当連結会計年度におけるわが国経済は、円安、原油安等に伴う企業業績の上振れ期待や雇用情勢の回復が見られましたが、個人消費が伸び悩んだこともあり、景気回復は緩やかなものとなりました。一方、原油価格は下げ止まりの兆しが見えるものの、依然として新興国経済の下振れリスクや、円高の進行による減速感が強まるなど、先行きは不透明な状況となっております。
印刷業界におきましては、ペーパーレス化に伴う需要の減少や同業者間の受注競争の激化による受注単価の下落などが続いており、依然として厳しい経営環境にあります。
このような環境下にあって当社グループは、創業80周年「進化の年」の会社方針のもと、当期迎えた創業80周年を機に、社員一人ひとりが、そして会社が進化しレベルアップすることにより今後も持続的に発展していく企業でありたい。そのような新たな進化のはじまりの年にしたいと考え、当社グループの強みである総合力を活かした積極的な販促体制により業績向上に努めました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は157億27百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益は1億22百万円(前年同期は営業損失92百万円)、経常利益は2億61百万円(前年同期比533.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億51百万円(前年同期比668.1%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、次の通りであります。
(印刷事業)
一般商業印刷物の売上高は折込チラシなどが減少しましたが、主力製品であるカタログや会報などの定期刊行物の増加により112億80百万円(前年同期比0.4%増)となりました。また、包装印刷物の売上高はパッケージなどの減少により21億49百万円(前年同期比0.9%減)、出版印刷物の売上高は18億9百万円(前年同期比6.6%増)、合計売上高は152億39百万円(前年同期比0.9%増)となり、営業利益は67百万円(前年同期は営業損失1億円)となりました。
(イベント事業)
売上高は大型イベントの開催等により5億13百万円(前年同期比66.8%増)と大きく増加し、営業利益は52百万円(前年同期比1,209.7%増)となりました。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、24億2百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の減少1億25百万円や、未払消費税等の減少1億73百万円に対し、減価償却費6億73百万円などがあったこと等により8億80百万円の収入(前年同期は8億95百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入2億54百万円に対し、有形固定資産の取得による支出8億69百万円があったこと等により5億7百万円の支出(前年同期は2億38百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入による収入14億20百万円に対し、短期借入金の返済による支出12億30百万円があったこと等により72百万円の支出(前年同期は3億11百万円の支出)となりました。
以下の各項目の記載金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
印刷事業 | 15,074,632 | 100.8 |
イベント事業 | ― | ― |
計 | 15,074,632 | 100.8 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価格で表示しております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
印刷事業 | 15,502,874 | 102.6 | 1,706,159 | 120.0 |
イベント事業 | 489,950 | 149.0 | 103,182 | 84.0 |
計 | 15,992,824 | 103.6 | 1,809,341 | 117.2 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価格で表示しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
印刷事業 | 15,217,946 | 100.8 |
イベント事業 | 509,584 | 188.0 |
計 | 15,727,531 | 102.4 |
(注) セグメント間取引については相殺消去しております。
今後の見通しにつきましては、国内景気は、企業の設備投資は堅調に推移するものの、個人消費の不振やさらなる円高の進行など、依然として不透明な状況が続くものと思われます。
印刷業界におきましては、印刷需要の減退や価格競争の激化などにより、市場環境は引き続き厳しい状況が続くものと思われます。
このような環境下にあって当社グループは、「見える化推進の年」を会社方針としました。企業内に存在する問題を可視化し、認識を共有することで、見えてきたさまざまな課題を解決していく一年にしていきたいと考えております。
具体的には、次の通りであります。
①商業印刷分野、パッケージ印刷分野、IPS分野、メディア事業分野など、総合力を強化して、複合的かつ複雑的なビジネス展開、新事業を展開し、また、それに伴う人材育成、組織体制をスピードを上げて構築してまいります。また、単に印刷物を供給するという製造業としての側面から、顧客側へのサービス業へ、さらには、情報を管理する新ビジネスモデル展開へ発展させ、業態そのものの方向性を変えてまいります。
②市場や顧客に対して、当社グループの強みである「総合力」を活かして、積極的な販促展開を行い、全方位型営業受注体制を強化するとともに、顧客側の視点に立ったマーケティング発想での営業展開ができる体制をより強化してまいります。そして、顧客側の指示による提案ではなく、要望を先取りした適正適時の自主提案を心掛け、顧客満足度を高めてまいります。
③印刷価格の下落やチラシの低迷に伴い、従来のやり方では利益が創出できない状況になってきており、現有の人員での生産加工高を上げるため、各プロセスの統廃合、工場間の負荷量の平準化、人員の見直しを行い、最新設備の導入メリットを充分に活かせる生産体制を確立してまいります。
④「人」の育成をメインテーマに、将来を担う優秀な人材の採用と、階層別、職種別の研修など社員の成長を支援する教育体制の構築を実施してまいります。また、社員一人ひとりが個人の目標を明確にして、目標達成度や成果を評価するための目標管理制度と、能力主義の比率を高めた公正な人事考課制度を目指して整備してまいります。
