第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、企業業績や雇用・所得環境が引き続き堅調に推移いたしました。一方で海外においては、米中の通商問題や金融政策の動向などにより世界経済の不確実性が高まり、国内経済にとっても影響が懸念される状況が続きました。当社事業と関連性が高い国内証券市場においては、このような海外からのリスク要因に対する警戒感が強まる中、日経平均が下落に転じて一時20,000円台を割り込みました。

このような経済状況のもと、当社グループ(当社及び連結子会社)においては、コーポレートガバナンス・コードを背景とした投資家への情報提供強化の動きがより幅広い企業に浸透し、関連製品の売上が増加いたしました。また、大型のIPO受注やファイナンスの増加も寄与したほか、平成30年11月1日付で連結子会社化した株式会社アイ・エヌ情報センターの売上が新たに加わりました。これらの増収が投資信託関連製品の減収や、前期のスポット受注の反動減等マイナス要因を補った結果、当第3四半期の連結売上高は、前年同期比519百万円増(同2.9%増)の18,234百万円となりました。

利益面では、大型の印刷案件受注増等による外注費の増加や、体制強化に伴う労務費・人件費の増加を主因として、売上原価・販管費の増加が増収を上回りました。この結果、営業利益は前年同期比260百万円減(同9.3%減)の2,544百万円となりました。また、経常利益は前年同期比438百万円減(同14.3%減)の2,629百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比194百万円減(同10.1%減)の1,735百万円となりました。

 

当社グループの事業セグメントは、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、ディスクロージャー関連事業の単一セグメントでありますが、取扱製品を区分した売上高の概況は、次のとおりであります。

①  上場会社ディスクロージャー関連

招集通知のカラー化と受注社数増による増収に加えて、開示書類作成を支援するシステムサービス・アウトソーシングサービスの増収が寄与いたしました。また、大型のIPO受注やファイナンスの増加も寄与いたしました。これらの結果、上場会社ディスクロージャー関連の売上高は前年同期比320百万円増(同4.2%増)の8,021百万円となりました。

②  上場会社IR関連等

コーポレートガバナンス・コードの制定を背景として、IRサイト構築等のWebサービスや株主総会ビジュアル化サービス等の受注が増加いたしました。これらの増収が株主通信の減収や、前期の大型翻訳業務のスポット受注の反動減を上回り、上場会社IR関連等の売上高は前年同期比204百万円増(同4.6%増)の4,610百万円となりました。

③  金融商品ディスクロージャー関連

国内投資信託市場は、ネット証券のシェア増加等に伴う印刷部数の減少に加えてファンドの新規設定が減速し、主力製品である目論見書や運用報告書が減収となりました。一方、J-REIT市場関連製品は増収となりました。これらの結果、金融商品ディスクロージャー関連の売上高は前年同期比98百万円減(同1.9%減)の5,145百万円となりました。

④ データベース関連

データベース関連では、既存顧客の契約更新が順調に推移するとともに新規顧客の開拓が進展いたしました。また平成30年11月1日付で株式会社アイ・エヌ情報センターを連結子会社化したことにより、データベース関連の売上高は前年同期比93百万円増(同25.8%増)の456百万円となりました。

 

(製品区分別売上)

区分

前第3四半期連結累計期間

 (自 平成29年4月1日

  至 平成29年12月31日)

当第3四半期連結累計期間

 (自 平成30年4月1日

  至 平成30年12月31日)

増減

(△印減)

金額

(千円)

構成比

(%)

金額

(千円)

構成比

(%)

金額

(千円)

増減率

(%)

上場会社ディスクロージャー関連

7,701,329

43.5

8,021,638

44.0

320,308

4.2

上場会社IR関連等

4,406,888

24.9

4,610,962

25.3

204,073

4.6

金融商品ディスクロージャー関連

5,243,563

29.6

5,145,438

28.2

△98,124

△1.9

データベース関連

363,064

2.0

456,744

2.5

93,680

25.8

合計

17,714,845

100.0

18,234,783

100.0

519,938

2.9

  (注)1.金額は販売価格によっております。

  2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

なお、当社グループは事業の性質上、業績に次のとおり季節的変動があります。

(第3四半期連結累計期間の季節性)

