文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループが提供する本質的な価値は、「お客様にとって専門性が高すぎるため対応が難しい『お客様にとってのノンコア業務=お客様のニッチな業務』を『当社のコア業務』として置き換え、当社の専門性をもって遂行し、お客様が本来行うべきコア業務に集中頂ける時間を創出して差し上げること」と考えております。
このような考えのもと、当社はこれまで事業会社並びに金融商品のディスクロージャー・IR実務支援を主たる事業とし、お客様企業から投資家への適正かつ迅速な情報開示を支援するため、高い専門性を基盤としたコンサルティングサービスと、開示実務の精度と効率を高める独自のシステムサービスを中核に、印刷、物流等を含めトータルなサービスを提供してまいりました。
2020年12月に創業90周年を迎え、様々な分野で専門性を磨き、他の追随を許さないところまで高めていくこと、そして、新たなビジネス領域へチャレンジすることが、当社グループのさらなる発展に繋がることから、事業ドメインがディスクロージャー・IR領域に限定されていた経営理念を見直し、「情報コミュニケーション」、「ドキュメンテーション」の領域で、「世界で類のない、専門性に特化したニッチトップ企業グループ」を目指す新たな経営理念に刷新いたしました。
<<プロネクサスグループ 新・経営理念>>
< MISSION >当社の社会的使命と存在意義
私たちプロネクサスグループは、情報コミュニケーションとドキュメンテーションを支えるプロフェッショナルとして社会・経済の永続的発展に貢献いたします。
< VALUE > MISSION実現のために追求し発揮すべき価値
① PROfessional(専門性) 専門性でお客様の実務を支える
② PROper(適正性) 正確かつ適正なサービスを提供する
③ PROmpt(迅速性) お客様のニーズにいち早く応える
④ PROgress(革新性) 革新的なサービスを創造する
⑤ PROsocial(社会性) 社会と共生する視点をもつ
< VISION > 当社の本質的価値と目指すべき姿
世界で類のない、専門性に特化したニッチトップ企業グループへ
当社グループは、上記の経営理念に加えて、企業市民としての社会・環境面における行動基準、事業会社としてのビジネスにおける行動基準を定め、当社グループ内への経営方針の浸透を図るとともに、今後も社会・経済の永続的な発展に貢献してまいります。
(当社グループのビジネスモデル:事業を通じた社会的価値・経済的価値の創造プロセス)
(2)経営環境とそれに対応する経営戦略
当社グループの事業と関連性の強い資本市場においては、市況の好不調や関連法制度の改正等、当社グループに影響を与える環境変化が常に起こります。これに対して、市況の影響を受けにくいサービスの強化や新たな制度に対応するサービスの開発を通して、事業領域の拡大を続けてまいりました。
近年においては、ディスクロージャーの電子化が大きく進みました。金融庁の電子開示システム「EDINET」は一定期間ごとにバージョンアップを実施しており、同システムにおける開示書類専用データ「XBRL」も順次高度化や適用範囲の拡大が行われています。これらに対応したお客様の開示実務をインフラとして支えるシステムサービス・コンサルティングサービスが、当社事業の大きな柱となっています。
今後もディスクロージャーの電子化は、一層進んでいくことが想定されます。2019年12月に改正会社法が公布され、2023年3月開催の株主総会から当社の主力製品のひとつである株主総会招集通知が電子化されることが決まりました。またこれ以外にも、金融商品ディスクロージャー分野における開示書類等、当社が取り扱う製品の電子化は今後も拡大していくものと考えております。これらの電子化により、当社の印刷製品の需要が今後減少する可能性があります。
一方、2015年6月に上場会社に適用されたコーポレートガバナンス・コードに基づき、株主・投資家と企業の対話の充実が求められております。加えて、2021年6月のコーポレートガバナンス・コード改訂においては、東京証券取引所の市場再編と関連して、特にプライム市場の上場会社は英文開示や非財務情報開示の充実等、さらなる対話の充実が求められております。
また、「働き方改革」が推進される中、コロナ禍により当社のお客様の実務の効率化及びアウトソーシングニーズはより一層高まっております。当社グループでは、システムインフラやコンサルティングサービスの提供に加えて、BPOサービス、Webを通じた情報提供の拡充や英文での情報開示等、電子化時代に対応した「非印刷」サービスを引き続き拡張し、お客様ニーズに応えるサービスを提供してまいります。このように、今後も想定される経営環境の変化に対応して、事業の変革を続けることが当社グループの最重要の経営課題と認識しております。
(3)新中期経営計画の基本方針と数値目標
当社は、上記(2)に記載した経営環境の変化に対応するため、「新中期経営計画2024」(以下、本計画)を2022年5月に発表し、推進しております。
