第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、グループ経営理念をステークホルダーの皆様やグループ従業員に分かりやすく明確に伝えたいという観点から体系化し、ブレークダウンしております。当社グループで働く一人ひとりが共有する心構えとなる「基本方針」、経営理念を実現していくための「基本戦略」により構成されています。

 

[グループ経営理念]

[創業200年の夢]“自分の子供や孫の世代も入社させたい”

朝日印刷グループで働く世界中のだれもが、そう思える会社を創りたい

私達は、美と健康の包装に関する分野で

包むこころ を大切に、日本と世界へ 新しい包装文化 を発信する

 

 

[グループ基本方針]

お客様本位

私達は、常にお客様の立場に立って考働し、笑顔と感動を提供する企業を目指します

 

選ばれる企業

私達は、世界中のお客様に安心・安全と、新たな付加価値のある商品・サービスを提供します

 

働きがい企業

私達は、Asahiファミリーとしてお互いを思いやり、笑顔が溢れる企業を目指します

 

社会貢献

私達は、暮らしと心の豊かさを大切にし、社会から尊敬

される企業を目指します

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 当社グループは、これら「経営理念」「基本方針」を経営の基本的信念とし、印刷包材事業をコア事業領域として美と健康に関する分野で、包装を核とした商品とサービスを「基本戦略」のもとに提供してまいります。

 

(2)経営戦略等

 今後の見通しにつきましては、市場動向は不透明な状況にあり、経営環境としては依然として不安が残っております。

 このような中、当社グループは、2017年よりスタートした中期経営計画(AD2021計画)において

『Open』The Future!!

 包むこころ を大切に、日本と世界へ 新しい包装文化 を発信する

をスローガンに、激化する企業間競争に勝ち残るために、コアの印刷包材事業に生産性向上を目的とした経営資源を投入することでモノ作り改革を進め、ぶっちぎりの商品力・技術力・開発力でお客様に最高の価値をお届けする感動提供企業を目指しております。また、社会環境面の要請に対し、次世代へ受継ぐモノ作り企業としての環境対応の強化、また従業員のワークライフバランスの向上と、安心・安全と笑顔溢れる企業を目指した働き方改革にもチャレンジしております。

具体的な戦略推進にあたっては10の長期ビジョンを設定し、2021年度までの期間を2つに分け、2017年から2019年までの前半期間においては、モノ作り体制のチェンジとして省人化・省力化を念頭とした生産基盤の構築に努めてまいりました。そして2019年からはチェンジしたモノ作り体制を成長ドライバーに、目標達成に向けたグループ全体での取組を加速させる期間と位置づけ、戦略を実行しております。

優先的に対処すべき課題として、中期経営計画(AD2021計画)の4年目となる2020年度は、4月より京都クリエイティブパークにおいて、店頭用医薬品パッケージ並びに化粧品パッケージを主体として製造する西棟の稼働がスタートいたしました。これにより京都クリエイティブパークでは、既存の東棟と合わせて医薬品・化粧品向けパッケージを網羅して製造できることになります。今後は富山地区並びにグループ会社を含めた連携体制を強化し、BCP対応面でもお客様の信頼向上に努め、安心してご注文をいただける生産体制の構築に努めてまいります。

グループ機能としては、包装システム販売事業の強化、経営資源の集約を目的として2020年7月に連結子会社である株式会社スリーエスの吸収合併を予定しております。

また、2019年12月に子会社化したマレーシアの印刷会社Harleigh (Malaysia) Sdn.Bhd.及びShin-Nippon Industries Sdn.Bhd.を拠点に、ASEANを中心とした販売・製造体制の確立、人材交流等を通じた人財の育成など海外事業を進めてまいります。

新型コロナウイルス感染症が世界的に大流行し、我が国でも緊急事態宣言が発令されるなど、実体経済は今後も深刻な影響が想定されます。当社グループでも、クライアントへの訪問自粛などの営業活動の制限、在宅勤務等により、足元の営業活動に支障が出ており、翌連結会計年度の業績にマイナスの影響が少なからず想定されます。また、当該影響は新型コロナウイルス感染症の収束時期が不透明な状況下から、現段階において業績に及ぼす影響を合理的に算定することが困難な状況です。

