文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループが提供する本質的な価値は、「お客様にとって専門性が高すぎるため対応が難しい『お客様にとってのノンコア業務=お客様のニッチな業務』を『当社のコア業務』として置き換え、当社の専門性をもって遂行し、お客様が本来行うべきコア業務に集中頂ける時間を創出して差し上げること」と考えております。
このような考えのもと、当社はこれまで事業会社並びに金融商品のディスクロージャー・IR実務支援を主たる事業とし、お客様企業から投資家への適正かつ迅速な情報開示を支援するため、高い専門性を基盤としたコンサルティングサービスと、開示実務の精度と効率を高める独自のシステムサービスを中核に、印刷、物流等を含めトータルなサービスを提供してまいりました。
2020年12月に創業90周年を迎え、様々な分野で専門性を磨き、他の追随を許さないところまで高めていくこと、そして、新たなビジネス領域へチャレンジすることが、当社グループのさらなる発展に繋がることから、事業ドメインがディスクロージャー・IR領域に限定されていた経営理念を見直し、「情報コミュニケーション」、「ドキュメンテーション」の領域で、「世界で類のない、専門性に特化したニッチトップ企業グループ」を目指す新たな経営理念に刷新いたしました。
<<プロネクサスグループ 新・経営理念>>
< MISSION >当社の社会的使命と存在意義
私たちプロネクサスグループは、情報コミュニケーションとドキュメンテーションを支えるプロフェッショナルとして社会・経済の永続的発展に貢献いたします。
< VALUE > MISSION実現のために追求し発揮すべき価値
① PROfessional(専門性) 専門性でお客様の実務を支える
② PROper(適正性) 正確かつ適正なサービスを提供する
③ PROmpt(迅速性) お客様のニーズにいち早く応える
④ PROgress(革新性) 革新的なサービスを創造する
⑤ PROsocial(社会性) 社会と共生する視点をもつ
< VISION > 当社の本質的価値と目指すべき姿
世界で類のない、専門性に特化したニッチトップ企業グループへ
当社グループは、上記の経営理念に加えて、企業市民としての社会・環境面における行動基準、事業会社としてのビジネスにおける行動基準を定め、当社グループ内への経営方針の浸透を図るとともに、今後も社会・経済の永続的な発展に貢献してまいります。
(当社グループのビジネスモデル:事業を通じた社会的価値・経済的価値の創造プロセス)
(2)経営環境とそれに対応する経営戦略
当社グループの事業と関連性の強い資本市場においては、市況の好不調や関連法制度の改正等、当社グループに影響を与える環境変化が常に起こります。これに対して、市況の影響を受けにくいサービスの強化や新たな制度に対応するサービスの開発を通して、事業領域の拡大を続けてまいりました。
近年においては、ディスクロージャーの電子化が大きく進みました。金融庁の電子開示システム「EDINET」は一定期間ごとにバージョンアップを実施しており、同システムにおける開示書類専用データ「XBRL」も順次高度化や適用範囲の拡大が行われています。これらに対応したお客様の開示実務をインフラとして支えるシステムサービス・コンサルティングサービスが、当社事業の大きな柱となっています。
今後もディスクロージャーの電子化は、一層進んでいくことが想定されます。2019年12月に改正会社法が公布され、導入時期は未確定ではありますが、当社の主力製品のひとつである株主総会招集通知が電子化されることが決まりました。またこれ以外にも、金融商品ディスクロージャー分野における開示書類等、当社が取り扱う製品の電子化は今後も拡大していくものと考えております。これらの電子化により、当社の印刷製品の需要が今後減少する可能性があります。
一方、2015年6月に上場会社に適用されたコーポレートガバナンス・コードに基づき、株主・投資家と企業の対話の充実が求められており、次回のコーポレートガバナンス・コード改訂においては、東京証券取引所の市場再編と関連して、特にプライム市場の上場会社は、英文開示や非財務情報開示の充実等、さらなる対話の充実が求められることが想定されております。
また、「働き方改革」が推進される中、コロナ禍により当社のお客様の実務の効率化及びアウトソーシングニーズはより一層高まっております。当社グループでは、システムインフラやコンサルティングサービスの提供に加えて、BPOサービス、Webを通じた情報提供の拡充や英文での情報開示等、電子化時代に対応した「非印刷」サービスを引き続き拡張し、お客様ニーズに応えるサービスを提供してまいります。このように、今後も想定される経営環境の変化に対応して、事業の変革を続けることが当社グループの最重要の経営課題と認識しております。
(3)新中期経営計画の基本方針と数値目標
当社は、上記(2)に記載した経営環境の変化に対応するため、「新中期経営計画2021」を2019年4月に立案し、推進しております。