創業当初の株券専業からの脱却、決算開示の電子化に伴うシステムサービスプロバイダーへの転換、そして2022年3月期において連結売上収益の55%を占めるに至った「非印刷事業」の拡大等、当社は常に環境変化に対応した事業変革を実現してきました。これは当社が創業以来保持し続けている企業文化です。
当社は2020年の創業90周年を機に、「ディスクロージャー・IR」領域に限定されていた経営理念を見直し、「情報コミュニケーション」、「ドキュメンテーション」を事業ドメインとして再定義しました。本計画は、創業100周年に向け、これらの領域の拡大にチャレンジするものです。
これまでも当社は株券の電子化や有価証券報告書における電子開示の導入等、環境変化に対応した事業の変革と成長を実現してまいりました。前述の招集通知の電子化・投資信託分野のペーパーレス化は、当社中核事業における大きな変化です。この変化に伴うお客様ニーズに的確に対応し、新たなサービスを提供して機会に変えていくことでさらなる成長につなげていきます。一方、印刷売上の一定の減少は不可避であることから、事業環境の変化に対応したWeb・英文翻訳・BPO等の「非印刷分野」のさらなる拡大と収益力向上により利益確保を目指します。
また、サステナビリティ情報をはじめとした「非財務情報開示」の充実に対応し、システム・コンサルティング機能を強化します。これによって開示周辺のドキュメント支援等、新たなビジネス領域に挑戦することで、中長期的な成長を実現してまいります。
前中計までは、期間中の業績目標を計画発表時点において公表しておりました。しかしながら本計画においては、招集通知の電子化に関する実務運用が未確定であること、四半期開示の一本化が制度の検討段階にあること等、当社の中核事業である「上場会社ディスクロージャー関連」を中心にかつてない不確定要素があります。したがって、現時点においてその当社業績への影響額を算出することが困難であります。
2023年3月期においては、これらの影響は軽微または未発生であるため、業績目標を公表いたしました。一方、2024年3月期・2025年3月期につきましては、より慎重な検討が必要であると判断し、一定以上の精度をもって算定可能な時期に業績目標を公表することとしております。
(4)会社の対処すべき課題
事業環境が大きく変化するなかで、事業領域の拡張、競争力・収益力・顧客満足の向上に努めてまいります。
① 株主総会プロセスの電子化等、開示制度の変化に対応した中核ビジネスの強化と拡張
② 制作・製造プロセスの電子化対応・生産性向上
③ 上場会社・金融商品両分野におけるアフターコロナを展望したDX対応とサービス拡充
④ システムサポート・BPOサービスの強化による実務支援領域の拡大
⑤ 新型コロナウイルス感染症の予防対策・労働環境の整備とBCP体制の強化
⑥ ESG・サステナビリティに関わるコンサルティング、開示・IR支援体制の強化
⑦ 海外投資家の増大と資本市場のグローバル化に対応した英文開示体制の強化
⑧ Web化の進展に対応した企画制作体制の強化
⑨ データベース事業の集約によるサービス強化と市場拡大
⑩ アジア市場における日系企業支援サービス体制の強化
(5)中長期的な会社の経営戦略
当社は経営の基本方針に基づき、当社が果たすべき基本的使命の確実な遂行によりお客様の高い信頼を得るとともに、事業環境の変化に対応して持続的な成長を実現するために、以下の戦略を実行いたします。
① コンプライアンスの徹底と情報セキュリティ体制のさらなる整備
② 開示制度の変化に対応した、新たな実務支援サービスの開発
③ システムサービスの強化による顧客支援領域の拡張
④ M&A、資本・業務提携を含めた外部リソースの活用による事業領域の拡張
⑤ 生産性の向上と競争力の強化による収益力の拡大
⑥ 資本効率の向上と高い水準の株主還元策の遂行
当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスク及び変動要因と、その他重要と考えられる事項は以下のとおりであります。
当社グループでは、これらリスクの発生を十分に認識した上で、発生を極力回避し、また発生した場合に的確な対応を行うための努力を継続してまいります。
(1)インサイダー情報等機密情報の取り扱いに関わるリスク
当社グループはインサイダー情報を始めとした顧客企業の開示前機密データを取り扱うため、「機密保持」は最重要課題であります。万一これらの情報漏洩や情報流出が発生した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、こうした事態の発生を抑止するため、別項の「情報セキュリティと事業継続に関わるリスク」への対応を推進するとともに、インサイダー情報の全社的管理体制を構築し推進しています。誓約書の提出、定期的な教育とテストの実施、厳格なルールの制定と運用監視、取り扱いスペースの隔離、関与者の制限、トレーサビリティ体制の整備、定期的な情報セキュリティ委員会の開催と啓発活動等様々な防止策を行っています。
