当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、情報産業の一翼を担う印刷産業として、各種メディアに対応し、また最近のIT革命に呼応して新たなる「印刷とITの融合」をテーマとしております。
これにより、経営スタンスは、印刷業界において常に新技術の開発・導入をはかり、各分野におけるパイオニアとなることを目指しております。
また、新型コロナウイルス感染拡大以降、印刷業界においては、長らく情報伝達の主役であった紙(ペーパー)から情報のデジタル化への移行が加速しております。この状況に対応すべく、従来の紙を主体とする印刷から情報産業への収益構造改革を進めてまいります。
(2)経営戦略等
中長期的には、情報メディアのデジタル化の流れにより印刷産業は紙のみならず各種媒体を吸収していくことが要求され、この変化は今後さらに加速することが予想されますので、当社は、インターネット関連事業の伸長に積極的に取り組んでおります。
短期的には、戦略的設備投資として最新型高性能インクジェットプリンターを本格稼働させ、生産ラインの小ロット、短納期対応の体制を強化しております。さらに戦略的商品として開発した光沢があり屈折で浮き出て見えるホログラム印刷を学校アルバム、一般商業印刷の両部門に投入し、販売を促進して売上の増大をはかってまいります。
(3)経営環境
情報メディア電子化の進展を受け様々な分野でペーパーレス化が拡がり、紙媒体需要は減少を続けておりますが、テレワークの拡充、書類への押印の必要性など紙のやり取りが減って人々の行動様式に変化が現われますと、紙からデジタルへの情報媒体の移行が進み経営環境は変化してまいります。この変化に対応していくためインターネット関連事業に取り組みこの分野を伸長させる計画であります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は当事業年度において、2期連続で営業損失、経常損失及び当期純損失となりました。さらに3期連続で営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスの状況であり、現金及び預金の残高から借入金残高を控除した手元資金は173百万円であります。継続的な手元資金の減少により当事業年度末日後1年内の資金繰りに懸念があり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当社では、当該状況を解消すべく次の施策を行うこととしております。
① 学校アルバム販売価格の適正化による収益の改善
② 営業費用の削減
③ 自律的な資金調達の実施
当該状況を解消するための対応策の詳細は、「第5 経理の状況 注記事項 の(継続企業の前提に関する事項)」をご参照ください。
さらに、当社は中長期的に紙からデジタルへの情報媒体への変化に対応するため既存の学校アルバム、一般商業印刷の二部門に加え、インターネットを介したデジタル写真アルバム、写真プリント販売、自費出版サービス、印刷通販、Web3.0事業等のインターネット関連事業の収益基盤の拡充を目指しております。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標といたしましては、売上高の拡大、営業利益の継続的な黒字化を目指してまいります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
1.サステナビリティ全般に関して
弊社としましては、弊社の企業活動を取り巻く自然環境を永続的ならしめることこそが、自らの企業活動を持続発展的なものに結び付けるものと認識しております。特に弊社の企業活動での以下の項目に注目し対応を実施・検討しているところであります。
・生産活動における省電力化及び、CO2排出量低減を実施しております。
具体的には、弊社高浜工場での太陽光発電の開始、本社および自社工場において蛍光灯のLEDへの一斉置き換えを実施したところです。LEDへの一斉置き換えでは年間約45トンのCO2削減効果を見込み(※1)、杉の木換算で約3,000本分の植樹効果を見込んでいるところです(※2)
(※1)環境省・経済産業省の公表する各送配電事業者の調整後排出計数に基づく
(※2)杉の木1本が1年間に吸収するCO2を14㎏として計算
・印刷過程におけるプラスチック由来製品取扱低減による自然環境の維持については継続的に検討・実施を続けております。
(1)ガバナンス・リスク管理
「1.サステナビリティ全般に関して」の観点を勘案した企業活動を推進するため、社長をトップとした取締役会では、固定資産や生産設備の更改・見直しのタイミングを見図りつつ問題解決の検討に取り組んでおります。
上記企業対応の検討は社会貢献に資するのみならず、脱炭素税や環境破壊に対するペナルティ施策等が導入された場合であっても、社業を安定的に稼働させる弊社のリスク管理に資するものです。
CO2削減は気候変動に対する対応として有効な策と理解しているところでありますが、現状の工場設備で消費している電力の生成時、および工場での生産時そのもので発生するCO2低減化を進めるべく検討・実施を始めたところであります。
また、当社印刷製品にプラスチック由来の原料使用を低減・回避する方法をとることで、当社製品の生産量が増大した場合でも、環境への負荷が高まらないよう留意しております。
(2)戦略
「(1)ガバナンス・リスク管理」に記載した内容を具体的に進めるため下記の対応を実施・検討しております。
・設備更改の都度、最新の省エネ機材と入れ替えを行うことにより、逐次省電力化を図っているところであります。この度、保有する固定資産を有効に活用すべく、弊社高浜工場屋上へ太陽光発電パネルを設置いたしました。これにより、同工場で使用する電力の一部につきCO2無排出化を進めていくことが期待できます。