創業当初の株券専業からの脱却、決算開示の電子化に伴うシステムサービスプロバイダーへの転換、そして近年の「非印刷事業」の拡大等、当社は常に環境変化に対応した事業変革を実現してきました。これは当社が創業以来保持し続けている企業文化です。
株主総会招集通知を始めとしたディスクロージャーのさらなる電子化等についても、当社は大きなチャンスと捉え、持続的な成長を実現してまいります。近年成長が続くIR関連サービスについても、継続的に強化に取り組みます。これに加えて、システムサービス・コンサルティングサービスのさらなる拡張を進め、お客様の開示周辺のドキュメント作成を核とした「プラットフォーム型ビジネス」を目指します。
本計画においては3か年の売上高・営業利益・営業利益率・ROE(いずれも日本基準)を主要数値目標として定めました。1年目にあたる2020年3月期においては、これらの数値目標をほぼ達成いたしましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う業績影響額の算定が困難であったことから、2年目(2021年3月期)、最終年度(2022年3月期)については一旦取り下げ、2020年5月14日付でその旨開示しております。
2021年5月14日付で公表しました2022年3月期の通期業績予想は、最終年度の数値目標を再設定するものです。
(4)会社の対処すべき課題
制度環境が大きく変化するなかで、事業領域の拡張、競争力・収益力・顧客満足の向上に努めてまいります。
① 株主総会プロセスの電子化等、開示制度の変化に対応した中核ビジネスの強化と拡張
② 制作・製造プロセスの電子化対応・生産性向上
③ 上場会社・金融商品両分野におけるアフターコロナを展望したDX対応とサービス拡充
④ システムサポート・BPOサービスの強化による実務支援領域の拡大
⑤ 新型コロナウイルス感染症の予防対策・労働環境の整備とBCP体制の強化
⑥ ESG・サステナビリティに関わるコンサルティング、開示・IR支援体制の強化
⑦ 海外投資家の増大と資本市場のグローバル化に対応した英文開示体制の強化
⑧ Web化の進展に対応した企画制作体制の強化
⑨ データベース事業の集約によるサービス強化と市場拡大
⑩ アジア市場における日系企業支援サービス体制の強化
(5)中長期的な会社の経営戦略
当社は経営の基本方針に基づき、当社が果たすべき基本的使命の確実な遂行によりお客様の高い信頼を得るとともに、事業環境の変化に対応して持続的な成長を実現するために、以下の戦略を実行いたします。
① コンプライアンスの徹底と情報セキュリティ体制のさらなる整備
② 開示制度の変化に対応した、新たな実務支援サービスの開発
③ システムサービスの強化による顧客支援領域の拡張
④ M&A、資本・業務提携を含めた外部リソースの活用による事業領域の拡張
⑤ 生産性の向上と競争力の強化による収益力の拡大
⑥ 資本効率の向上と高い水準の株主還元策の遂行
当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスク及び変動要因と、その他重要と考えられる事項は以下のとおりであります。
当社グループでは、これらリスクの発生を十分に認識した上で、発生を極力回避し、また発生した場合に的確な対応を行うための努力を継続してまいります。
(1)インサイダー情報等機密情報の取り扱いに関わるリスク
当社グループはインサイダー情報を始めとした顧客企業の開示前機密データを取り扱うため、「機密保持」は最重要課題であります。万一これらの情報漏洩や情報流出が発生した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、こうした事態の発生を抑止するため、別項の「情報セキュリティと事業継続に関わるリスク」への対応を推進するとともに、インサイダー情報の全社的管理体制を構築し推進しています。誓約書の提出、定期的な教育とテストの実施、厳格なルールの制定と運用監視、取り扱いスペースの隔離、関与者の制限、トレーサビリティ体制の整備、定期的な情報セキュリティ委員会の開催と啓発活動等様々な防止策を行っています。
(2)情報セキュリティと事業継続に関わるリスク
当社グループが提供するシステムサービスにおいては、その安定稼働の維持及び重要システムの冗長化に努め、不測の事態に備えたコンティンジェンシープランを策定しております。しかしながら、人的過失、事故、サイバー攻撃、災害や停電等の要因によりシステムサービスに重大な障害が発生する可能性があります。
特に、近年のサイバー攻撃手法の巧妙化により、コンピュータウイルスへの感染等による情報漏洩やサービス妨害のリスクが高まっています。当社グループではサイバーセキュリティ対策を経営の重要課題として、経営主導のもと、情報セキュリティ基本方針及び経済産業省の「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」に従い、多層防御及びCSIRT(Computer Security Incident Response Team)を中心とした設備面、組織面の施策を実行し、定期的な第三者機関によるリスクアセスメントにて実効性を評価しています。