(2)情報セキュリティと事業継続に関わるリスク
当社グループが提供するシステムサービスにおいては、その安定稼働の維持及び重要システムの冗長化に努め、不測の事態に備えたコンティンジェンシープランを策定しております。しかしながら、人的過失、事故、サイバー攻撃、災害や停電等の要因によりシステムサービスに重大な障害が発生する可能性があります。
特に、近年のサイバー攻撃手法の巧妙化により、コンピュータウイルスへの感染等による情報漏洩やサービス妨害のリスクが高まっています。当社グループではサイバーセキュリティ対策を経営の重要課題として、経営主導のもと、情報セキュリティ基本方針及び経済産業省の「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」に従い、多層防御及びCSIRT(Computer Security Incident Response Team)を中心とした設備面、組織面の施策を実行し、定期的な第三者機関によるリスクアセスメントにて実効性を評価しています。
(3)関連する法律・制度の変化による受注影響リスク
当社グループは、企業のディスクロージャーに係わる法定書類の作成を支援するための諸サービスとデータ作成、印刷を主業務としておりますが、それらの開示書類の多くは会社法と金融商品取引法に規定されております。したがって、法律や関連する諸制度の改正によって、提供する製品とサービスの需要・仕様・内容が変化することがあります。2019年12月に公布された改正会社法に基づき、2023年3月開催の株主総会から導入される株主総会書類の電子化や、現在関係省庁で議論されている四半期開示制度の変更はその一例であります。制度改正の結果として法定書類のページ数増や新サービスの導入などのプラスの影響もありますが、反面では、印刷物の一部または全部の電子化による印刷需要の減少、ページ数の減少や特定製品の受注量減少等、当社グループの売上にマイナス影響を与えるケースもあります。こうしたリスクを軽減するために、法制度の影響を受けにくいサービス・ソリューション、新たな事業領域の開拓を中期経営戦略の重要課題として掲げ、重点的な投資・開発を行っています。
(4)証券市場の変動による受注影響リスク
当社グループが受注する製品・サービスのうち、株式の新規上場(IPO)やファイナンス、投資信託に付随する目論見書・販売用資料等の売上は、証券市場の好不況によって受注量が変動するため、証券市場の変動は業績に影響を与える可能性があります。当社グループはこうしたリスクを軽減するため、株主総会招集通知、有価証券報告書、四半期報告書等の継続開示書類や、お客様の業務効率化や正確性の向上に資するシステムサービス・コンサルティングサービス、IR関連製品・サービス等、証券市況の影響を受けにくい製品の受注拡大に取り組んでいます。
(5)事業の季節変動リスク
当社グループ売上の約3分の2を占める事業会社向け製品・サービスの顧客のうち、約65%が3月決算会社であるため、決算及び株主総会関連製品の受注が集中する第1四半期の売上収益が、以下の表のとおり最も多くなっております。このため、第1四半期の受注動向は通期業績への影響が大きく、対応する生産キャパシティの確保は重要な課題です。また、その他の四半期においては受注量が第1四半期よりも少ないことから、過剰な生産キャパシティの保有は収益を悪化させるリスクがあります。当社ではこうした受注量の変動に対して、自社製造ラインの生産効率を高めて内製率を向上させるとともに、最繁忙期に有力な業務委託先を活用することで、キャパシティの確保とコスト低減のバランスをとった生産体制を構築しています。加えて、金融商品関連、開示支援システム、BPO、データベース等、比較的季節変動が少なく、通年の需要が見込まれるサービス領域の拡大にも注力しています。
|
|
|
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(2022年3月期) |
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|
第1四半期 (4-6月期) |
第2四半期 (7-9月期) |
第3四半期 (10-12月期) |
第4四半期 (1-3月期) |
年度計 |
|
売上収益 (百万円) |
10,441 |
4,958 |
5,339 |
5,405 |
26,142 |
|
構成比 (%) |
39.9 |
19.0 |
20.4 |
20.7 |
100.0 |
(6)他社との競合による収益影響リスク
当社の中核事業である上場会社ディスクロージャー・IRや金融商品ディスクロージャー分野においては、それぞれ競合会社が存在します。当社の提供する製品・サービスに対して競合会社も対抗する製品・サービスを提供しているため、新たなお客様の受注といった場面において、ソリューションの差別性、品質の優位性、サポートの充実度、価格の優位性といった面で競争が日々行われています。その結果シェアの変動や受注単価の低下等の変化が起き、当社の売上や利益の変動につながる可能性があります。こうした不可避の状況を踏まえ、当社は提供サービスの品質・機能の向上を図るとともに、お客様の業務をより幅広い視点から支援する新たなソリューションの開発、BPOサービスの提供、競合が少なく当社の強みが生かせる新たな事業領域の開発等によって、競合リスクからの回避と成長・収益機会の拡大を図っています。
