第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府や日銀の経済・金融政策を背景に、雇用・所得環境に改善が見られるなど、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で中国をはじめとするアジア新興国経済の減速、米国新政権の経済政策の動向や英国のEU離脱問題等、先行きは不透明な状況が続いております。

印刷業界におきましては、印刷需要の減少により販売競争はますます厳しさを増すなか、受注単価の低下、原材料の高騰等により経営環境は一段と厳しい状況が続いております。

このような状況のもと当社グループは、当連結会計年度の利益計画を達成するための戦略として、「1.全社、全事業所をあげて利益獲得をめざす、2.海外事業の安定と強化、3.設備投資部門への全社一丸となった支援体制」を掲げ、業績回復に向けて取り組んでまいりました。

しかしながら、中国経済の減速による影響やバンコクにおける事業展開の遅れ等により、海外事業が低調であったため、当連結会計年度の売上高は9,930百万円(前年同期比101.0%)の微増となりました。

利益面におきましては、タッチパネル製品の歩留率の悪化や人件費の増加等による販管費の上昇などにより、営業損失は129百万円(前年同期は241百万円の営業損失)、経常損失は74百万円(前年同期は257百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は方南工場跡地等の売却により固定資産売却益を特別利益として計上したため、204百万円(前年同期は464百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

当社グループのセグメント別の業績は次のとおりであります。

 

① 日本

日本国内の受注環境は一段と厳しさを増す中、タッチパネル製品の幅広い営業展開と一般シール・ラベル等の安定的受注確保のため、積極的な営業展開を行ってまいりました。また、製造部門においては、長野工場の生産効率の向上や川越工場のUV印刷機等の最新鋭設備の稼働確保のための内製化を推進してまいりました。

その結果、売上高は7,147百万円(前年同期比117.2%)となりましたが、タッチパネル製品の歩留率の悪化及び人件費の増加により、セグメント損失は35百万円(前年同期は40百万円のセグメント利益)となりました。

② 中国

タッチパネル製品等の受注拡大と稼働率・生産効率の向上、徹底した経費の削減等を行ってまいりましたが、第一四半期連結会計期間の業績低迷により、売上高は2,287百万円(前年同期比69.9%)、セグメント損失は41百万円(前年同期は199百万円のセグメント損失)となりました。なお、中国に所属する連結子会社は、光華産業有限公司及び燦光電子(深圳)有限公司であります。

③ アセアン

マレーシアの業績は日本等からの営業面・生産面における支援体制強化により、回復に向かっておりますが、ASEAN地区の事業拡大を図るため、平成27年5月に設立いたしましたサンコウサンギョウ(バンコク)CO.,LTD.は事業展開の遅れにより当初計画に対して未達となりました。

その結果、売上高は494百万円(前年同期比107.6%)、セグメント損失は64百万円(前年同期は94百万円のセグメント損失)となりました。なお、アセアンに所属する連結子会社は、サンコウサンギョウ(マレーシア)SDN.BHD.及びサンコウサンギョウ(バンコク)CO.,LTD.であります。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、方南工場跡地の有形固定資産の売却等の資金の増加要因によって、3,061百万円(前年同期比445百万円増)となりました。

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は、税金等調整前当期純利益176百万円、仕入債務の増加額409百万円、減価償却費147百万円等の資金の増加要因はありましたが、売上債権の増加額685百万円、有形固定資産売却損益355百万円等の資金の減少要因により、254百万円(前年同期は237百万円の資金の獲得)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により獲得した資金は、有形固定資産の取得による支出150百万円、保険積立金の支出50百万円等の資金の減少要因はありましたが、有形固定資産の売却による収入809百万円、有価証券の償還による収入200百万円等の資金の増加要因により、796百万円(前年同期は787百万円の資金の使用)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により使用した資金は、主に親会社による配当金の支払額43百万円により、47百万円(前年同期比0百万円増)となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

  当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

7,758,472

103.0

中国(千円)

2,357,590

65.7

アセアン(千円)

503,452

111.6

合計(千円)

10,619,514

91.7

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

  当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

日本

7,273,524

118.3

519,600

132.0

中国

2,213,638

69.4

52,747

41.5

アセアン

483,617

101.7

17,699

61.1

合計

9,970,780

101.6

590,047

107.4

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

  当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

7,147,615

117.2

中国(千円)

2,287,870

69.9

アセアン(千円)

494,867

107.6

合計(千円)

9,930,352

101.0

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別販売実績については、総販売実績に対する販売割合が10%未満のため記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループはあらゆる印刷・加工技術を駆使して、装飾性の豊かさを追求することを社会的使命とし、このため素材と印刷のコンビネーションの極大値を実現する技術を蓄積すると同時に、地球環境問題を直視した経営を目標としてまいります。

 上記の経営理念を実現するために、次の諸点を経営行動の指針として掲げております。

① お客様とともに研究・開発に努め技術の蓄積を目指す。

② 品質保証体制を確立し、あらゆる受注形態に対応できるよう生産設備の充実を目指す。

③ 営業力の向上に努め真のマーケットリーダーを目指す。

④ 組織の効率化を追求する。

 これからも環境の変化にスピーディーに対応して、お得意先様からの信頼を更に高め、企業価値の最大化を目指してまいります。

(2)目標とする経営指標

 当社は技術の蓄積、市場ニーズに対応するための投資及び効率化を通じて顧客満足の最大化を図り、積極的な営業展開による市場開拓により、将来の安定的な事業の成長・発展を目指すとともに、株主の皆様への安定的な配当を継続することを経営目標としております。そのため経営指標としては売上高経常利益率及び株主資本当期純利益率(ROE)を重視しております。