さらに、本社および各自社工場における蛍光灯のLED一斉入れ替えを実施したことにより、前述の通り、CO2の発生を年間約45トン程度削減ができる見込みになりました。
・また、例えば従来は一般的にプラスチック・石油由来の原料が必要とされていたホログラム印刷につき、既に当社はプラスチック・石油由来原料の使用を不要とする手法を採用しております。このように環境負荷の低い印刷技術を積極活用しつつ、他社製品との差別化もあわせて進めてまいります。
(3)指標及び目標
具体的な指標や目標を定めたわけではありませんが、今後の進捗状況を見ながら、指標化についても検討してまいりたいと考えております。
2.人的資本に関して
(1)ガバナンス・リスク管理
会社の持続的運営を担保するにあたっての最大のカギは社内人材の活性化と認識しております。
このために有効と考えられるのは、会社運営が単一志向に陥らないような人材の多様性を確保することや自律的人材を育成することと考えており、これこそが会社として最大のリスク管理と考えております。
(2)戦略
「(1)ガバナンス・リスク管理」に記載した内容を具体的に進めるため、人材に関し各部門に多様なバックグラウンドを持つ者を積極的に外部採用し、重要な組織の設置・改編や主要ポジションの見直し等を行うとともに、効果的な社員教育の実施を進めております。
(3)指標及び目標
弊社は比較的小規模な組織であるため、重要性も勘案し、現段階では採用人数や研修実施回数等の人的資本に関する具体的な目標値は定めておりません。しかし、社員教育は、社内人材を活性化する上で非常に重要なポイントであると認識しております。弊社ではこれまで、執務現場で必要となる公的資格の取得・更新のための講習会を除き、OJTをはじめとする社内だけによる教育研修を実施してまいりました。ただ、この方法だけでは、ともすると「社内常識」にとらわれかねない研修となってしまう懸念もあります。
このような観点も勘案し、昨年から教育研修の実施につき、社外の多様な考え方・態様にも触れる機会を社員が積極的に得られるよう、新たに他社の社員も参加する外部教育・研修機関への派遣を開始したところであり、従来からの社内研修と並走させることとしております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものです。
(1)少子化によるリスク
当社の売上高のおよそ80%を占める学校アルバムは、少子化が続く中で、学生生徒数の減少、学校数の減少にみられるように市場規模が年々縮小、販売数量も減少し同業他社との競争は毎年激化しており、厳しい経営環境はしばらく続くと見込まれます。
この少子化によるリスクへの対応策といたしましては、市場規模が縮小していく状況におきましても、競合他社との競争優位性を確立することであります。そのため、短納期・高品質の学校アルバムや顧客ニーズに合わせた様々なタイプの学校アルバムを市場に提供できるよう、最新型高性能インクジェットプリンターなどの生産設備を備えております。また、アルバム原稿編集においてもAIを導入したソフトウェアの開発を進めており、この工程においても省力化をはかり生産効率化による競争力の強化を推進しています。
(2)情報メディアのデジタル化によるリスク
一般商業印刷部門におきましては、デジタル化の進展に伴い、ペーパーレス化が加速しますと、紙媒体需要が減少し、紙媒体印刷物の市場が縮小すると見込まれます。
この情報メディアのデジタル化によるリスクへの対応策といたしましては、当社のみならず印刷業界全体の構造転換が求められておりますが、当社は「印刷とITの融合」をメインテーマにインターネット関連事業に積極的に取り組んでおります。インターネットを介したデジタル写真アルバム、写真プリント販売、自費出版サービス、印刷通販等インターネット関連事業のラインナップを充実させ、売上増大をはかっていく所存です。
(3)固定資産の減損リスク
当社は、生産設備や土地をはじめとする固定資産を保有しています。事業環境等の変化により当該資産から得られる将来キャッシュ・フローが著しく減少した場合、減損損失が発生し、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
この固定資産の減損リスクへの対応策といたしましては、学校アルバム部門におきましては、短納期・高品質の学校アルバムや顧客ニーズに合わせた様々なタイプの学校アルバムを市場に提供できるよう、競争力の強化を推進し、一般商業印刷部門におきましては、インターネットを介したデジタル写真アルバム、写真プリント販売、自費出版サービス、印刷通販等インターネット関連事業のラインナップを充実させ、さらに光沢があり屈折で浮き出て見えるホログラム印刷を学校アルバム、一般商業印刷部門に投入し、売上増大をはかり、業績の安定、収益力の向上に取り組んでおります。
(4)売上高の季節変動のリスク
当社の年間売上高の大半を占める学校アルバム部門は卒業時期の2月、3月に年間売上の6~7割が集中します。一方、固定費の発生が先行することにより、毎期第3四半期累計期間までは売上総損失となる傾向があります。当社はこの季節変動を前提として事業運営を行っておりますが、新型ウイルス等感染症の流行などによって繁忙期の製造や納品に大幅な遅延等が生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)新型ウイルス等感染症拡大に伴うリスク
新型ウイルス等による感染症が再拡大し、経済活動に制限が加えられますと、印刷物の需要が大きく減少していくこととなり、一般商業印刷部門の業績に影響が出てまいります。