(7)自然災害やパンデミックによる事業継続リスク
大規模地震及び風水害等の自然災害や、新型コロナウイルス感染症を始めとしたパンデミックが発生した場合、当社事業の中核である開示書類作成支援業務の停止・中断の発生リスクがあります。株主総会招集通知や有価証券報告書等の法律で定められた書類作成の停止は、お客様企業の重要な意思決定や資金調達等に影響し、ひいては資本市場の機能にも影響する可能性があります。
当社グループではこうしたリスクに対し、事業継続に係る各種規程に基づいた物的・人的両面での対策を講じております。物的対策としては、上記(2)に記載のとおり、システムの冗長化等を通じて、不測の事態においても情報システムの中断・停止を最小限に留めるための体制を構築しております。また、人的対策としては、社員の安全確保を図りつつ、リモートワークの推進や他拠点への業務移管等により、リスク分散を行い、お客様の開示を確実に遂行いただくための支援体制を構築しております。
当社の書類作成プロセスの多くはデジタル化・ペーパーレス化されていますが、印刷工程等社員の出勤が不可欠なプロセスもあります。当社グループでは、今般の新型コロナウイルス感染症への対策として、前述の施策のほか、時差出勤や交代制勤務・オフィスの分散等の感染防止施策を立案・推進することで、開示支援業務の継続と社員の安全確保の両立を図っております。
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、前年同期に比べ企業業績は総じて改善がみられました。一方、年明けからの新型コロナウイルス変異株の感染拡大により、個人消費は持ち直しの勢いが鈍化しました。さらにロシアがウクライナに侵攻したことで、依然先行き不透明な状況が続いています。当社事業と関連性が強い国内証券市場においては、国内企業の業績回復に伴い、日経平均株価が28,000円台(前年同期は24,000円台)を中心に推移しました。ただし、米国の金融政策やウクライナ情勢などリスク要因への警戒感が強い状況にありました。
こうした経済環境・証券市況を受けて、当連結会計年度は、2021年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コードを背景として、投資家への情報提供をさらに強化する動きが高まりました。また、前年同期に比べて国内証券市場・J-REIT市場が回復したことや投資信託への資金流入が続いたこと等から、関連製品の受注が増加しました。これらの結果、当連結会計年度の連結売上収益は、前年同期比1,145百万円増(同4.6%増)の26,142百万円となりました。
売上原価は、サービス体制の強化による労務費の増加や、受注増に対応する外注費の増加を主因として641百万円増加しました。売上原価率につきましては、増収効果により前年同期比0.3ポイント減の61.4%となりました。この結果、売上総利益は前年同期比504百万円増(同5.3%増)の10,087百万円となりました。販売費及び一般管理費は、営業体制強化に伴う人件費増加等により、前年同期比412百万円増(同5.8%増)の7,574百万円となり、販売費及び一般管理費率は前年同期比0.3ポイント増の29.0%となりました。この結果、営業利益は前年同期比353百万円増(同16.6%増)の2,483百万円となりました。
また、金融収益を68百万円、金融費用を6百万円、持分法による投資利益を79百万円それぞれ計上し、税引前利益は前年同期比120百万円増(同4.8%増)の2,624百万円となりました。これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年同期比72百万円増(同4.2%増)の1,763百万円となり、連結業績予想を全て上回る結果となりました。なお、前年同期の営業利益は、新型コロナウイルス感染症の影響等により、その他の費用として連結子会社の減損損失351百万円を計上しております。また、前年同期の税引前利益は、持分法適用関連会社の株式を追加取得し、完全子会社化したことに伴う段階取得に係る差益139百万円を計上しております。
当社グループの事業セグメントは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に記載のとおり、ディスクロージャー関連事業の単一セグメントでありますが、取扱製品を区分した売上収益の概況は、次のとおりであります。
<上場会社ディスクロージャー関連>
