第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

①経営理念

 当社グループは、お客様に喜ばれる“良いものづくり”を通じて、社会の進歩発展に貢献すると共に、全従業員の働きがいと幸せを追求する。

②行動指針

 誠実 常に誠意をもって人に接する

 創意 常に創意工夫を志す

 確実 常に確実に職務を遂行する

 

(2)経営戦略

①営業戦略(新規開拓及び既存顧客深耕の推進)

 イ カーボンゼロプリント、カーボンニュートラルプリント等、当社ならではの環境配慮型印刷の刷新

 ロ 企画・製版・印刷・製本加工・発送に至る自社内の一貫生産体制を活かした提案営業

 ハ デジタルマーケティングやダイレクトメールの顧客への提案力強化

 ニ 長年製版で培ったスキルを基にした高品質印刷技術の提案

②品質・生産性強化、コスト削減策

 イ 生産方法や設備、材料の見直しによる脱炭素化に向けた取り組みの強化

 ロ SDCAの標準化サイクルを回して品質・生産性の向上を図る標準化プロジェクトの推進

 ハ 日々の作業を通じ、改善対策を繰り返すことによるムダの削減

 ニ 各工程における自動化の推進

 

(3)業界動向

 当社が主力とする商業印刷業界は、景況に大きく左右される業界であり、世界情勢の混乱による資源不足など不安材料が多い中、広告宣伝物の発注量減少や厳しいコスト競争に巻き込まれる可能性を秘めています。その一方 SDGs や脱炭素化など、持続可能な社会を実現させるための動きが世界的に広まっており、コストだけではなく、環境貢献、社会貢献に繋がる製品や、サプライチェーン全体を通した自社内の業務負担の軽減および合理化に繋がる製品を求める企業も増加しています。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 国内において、経済活動の正常化が一段と進み、個人消費やインバウンド需要の回復が引き続き期待される一方で、不安定な国際情勢、物価の高騰など、先行き不透明な経済状況が続くものと思われます。印刷業界においては、従前からの電子メディアの多様化による印刷物の需要の減少、厳しいコスト競争、原材料価格の高騰の影響、若年層の採用や人材確保の難しさ等、厳しい経営環境が続くことが想定されます。

 当社グループは、カーボンオフセット関連の販路を更に拡大し、サステナビリティ事業も軌道に乗せ、デジタルマーケティングやダイレクトメールの顧客への提案力を強化してまいります。引き続き、当社が長年培ってまいりました経験・知見を生かし、時代のニーズに即した新たな視点での営業提案により、新規顧客の開拓と既存顧客の深耕に注力いたします。また、印刷ワンストップ体制を活かした営業を通じ、お客様のニーズ・課題を解決し、より大きな付加価値をお客様にご提供することにより売上の確保・拡大を目指してまいります。

 更に、生産技術及び生産効率の向上によるコストダウンを推進し、構造的な収益性をより一層高めてまいります。

 

 

(5)中期経営計画(2025年度~2027年度)の連結業績目標

 

2026年3月期

2027年3月期

2028年3月期

売上高

4,750百万円

5,000百万円

5,200百万円

営業利益

70百万円

110百万円

150百万円

営業利益率

1.5%

2.2%

2.9%

経常利益

100百万円

140百万円

180百万円

経常利益率

2.1%

2.8%

3.5%

(注)1 中期経営計画(2025年度~2027年度)の連結業績目標は、2025年5月19日に公表したものであります。

2 2025年度の業績予想(2025年5月19日公表)は、以下のとおりであります。2025年度は、カーボンオフセット関連の販路を更に拡大し、サステナビリティ事業も軌道に乗せ、デジタルマーケティングやダイレクトメールの顧客への提案力を強化してまいります。

 

 

2026年3月期

売上高

4,750百万円

営業利益

70百万円

経常利益

100百万円

親会社株主に帰属する

当期純利益

65百万円

 

(6)その他、会社の経営上重要な事項

該当事項はありません。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社のコーポレートガバナンスの中にはサステナビリティに対する考え方も含まれており、環境問題への課題が特に重要と認識し、環境対応、健康経営、社会貢献、ガバナンスを重視したESG経営の取り組みを行っております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、国際情勢や社会環境が大きく変化し、今までにも増して環境への意識が高まる中、サステナビリティに関する取り組みを組織全体で責任を共有し、効果的なガバナンスのもとで進めております。特に、経営に影響を及ぼす課題について対応するため、経営会議及び代表取締役社長を本部長としたSDGs推進本部を設置しております。

 課題に対しては、経営会議及びSDGs推進本部から取締役会に報告することで、取締役会はサステナビリティに関する重要な決定を行い、戦略的方向性を示す役割を果たしております。

 