したがいまして、翌連結会計年度の業績につきましては、現時点での予測として新型コロナウイルス感染症の影響が夏から秋ごろまで継続すると想定し、業績見通しに幅を持たせることにいたしました。今後の感染拡大や収束時期などの状況変化により、連結業績が変動する可能性があります。また、利益面では、増産体制構築に伴う労務費や京都クリエイティブパーク西棟の償却費など費用の増加が想定されております。尚、上記予測数値を修正する必要が生じた場合には、速やかに修正内容を開示いたします。

また、これに伴い、2022年3月期を最終年度とする中期経営計画「AD2021計画」の売上目標及び営業利益につきましては、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえて精査し、修正する必要が生じた場合には、速やかに修正内容を開示いたします。

 

〔AD2021計画 10の長期ビジョン〕

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〔2021年に向けたロードマップ図〕

 

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(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 目標とする経営指標としては、中期経営計画の設定期間において売上高及び営業利益率の達成目標を設定し、PDCAを効率よく運用することで目標達成を目指してまいります。

 また、売上高に左右されずに適正な利益を生み出せる強靭な経営体質の構築を目指しており、その指標として自己資本利益率(ROE)を重視しております。

 今後も中長期的に継続して、より高い自己資本利益率の達成を目指した事業運営に注力し、また、連結配当性向30%以上を維持することで持続的に企業価値・株主価値の向上を図ってまいります。

 

(4)経営環境

 当社グループの事業の中核である印刷包材事業の売上において、医薬品、化粧品市場向け印刷包材の売上高が高い割合を占めております。そのため、当社グループの経営成績は、医薬品業界、化粧品業界における企業再編やM&Aなどの変動をはじめ、これらの業界業績により、また、薬機法の改正など医療制度の改革により、影響を受ける可能性があります。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社グループは近年激化する企業間競争に勝ち残るために、主要事業領域である印刷包材事業に、生産性向上を目的とした経営資源を投入することでモノ作り改革を進め、ぶっちぎりの商品力・技術力・開発力でお客様に最高の価値をお届けできる感動提供企業を目指しております。

 また、売上高に左右されずに適正な利益を生み出せる強靭な経営体質の構築を目指しており、その指標として自己資本利益率(ROE)の向上を財務上の課題として認識しております。

 

 

2【事業等のリスク】

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項を記載しております。当社及び当社グループ各社は、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避や発生した場合の対応に努める所存であります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経済状況の変化について

当社グループは主に日本国内の製薬メーカー及び化粧品メーカーを得意先として事業展開しております。そのため、日本国内の経済情勢の変動や取引先各社の経営成績により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2)取引先が特定の業種に偏重していることについて

当社グループの主たる事業である印刷包材事業の売上高がグループ総売上高に占める割合は、当連結会計年度において90.8%となっており、印刷包材事業の売上高のうち、その大半は医薬品向け包材と化粧品向け包材が占めております。

総売上高に占める取引先1社当たりの売上高の割合は低く、取引先の分散は図られているものと認識しており、当社は今後ともこれまでの取引関係を維持発展させて行く方針でありますが、製薬メーカー及び化粧品メーカーの属する市場環境及び業界動向、薬機法の改正及びその他薬事行政における指導、並びに取引先各社の事業方針、経営施策により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3)特有の法的規制及び製品の不具合が生じた場合の責任について

 主力の印刷包材事業におきまして、当社グループ各社は品質マネジメントシステムISO9001をベースとした品質管理・品質保証体制を構築し、安定した品質の製品供給に努めております。しかし、例えば、医薬品印刷包材に表示面での誤りがあった場合、その誤った情報を基に医薬品が使用されますと、時には人命にもかかわる事態を引き起こすことも考えられます。したがって、万が一、当社グループの製造過程における過失等により薬機法に抵触する製品が市場に流通した時には、得意先が実施する市場回収コスト等に対する当社負担が発生し、当社グループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が製造・販売した製品に起因する何らかの不具合が生じた場合、得意先内で発生した改修費用のうち、その責任割合に応じた費用請求がなされることがあり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4)新製品及び新技術に係る商品化について