また、学校アルバム部門の売上時期のずれや一般商業印刷部門の売上減少により、売上代金の回収の遅れならびに減少から一過性として当社の資金が減少するリスクがあります。
一過性の資金減少のリスクへの対応策といたしましては、主要な金融機関と緊急な連携を取り不測の事態が生じても円滑に資金調達ができるよう、万全の対策を講じております。
(6)継続企業の前提に関する重要事象等
当社は当事業年度において営業損失265百万円、経常損失261百万円、当期純損失653百万円を計上し、2期連続で営業損失、経常損失及び当期純損失となりました。さらに3期連続で営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなり、現金及び預金の残高から借入金残高を控除した手元資金は173百万円で、前期末と比較して241百万円減少しました。
当社売上高のおよそ80%を占める学校アルバム部門は、卒業シーズン前の2月、3月に売上が集中します。この売上債権の回収は3月~4月に集中するため、12月~1月に先行して発生する仕入債務の支払や諸費用の支払を手元資金及び銀行借入によって賄っておりますが、継続的な手元資金の減少により当事業年度末日後1年内の資金繰りに懸念があり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当社では、当該状況を解消すべく次の施策を行うこととしております。
① 学校アルバム販売価格の適正化による収益の改善
② 営業費用の削減
③ 自律的な資金調達の実施
当該状況を解消するための対応策の詳細は、「第5 経理の状況 注記事項 の(継続企業の前提に関する事項)」をご参照ください。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
(総資産)
総資産は、前事業年度末に比べ751百万円減少し、2,085百万円となりました。
(流動資産)
流動資産は、前事業年度末に比べ334百万円減少し、605百万円となりました。
これは、主として現金及び預金が337百万円減少したことなどによるものであります。
(固定資産)
固定資産は、投資その他の資産が18百万円増加した一方、有形固定資産が428百万円、無形固定資産が7百万円それぞれ減少したことにより、前事業年度末に比べ416百万円減少し、1,479百万円となりました。
このうち投資その他の資産の増加は主として投資有価証券の含み益が19百万円増加したこと、有形固定資産及び無形固定資産の減少は減損損失を有形固定資産に372百万円、無形固定資産に10百万円それぞれ計上したことなどによるものであります。
(流動負債)
流動負債は、前事業年度末に比べ0.9百万円増加し、718百万円となりました。
これは主として、短期借入金が100百万円、1年内返済予定の長期借入金が35百万円それぞれ減少した一方、買掛金が21百万円、未払消費税等が30百万円それぞれ増加したこと、また、退任予定の取締役に係る役員退職慰労引当金104百万円を固定負債から振り替えたことなどによるものであります。
(固定負債)
固定負債は、前事業年度末に比べ116百万円減少し、542百万円となりました。
これは主として、長期借入金が39百万円増加した一方、リース債務が44百万円、退職給付引当金が9百万円それぞれ減少したこと、役員退職慰労引当金104百万円を流動負債に振り替えたことなどによるものであります。
(純資産)
純資産は、前事業年度末に比べ、635百万円減少し、825百万円となりました。
これは主として、投資有価証券に係る評価差額金が17百万円増加した一方、利益剰余金が653百万円減少したことなどによるものであります。
②経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、個人消費及び設備投資の回復により緩やかな回復基調となりました。一方で食料品や原材料・エネルギー等の価格高騰、多くの業種での人手不足、世界各地での紛争や米国の強硬な関税政策等により、多くの企業や個人にとり先行きが不透明な状況が継続しております。
印刷業界におきましては、情報媒体のデジタル化や地球環境保護に対する意識の高まりがペーパーメディアの需要減少をもたらし、競争激化や価格低迷なども加わって、依然として厳しい経営環境となっております。
このような状況の下、当事業年度の経営成績は、以下のとおりとなりました。
当社の売上高は、学校アルバム部門と一般商業印刷部門とで構成されております。学校アルバム部門は出生率の低下による生徒数の減少傾向や印刷不況下での価格競争激化により業界の厳しさが増しており、当事業年度においては前事業年度比4.8%減の1,724百万円となりました。一方、一般商業印刷部門につきましては、新商品「ホロニス」や教育機関・印刷会社向けのインクジェット印刷、またプリント販売であるギガフォトレージが新顧客を獲得したこと等により、当事業年度の売上高は、前事業年度比10.2%増の444百万円となりました。これらにより両部門を合計した全売上高は、前事業年度比2.0%減の2,169百万円となりました。
損益につきましては、主として前事業年度11月よりリースを開始した印刷機械に係る減価償却費等による製造原価の増加、営業体制の刷新に伴う人件費増加や本社建物修繕費の発生による一般管理費の増加等によって、営業損失265百万円(前事業年度比118百万円損失増)、経常損失261百万円(前事業年度比124百万円損失増)となり、さらに特別損失として減損損失385百万円を計上しましたので、当期純損失653百万円(前事業年度比566百万円損失増)となりました。
