第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策の継続等により、企業業績や雇用環境が緩やかな回復を続けてまいりました。しかしながら、個人消費の回復が遅れ、海外においては中国及び新興国の経済低迷が続くなどマイナス要因も懸念されております。当社事業と関連性が高い国内証券市場においては、投資信託の販売増や上場企業数の増加等、当社にとっての追い風は続いたものの、日経平均株価が期初の19,000円台から16,000円台まで下落し、先行き不透明感の強い状況にありました。

こうした経済環境・証券市況を受けて、当連結会計年度においては、投資信託市場の活況を受けて関連製品の販売量が増加したほか、コーポレートガバナンス・コードの制定による企業の投資家との対話意欲の高まりに伴って、対応する製品の売上が増加いたしました。一方、当連結会計年度より連結範囲の見直しを行い、a2mediaグループを連結子会社から持分法適用関連会社に変更したことにより、同社グループの外部売上高分が減少いたしました。この結果、当連結会計年度の連結売上高は前年同期比0.7%減20,971百万円となりました。なお、連結範囲の変更影響額約15億円を除きますと、実質約7%の増収となっております。

売上原価は、新EDINETに対応するシステム関連コストのうち、一過性の初期コスト負担がなくなったことと、a2mediaグループ関連コストが大きく減少したことを主因として、前年同期比1,126百万円減少いたしました。これにより、売上原価率が前年同期比で4.9ポイント改善し、59.5%となりました。この結果、売上総利益は前年同期比978百万円増(同13.0%増)の8,491百万円となりました。一方、販売費及び一般管理費は、営業体制強化に伴う人員増等により、前年同期比744百万円増(同13.5%増)の6,265百万円となりました。この結果、営業利益は前年同期比234百万円増(同11.8%増)の2,226百万円となりました。

営業外収益103百万円と営業外費用74百万円を加減し、経常利益は前年同期比219百万円増(同10.8%増)の2,255百万円となりました。税金等調整前当期純利益は、保有不動産の譲渡等に伴う特別利益904百万円及び特別損失691百万円を計上したことにより、前年同期比395百万円増(同19.1%増)の2,468百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比321百万円増(同23.7%増)の1,680百万円となりました。

 

当社グループの事業セグメントは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、ディスクロージャー関連事業の単一セグメントでありますが、取扱製品を区分した売上高の概況は、次のとおりであります。

①  上場会社ディスクロージャー関連

招集通知のカラー化がより幅広い企業に進展するとともに、証券市場の活況を背景にファイナンス・IPO件数が増加し売上に寄与いたしました。これらの要因により、上場会社ディスクロージャー関連の売上高は、前年同期比4.1%増9,124百万円となりました。

なお、本年3月末の国内上場会社数は約3,600社(前年同期比約30社増)と、減少から増加に転じた前連結会計年度に引き続き増加いたしました。

②  上場会社IR関連等

コーポレートガバナンス・コードの制定を背景として、英文IR(翻訳)サービスの受注が大きく増加したほか、IRサイト構築等のWebサービスや株主総会のビジュアル化サービス等の受注が増加いたしました。しかしながら、前述のとおりa2mediaグループの外部売上高が除外されたことが増収分を大きく上回りました。この結果、上場会社IR関連等の売上高は、前年同期比20.3%減4,689百万円となりました。なお、連結範囲の変更影響額を除きますと実質約7%の増収となっております。

③  金融商品ディスクロージャー関連

投資信託等の金融商品関連分野においては、制度改正に伴う売上減少が見込まれた投資信託運用報告書が受注量の増大により増収となったほか、投資信託市場の活況を受けて目論見書や各種販売用資料、Webサービス等の受注量が大きく増加いたしました。この結果、金融商品ディスクロージャー関連の売上高は、前年同期比10.8%増6,655百万円となりました。

④  データベース関連

データベース関連では、既存顧客の契約更新が好調に推移するとともに新規受注も寄与いたしました。この結果、データベース関連の売上高は、前年同期比8.5%増502百万円となりました。

 

   (製品区分別売上)

区分

   前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

 至 平成27年3月31日)

   当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

 至 平成28年3月31日)

増減

(△印減)

金額

(千円)

構成比

(%)

金額

(千円)

構成比

(%)