 当社グループでは、将来の成長には新製品の開発が不可欠であり、継続して新製品を開発する体制を維持することが必要であると考えておりますが、新製品の開発はその性質から複雑かつ不確実なものであり、以下の様々なリスクがあります。

①新製品や新技術への投資に必要な資金と資源を今後十分充当できる保証はありません。

②長期的な投資と資源投入が、新製品または新技術の創造につながる保証はありません。

③新たに開発した製品または技術が、独自の知的財産権として保護される保証はありません。

④消費者の嗜好の変化により、製品が時代遅れになり、市場の需要について行けなくなる可能性があります。

 これらのリスクをはじめ、予想以上に市場等が変化し、魅力ある新製品の開発ができない場合、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5)知的財産権の侵害について

 当社グループの保有している知的財産権については、知財管理室にて一括管理しておりますが、当社グループの知的財産権を他社が侵害したり、当社グループが他社の知的財産権を侵害することが発生した場合には、取引先との信頼関係に影響を及ぼすとともに他社との係争に関わる費用が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)原油価格や為替レート等の変動について

 主力の印刷包材事業で使用しております原材料の紙やインキは、メーカーでの原燃料となる原油価格の変動による影響を受けます。また、紙に関しましては主原料である輸入木材チップ及び古紙等の価格変動にも影響を受けます。原油や為替レートの変動による輸入原材料価格の高騰が発生し、当社製品の販売価格に転嫁できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)原材料の供給状況による影響について

 主力の印刷包材事業で使用しております原材料等に関しましては、供給元と基本取引契約書を締結し、安定的な調達を行っておりますが、現状、主原材料である板紙の供給元地域は東海(富士地区)への偏りが見られます。使用する板紙は得意先と取り交わしている規格書において、紙の銘柄を限定している製品が多く、供給元地域における天災や供給元での不慮の事故が発生した場合、または供給元との取引関係に変化が生じた場合には、原材料の不足が生じる恐れがあり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(8)環境に関する法的規制について

 当社グループ各社は環境マネジメントシステムISO14001の認証を取得しており、環境関連法規を順守し環境保全に配慮した企業活動を推進しておりますが、法規遵守の過程における追加的費用や、当社グループでの製造中に意図しない環境汚染が生じ、その保全に費用が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(9)設備投資について

 当社グループの主たる事業は印刷包材の製造・販売であり、設備投資の大半はこの印刷包材事業に関わるものとなります。当事業では市場環境の動向や取引先情報を踏まえた販売部門の受注予測に基づいて、生産計画や設備投資計画の立案を行っております。しかしながら、受注予測や設備計画が計画どおりに進捗しない場合には、投資回収までの期間の長期化や、生産計画の遅延等に伴う売上計画の未達成と減価償却費の増加に伴う収益性低下が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(10)情報セキュリティについて

主力の印刷包材事業では取引先から新製品発売に関わる情報の提供を受け、その印刷包材を製造しております。取引先とは機密保持契約や覚書を締結し、新製品情報の漏えい防止を徹底しておりますが、万が一、情報漏えいが発生した場合には、取引先との信頼関係失墜による受注機会の損失に加え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(11)電力の供給状況による影響について

 現在、当社グループ各社の生産設備の動力源は電力であり、供給不足や電力料金値上げが発生した場合には、工場の操業に影響を及ぼしたり、製造原価の上昇が生じることがあります。当社グループは、省エネ、原価低減等の対応策を積極的に推進してまいりますが、これらの影響を吸収できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(12)地震等の災害について

 当社グループの生産拠点において、地震、洪水等の自然災害や火災等の事故が発生した場合には、当社グループの操業に直接的または間接的に影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このリスクに対しまして、当社の生産体制は市場別・製品群別に分けた工場体制を構築しており、グループ各社と合わせて同仕様製品を複数の生産拠点で製造できるよう機械設備を設置しております。また、優先的に対処すべき課題として、これまで富山市に集中していた当社の工場立地状態に鑑みて、2015年8月に京都府木津川市に新たな製造拠点として京都クリエイティブパークを建設いたしました。そして2020年4月より同パークにおいて、店頭用医薬品パッケージ並びに化粧品パッケージを主体として製造する西棟の稼働がスタートしております。これにより同パークでは、既存の東棟と合わせて医薬品・化粧品向けパッケージを網羅して製造出来ることになります。今後は富山地区並びにグループ会社を含めた連携体制を強化し、地震等の災害に対応するBCP(事業継続計画)の高度化に努めてまいります。