 当社グループの売上の約3分の2を占める上場会社向け製品・サービスは、顧客の約65%が3月決算会社であるため、決算及び株主総会関連製品の受注が第1四半期連結会計期間(4-6月期)に集中いたします。このため、例年、下表のとおり第1四半期連結会計期間の売上が年度全体の約4割を占め、第3四半期連結会計期間(10-12月期)の売上は2割程度にとどまります。

(参考)平成30年3月期

 

第1四半期

(4-6月期)

第2四半期

(7-9月期)

第3四半期

(10-12月期)

第4四半期

(1-3月期)

年度計

売上高   (百万円)

8,772

4,077

4,864

4,739

22,454

構成比       (%)

39.1

18.2

21.7

21.0

100.0

 

(利益の概況)

当第3四半期連結累計期間の売上高は、金融商品ディスクロージャー関連を除く3つの製品区分において前年を上回り、519百万円の増加となりました。売上原価は、大型の印刷案件等受注増による外注加工費の増加と、制作体制の強化のための人員増に伴う労務費の増加を主因として、616百万円増加いたしました。これにより売上原価率は前年同期比で1.8ポイント増加し、59.3%となりました。この結果、売上総利益は前年同期比96百万円減(同1.3%減)の7,427百万円となりました。一方、販管費は営業体制強化に伴う人件費増等により、前年同期比164百万円増(同3.5%増)の4,883百万円となりました。販管費率は前年同期比0.2ポイント増加し、26.8%となりました。これらの結果、営業利益は前年同期比260百万円減(同9.3%減)の2,544百万円となりました。

営業外収益は、投資事業組合運用益が前年同期比198百万円の反動減となったことで97百万円となりました。営業外費用12百万円との加減により、経常利益は前年同期比438百万円減(同14.3%減)の2,629百万円となりました。株式会社アイ・エヌ情報センターの連結子会社化に伴う負ののれん発生益29百万円を特別利益に計上したことで、税金等調整前四半期純利益前年同期比303百万円減(同10.3%減)の2,659百万円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比194百万円減(同10.1%減)の1,735百万円となりました。

 

(2)財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ92百万円減少し28,778百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加535百万円及び無形固定資産の増加73百万円、受取手形及び売掛金の減少482百万円、投資有価証券の減少255百万円等であります。

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ823百万円減少し6,578百万円となりました。主な要因は、前受収益(流動負債「その他」)の増加446百万円、退職給付に係る負債の増加212百万円、支払手形及び買掛金の減少242百万円及び未払法人税等の減少650百万円、賞与引当金の減少270百万円、長期借入金の減少300百万円等であります。

当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ730百万円増加22,200百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益1,735百万円の計上による増加と剰余金の配当831百万円による減少及びその他有価証券評価差額金の減少240百万円等であります。この結果、自己資本比率は、77.0%となりました。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

なお、前連結会計年度の有価証券報告書に記載の課題及び課題に対する当第3四半期連結累計期間中の主な進捗状況は以下のとおりであります。

(会社の対処すべき課題)

制度環境が大きく変化するなかで、事業領域の拡張、競争力・収益力・顧客満足の向上を行います。

① 株主総会招集通知電子化等、開示制度の変化に対応した中核ビジネスの強化と拡張

・招集通知のカラー化、英文化、Web化等、中核商材周辺の付加価値サービスを拡大。

② システムサポート・BPOサービスの強化による実務支援領域の拡大

・顧客の開示実務効率化を支援するシステムサービスの機能強化と受注拡大を図るとともに、運用体制を強化。

・上場企業や投資信託の開示業務を支援するBPOサービスの受注を拡大。

③ 金融商品マーケットの多様化と市場拡大に対応した新たなサービス体制の構築

・投資信託の開示書類作成支援システム「FDS」の導入企業を拡大。

④ コーポレートガバナンス・コードの導入に対応したIR支援サービスの強化

・株主総会のビジュアル化等、投資家との対話充実を図るツール・サービスの受注を拡大。

⑤ 海外投資家の増大と資本市場のグローバル化に対応した英文開示体制の強化

・連結子会社である日本財務翻訳株式会社の制作体制を強化・効率化。

⑥ Web化の進展に対応した企画制作体制の強化

・IRサイト自動更新サービス「E-IR」の受注社数が安定的に増加。

・持分法適用関連会社である株式会社ミツエーリンクスとの連携により、Web制作の受注件数増加とサービス領域拡張を推進。

⑦ アジア市場における日系企業支援サービス体制の構築

・台湾に追加設立したビジネスセンターを安定稼働させ、レンタルオフィスと事務代行サービスを拡大。

・地銀との協業を推進し、32法人と業務提携。地銀顧客向けの海外進出実務情報サービス提供を強化。

⑧ 領域拡大に対応する営業支援体制・バックヤードの整備

・関連組織の強化と受注制作プロセスの改善を継続。

⑨ 印刷設備の安定稼働による生産性のさらなる向上と収益力の向上

・最新のカラー印刷機の安定稼働により生産性を向上させるとともに、用紙代等のコスト削減を推進。

 