金額

(千円)

増減率

(%)

上場会社ディスクロージャー関連

8,769,739

41.5

9,124,948

43.5

355,208

4.1

上場会社IR関連等

5,881,125

27.9

4,689,291

22.4

△1,191,833

△20.3

金融商品ディスクロージャー関連

6,005,889

28.4

6,655,010

31.7

649,120

10.8

データベース関連

462,646

2.2

502,177

2.4

39,531

8.5

合計

21,119,401

100.0

20,971,428

100.0

△147,972

△0.7

  (注)1.金額は販売価格によっております。

  2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1,212百万円増加し、当連結会計年度末には11,854百万円となりました。

営業活動の結果獲得した資金は2,707百万円(前期は3,038百万円の獲得)となりました。投資活動の結果獲得した資金は64百万円(前期は1,061百万円の使用)となりました。財務活動の結果使用した資金は1,370百万円(前期は2,895百万円の使用)となりました。

なお、キャッシュ・フローの詳細は、「7  財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)当連結会計年度の財政状態の分析  ②  キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

当社グループ(当社及び連結子会社3社)の事業セグメントは、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、ディスクロージャー関連事業の単一セグメントでありますが、生産、受注及び販売の状況については、上場会社ディスクロージャー関連、上場会社IR関連等、金融商品ディスクロージャー関連、データベース関連の4製品区分で示しております。

①  生産実績

当連結会計年度の生産実績を製品区分別に示すと、次のとおりであります。

 製品区分別の名称

 当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

  至  平成28年3月31日)

 前年同期比(%)

上場会社ディスクロージャー関連

(千円)

9,124,948

104.1

上場会社IR関連等

(千円)

4,689,291

79.7

金融商品ディスクロージャー関連

(千円)

6,655,010

110.8

データベース関連

(千円)

502,177

108.5

合計

(千円)

20,971,428

99.3

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

②  受注状況

当連結会計年度の受注状況を製品区分別に示すと、次のとおりであります。

製品区分別の名称

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

上場会社ディスクロージャー関連

9,225,077

97.1

1,794,762

105.9

上場会社IR関連等

4,937,328

83.4

647,886

162.0

金融商品ディスクロージャー関連

6,797,051

109.1

1,099,161

114.8

データベース関連

493,640

106.3

183,721

95.6

合計

21,453,098

97.0

3,725,531

114.8

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

③  販売実績

当連結会計年度の販売実績を製品区分別に示すと、次のとおりであります。

 製品区分別の名称

 当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

  至  平成28年3月31日)

 前年同期比(%)

上場会社ディスクロージャー関連

(千円)

9,124,948

104.1

上場会社IR関連等

(千円)

4,689,291

79.7

金融商品ディスクロージャー関連

(千円)

6,655,010

110.8

データベース関連

(千円)

502,177

108.5

合計

(千円)

20,971,428

99.3

(注)1.主要な販売顧客については、該当するものはありません。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

(1)会社の対処すべき課題

制度環境が大きく変化する中で、事業領域の拡張、競争力・収益力・顧客満足の向上を行います

①  開示に係る制度環境の変化に対応した中核ビジネスの売上・収益維持及び拡大

②  システムサポート・BPOサービスの強化による実務支援領域の拡大

③  金融商品マーケットの多様化と市場拡大に対応した新たなサービス体制の構築

④  コーポレートガバナンス・コードの導入に対応したIR支援サービスの強化

⑤  海外投資家の増大と資本市場のグローバル化に対応した英文開示体制の構築と強化

⑥  Web化の進展に対応した企画制作体制の構築と強化

⑦  アジア市場における日系企業支援サービス体制の構築と強化

⑧  領域拡大に対応する営業支援体制・バックヤードの整備

⑨  印刷設備の安定稼働による内製率のさらなる向上と収益力の向上

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

当社は経営の基本方針に基づき、当社が果たすべき基本的使命の確実な遂行によりお客様の高い信頼を得るとともに、事業環境の変化に対応して持続的な成長を実現するために、以下の戦略を実行いたします。