(13)海外事業展開について

 当社グループは、2019年12月に発行済株式総数の各々65.0%取得し、連結子会社化したマレーシアの印刷会社Harleigh (Malaysia) Sdn.Bhd.及びShin-Nippon Industries Sdn.Bhd.を拠点にASEAN を中心とした販売・製造体制の確立、人材交流等を通じた人財の育成など海外事業を進めてまいります。

 なお、当該海外子会社の非支配株主は、企業結合日から2年後を目途に、残りの35.0%の株式について当社が購入することを請求する権利を有しております。

 また、海外における事業活動には法律や規制の変更、労務環境の違いによる争議等の発生、人材の採用と確保の難しさ、テロ・戦争・その他の要因による社会的混乱などのリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績ならびに財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
 

(14)のれんの減損について

 当社グループは、Harleigh (Malaysia) Sdn.Bhd.及びShin-Nippon Industries Sdn.Bhd.株式を取得し、連結の範囲に含めたことに伴い、連結貸借対照表にのれんを計上しております。期待しているキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、収益性が低下した場合には減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(15)感染症対策について

 当社グループは、「人命尊重」を基本理念として、朝日印刷グループで働く全ての人の安全と健康を確保することを企業活動の基盤とし、全ての人が参加するかたちで、安全・衛生活動を推進し、「安心して働くことができる職場」を実現していきます。

1.関係法令順守

 当社は、労働安全衛生法等の法令を順守し、従業員の安全と健康の確保に努めています。

2.安全衛生委員会

 当社は、全社を管轄する中央安全衛生委員会の下部に各事業所での安全衛生委員会を設置し、全社で安全・衛生方針の浸透と、各職場に応じた安全・衛生活動を推進しています。

 インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症等の感染症対策については、社長を対策本部長とした対策本部を設置しております。政府や行政機関などの見解を参考に社内の状況を鑑みた体制構築等、マニュアル化を実施しております。マニュアルでは、状況に応じた段階的な対応を取決めております。

 今回、朝日印刷では新型コロナウイルス感染拡大を受けて「新型コロナウイルス感染症対策本部」を立ち上げ、今後自社で取るべき対応を検討するほか、グループ従業員に在宅勤務や時差出勤を指示し、感染リスクの軽減を図っております。

 また、朝日印刷の工場において、感染者が確認されるなど万一の際は、その工場が操業不可能になった場合にも他工場やグループ会社(阪本印刷、協和カートン、ニッポー)など複数工場で製造が可能な体制を構築しており、お客様への供給維持に努めております。

 

各本部での主な取り組み状況は、次のとおりです。

 

管理本部

・新本社社屋と旧本社社屋での2グループによる勤務

・受付前消毒液の設置

・応接室、会議室使用後の消毒

 

生産本部

・間接部門も含む工場間往来禁止

・協力工場、業務委託先への協力要請

・一工場が操業停止しても他工場で生産を対応できるよう準備を実施

・間接部門の各工場への配置

・一部間接部門での2グループによる勤務(1日交替で出勤、1日はテレワーク)

 

営業本部・企画開発本部

・東京支店、大阪支店での2グループによる勤務(1日交替で出勤、1日はテレワーク)

・他の支店、営業所での混雑を避けるためのフレックスタイムの活用奨励

・一部社員のリモートワークの推奨(デザイン部、開発部、海外事業開発室)

 

これら施策を通じ、新型コロナウイルス感染症の影響の極小化を図っております。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1.経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(1)経営成績等の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善を背景に景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、米中の貿易摩擦や年度末に発生した新型コロナウイルス感染症の国内外における感染拡大などの影響により、先行きに対する不透明感が増してまいりました。