(3)関連する法律・制度の変化による受注影響リスク
当社グループは、企業のディスクロージャーに係わる法定書類の作成を支援するための諸サービスとデータ作成、印刷を主業務としておりますが、それらの開示書類の多くは会社法と金融商品取引法に規定されております。したがって、法律や関連する諸制度の改正によって、提供する製品とサービスの需要・仕様・内容が変化することがあります。2019年12月に公布された改正会社法に基づき、2-3年内の導入が想定されている株主総会書類の電子化はその一例であります。制度改正の結果として法定書類のページ数増や新サービスの導入などのプラスの影響もありますが、反面では、印刷物の一部または全部の電子化による印刷需要の減少、ページ数の減少や特定製品の受注量減少等、当社グループの売上にマイナス影響を与えるケースもあります。こうしたリスクを軽減するために、法制度の影響を受けにくいサービス・ソリューション、新たな事業領域の開拓を中期経営戦略の重要課題として掲げ、重点的な投資・開発を行っています。
(4)証券市場の変動による受注影響リスク
当社グループが受注する製品・サービスのうち、株式の新規上場(IPO)やファイナンス、投資信託に付随する目論見書・販売用資料等の売上は、証券市場の好不況によって受注量が変動するため、証券市場の変動は業績に影響を与える可能性があります。当社グループはこうしたリスクを軽減するため、株主総会招集通知、有価証券報告書、四半期報告書等の継続開示書類や、お客様の業務効率化や正確性の向上に資するシステムサービス・コンサルティングサービス、IR関連製品・サービス等、証券市況の影響を受けにくい製品の受注拡大に取り組んでいます。
(5)事業の季節変動リスク
当社グループ売上の約3分の2を占める事業会社向け製品・サービスの顧客のうち、約65%が3月決算会社であるため、決算及び株主総会関連製品の受注が集中する第1四半期の売上が、以下の表のとおり最も多くなっております。このため、第1四半期の受注動向は通期業績への影響が大きく、対応する生産キャパシティの確保は重要な課題です。また、その他の四半期においては受注量が第1四半期よりも少ないことから、過剰な生産キャパシティの保有は収益を悪化させるリスクがあります。当社ではこうした受注量の変動に対して、自社製造ラインの生産効率を高めて内製率を向上させるとともに、最繁忙期に有力な業務委託先を活用することで、キャパシティの確保とコスト低減のバランスをとった生産体制を構築しています。加えて、金融商品関連、開示支援システム、BPO、データベース等、比較的季節変動が少なく、通年の需要が見込まれるサービス領域の拡大にも注力しています。
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|
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|
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(2021年3月期) |
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第1四半期 (4-6月期) |
第2四半期 (7-9月期) |
第3四半期 (10-12月期) |
第4四半期 (1-3月期) |
年度計 |
|
売上収益 (百万円) |
9,435 |
4,955 |
5,312 |
5,295 |
24,997 |
|
構成比 (%) |
37.7 |
19.8 |
21.3 |
21.2 |
100.0 |
(6)他社との競合による収益影響リスク
当社の中核事業である上場会社ディスクロージャー・IRや金融商品ディスクロージャー分野においては、それぞれ競合会社が存在します。当社の提供する製品・サービスに対して競合会社も対抗する製品・サービスを提供しているため、新たなお客様の受注といった場面において、ソリューションの差別性、品質の優位性、サポートの充実度、価格の優位性といった面で競争が日々行われています。その結果シェアの変動や受注単価の低下等の変化が起き、当社の売上や利益の変動につながる可能性があります。こうした不可避の状況を踏まえ、当社は提供サービスの品質・機能の向上を図るとともに、お客様の業務をより幅広い視点から支援する新たなソリューションの開発、BPOサービスの提供、競合が少なく当社の強みが生かせる新たな事業領域の開発等によって、競合リスクからの回避と成長・収益機会の拡大を図っています。
(7)自然災害やパンデミックによる事業継続リスク
大規模地震及び風水害等の自然災害や、新型コロナウイルス感染症を始めとしたパンデミックが発生した場合、当社事業の中核である開示書類作成支援業務の停止・中断の発生リスクがあります。株主総会招集通知や有価証券報告書等の法律で定められた書類作成の停止は、お客様企業の重要な意思決定や資金調達等に影響し、ひいては資本市場の機能にも影響する可能性があります。