主力製品である株主総会招集通知については、従来からのカラー化・情報拡充に加え、個人株主数の増加により受注単価が上昇しました。また、業務効率化ニーズの高まりを受け、開示書類作成アウトソーシングサービスの増収が寄与しました。これらの結果、上場会社ディスクロージャー関連の売上収益は、前年同期比388百万円増(同3.6%増)の11,267百万円となりました。
<上場会社IR関連等>
改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応を背景として、英文翻訳サービスの受注が順調に推移しました。また、前年同期はコロナ禍により規模を縮小していた株主総会のビジュアル化サービスや、バーチャル株主総会支援サービスの受注が増加しました。これらの結果、上場会社IR関連等の売上収益は、前年同期比514百万円増(同8.0%増)の6,914百万円となりました。
<金融商品ディスクロージャー関連>
国内の投資信託市場は、前年同期に比べ国内外の株式市場の回復等を背景に資金流入が続き、各種販売用ツールの受注が拡大しました。また、J-REIT市場の回復に伴うファイナンス・IPOの増加や、外国債券の発行が前年同期に比べて改善したことで、関連製品の受注が増加しました。これらの結果、金融商品ディスクロージャー関連の売上収益は、前年同期比261百万円増(同3.9%増)の6,890百万円となりました。
<データベース関連>
データベース関連では新規顧客の受注があったものの、既存顧客との契約更改に際し、一部解約や単価ダウンがありました。その結果、データベース関連の売上収益は、前年同期比18百万円減(同1.6%減)の1,071百万円となりました。
なお、グループシナジーを最大化すべく、当社のデータベース事業を簡易吸収分割により連結子会社である株式会社アイ・エヌ情報センターに承継(2021年5月)させ、データベース事業の再編を実施いたしました。
(製品区分別売上収益)
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
増減 (△印減) |
|||
|
金額 (千円) |
構成比 (%) |
金額 (千円) |
構成比 (%) |
金額 (千円) |
増減率 (%) |
|
|
上場会社ディスクロージャー 関連 |
10,879,556 |
43.5 |
11,267,332 |
43.1 |
387,775 |
3.6 |
|
上場会社IR関連等 |
6,399,854 |
25.6 |
6,913,985 |
26.4 |
514,131 |
8.0 |
|
金融商品ディスクロージャー 関連 |
6,629,012 |
26.5 |
6,889,936 |
26.4 |
260,923 |
3.9 |
|
データベース関連 |
1,088,152 |
4.4 |
1,070,596 |
4.1 |
△17,556 |
△1.6 |
|
合計 |
24,996,575 |
100.0 |
26,141,848 |
100.0 |
1,145,273 |
4.6 |
(注)金額は販売価格によっております。
② 資産、負債及び資本の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ777百万円減少し、35,560百万円となりました。
流動資産は496百万円減少し、17,529百万円となりました。主な要因は、現金及び現金同等物の減少637百万円と、棚卸資産の増加135百万円等であります。非流動資産は281百万円減少し、18,031百万円となりました。主な要因は、使用権資産の減少799百万円と、その他の金融資産の増加528百万円等であります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ778百万円減少し、12,107百万円となりました。
流動負債は12百万円減少し、6,292百万円となりました。主な要因は、営業債務及びその他の債務の増加109百万円と、その他の流動負債の減少110百万円等であります。非流動負債は766百万円減少し、5,815百万円となりました。主な要因は、リース負債の減少788百万円等であります。
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ1百万円増加し、23,453百万円となりました。主な要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益1,763百万円の計上による増加と自己株式の取得による減少1,215百万円等であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ637百万円減少(前年同期比5.0%減)し、当連結会計年度末には12,208百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は3,843百万円(前年同期は3,917百万円の獲得)となりました。