このような中、当社グループは、美と健康の包装に関する分野を事業領域とし、医薬品・化粧品包材(パッケージ・添付文書・ラベル等)の製造・販売を行う印刷包材事業及び包装システム販売事業を中核に、業容の拡大、企業価値の更なる向上に努めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ11億28百万円増(前連結会計年度比2.9%増)の404億60百万円となりました。

利益面につきましては、物流コスト・原材料の上昇に伴う変動費や、印刷包材事業の増産体制構築に関連する費用の増加により当連結会計年度における営業利益は18億37百万円(前連結会計年度比1.8%減)、経常利益は、21億73百万円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、14億87百万円(前連結会計年度比10.4%減)となりました。

 

セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。

 

印刷包材事業

当社グループの主たる事業である印刷包材事業におきましては、市場での企業間競争が一段と厳しさを増しておりますが、当社グループは市場ニーズに即した付加価値の高い製品の提供に努め、お客様・地域に密着した提案型営業活動を展開するとともに、高水準の品質保証体制を追求し、安定した製品の供給に努めてまいりました。

売上高は、医薬品向け市場におきましては、医療用向け製品・OTC向け製品とも前年実績を上回りましたが、化粧品向け市場におきましては、インバウンド需要の低下もあり前年実績を下回りました。

この結果、印刷包材事業の売上高は、367億30百万円(前連結会計年度比2.7%増)となりました。

セグメント利益は、前連結会計年度に比べ2億97百万円増(前年同期比3.7%増)の82億60百万円となりました。

 

包装システム販売事業

当セグメントでは、印刷包材と連携したトータル提案による、時流や得意先ニーズにマッチした新たな「包装」の開発を主眼とした包装機械や包装ラインの企画提案・仕入・販売を行っております。

当連結会計年度における包装システム販売事業の売上高は、前連結会計年度に比べ1億19百万円増(前年同期比3.7%増)の33億86百万円となりました。

セグメント利益は、前連結会計年度に比べ43百万円増(前年同期比10.6%増)の4億52百万円となりました。

 

その他

人材派遣事業

その他の事業では、当社グループ内のみならず地域企業からの求人を受けて人材の派遣を行っております。

当連結会計年度における人材派遣事業の売上高は、前連結会計年度に比べ45百万円増(前年同期比15.4%増)の3億43百万円となりました。

セグメント利益は、前連結会計年度に比べ10百万円増(前年同期比16.6%増)の70百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、62億74百万円となり、前連結会計年度末に比べ、6億4百万円増加いたしました。

 

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

<営業活動によるキャッシュ・フローの状況>

営業活動の結果、増加した資金は、25億3百万円となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益22億57百万円、減価償却費24億87百万円によるものであります。

<投資活動によるキャッシュ・フローの状況>

投資活動の結果、減少した資金は、62億15百万円となりました。

これは主に、京都クリエイティブパークの西棟増設をはじめとする投資を要因とした、有形固定資産の取得による支出61億47百万円によるものであります。

<財務活動によるキャッシュ・フローの状況>

財務活動の結果、増加した資金は、43億17百万円となりました。

これは主に、長期借入れによる収入66億円によるものであります。

 

(3)生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

前年同期比(%)

印刷包材事業(千円)

32,109,233

103.7

包装システム販売事業(千円)

報告セグメント計(千円)

32,109,233

103.7

その他(千円)

合計(千円)

32,109,233

103.7

(注)1.金額は販売価額により記載しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b.商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

前年同期比(%)

印刷包材事業(千円)

3,417,561

98.5

包装システム販売事業(千円)

2,921,461

102.2

報告セグメント計(千円)

6,339,023

100.2

その他(千円)

合計(千円)

6,339,023

100.2

(注)1.金額は仕入価額により記載しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

c.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

印刷包材事業

37,195,107

100.4

6,506,039

107.7

包装システム販売事業

2,995,249

75.1

604,463

60.7

報告セグメント計

40,190,357

97.9

7,110,502

101.1

その他

343,702

115.4

合計

40,534,060

98.0

7,110,502

101.1

(注)1.金額は販売価額により記載しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

d.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

前年同期比(%)