当社グループではこうしたリスクに対し、事業継続に係る各種規程に基づいた物的・人的両面での対策を講じております。物的対策としては、上記(2)に記載のとおり、システムの冗長化等を通じて、不測の事態においても情報システムの中断・停止を最小限に留めるための体制を構築しております。また、人的対策としては、社員の安全確保を図りつつ、リモートワークの推進や他拠点への業務移管等により、リスク分散を行い、お客様の開示を確実に遂行いただくための支援体制を構築しております。
当社の書類作成プロセスの多くはデジタル化・ペーパーレス化されていますが、印刷工程等社員の出勤が不可欠なプロセスもあります。当社グループでは、今般の新型コロナウイルス感染症への対策として、前述の施策のほか、時差出勤や交代制勤務・オフィスの分散等の感染防止施策を立案・推進することで、開示支援業務の継続と社員の安全確保の両立を図っております。
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、世界規模で拡大した新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、国内外における、企業活動や個人消費が制限され、経済活動は大きなマイナス影響を受けました。現状、段階的に経済活動が再開され、企業活動の一部に持ち直しの動きが見られるものの、依然として先行きは不透明な状況が続いています。
当社事業と関連性の強い国内証券市場においては、このような状況への警戒感から昨年4月の緊急事態宣言時に下落していた日経平均株価は、期初の18,000円台から本年2月には約30年ぶりに一時30,000円の大台まで回復いたしました。
こうした経済環境・証券市況を受けて、当連結会計年度は、国内外の投資家に向けた開示・IR強化の動きが継続し、株主総会招集通知や英文翻訳サービス等の売上が増加いたしました。加えて、ファイナンス・IPO関連製品やWeb制作関連の売上が増加いたしました。これらの増収が、投資信託の新規設定減や前年同期の消費税率改定関連特需の反動減等に伴う金融商品関連製品の減収を補った結果、当連結会計年度の連結売上収益は、前年同期比550百万円増(同2.3%増)の24,997百万円となりました。
売上原価は、制作体制の強化及びサービスの向上に伴う労務費の増加を主因として、前年同期比568百万円増(同3.8%増)となりました。これにより売上原価率は前年同期比1.0ポイント増の、61.7%となりました。この結果、売上総利益は前年同期比17百万円減(同0.2%減)の9,583百万円となりました。また、販売費及び一般管理費については、営業体制強化に伴う人件費増や新型コロナウイルス感染症対策費用、アフターコロナを見据えたDX投資等により、前年同期比100百万円増(同1.4%増)の7,162百万円(販売費及び一般管理費率は前年同期比0.2ポイント減の28.7%)となりました。加えて、新型コロナウイルス感染症の影響等により、連結子会社の株式会社レインボー・ジャパン及びPRONEXUS VIETNAM CO.,LTDの減損損失351百万円をその他の費用に計上したこと等から、営業利益は前年同期比470百万円減(同18.1%減)の2,130百万円となりました。
その他、金融収益は、受取配当金等により163百万円、金融費用は9百万円、持分法による投資利益は80百万円となりました。また、持分法適用関連会社であった株式会社ディスクロージャー・プロの株式を2020年7月に追加取得し、完全子会社にしたことに伴う段階取得に係る差益を139百万円計上した結果、当期利益は前年同期比157百万円減(同8.5%減)の1,696百万円となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年同期比155百万円減(同8.4%減)の1,691百万円となりました。
当社グループの事業セグメントは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に記載のとおり、ディスクロージャー関連事業の単一セグメントでありますが、取扱製品を区分した売上収益の概況は、次のとおりであります。
<上場会社ディスクロージャー関連>
株主総会招集通知のカラー化による増収に加えて、開示書類作成アウトソーシングサービスの増収も寄与いたしました。また、国内証券市場の株価回復を背景にファイナンス・IPO関連製品の受注規模が拡大したことにより、上場会社ディスクロージャー関連の売上収益は、前年同期比593百万円増(同5.8%増)の10,880百万円となりました。
<上場会社IR関連等>
株主通信の減収に加えて、コロナ禍において対面形式のイベント・セミナー中止等の一部マイナス影響がありました。一方、コーポレートガバナンス・コードへの対応を背景として、英文翻訳サービスの受注が増加したほか、2019年10月1日付で連結子会社化した、Web制作会社の株式会社レインボー・ジャパンの売上収益も加わった結果、上場会社IR関連等の売上収益は、前年同期比263百万円増(同4.3%増)の6,400百万円となりました。