①  コンプライアンスの徹底と情報セキュリティ体制のさらなる整備

②  開示制度の変化に対応した、新たな実務支援サービスの開発

③  システムサービスの強化による顧客支援領域の拡張

④  M&A、資本・業務提携を含めた外部リソースの活用による事業領域の拡張

⑤  生産性の向上と競争力の強化による収益力の拡大

⑥  資本効率の向上と高い水準の株主還元策の遂行

 

(3)株式会社の支配に関する基本方針について

①  基本方針の内容の概要

当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきと考えております。

ただし、株式の大規模買付提案のなかには、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとはいえないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をなされるために必要な情報が十分に提供されないものもあり得ます。

そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えております。

②  基本方針の実現に資する取り組みについての概要

当社は、昭和5年に株券印刷の専門会社として創業いたしましたが、近年はディスクロージャー分野全般に事業分野を広げ、法制度の改正や情報開示の電子化が相次ぐなかで、お客様への支援サービスの充実に取り組んでおります。こうした諸活動の結果、主要製品については市場シェア50%以上(注)を占め、お客様からも多くのリピートをいただいており、当社サービスに対し、高い評価を得てきております。

(注)全上場会社のうち、当社の主要製品である有価証券報告書や株主総会招集通知を受注している顧客数の割合(平成28年3月末現在)

このような当社及び当社グループの企業価値の主な源泉は、法制度に適合した正しい情報開示を支援するコンサルティングサービス、お客様の情報開示実務を効率化・高精度化するIT活用支援サービス、短納期でミスのない高品質の製品作りを集中的に行える生産体制にあり、その蓄積がブランド価値としてお客様に浸透するとともに、良好な業績の継続と現在の企業価値につながっていると自負いたしております。

また当社は、ディスクロージャー実務支援の業務を通して資本市場の健全な成長に貢献する社会的インフラともいうべき役割を担っております。こうした役割を最大限に発揮できる事業運営体制を整備、充実させていくことが、結果として企業価値及び株主共同利益の最大化につながるものと考えております。

当社は経営の基本方針に基づき、当社が果たすべき基本的使命の確実な遂行によりお客様の高い信頼を得るとともに、事業環境の大きな変化のなかで中長期の成長シナリオを描き実現するために、以下の戦略を推進いたします。

1)コンプライアンスの徹底と情報セキュリティ体制のさらなる整備

2)コンサルティングをはじめ各分野でお客様にご満足と信頼をいただくための、高い専門性の発揮

3)最新のITでお客様の業務効率を高める開示支援システムの開発とサービス領域の拡大

4)Web化の進展を事業の成長に取り込むWeb企画開発体制の構築と強化

5)M&Aを含めた事業領域の拡張と新たなビジネスモデルの構築

6)低コスト生産体制の構築と、Web化の進展に対応した新たな生産構造の構築

これらの取り組みを着実に遂行することにより、当社及び当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の向上に資することができると考えております。

③  基本方針に照らして不適切な者によって当該株式会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みの概要

当社は、平成20年4月30日開催の取締役会において導入し、直近では平成23年6月28日開催の当社定時株主総会において承認をいただいた「当社株券等の大規模買付行為に関する対応策」につき、平成26年5月7日開催の取締役会決議に基づき「当社株式の大規模買付行為に関する対応策」として継続することを決定いたしました。また、平成26年6月27日開催の当社定時株主総会に付議し、承認をいただいております。

詳細につきましては、下記アドレスから平成26年5月7日、平成26年6月27日及び平成28年6月28日付開示資料をご参照ください。

(当社ホームページ)http://www.pronexus.co.jp/home/news/kessan.html

④  本プランの合理性

イ.基本方針に沿うものであること

本プランは、当社株券等に対する大規模買付等がなされた際に、当該大規模買付等に応じるべきか否かを株主の皆様がご判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や期間を確保し、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものであります。

ロ.株主の共同の利益を損なうものではないこと

本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める3原則(「企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則」「事前開示・株主意思の原則」「必要性・相当性確保の原則」)をすべて充足しており、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっております。

ハ.会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと

当社は、本プランの導入にあたり、当社取締役会の恣意的判断を排除するため、対抗措置の発動等を含む本プランの運用に関する決議及び勧告を客観的に行う取締役会の諮問機関として当社の業務執行を行う経営陣から独立した者から構成されている独立委員会を設置しております。

また本プランは、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により、いつでも廃止することができるものとされていることから、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させても、なお発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。