(2)戦略

① 当社グループは、これまでにグリーンプリンティング認証取得、再エネ100宣言REActionへの参加、SBT認証の取得、Sedex会員登録等様々な施策に取り組んでまいりました。

 そのような中、特に、環境配慮、脱炭素社会への取り組みといった点について注力するため、2022年4月より、印刷物のライフサイクルにおけるGHG排出量を算定し、そのGHG排出量をすべてカーボンオフセットするサービスを開始いたしました。このサービスを通じてカーボンニュートラルな社会の実現を目指し努力を続けてまいります。

 

② 人財の育成及び社内環境整備に関する方針

 当社グループは、社員が成長し様々な仕事ができるように、作業の標準化、社員の多能工化を進めております。また、社員の資格取得を補助する環境となっております。社員が安心して働ける職場をめざし、在宅勤務等様々な勤務体系の導入、産休・育休制度の見直しを行い多様性の確保を推進しております。今後も引き続き、多様な社員が安心して働き続けることができるよう社内環境をアップデートしてまいります。

 

(3)リスク管理

 当社グループは、気候変動や多様性におけるリスクや機会について、全社的なリスク管理を行っています。代表取締役社長を中心として、各部門責任者のモニタリングによって行っており、特に重要なリスク管理は、取締役会にて報告され協議を行っております。サステナビリティに係るリスクの識別、優先的に対応すべきリスクの絞り込みについて、適宜、取締役会にて詳細な検討を行い、共有しております。優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては、当社に与える財務的影響、当社の活動が環境・社会に与える影響、発生可能性を踏まえ行われます。重要なリスクは、取締役の協議を経て戦略、計画に反映され、取締役会へ報告、監督されます。

 サステナビリティ関連の機会の識別、評価や優先順位付けは、SDGs推進委員会及び経営会議において行われ、重要と認識された機会については取締役の協議を経て戦略、計画に反映され、取締役会へ報告、監督されます。

 

(4)指標及び目標

 当社グループでは、「日印産連オフセット印刷サービスグリーン基準」に基づき、自主的に取り組むべき環境課題として、以下のテーマと活動目標を設定して対策に取り組んでいます。

テーマ

内容

目標

実績

地球温暖化の防止

GHG排出量の削減

(Scope1,2)

GHG排出量

実質ゼロ

ガソリン

(省エネクレジットにより全電オフセット達成)

 

太陽光発電

(再エネ電力、非化石証書使用により実質ゼロ化を達成)

PLATE to PLATE活動への参加

100%維持

100%維持

大気汚染の防止

化学物質の管理

グリーン基準の遵守

100%維持

VOC拡散防止策の実施

活動の継続

100%維持

産業廃棄物、特別管理廃棄物の削減

排出量の削減

廃油・廃液・廃インキ前年比2%削減(原単位)

1.6%減少

有価物の回収(ヤレ紙の削減)

古紙のリサイクル

古紙・ワンプ・段ボール前年比2%削減(原単位)

3.7%減少

リサイクルの推進

CTPのリサイクル

リサイクル率100%

100%維持

持続可能な資源の利用促進

FSC®認証製品の販売促進

出荷量前年比2%増加

11%増加

 

 また、女性管理職は、当連結会計年度は1名となりその比率は、2.8%となっております。具体的な数値目標の設定は行っておりませんが、今後も継続して職場環境、待遇の改善を推進し全ての社員が安心して働き続けることができるよう整備を進めてまいります。

 

3【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財務諸表等に影響を及ぼす可能性のあるリスクにつきましては、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)当面のリスク

①印刷需要の変動について

 当社グループの印刷売上の主なものは商業印刷であり、デジタルサイネージ等電子メディアの多様化による印刷物の需要が減少しております。このような状況下で、当社グループは新規顧客の開拓と既存顧客の深耕に注力するとともに、印刷ワンストップ体制を活かし売上の確保・拡大に努めております。しかしながら、印刷需要が想定を上回る規模で減少した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

②受注価格の変動について

 印刷市場は、小規模事業者が多数を占める業態のもと、競争の激化による受注価格の下落が進んでおります。

このような状況下で、当社グループはお客様のニーズ・課題を解決し、より大きな付加価値をお客様に提供することによる受注価格の維持に努めるとともに、生産技術及び生産効率の向上によるコストダウンを推進し、収益性を確保しております。しかしながら、受注価格の下落が想定を上回る場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)その他のリスク

①自然災害について

 当社グループは、データバックアップ体制の複数拠点化及び従業員の安否確認システムの導入等により、自然災害(台風、地震等)により会社インフラの大規模な損壊や機能低下及び生産活動の停止にもつながるような事態が発生した場合に備えておりますが、想定を超える被害が発生した場合は、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