この結果、株主の皆様には誠に申し訳ございませんが、当事業年度の配当は無配とさせていただきます。
当社の事業は単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
③キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果支出した資金は、136百万円(前事業年度比67百万円増)となりました。
これは主に、資金増加要因として減価償却費106百万円、減損損失385百万円をそれぞれ計上した一方、税引前当期純損失647百万円等の資金減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果支出した資金は、56百万円(前事業年度比21百万円減)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出48百万円、無形固定資産の取得による支出5百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果支出した資金は、144百万円(前事業年度比134百万円減)となりました。
これは主に、短期借入金の純減100百万円、リース債務の返済42百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
当社の事業は単一セグメントであり、セグメント情報を記載していないため、部門別に記載しております。
a.生産実績
|
区分 |
第37期 (自 2024年5月1日 至 2025年4月30日) |
前年同期比(%) |
|
学校アルバム(千円) |
1,723,728 |
95.2 |
|
一般商業印刷(千円) |
444,996 |
110.3 |
|
合計(千円) |
2,168,725 |
98.0 |
(注) 金額は販売価格で表示しております。
b.受注実績
|
区分 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
学校アルバム |
1,697,502 |
95.1 |
172,781 |
86.5 |
|
一般商業印刷 |
442,399 |
109.4 |
7,000 |
75.2 |
|
合計 |
2,139,902 |
97.7 |
179,781 |
86.0 |
(注) 金額は販売価格で表示しております。
c.販売実績
|
区分 |
第37期 (自 2024年5月1日 至 2025年4月30日) |
前年同期比(%) |
|
学校アルバム(千円) |
1,724,381 |
95.2 |
|
一般商業印刷(千円) |
444,709 |
110.2 |
|
合計(千円) |
2,169,091 |
98.0 |
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、主要な販売先(相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先)に該当する販売先がありませんので記載しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の財政状態及び経営成績は、財政状態につきましては、自己資本比率が前事業年度末より12.0ポイント下落の39.4%となりました。(詳細は「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態の状況」に記載)また、経営成績につきましては、学校アルバム部門の売上高が需要減少や競争激化により前事業年度比減少したほか、減価償却費や人件費等の営業費用が増加したため、営業損失265百万円、経常損失261百万円、さらに減損損失の計上によって当期純損失653百万円となり、2事業年度連続の赤字となりました。(詳細は「(1)経営成績等の状況の概要②経営成績の状況」に記載)
②キャッシュ・フローの状況の分析、検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の当事業年度のキャッシュ・フローは、営業活動により使用した資金は136百万円、投資活動により使用した資金は56百万円、財務活動により使用した資金は144百万円でありました。その結果、期末の現金及び現金同等物は前事業年度末に比べて60.6%減の219百万円となりました。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、売上高の季節変動により、短期的な運転資金を銀行から借入しております。当事業年度におきましては、短期借入金600百万円を銀行から借入をしております。
余裕資金の運用は安全で流動性の高い金融資産でありますが、低金利が続く状況においては、金利収入が期待できないため、普通預金等にて金利収入よりも、さらに流動性に重点を置き、流動性を確保しております。また、当事業年度末においては、現金及び預金219百万円並びに純投資目的の投資株式44百万円を保有しております。
なお、経済緊縮となって金融情勢が逼迫した事態において、事業運営上緊急の資金が必要となった場合には、取引先の金融機関に対し円滑に資金調達ができるよう安全性の確保を講じております。(第4「提出会社の状況」4.コーポレート・ガバナンスの状況等(5)株式の保有状況参照。)
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
該当事項はありません。
研究開発活動につきましては原材料分野、生産技術分野、デザイン・システム分野において、それぞれ関係先と協力しつつ、高品質でかつ市場ニーズにマッチした製品を生み出すべく、各担当部署にて進めております。