4【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスク及び変動要因と、その他重要と考えられる事項は以下のとおりであります。

当社グループでは、これらリスクの発生を十分に認識した上で、発生を極力回避し、また発生した場合に的確な対応を行うための努力を継続してまいります。

 

(1)機密情報の管理について

当社グループは顧客企業の開示前機密データを取り扱うため、「機密保持」は最重要課題です。当社グループでは、情報セキュリティマネジメントの国際規格ISO27001の全社認証を取得し、グループ内の情報管理体制をシステム・運用の両面で整備、強化するとともに、インサイダー情報の全社的管理体制の構築、運用、教育の推進及び監査活動等を行っておりますが、万一情報漏洩や情報流出が発生した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)関連する法律・制度の変化による受注への影響

当社グループは、企業のディスクロージャーに係わる法定書類の作成を支援するための諸サービスとデータ作成、印刷を主業務としておりますが、それらの開示書類の多くは会社法と金融商品取引法に規定されております。従って法律や関連する諸制度の改正によって、提供する製品とサービスの需要・仕様・内容が変化することがあります。その結果として法定書類のページ数増や新サービスの導入などのプラスの影響もありますが、反面では、ページ数の減少や特定製品の受注量減少等、当社グループの売上にマイナス影響を与えるケースもあります。

 

(3)証券市場の変動による受注への影響

当社グループが受注する製品・サービスのうち、株式の新規上場(IPO)やファイナンス、投資信託に付随する目論見書・販売用資料などの売上は、証券市場の好不況によって受注量が変動します。当社グループはこうしたリスクを軽減するため、株主総会招集通知、有価証券報告書、四半期報告書などの継続開示書類や、お客様の業務効率化や正確性の向上に資するシステムサービス、IR関連製品・サービスなど、証券市況の影響を受けにくい製品の受注拡大に取り組んでおりますが、証券市場の変動は業績に影響を与える可能性があります。

 

(4)事業の季節変動

当社グループ売上の約70%を占める事業会社向け製品・サービスの顧客のうち、約70%が3月決算会社であるため、決算及び株主総会関連製品の受注が集中する第1四半期の売上が、下表のとおり最も多くなっております。

 

 

 

 

(平成28年3月期)

 

第1四半期

(4-6月期)

第2四半期

(7-9月期)

第3四半期

(10-12月期)

第4四半期

(1-3月期)

年度計

売上高     (百万円)

8,294

4,021

4,391

4,264

20,971

構成比         (%)

39.6

19.2

20.9

20.3

100.0

 

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高の概要

当社グループの当連結会計年度の売上高は前年同期比147百万円減(同0.7%減)の20,971百万円となり、4期ぶりの減収となりました。その要因や市場背景を含めた各製品分野の特記事項についてご説明いたします。

1)上場会社ディスクロージャー関連

当分野の売上高は前年同期比355百万円増(同4.1%増)の9,124百万円となりました。主たる増収要因は、招集通知のカラー化がより幅広い企業に進展したことと、証券市場の活況を背景としたファイナンス・IPO件数の増加であります。

また、当社主力製品の顧客数に直結する重要な指標である上場会社数は、当連結会計年度末において約3,600社(前年同期比約30社増)と、減少から増加に転じた前連結会計年度に引き続き増加いたしました。システムサービスの強化等、お客様のニーズに対応するサービスの提供に取り組むことで、顧客数の増加に単価の増加を加えた当社の成長力の最大化に努めております。

2)上場会社IR関連等

当分野の売上高は前年同期比1,191百万円減(同20.3%減)の4,689百万円となりました。大幅な減収となった最大の要因は、連結範囲の変更により従来当分野に含まれていたa2mediaグループの外部売上高が除外されたことであります。

一方、当分野においてはコーポレートガバナンス・コードの導入や外国人投資家の売買高や持ち株比率が高水準で推移していることなどにより、投資家との対話ニーズが高まっております。これに対応する英文翻訳サービス、IRサイト構築等のWebサービス、株主総会のビジュアル化サービス等の受注が増加いたしました。

