5

714,775

16.6

合計

775,096

18.0

714,775

16.6

2 カルビー株式会社は、平成28年8月1日付け会社分割により、カルネコ株式会社を設立しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

 なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績の分析

 当事業年度における売上高は42億99百万円(前事業年度比16百万円の減収)となり、その内訳は写真製版売上高10億2百万円(前事業年度比41百万円の減収)、印刷売上高32億6百万円(前事業年度比49百万円の増収)、商品売上高89百万円(前事業年度比24百万円の減収)となりました。写真製版及び商品の売上高の減収が続いておりますが、売上の主柱である印刷売上高については、新規顧客の開拓と既存顧客の深耕により3年連続の増収となり、売上高全体としては微減となりました。

 売上原価は34億25百万円(前事業年度比14百万円の減少)となり、売上総利益は8億73百万円(前事業年度比1百万円の減益)となりました。売上総利益は減収となりましたが、売上高に対する売上総利益率は20.3%であり、前事業年度と同率となっております。

 販売費及び一般管理費は7億28百万円(前事業年度比23百万円の減少)で、1億45百万円(前事業年度比22百万円の増益)の営業利益となりました。増益要因は、資本金の額の減少(平成30年3月27日開催の臨時株主総会で決議)に伴い外形標準課税が不適用となることから、租税公課が23百万円減少したことによるものです。

 営業外収益は44百万円(前事業年度比7百万円の増加)、営業外費用は13百万円(前事業年度比3百万円の減少)となり、1億76百万円(前事業年度比33百万円の増益)の経常利益となりました。

 当期純利益は、税効果会計適用に伴う法人税等調整額2億93百万円等により4億59百万円(前事業年度比4億72百万円の減益)となりました。前期において本社及び東京事業所の土地売却(平成28年5月26日)に伴う固定資産圧縮特別勘定積立金を5億96百万円計上しておりましたが、買換資産の取得期限である平成30年3月期で買換資産が未取得となったため、同積立金全額を取崩したことにより繰延税金負債が2億66百万円減少し、法人税等調整額に同額を計上しております。

 

財政状態の分析

 当事業年度末の流動資産は、30億99百万円となり、前事業年度末に比べて1億32百万円増加しました。これは主に、預け金の増加1億円、電子記録債権の増加49百万円、繰延税金資産の増加31百万円、未収還付法人税等の増加29百万円と、現金及び預金の減少49百万円、仕掛品の減少25百万円によるものです。有形固定資産の合計は11億77百万円となり、前事業年度末に比べて1億27百万円減少しました。これは主に、機械及び装置が新規取得により41百万円増加した一方、減価償却費1億72百万円を計上したことによるものです。無形固定資産の合計は10百万円となり、前事業年度末に比べて4百万円減少しました。これは主に、減価償却費4百万円を計上したことによるものです。投資その他の資産は2億円となり、前事業年度末に比べて60百万円増加しました。これは主に、譲渡制限付株式報酬の支払等による長期前払費用の増加83百万円と差入保証金の減少25百万円によるものです。前述の結果、固定資産合計は13億89百万円となり、前事業年度末に比べて71百万円減少しました。以上の結果、資産合計は44億89百万円となり、前事業年度末に比べて60百万円増加しました。

 当事業年度末の流動負債は9億33百万円となり、前事業年度末に比べて1億65百万円減少しました。これは主に、未払消費税等の減少88百万円、未払法人税等の減少64百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少16百万円、環境対策引当金の取崩しによる減少10百万円、賞与引当金の減少9百万円と預り金の増加19百万円によるものです。固定負債は9億89百万円となり、前事業年度末に比べて3億36百万円の減少となりました。これは繰延税金負債の減少2億60百万円、長期借入金の返済による減少92百万円と、退職給付引当金の増加16百万円によるものです。前述の結果、負債合計は19億23百万円となり、前事業年度末に比べて5億1百万円の減少となりました。

 当事業年度末の純資産合計は25億65百万円となり、前事業年度末に比べて5億62百万円増加しました。これは主に、当期純利益4億59百万円による利益剰余金の増加及び譲渡制限付株式報酬の新株式発行総額1億2百万円によるものです。

 以上の結果、負債純資産合計は44億89百万円となり、前事業年度末に比べて60百万円の増加となりました。

 

 

キャシュフローの分析

 当事業年度における分析は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社の主な資金需要は、設備投資資金、運転資金、借入金の返済等があり、資金の源泉は、営業活動によるキャッシュ・フローに伴う収入と金融機関からの借入によるものです。運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入のほか、販売費及び一般管理費等であります。

 

当社の経営成績に重要な影響を与える要因

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 中期経営計画の2年目である平成30年3月期の計画達成状況は以下のとおりです。

 売上高は、計画を僅かに上回った結果でありましたが、資本金の額の減少に伴う租税公課の減少および補助金等の収入により、営業利益及び経常利益が計画を大きく上回りました。

 

(単位:百万円)

指標

平成30年3月期

(計画)

平成30年3月期

(実績)

平成30年3月期

(計画比)

売上高

4,270百万円

4,299百万円

29百万円増(0.7%増)

営業利益

130百万円

145百万円

15百万円増(11.9%増)

営業利益率

3.0%

3.4%

0.4%増

経常利益

126百万円

176百万円

50百万円増(40.1%増)

経常利益率

3.0%

4.1%

1.1%増

 

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社は、創業以来オフセット用写真版の製造販売に関する研究開発を主体としてまいりました。デジタル化の進行に伴い、研究開発活動もその分野を広げ、デジタル化に対応した印刷技術の研究及びソフト開発、情報収集、分析などを行っております。併せてその技術を活かした新商品開発や、新機材の性能評価と導入の可否の決定などを行っております。

 当事業年度における主要課題及び研究開発費は、次の通りであります。

①印刷技術の開発促進(高品位印刷Favorite、広色域印刷、トータル管理)

②CMS(カラーマネジメントシステム)による印刷技術の標準化

③DTP・印刷関連ソフトの検証と情報の共有化

④サーバー・通信・データベースシステムによる生産・営業面での効率向上

⑤業態変化に対する生産・営業面への技術支援

⑥印刷業務における環境負荷の低減への取り組み

 上記事業にかかわる当事業年度の研究開発費は5百万円となっております。