⑤品質マネジメント、環境マネジメント、個人情報保護システムの適正運用をベースとした上で、一社責任体制を強化しつつ、品質保証された製品を安定供給することによって、お客様からの信頼を向上させていくとともに、品質教育の機会を増やし、社員のやる気を引き出し、現場力の向上を目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの製品の主要材料のほとんどは印刷用紙が占めております。その印刷用紙の価格は市況により変動いたします。急激な市況の変化による仕入価格の上昇により、販売価格に転嫁するまでにタイムラグが生じたり、完全に販売価格に転嫁できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが事業を展開する市場の一部は、競争の激化により受注価格の低下が進んでおります。当社グループは、付加価値の高い製品の開発とコスト削減による利益の確保に努め、価格低下に対応していく方針でありますが、さらなる競争の激化により今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは与信管理の強化に努めておりますが、得意先の倒産などによる貸倒れが生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、取引先との関係を友好かつ強固なものにするため、主要取引先の株式を所有しております。当連結会計年度末における投資有価証券の連結貸借対照表計上額の合計は28億10百万円であり、当社グループの総資産額(当連結会計年度末180億75百万円)に対して多額なものとなっております。従いまして、株式相場の推移状況によっては、将来の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、個人情報の管理に十分留意しており、プライバシーマークも取得し、現在まで個人情報の流出による問題は発生しておりませんが、今後、不測の事態により、万が一、個人情報の流出による問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や信用の低下等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
製造設備等の主要設備には防火、耐震対策等を実施しておりますが、大地震などにより予想を超える被害が発生し生産活動が停止した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社は、仮想サーバ・仮想ストレージ・仮想デスクトップといったシステムの仮想化ならびにクラウドサービスを活用することによって、情報システムの安定稼働、システム障害からの早期復旧、クライアントとの情報共有の効率化を図るとともにセキュリティ面の強化を目指した研究、情報収集を行っております。
また、デジタルサイネージシステムやカタログ受発注システム、安否確認システム等、Webを活用したシステムの開発・安定運用の為のテストや、多視点映像といったデジタル教材関連のコンテンツ開発も行なっております。
プリンテッドエレクトロニクス分野におきましては、大学などと協力し、導電性インキを使ったタッチインターフェース搭載型VRゴーグルの開発を行なっております。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は32百万円であります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末における資産・負債の報告数値、連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り、判断は、継続して評価を行っております。なお、見積り、判断及び評価については、過去における実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末と比べて3億14百万円増加し、72億93百万円となりました。これは、現金及び預金が3億2百万円増加したこと等が主な要因であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末と比べて3億22百万円減少し、107億81百万円となりました。これは、機械装置及び運搬具が2億67百万円増加しましたが、投資有価証券が売却などにより5億8百万円減少したこと等が主な要因であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末と比べて69百万円増加し、50億47百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が1億25百万円、1年内返済予定の長期借入金が87百万円それぞれ減少しましたが、短期借入金が1億90百万円、未払法人税等が1億52百万円それぞれ増加したこと等が主な要因であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末と比べて1億90百万円増加し、32億46百万円となりました。これは、退職給付に係る負債が2億円増加したこと等が主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べて2億68百万円減少し、97億81百万円となりました。これは、その他有価証券評価差額金が2億59百万円減少したこと等が主な要因であります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比べて3億66百万円増加し、157億27百万円となりました。これは、印刷事業の出版印刷物が18億9百万円(前年同期比106.6%)、イベント事業が5億13百万円(前年同期比166.8%)と、それぞれ前年同期を上回ったこと等が主な要因であります。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度と比べて2億96百万円増加し、31億64百万円となりました。これは、売上高が増加したことや、材料費が減少したこと等が主な要因であります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べて81百万円増加し、30億41百万円となりました。これは、賞与引当金繰入額や運賃及び荷造費が増加したこと等が主な要因であります。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、1億22百万円となり、前連結会計年度と比べて2億15百万円の増益となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度における営業外損益は、前連結会計年度と比べて5百万円増加し、1億38百万円となりました。これは、保険解約返戻金を21百万円計上したこと等が主な要因であります。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、2億61百万円となり、前連結会計年度と比べて2億20百万円の増益となりました。
(特別損益)
当連結会計年度における特別損益は、前連結会計年度と比べて48百万円減少し、40百万円となりました。これは、投資有価証券売却益が55百万円減少したこと等が主な要因であります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、1億51百万円となり、前連結会計年度と比べて1億31百万円の増益となりました。これは、上記の要因に加え、法人税等が増加したことが要因であります。
なお、セグメント別の分析は、「1 業績等の概要 (1) 業績」に記載の通りであります。
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況」の「1 業績等の概要」の「(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
なお、キャッシュ・フロー指標は、以下の通りであります。
| 平成27年3月期 | 平成28年3月期 |
自己資本比率(%) | 55.6 | 54.1 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 43.6 | 37.9 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 2.1 | 2.2 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 50.8 | 58.8 |
(注) 自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの株主資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利払い
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。