収入の主な内訳は、税引前利益2,624百万円に対し、非資金損益項目等の調整を加減した営業取引による収入4,695百万円、利息及び配当金の受取額46百万円であり、支出の主な内訳は、法人所得税の支払額893百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,609百万円(前年同期は1,339百万円の使用)となりました。支出の主な内訳は、無形資産の取得による支出1,229百万円、投資の取得による支出323百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2,894百万円(前年同期は1,660百万円の使用)となりました。支出の主な内訳は、自己株式の取得による支出1,215百万円、リース負債の返済による支出837百万円等であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社7社)の事業セグメントは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に記載のとおり、ディスクロージャー関連事業の単一セグメントでありますが、生産、受注及び販売の実績については、上場会社ディスクロージャー関連、上場会社IR関連等、金融商品ディスクロージャー関連、データベース関連の4製品区分で示しております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を製品区分別に示すと、次のとおりであります。
|
製品区分別の名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
上場会社ディスクロージャー関連 |
(千円) |
11,267,332 |
103.6 |
|
上場会社IR関連等 |
(千円) |
6,913,985 |
108.0 |
|
金融商品ディスクロージャー関連 |
(千円) |
6,889,936 |
103.9 |
|
データベース関連 |
(千円) |
1,070,596 |
98.4 |
|
合計 |
(千円) |
26,141,848 |
104.6 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績を製品区分別に示すと、次のとおりであります。
|
製品区分別の名称 |
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
|
上場会社ディスクロージャー関連 |
11,561,170 |
104.7 |
2,661,847 |
112.4 |
|
上場会社IR関連等 |
7,378,859 |
114.8 |
1,562,120 |
142.4 |
|
金融商品ディスクロージャー関連 |
7,060,355 |
104.3 |
1,638,892 |
111.6 |
|
データベース関連 |
1,122,184 |
107.6 |
184,505 |
138.8 |
|
合計 |
27,122,568 |
107.3 |
6,047,364 |
119.4 |
(注)金額は販売価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を製品区分別に示すと、次のとおりであります。
|
製品区分別の名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
上場会社ディスクロージャー関連 |
(千円) |
11,267,332 |
103.6 |
|
上場会社IR関連等 |
(千円) |
6,913,985 |
108.0 |
|
金融商品ディスクロージャー関連 |
(千円) |
6,889,936 |
103.9 |
|
データベース関連 |
(千円) |
1,070,596 |
98.4 |
|
合計 |
(千円) |
26,141,848 |
104.6 |
(注)主要な販売顧客については、該当するものはありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績等の分析
当社グループの当連結会計年度の売上収益は前年同期比1,145百万円増(同4.6%増)の26,142百万円となりました。その要因や市場背景を含めた各製品分野の特記事項についてご説明いたします。
<上場会社ディスクロージャー関連>
当分野の売上収益は、前年同期比388百万円増(同3.6%増)の11,267百万円となりました。主たる増収要因は、上場会社による情報開示の充実の動きが継続し、株主総会招集通知のカラー化が進展したことや、個人株主数の増加に伴い印刷部数が増加したこと、また議案の分量増加等によりページ数が増加したことにあります。また、コロナ禍によって業務効率化やアウトソースニーズが高まる等、働き方改革が一段と推進されたことで、開示書類作成アウトソーシングサービスが拡大しました。加えて、国内証券市場が前年同期に比べて回復したことから、IPO関連製品の受注も増加しました。