<金融商品ディスクロージャー関連>
金融商品関連製品の印刷物の受注が、前年同期の消費税率改定に伴うスポット需要の反動により減少いたしました。また、投資信託市場は、一部ファンドの新規設定減や電子化の進展等により、目論見書の受注ボリュームが縮小したほか、資金調達需要の変化を受け外国債券関連製品も減収となりました。これらの結果、金融商品ディスクロージャー関連の売上収益は、前年同期比291百万円減(同4.2%減)の6,629百万円となりました。
<データベース関連>
企業情報データベース、経済・産業情報データベースともに新規開拓の一方で一部解約や単価のダウンがありました。これらの結果、データベース関連の売上収益は、前年同期比15百万円減(同1.3%減)の1,088百万円となりました。
(製品区分別売上収益)
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
増減 (△印減) |
|||
|
金額 (千円) |
構成比 (%) |
金額 (千円) |
構成比 (%) |
金額 (千円) |
増減率 (%) |
|
|
上場会社ディスクロージャー 関連 |
10,286,753 |
42.1 |
10,879,556 |
43.5 |
592,803 |
5.8 |
|
上場会社IR関連等 |
6,136,833 |
25.1 |
6,399,854 |
25.6 |
263,022 |
4.3 |
|
金融商品ディスクロージャー 関連 |
6,919,949 |
28.3 |
6,629,012 |
26.5 |
△290,937 |
△4.2 |
|
データベース関連 |
1,102,802 |
4.5 |
1,088,152 |
4.4 |
△14,650 |
△1.3 |
|
合計 |
24,446,337 |
100.0 |
24,996,575 |
100.0 |
550,238 |
2.3 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
② 資産、負債及び資本の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,288百万円増加し、36,337百万円となりました。
流動資産は460百万円増加し、18,025百万円となりました。主な要因は、現金及び現金同等物の増加934百万円と、その他の金融資産の減少577百万円等であります。非流動資産は2,828百万円増加し、18,312百万円となりました。主な要因は、使用権資産の増加1,808百万円と、その他の金融資産の増加699百万円等であります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,342百万円増加し、12,884百万円となりました。
流動負債は203百万円増加し、6,304百万円となりました。主な要因は、リース負債の増加72百万円等であります。非流動負債は2,139百万円増加し、6,581百万円となりました。主な要因は、リース負債の増加1,844百万円等であります。
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ946百万円増加し、23,452百万円となりました。主な要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益1,691百万円の計上による増加と剰余金の配当による減少861百万円等であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ934百万円増加(前年同期比7.8%増)し、当連結会計年度末には12,845百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は3,917百万円(前年同期は4,172百万円の獲得)となりました。収入の主な内訳は、税引前利益2,503百万円に対し、非資金損益項目等の調整を加減した営業取引による収入4,959百万円、利息及び配当金の受取額56百万円であり、支出の主な内訳は、法人所得税の支払額1,090百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,339百万円(前年同期は1,716百万円の使用)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出448百万円、無形資産の取得による支出1,213百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,660百万円(前年同期は2,436百万円の使用)となりました。支出の主な内訳は、配当金の支払額861百万円、リース負債の返済による支出781百万円等であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社7社)の事業セグメントは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に記載のとおり、ディスクロージャー関連事業の単一セグメントでありますが、生産、受注及び販売の実績については、上場会社ディスクロージャー関連、上場会社IR関連等、金融商品ディスクロージャー関連、データベース関連の4製品区分で示しております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を製品区分別に示すと、次のとおりであります。