(株式会社の支配に関する基本方針について)

当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

① 基本方針の内容の概要

当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきと考えております。

ただし、株式の大規模買付提案のなかには、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとはいえないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をなされるために必要な情報が十分に提供されないものもあり得ます。

そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えております。

② 基本方針の実現に資する取り組みについての概要

当社は、昭和5年に株券印刷の専門会社として創業以来、株主総会関連書類、決算関連書類、新規上場やエクイティファイナンス関連書類、投資信託・REIT関連書類、そしてIRツール・コンテンツへと、ディスクロージャー分野全般に事業分野を広げてまいりました。また、近年は法制度の改正や情報開示の電子化が相次ぐなかで、お客様への支援サービスの充実に取り組んでまいりました。こうした諸活動の結果、主要製品については市場シェア50%以上(注)を占め、お客様からも多くのリピートをいただいており、当社サービスに対し、高い評価を得てきております。

(注)全上場会社のうち、当社の主要製品である有価証券報告書や株主総会招集通知を受注している顧客数の割合(平成30年3月末現在)

このような当社及び当社グループの企業価値の主な源泉は、法制度に適合した正しい情報開示を支援するコンサルティングサービス、お客様の情報開示実務を効率化・高精度化するシステムサービス、短納期でミスのない高品質の製品作りを集中的に行える生産体制にあり、その蓄積がブランド価値としてお客様に浸透するとともに、良好な業績の継続と現在の企業価値につながっていると自負いたしております。

また当社は、ディスクロージャー実務支援の業務を通して資本市場の健全な成長に貢献する社会的インフラともいうべき役割を担っております。こうした役割を最大限に発揮できる事業運営体制を整備、充実させていくことが、結果として企業価値及び株主共同利益の最大化につながるものと考えております。

当社は、当社が果たすべき基本的使命の確実な遂行によりお客様の高い信頼を得るとともに、事業環境の大きな変化のなかで中長期の成長シナリオを描き実現するために、平成28年4月に「新中期経営計画2018」を策定し、以下の重点戦略を推進しております。

1)上場企業ディスクロージャーにおける「開示実務プロセス支援」領域の拡大

2)開示制度の変化に対応するサービスの提供

3)金融商品ディスクロージャーにおける新領域へのサービス拡大

4)海外進出支援ビジネスの育成・データベース事業の拡大

5)事業領域拡張を支える社内基盤の構築

6)事業領域の拡張のための外部リソース活用

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当該株式会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みの概要

当社は、平成29年4月28日開催の取締役会決議に基づき、「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」を継続することを決定いたしました。また、平成29年6月28日開催の当社定時株主総会に付議し、承認をいただいております。

詳細につきましては、下記アドレスから平成29年4月28日付開示資料をご参照ください。

(当社ホームページ)https://www.pronexus.co.jp/home/news/kessan.html

④ 本プランの合理性

イ.基本方針に沿うものであること

本プランは、当社株式に対する大規模買付等がなされた際に、当該大規模買付等に応じるべきか否かを株主の皆様がご判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や期間を確保し、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって継続されるものであります。

ロ.株主の共同の利益を損なうものではないこと

本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める3原則(「企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則」「事前開示・株主意思の原則」「必要性・相当性確保の原則」)をすべて充足しており、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっております。

ハ.会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと

当社は、本プランの導入にあたり、当社取締役会の恣意的判断を排除するため、対抗措置の発動等を含む本プランの運用に関する決議及び勧告を客観的に行う取締役会の諮問機関として当社の業務執行を行う経営陣から独立した者から構成されている独立委員会を設置しております。

また本プランは、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により、いつでも廃止することができるものとされていることから、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させても、なお発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間において、該当事項はありません。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。