なお、当社主力製品の顧客数に直結する重要な指標である国内上場会社数は、当連結会計年度末において約3,870社(前期末比約50社増)と8年連続で増加いたしました。お客様のニーズに対応するサービスの提供に取り組むことで、顧客数の増加と1社当たり売上収益の増加による成長力の向上を図っております。
<上場会社IR関連等>
当分野の売上収益は、前年同期比514百万円増(同8.0%増)の6,914百万円となりました。主たる増収要因は、コーポレートガバナンス・コードの改訂等により国内外の投資家と上場会社の対話ニーズが高まり、これに対応するIR関連製品の受注が増加したことです。
当分野においては、主に英文翻訳サービスやWebサービスに加えて、バーチャル総会等の株主総会運営支援サービスの受注が増加いたしました。さらに「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載のとおり、ディスクロージャーの電子化の進展に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、Webでの情報開示充実ニーズが一層高まってきています。これに対応して、当社及び連結子会社である株式会社アスプコミュニケーションズ、株式会社レインボー・ジャパン並びに持分法適用関連会社の株式会社ミツエーリンクスの関係会社3社にて、Webサイトの企画・制作・運用体制を強化してまいりました。
一方、減収要因としては、株主総会招集通知のカラー化に伴い、株主通信の受注量の減少傾向が続いています。
コーポレートガバナンス・コードや東京証券取引所のプライム市場を対象とした開示強化を背景に、上場会社が投資家との対話充実や非財務情報開示の充実を図る傾向は、今後も継続すると想定されることから、当社では対応するサービスの提供体制強化に取り組んでおります。
<金融商品ディスクロージャー関連>
当分野の売上収益は、前年同期比261百万円増(同3.9%増)の6,890百万円となりました。主たる増収要因は、国内の投資信託市場において前年同期に比べ国内外の株式市場の回復等を背景に資金流入が続き、各種販売用ツールの受注が拡大したことと、J-REIT市場の回復によりファイナンス・IPOが増加したこと、外国債券の発行が前年同期に比べ改善したことです。一方、ネット証券の拡大等により目論見書の印刷部数は近年減少傾向にあり、今後さらにペーパーレス化が進むことが想定されます。
このような市場環境の変化に対応し、金融商品の開示実務を効率化するシステムサービスの導入促進・機能拡張を進め、アウトソーシングサービスの拡大、金融商品関連の販売用資料やWebサイトの受注拡大等、中長期的な成長につながるサービス領域の拡張に引き続き取り組んでまいります。
<データベース関連>
当分野の売上収益は、前年同期比18百万円減(同1.6%減)の1,071百万円となりました。これは、企業情報データベース「eol」及び経済統計・ファイナンスデータベース「INDB」ともに新規顧客の受注獲得に努めたものの、コロナ禍における経営環境の悪化も影響し、既存顧客との契約更改に際し、一部解約や単価ダウンが発生したことが要因となります。
このような状況の中、両データベースの販路の相互活用や、コンテンツを融合させた新たなサービスの企画・開発を進め、グループシナジーを最大化すべく、2021年5月には当社のデータベース事業を簡易吸収分割により連結子会社である株式会社アイ・エヌ情報センターに承継させ、データベース事業の再編を実施いたしました。
当連結会計年度が4.6%の増収となったのに対し、営業利益が16.6%の増益になった要因についてご説明いたします。
当社では、中長期的な事業領域の拡張に対応する体制強化を進めております。当連結会計年度においても、成長分野を中心とした人財投資を継続したことで労務費・人件費が増加したことに加え、アフターコロナを見据えたDX投資を継続しました。こうしたコストの増加はあったものの、子会社の減損損失を中心としたその他の費用が前年同期に比べて減少しました。
これらの結果、営業利益は2,483百万円(前年同期比16.6%増)となり、営業利益率は前年同期比1.0ポイント増の9.5%となりました。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは3,843百万円であり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、12,208百万円保有しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、資金調達は自己資金を基本とし、必要に応じて金融機関からの借入を行っております。強固な財務基盤を維持しつつ営業キャッシュ・フローにより得られた資金を、開示実務支援システム等の開発投資や配当等の株主還元へと配分しております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は借入金及びリース負債を含む3,467百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。