|
製品区分別の名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
上場会社ディスクロージャー関連 |
(千円) |
10,879,556 |
105.8 |
|
上場会社IR関連等 |
(千円) |
6,399,854 |
104.3 |
|
金融商品ディスクロージャー関連 |
(千円) |
6,629,012 |
95.8 |
|
データベース関連 |
(千円) |
1,088,152 |
98.7 |
|
合計 |
(千円) |
24,996,575 |
102.3 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績を製品区分別に示すと、次のとおりであります。
|
製品区分別の名称 |
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
|
上場会社ディスクロージャー関連 |
11,042,108 |
106.2 |
2,368,009 |
107.4 |
|
上場会社IR関連等 |
6,426,264 |
102.5 |
1,097,246 |
102.5 |
|
金融商品ディスクロージャー関連 |
6,767,105 |
97.3 |
1,468,472 |
110.4 |
|
データベース関連 |
1,042,894 |
94.0 |
132,917 |
74.6 |
|
合計 |
25,278,371 |
102.2 |
5,066,644 |
105.9 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を製品区分別に示すと、次のとおりであります。
|
製品区分別の名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
上場会社ディスクロージャー関連 |
(千円) |
10,879,556 |
105.8 |
|
上場会社IR関連等 |
(千円) |
6,399,854 |
104.3 |
|
金融商品ディスクロージャー関連 |
(千円) |
6,629,012 |
95.8 |
|
データベース関連 |
(千円) |
1,088,152 |
98.7 |
|
合計 |
(千円) |
24,996,575 |
102.3 |
(注)1.主要な販売顧客については、該当するものはありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績等の分析
当社グループの当連結会計年度の売上収益は前年同期比550百万円増(同2.3%増)の24,997百万円となりました。その要因や市場背景を含めた各製品分野の特記事項についてご説明いたします。
<上場会社ディスクロージャー関連>
当分野の売上収益は、前年同期比593百万円増(同5.8%増)の10,880百万円となりました。主たる増収要因は、上場会社による情報開示の充実の動きが継続し、株主総会招集通知のカラー化が進展したことによる受注が増加したことや、新型コロナウイルス感染症に関する記載や議案の分量増加等により株主総会招集通知のページ数が増加したことにあります。また、コロナ禍によって業務効率化やアウトソースニーズが高まる等、働き方改革が一段と推進されたことで、開示書類作成アウトソーシングサービスが拡大しました。加えて、企業業績が停滞する中、資金ニーズが増加したことや、国内証券市場の株価回復によりファイナンス・IPO関連製品の受注規模が拡大したことも寄与し、結果的に当分野では新型コロナウイルスのマイナス影響は軽微でありました。
なお、当社主力製品の顧客数に直結する重要な指標である国内上場会社数は、当連結会計年度末において約3,820社(前期末比約30社増)と7年連続で増加いたしました。お客様のニーズに対応するサービスの提供に取り組むことで、顧客数の増加と1社当たり売上収益の増加による成長力の向上を図っております。
<上場会社IR関連等>
当分野の売上収益は、前年同期比263百万円増(同4.3%増)の6,400百万円となりました。主たる増収要因は、コーポレートガバナンス・コードの導入等により国内外の投資家と上場会社の対話ニーズが高まり、これに対応するIR関連製品の受注が増加したほか、2019年10月1日付で連結子会社化した株式会社レインボー・ジャパンの売上収益が、前年同期は6か月の計上に対して、当連結会計年度は12か月計上されたことであります。