②法的規制について

 当社グループは、事業を行う上で環境法、下請法、個人情報保護法など様々な法的規制に対応しております。「法令遵守行動規範」を定めコンプライアンスを徹底しておりますが、法令に抵触するような事態が生じた場合は、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

③個人情報保護について

 当社グループは、情報加工サービス企業として、お客様からお預かりする個人情報の保護の重要性及び社会的責任並びにその漏洩リスクを認識しております。その対策として「個人情報保護方針」を定め、個人情報保護マネジメントシステムを構築し、その適切な保護と管理の徹底に努めておりプライバシー・マークの認証を受けております。情報が漏洩した場合は、企業としての信用を失い今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益及び雇用・所得環境の改善やインバウンド需要等に支えられ、景気は緩やかに回復する動きとなりました。一方、不安定な国際情勢、為替変動や物価の上昇等により、依然として先行き不透明な状況となっております。

 印刷業界におきましては、原材料価格の高騰の影響、急速に進む印刷物のデジタル化や広告の減少等で、引き続き厳しい経営環境となりました。

 このような状況の中、当社グループは、カーボンオフセット(カーボンニュートラルプリント、カーボンゼロプリント)関連の販路を拡大し、環境配慮型印刷を通じて脱炭素化への取り組みを推進しております。また、紙媒体とデジタルの両方を連携させ、より高いマーケティング効果を実現させるデジタルマーケティング事業や、Web運用などの面倒なデジタル業務を丸ごとお任せいただける定額制Webサービスの提供など、紙メディアからデジタルメディアまで、幅広い分野での事業展開を図っております。さらに、営業力・提案力の強化を図り、新規顧客の開拓と既存顧客の深耕に注力するとともに、生産効率の向上、更なる内製化の推進により、売上の拡大、収益性の改善に取り組んでまいりました。

 以上のとおり、経営全般にわたる諸施策の展開に努めた結果、当連結会計年度における売上高は47億26百万円(前期比5.2%増収)となりました。その内訳は製品制作売上高7億61百万円(前期比7.9%増収)、印刷売上高39億40百万円(前期比4.9%増収)、商品売上高24百万円(前期比18.8%減収)となりました。損益面においては、営業利益60百万円(前期比15.5%減益)、経常利益1億3百万円(前期比4.6%減益)、親会社株主に帰属する当期純利益60百万円(前期比58.6%減益)となりました。

 当連結会計年度末の流動資産は20億89百万円となり、前連結会計年度末に比べて2億59百万円減少しました。これは主に、現金及び預金が2億61百万円減少したことによるものです。有形固定資産の合計は8億80百万円となり、前連結会計年度末に比べて85百万円減少しました。これは主に、機械装置及び運搬具(純額)の新規取得51百万円、その他(純額)に含まれる工具、器具及び備品(純額)の新規取得10百万円による増加と、減価償却費1億48百万円計上によるものです。無形固定資産の合計は27百万円となり、前連結会計年度末に比べて2百万円減少しました。これは主に、その他に含まれるソフトウエアの新規取得5百万円による増加と、減価償却費8百万円の計上によるものです。投資その他の資産は1億83百万円となり、前連結会計年度末に比べて29百万円増加しました。これは主に、投資有価証券が1億円増加したことと、その他に含まれる保険積立金が72百万円の減少したことによるものです。前述の結果、固定資産合計は10億92百万円となり、前連結会計年度末に比べて58百万円減少しました。以上の結果、資産合計は31億81百万円となり、前連結会計年度末に比べて3億18百万円減少しました。

 当連結会計年度末の流動負債は7億24百万円となり、前連結会計年度末に比べて2億14百万円減少しました。これは主に、支払手形及び買掛金が2億16百万円減少したことによるものです。固定負債は6億68百万円となり、前連結会計年度末に比べて64百万円の増加となりました。これは主に、金融機関からの長期借入金1億60百万円と、長期借入金の返済による減少79百万円、退職給付に係る負債10百万円の減少によるものです。前述の結果、負債合計は13億92百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億49百万円の減少となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は17億88百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億68百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益60百万円による利益剰余金の増加と、自己株式の取得1億95百万円と剰余金の配当による減少34百万円によるものです。

 以上の結果、負債純資産合計は31億81万円となり、前連結会計年度末に比べて3億18百万円の減少となりました。

 