これにより、前述の連結範囲変更の影響額を除きますと当分野は実質約7%の増収となっております。

3)金融商品ディスクロージャー関連

当分野の売上高は、前年同期比649百万円増(同10.8%増)の6,655百万円となりました。この分野における最大の増収要因は投資信託関連製品の販売増であります。

主力商品である投資信託運用報告書において制度改正に伴う売上減少が見込まれておりましたが、受注量の増大がこれを上回り、増収となりました。また、投資信託市場の活況を受けて目論見書や各種販売用資料、Webサービス等の受注量が大きく増加いたしました。

また、当社は当分野を今後も大きな成長が見込める領域と考えております。開示書類作成支援システムを中心としたシステムサービスの機能強化や、金融商品関連の販売用資料の受注拡大等、中長期的な成長につながるサービス領域の拡張に取り組みました。

4)データベース関連

当分野の売上高は、前年同期比39百万円増(同8.5%増)の502百万円となりました。既存顧客の契約更新が順調に推移し、新規受注も寄与いたしました。

当分野においては、平成25年1月に株式会社日立ハイテクノロジーズのデータベース事業を承継したことで事業規模の拡大と収益力の向上をはかり、小規模ながら初めて売上高が5億円に達しました。

 

② 利益の概要

当連結会計年度が0.7%の減収となったのに対し、営業利益が11.8%の増益となった要因についてご説明いたします。

これは、新EDINETに対応するシステム関連コストのうち、一過性の初期コスト負担がなくなったこと、a2mediaグループ関連コストが大きく減少したことを主因として、売上原価率が4.9ポイント改善したことによるものであります。

前連結会計年度の増収要因のひとつであったa2mediaグループの事業は、比較的原価率が高い傾向にありました。当連結会計年度はこの売上高が除外された一方で、相対的に原価率の低い当社製品の受注増によりその減収影響(約15億円)の大部分をカバーしたことも、原価率の改善につながりました。

一方、販売費及び一般管理費は営業体制の強化に伴う人員増等により13.5%増となりましたが、これを売上原価の減少が大きく上回りました。

これらの結果、営業利益は2,226百万円前年同期比11.8%増)となり、営業利益率は前年同期比1.2ポイント増10.6%となりました。

 

(2)当連結会計年度の財政状態の分析

①  資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ145百万円増加し27,624百万円となりました。

流動資産は1,243百万円増加し、15,152百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加262百万円、有価証券の増加1,201百万円、受取手形及び売掛金の減少244百万円等であります。有形固定資産は1,885百万円減少し、4,133百万円となりました。主な要因は、機械装置及び運搬具の増加226百万円及び土地の減少1,958百万円等であります。無形固定資産は199百万円減少し、2,450百万円となりました。投資その他の資産は987百万円増加し、5,887百万円となりました。主な要因は、投資有価証券の増加981百万円等であります。

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ227百万円増加し、6,772百万円となりました。

流動負債は16百万円減少し、3,735百万円となりました。主な要因は、未払法人税等の増加523百万円及び未払金(流動負債「その他」)の減少394百万円、未払消費税等(流動負債「その他」)の減少304百万円等であります。固定負債は243百万円増加し、3,036百万円となりました。主な要因は、長期借入金の増加300百万円、退職給付に係る負債の増加306百万円及び繰延税金負債の減少365百万円等であります。

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ81百万円減少し、20,852百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益1,680百万円の計上による増加と剰余金の配当による減少628百万円及び自己株式の取得による減少999百万円、非支配株主持分の減少173百万円等であります。

②  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1,212百万円増加(前年同期比11.4%増)し、当連結会計年度末には11,854百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は2,707百万円(前年同期は3,038百万円の獲得)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益2,468百万円に対し、非資金損益項目等の調整を加減した営業取引による収入3,426百万円、利息及び配当金の受取額31百万円等であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額767百万円等であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は64百万円(前年同期は1,061百万円の使用)となりました。収入の主な内訳は、有価証券の売却による収入800百万円、有形固定資産の売却による収入2,244百万円等であり、支出の主な内訳は、有価証券の取得による支出900百万円、無形固定資産の取得による支出738百万円、投資有価証券の取得による支出1,103百万円等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は1,370百万円(前年同期は2,895百万円の使用)となりました。収入の主な内訳は、長期借入れによる収入300百万円等であり、支出の主な内訳は、自己株式の取得による支出999百万円、配当金の支払額628百万円等であります。