当分野においては、主に英文翻訳サービスやWebサービスの受注が増加いたしましたが、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載のとおり、ディスクロージャーの電子化の進展に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、Webでの情報開示充実ニーズが一層高まってきています。これに対応して、当社及び連結子会社である株式会社アスプコミュニケーションズ、株式会社レインボー・ジャパン並びに持分法適用関連会社の株式会社ミツエーリンクスの関係会社3社にて、Webサイトの企画・制作・運用体制を強化してまいりました。
一方、減収要因としては、株主総会招集通知のカラー化に伴い、株主通信の受注量が減少したことや、コロナ禍において対面形式のイベント・セミナーが中止になったこと等が挙げられます。
東京証券取引所における市場再編の動きや、それに関連するコーポレートガバナンス・コード改訂によって、上場会社が投資家との対話充実や非財務情報開示の充実を図る傾向は、今後も継続すると想定されることから、当社では対応するサービスの提供体制強化に取り組んでおります。
<金融商品ディスクロージャー関連>
当分野の売上収益は、前年同期比291百万円減(同4.2%減)の6,629百万円となりました。主たる減収要因は、金融商品の販促用印刷物における前期の消費税率改定に伴うスポット需要の反動や、国内投資信託市場での一部ファンドの新規設定減速や電子化の進展等により、目論見書の受注ボリュームが縮小したことであります。また、資金調達需要が変化したことで、外国債券関連製品が減収となったことも要因となっております。
このような厳しい環境は当面続くものと思われ、また上場会社同様にディスクロージャーの電子化が一層進展することが想定されますが、金融商品の開示実務を効率化するシステムサービスの導入促進・機能拡張を進め、アウトソーシングサービスの拡大、金融商品関連の販売用資料やWebサイトの受注拡大等、中長期的な成長につながるサービス領域の拡張に引き続き取り組んでまいります。
<データベース関連>
当分野の売上収益は、前年同期比15百万円減(同1.3%減)の1,088百万円となりました。これは、企業情報データベース「eol」及び経済統計・ファイナンスデータベース「INDB」ともに新規顧客の受注獲得に努めたものの、コロナ禍における経営環境の悪化も影響し、既存顧客との契約更改に際し、一部解約や単価ダウンが発生したことが要因となります。
このような状況の中、両データベースの販路の相互活用や、コンテンツを融合させた新たなサービスの企画・開発を進め、グループシナジーを最大化すべく、当社のデータベース事業を簡易吸収分割により連結子会社である株式会社アイ・エヌ情報センターに承継(2021年5月)させ、データベース事業の再編を実施いたしました。
当連結会計年度が2.3%の増収となったのに対し、営業利益が18.1%の減益になった要因についてご説明いたします。
当社では、中長期的な事業領域の拡張に対応する体制強化を進めております。当連結会計年度においても、成長分野を中心とした人財投資を継続したことで労務費・人件費が増加したことに加え、新型コロナウイルス感染症対策費用やアフターコロナを見据えたDX投資が増加しました。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響等により、連結子会社であるWeb制作会社の株式会社レインボー・ジャパン及び、ベトナムにおいて日系企業向けBPO事業を行うPRONEXUS VIETNAM CO., LTDの減損損失351百万円をその他の費用に計上しました。
これらの結果、営業利益は2,130百万円(前年同期比18.1%減)となり、営業利益率は前年同期比2.1ポイント減の8.5%となりました。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは3,917百万円であり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、12,845百万円保有しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、資金調達は自己資金を基本とし、必要に応じて金融機関からの借入を行っております。強固な財務基盤を維持しつつ営業キャッシュ・フローにより得られた資金を、開示実務支援システム等の開発投資や配当等の株主還元へと配分しております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は借入金及びリース負債を含む4,290百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。