印刷包材事業(千円)

36,730,319

102.7

包装システム販売事業(千円)

3,386,028

103.7

報告セグメント計(千円)

40,116,348

102.8

その他(千円)

343,702

115.4

合計(千円)

40,460,050

102.9

(注)1.金額は販売価額により記載しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.主要顧客(総販売実績に対する売上高が10%以上)に該当するものはありません。

 

2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績について、以下のとおり分析しております。

①売上高

売上高は、前連結会計年度の393億31百万円に比べ2.9%増収の404億60百万円となりました。

売上高をセグメント別に分析いたしますと、印刷包材事業におきましては、市場での企業間競争が一段と厳しさを増しております。このような事業環境の中、市場ニーズに即した付加価値の高い製品の提供に努め、お客様・地域に密着した提案型営業活動を展開するとともに、高水準の品質保証体制を追求し、安定した製品の供給に努めてまいりました。医薬品向け市場におきましては、ジェネリック医薬品普及促進の流れもあり、医療用向け製品・OTC向け製品ともに前年実績を上回りましたが、化粧品向け市場におきましては、インバウンド需要の低下もあり前年実績を下回りました。

この結果、当連結会計年度における印刷包材事業の売上高は、前連結会計年度に比べ2.7%増収の367億30百万円となりました。当連結会計年度における包装システム販売事業の売上高は、自動化・省人化ニーズの高まりもあり、前連結会計年度に比べ3.7%増収33億86百万円となりました。

その他の事業の当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ15.4%増収3億43百万円となりました。

②売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益

売上原価は、前連結会計年度の308億99百万円から7億77百万円増加し、316億76百万円に、また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の65億62百万円から3億83百万円増加し、69億46百万円となりました。

売上高は増加いたしましたが、物流コスト・原材料の上昇に伴う変動費や、印刷包材事業の増産体制構築に関連する費用の増加により、営業利益率は、前連結会計年度4.8%のから0.2ポイント減少の4.5%となりました。

この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度の18億70百万円に比べ32百万円減少し、18億37百万円となりました。

③営業外収益・費用、経常利益

営業外損益は、前連結会計年度の3億80百万円の利益(純額)から3億35百万円の利益(純額)と44百万円減少しました。これは、主に営業外費用の減価償却費増加によるものであります。

営業利益の減少に加えて、営業外費用が増加したことにより、経常利益は、前連結会計年度の22億50百万円に比べ77百万円減少し、21億73百万円となりました。

④特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益

特別損益では、特別利益が前連結会計年度に比べ1億84百万円減少し、2億85百万円、また、特別損失は前連結会計年度に比べ58百万円減少し、2億1百万円となりました。

特別利益減少の主な要因は、投資有価証券売却益の減少であり、また、特別損失減少の主な要因は、減損損失の減少によるものであります。

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1億73百万円減少し、14億87百万円となり、1株当たり当期純利益金額は66円74銭となりました。

⑤資産、負債及び純資産

当連結会計年度末の総資産は、617億71百万円となり、前連結会計年度末に比べ52億98百万円増加いたしました。

その内、流動資産は、243億65百万円と、前連結会計年度末に比べ12億19百万円増加いたしました。その主な要因は、受取手形及び売掛金の増加によるものであります。また固定資産は、374億5百万円と、前連結会計年度末に比べ40億79百万円増加いたしました。その内訳としては、有形固定資産は、京都クリエイティブパーク西棟増設に伴う建物及び構築物の増加により298億73百万円となり、37億49百万円増加いたしました。無形固定資産は、のれんの増加により11億34百万円となり、4億85百万円増加いたしました。投資その他の資産は、投資有価証券の減少により63億98百万円となり、1億56百万円減少いたしました。

 

当連結会計年度末の負債合計は、315億51百万円となり、前連結会計年度末に比べ43億74百万円増加いたしました。

その内、流動負債は、131億47百万円と、前連結会計年度末に比べ11億48百万円減少いたしました。その主な要因は、支払手形及び買掛金の減少によるものであります。また固定負債は、184億4百万円と、前連結会計年度末に比べ55億23百万円増加いたしました。その主な要因は、長期借入金の増加によるものであります。