 なお、当社グループは印刷関連事業の単一セグメント事業であります。したがって、セグメント別の業績の記載はしておりません。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローで14百万円増加、投資活動によるキャッシュ・フローで77百万円減少、財務活動によるキャッシュ・フローで1億48百万円減少し、資金は2億11百万円減少となり、当連結会計年度末残高は9億25百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度末において営業活動における資金は、14百万円の増加となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1億3百万円、減価償却費の計上1億59百万円による資金の増加と、仕入債務の減少額2億16百万円、売上債権の増加額38百万円の資金の減少によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度末において投資活動における資金は、77百万円の減少となりました。これは主に定期預金の預入による支出1億50百万円、投資有価証券の取得による支出1億円、有形固定資産の取得による支出92百万円の資金の減少と、定期預金の払戻による収入2億円、保険積立金解約による収入72百万円の資金の増加によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度末において財務活動における資金は、1億48百万円の減少となりました。これは主に自己株式の取得による支出1億95百万円、長期借入金の返済による支出79百万円と、長期借入れによる収入1億60百万円によるものです。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、印刷関連事業の単一セグメント事業であり、事業部門は「製品制作」、「印刷」及び「商品」に分かれております。

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績を事業部門ごとに示すと、以下のとおりであります。

事業部門の名称

当連結会計年度(千円)

前年同期比(%)

製品制作

751,561

4.3

印刷

3,923,300

3.7

合計

4,674,862

3.8

(注)1 金額は販売価格によっております。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績を事業部門ごとに示すと、以下のとおりであります。

事業部門の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

製品制作

746,570

3.0

31,273

△32.7

印刷

3,928,489

2.7

221,883

△5.2

合計

4,675,059

2.7

253,156

△9.8

 

c.商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績を事業部門ごとに示すと、以下のとおりであります。

事業部門の名称

当連結会計年度(千円)

前年同期比(%)

商品

16,837

△33.1

合計

16,837

△33.1

 

d.販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業部門ごとに示すと、以下のとおりであります。

事業部門の名称

当連結会計年度(千円)

前年同期比(%)

製品制作

761,348

7.9

印刷

3,940,760

4.9

商品

24,726

△18.8

合計

4,726,835

5.2

(注)当連結会計年度における外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績の分析

 当連結会計年度における経営成績は、昨年度に続き、カーボンオフセット(カーボンニュートラルプリント、カーボンゼロプリント)関連の売上が好調だった事もあり、売上高が当初計画より上回る結果となりました。

 売上高は47億26百万円(当初業績予想〔2024年5月17日公表〕より126百万円の増収)となり、その内訳は製品制作売上高7億61百万円、印刷売上高39億40百万円、商品売上高24百万円となりました。

 売上原価は37億12百万円、売上総利益は10億14百万円、売上総利益率は21.5%となりました。

 販売費及び一般管理費は9億53百万円で、60百万円の営業利益(当初業績予想より50百万円の増益)となり、営業外収益は49百万円、営業外費用は6百万円となり、1億3百万円の経常利益(当初業績予想より73百万円の増益)となりました。営業外収益の内、恒常的な収益として作業くず売却益29百万円が計上されております。

 親会社株主に帰属する当期純利益は60百万円となり、当初業績予想より50百万円の増益となりました。

 

財政状態の分析

 当連結会計年度における分析は「経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度における分析は「経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの主な資金需要は、設備投資資金、運転資金、借入金の返済等があり、資金の源泉は、営業活動によるキャッシュ・フローに伴う収入と金融機関からの借入によるものです。運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入のほか、販売費及び一般管理費等であります。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 中期経営計画の3年目である2025年3月期の計画達成状況は以下のとおりであります。

 

指標

2025年3月期

(中期経営計画)

2025年3月期

(実績)

2025年3月期

(計画比)

売上高

4,600百万円

4,726百万円

126百万円増(2.7%増)

営業利益

160百万円

60百万円

100百万円減(62.5%減)

営業利益率

3.5%

1.3%

2.2ポイント減

経常利益

180百万円

103百万円

77百万円減(42.7%減)

経常利益率

3.9%

2.2%

1.7ポイント減

 

5【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、創業以来オフセット用写真版の製造販売に関する研究開発を主体としてまいりました。デジタル化の進行に伴い、研究開発活動もその分野を広げ、デジタル化に対応した印刷技術の研究及びソフト開発、情報収集、分析などを行っております。併せてその技術を活かした新商品開発や、新機材の性能評価と導入の可否の決定などを行っております。

 当連結会計年度における主要課題及び研究開発費は、次のとおりであります。

①印刷技術の開発促進(高品位印刷Favorite、広色域印刷、トータル管理)

②CMS(カラーマネジメントシステム)による印刷技術の標準化

③DTP・印刷関連ソフトの検証と情報の共有化

④サーバー・通信・データベースシステムによる生産・営業面での効率向上

⑤業態変化に対する生産・営業面への技術支援

⑥印刷業務における環境負荷の低減への取り組み

 上記事業にかかわる当連結会計年度の研究開発費は4百万円となっております。