(3)経営環境及び対処すべき課題

当社グループの取引は、国内大手電機メーカーグループとの取引が中心であります。

これらの大手電機メーカーにおいては、熾烈な価格競争に勝ち抜くため一層のコスト削減を狙い、自社の生産拠点の海外移転や中国・台湾系の巨大EMS(生産受託会社)への生産委託を加速させ、さらに部材の現地調達化を進めております。この結果、当社の得意とする家電メーカーとのシール・ラベル取引は海外へ移転し、国内市場の縮小が続いており、当社グループを取り巻く事業環境は一段と厳しさを増しております。

このような状況のもと、当社グループは急激に変化を続ける事業環境に対応し、将来にわたり持続的な成長・発展を成し遂げていくため、「効率化の推進による収益改善と成長に向けた新たなチャレンジ」を基本方針に掲げ、以下の重点施策に積極的に取り組んでまいります。

 

① 効率化の推進

国内市場におきましては、大手電機メーカー向けを中心にシール・ラベル需要は縮小傾向にありますので、これに対応するため一昨年関東圏のシール部門3工場の統合を実施いたしましたが、今後は安定稼働に向けた受注の確保及び工程改善等により一層の効率化を図ってまいります。

海外事業展開につきましては、今後もASEAN地域を中心にセットメーカーの生産シフトは続いていくものと思われますので、タッチパネル製品及びシール・ラベル製品においても取りこぼしのないよう海外統括室及び新設したグローバル営業部を中心に海外事業所との連携を強化し、受注の拡大と生産の効率化により原価低減を推進してまいります。

また、リスクに応じた利益の設定等、大型受注案件のリスクに応じた収益管理を徹底し、業績の早期回復及び安定化を図ってまいります。

 

② 成長に向けた新たなチャレンジ

当面、新規分野であるタッチパネル関連製品を受注拡大の柱とし、事業の拡大を図ってまいります。この分野のシェア拡大を成長の柱とするとともに、さらに将来にわたり持続的な成長・発展を成し遂げていくため、メディカル分野、機構部品分野、産業用パネル分野等今後成長が期待できる分野へ経営資源の投入を図ってまいります。

 

以上により、業績の早期回復と将来にわたり持続的な成長・発展を目指してまいる所存であります。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの業績は、今後起こりうる様々な要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループはこれらリスク発生の可能性を認識した上で、発生の予防及び発生した場合の対応に努める方針であります。

 なお、当該リスク情報につきましては、当社グループの事業上のリスクの全てを網羅するものではありません。

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1)顧客企業の業績への依存

 当社グループの主たる事業は、電気機器業界の家電製品、IT機器及びデジタル機器などの製品の外構部品として、ラベル・パネル類を提供しております。これらの顧客企業からの受注は、その企業の業績や、製造ラインの海外シフトなど当社グループが管理できない要因により大きな影響を受けます。また、顧客の要求に応じるための値下げは、当社グループの利益率を低下させる可能性があります。

(2)材料費及び外注費の高騰

 材料価格や外注費単価が著しく上昇し、これを製品価格に反映することが困難な場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)為替レートの変動

 当社グループの海外子会社は、原材料の一部を日本より調達しております。円高又は外国通貨安局面におきましては、原材料円貨の外国通貨換算額が上昇いたしますので、海外子会社にとりまして仕入コストの増加になり、利益率、商品競争力の低下をもたらす可能性があります。

 また、海外子会社の売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は連結財務諸表作成時、円換算されますので換算時の為替レートにより円換算後の価値が変動し当社グループの財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(4)海外事業

 当社グループは、マレーシアにおいてはサンコウサンギョウ(マレーシア)SDN.BHD.、タイ王国においてはサンコウサンギョウ(バンコク)CO.,LTD.並びに中国深圳市においては光華産業有限公司の子会社燦光電子(深圳)有限公司が操業を行っております。海外における政治、法規制の変化、労働環境の悪化など、予期せぬ事象により事業の遂行に問題が生じた場合、原材料、部品調達や生産の遅れなどの問題が発生する可能性があります。これらの事象は業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、貸倒引当金、賞与引当金等の各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な方法により、見積り及び判断を行っております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

(2)財政状態の分析

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は7,539百万円(前年度末は6,588百万円)となり、950百万円増加いたしました。これは、主に保有社債の満期償還により有価証券が201百万円減少いたしましたが、工場跡地の売却等により現金及び預金が444百万円、受取手形及び売掛金が638百万円及びたな卸資産が89百万円増加したことによるものであります。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産の残高は3,904百万円(前年度末は4,249百万円)となり、344百万円減少いたしました。これは、主に投資有価証券は154百万円増加いたしましたが、有形固定資産の減少540百万円によるものであります。

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は2,506百万円(前年度末は2,116百万円)となり、389百万円増加いたしました。これは、支払手形及び買掛金の増加357百万円等によるものであります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は8,536百万円(前年度末は8,358百万円)となり、177百万円増加いたしました。これは、主に利益剰余金が161百万円増加したこと等によるものであります。なお、自己株式の期末残高は、1,185,791株、1,013百万円であります。

 

(3)経営成績の分析

 当連結会計年度における売上高は9,930百万円(前年同期比101.0%)、売上総利益は1,737百万円(前年同期比108.1%)、販売費及び一般管理費は1,867百万円(前年同期比101.0%)、営業損失は129百万円(前年同期は241百万円の営業損失)、経常損失は74百万円(前年同期は257百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は204百万円(前年同期は464百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

(4)キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。