当連結会計年度末の純資産の部は、302億19百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億23百万円増加いたしました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加によるものであります。

この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、48.3%となりました。

 

(2)経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

①キャッシュ・フロー

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「1.経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

②契約債務

 

年度別要支払額(百万円)

契約債務

合計

1年以内

1年超3年以内

3年超5年以内

5年超

短期借入金

159

159

長期借入金

13,362

731

9,031

3,600

リース債務

3,898

514

2,726

625

31

 上記の表において、連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。

 当社グループの第三者に対する保証は、借入金等に対する債務保証であります。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、当連結会計年度末の債務保証額は12百万であります。

 

③財務政策

 当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入等により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は、長期借入金で調達しております。

 連結会計年度末の長期借入金の残高は133億62百万円であります。

 

(4)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成判断をするための客観的な指標

 当社グループでは中期経営計画であるAD2021計画におきまして2021年3月期の売上高450億円、営業利益率10%を連結目標としております。また、売上高に左右されずに適正な利益を生み出せる強靭な経営体質の構築を目指すため、自己資本利益率(ROE)を重視し、2021年3月期の目標値を8%としております。

 2017年から2019年までの前半期間においては、モノ作り体制のチェンジとして省人化・省力化を念頭とした生産基盤の構築に努めてまいりました。そして2019年からはチェンジしたモノ作り体制を成長ドライバーに、目標達成に向けたグループ全体での取組を加速させる期間と位置づけ、戦略を実行しております。

 なお、翌連結会計年度の業績につきましては、新型コロナウイルス感染症の収束時期が不透明な状況下から、現段階において業績に及ぼす影響を合理的に算定することが困難な状況であります。2022年3月期を最終年度とする中期経営計画「AD2021計画」の売上目標及び営業利益につきましては、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえて精査し、修正する必要が生じた場合には、速やかに修正内容を開示いたします。

 

 

当連結会計年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。

指標

2020年度(計画)

2020年度(実績)

2020年度(計画比)

売上高(百万円)

41,690

40,460

1,229百万円減( 3.0%減)

営業利益(百万円)

1,820

1,837

17百万円増( 1.0%増)

親会社株式に帰属する当期純利益(百万円)

2,080

1,487

592百万円減(28.5%減)

自己資本利益率(ROE)(%)

5.0

5.1

0.1ポイント増

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社は、連結財務諸表の作成に際し、当連結会計年度末における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき行っており、そのため、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 また、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

 

①のれんの減損

当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。

また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。

 

②繰延税金資産の回収可能性

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積額が減少した場合、繰延税金資産は減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

Harleigh(Malaysia)Sdn.Bhd.及びShin-Nippon Industries Sdn.Bhd.の株式取得に関する契約

 当社は、2019年8月8日開催の取締役会において、Harleigh(Malaysia)Sdn.Bhd.及びShin-Nippon Industries Sdn.Bhd.の一部株式を取得し子会社化することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。

 また、2019年12月23日に同社の株式を発行済株式総数の各々65.0%取得し、連結の範囲に含めております。

 なお、詳細は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載しております。

 

5【研究開発活動】

当連結会計年度における研究開発費の総額は32,976千円となっております。

当社の研究開発活動は、企画開発部門が中心となり、営業・生産部門と密接な連携のもとに取り組んでおります。

印刷包材事業におきましては、得意先からの製品開発、販売促進、コストダウン等の多様化するニーズに対応した紙器構造の開発・改良、材料の研究と共に、企画開発本部内に企画開発戦略室、知財管理室を設置し、マーケティング機能向上及び知財管理を行っております。包装業界をリードするオリジナルイノベーションを創出することで、印刷包材の収益性を向上させることを目指しております。

また、中期経営計画(AD2021計画)内で重要な課題として挙げているモノ作り体制のチェンジも大きな研究課題です。しごとチェンジ推進室と生産本部が一体となり、チェンジしたモノ作り体制を成長ドライバーとし、早期に成長軌道に乗せ、目標達成に向けたチャレンジを行っております。