第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善など緩やかな回復基調にあるものの、欧米の政策動向や新興国経済の景気減速など、海外経済の不確実性により、先行きは不透明な状況が続きました。

印刷業界におきましては、ペーパーレス化に伴う需要の減少や同業者間の受注競争の激化による受注単価の下落などが続いており、依然として厳しい経営環境にあります。

このような環境下にあって当社グループは、「見える化推進の年」を会社方針とし、企業内に存在する問題を可視化し、認識を共有することで、見えてきたさまざまな課題を解決していくとともに、当社グループの強みである総合力を活かした積極的な販促体制により業績向上に努めました。

以上の結果、当連結会計年度における売上高は154億93百万円(前年同期比1.5%減)、営業利益は2億22百万円(前年同期比51.3%増)、経常利益は3億25百万円(前年同期比24.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億19百万円(前年同期比45.3%増)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次の通りであります。

(印刷事業)

一般商業印刷物の売上高はカタログや折込チラシなどの減少により107億63百万円(前年同期比4.6%減)となりました。また、包装印刷物の売上高はパッケージなどの増加により26億36百万円(前年同期比22.7%増)、出版印刷物の売上高は16億72百万円(前年同期比7.6%減)、合計売上高は150億73百万円(前年同期比1.1%減)となり、営業利益は1億99百万円(前年同期比117.3%増)となりました。

(イベント事業)

売上高は官公庁等からのイベントを中心に4億48百万円(前年同期比12.5%減)と、昨年のような大型イベントの開催がなかったことにより減少しました。また、営業利益は20百万円(前年同期比61.6%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、29億58百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の減少1億13百万円や、法人税等の支払額2億49百万円に対し、減価償却費6億88百万円などがあったこと等により10億20百万円の収入(前年同期は8億80百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出3億72百万円があったこと等により4億9百万円の支出(前年同期は5億7百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入による収入21億80百万円に対し、短期借入金の返済による支出20億40百万円、配当金の支払額1億20百万円があったこと等により53百万円の支出(前年同期は72百万円の支出)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

以下の各項目の記載金額には消費税等は含まれておりません。

 

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

印刷事業

14,775,848

98.0

イベント事業

14,775,848

98.0

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.金額は販売価格で表示しております。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

印刷事業

15,152,707

97.7

1,810,467

106.1

イベント事業

458,192

93.5

116,176

112.6

15,610,900

97.6

1,926,644

106.5

 

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.金額は販売価格で表示しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

印刷事業

15,048,399

98.9

イベント事業

445,197

87.4

15,493,597

98.5

 

(注) セグメント間取引については相殺消去しております。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、「革新」「法令順守」「環境」の3つを経営の柱とし、常にお客様を第一に考え、人・物・情報を集積・発信し、印刷を核に持続的に発展し、社会に貢献することを経営理念として掲げ、更に下記の5つの経営基本方針によって当社が目指すべき姿を明確にしております。

①積極経営

変化に迅速に対応できる企業を目指すため、俊敏な判断力と行動力で対応すると共に前向きな投資には積極的に取組んでまいります。

②イノベーション経営

柔軟で多面的な広い視野を持ち、継続的に変革・革新を続けます。

③コンプライアンス経営

法令、規律を遵守し、社会的信用のある企業経営を堅持します。

④環境経営

ISO14001、FSC認証取得企業として、環境保全に積極的に取組んでまいります。

⑤人間尊重企業

自由闊達の社風を尊重し、社員の主体性、創造性、チャレンジ精神を大切にします。

 

(2) 目標とする経営指標

当社は、生産性の向上と経費削減を推進することにより営業利益率を高め、自己資本当期純利益率(ROE)を向上することを目標とし、企業価値の増大に努めていく所存であります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

①当社グループは、東京、名古屋、大阪の大都市圏を中心に重点営業を展開し、営業方法のシステム化による組織的な高効率営業により受注・販売力の増大を図ってまいります。更には、イベント運営、ICT技術、最新印刷技術等のノウハウを活かし、新規事業の礎を築くと共に、進出したタイを営業拠点の足がかりに、アジア戦略を展開してまいります。

②最新鋭設備を活かした効率的・合理的な生産システムの構築と、他社に負けない競争力ある生産体制の確立と共に、不良撲滅を推進するため、徹底的な手順化と組織的なチェック体制や教育の浸透を図り、サンメッセQMSを基本とした品質保証体制を更に発展させてまいります。

③能力に応じた評価制度と目標管理の導入で組織を活性化し、キャリア形成に連動した教育プログラムを構築し、人材育成を図ると共に、上場企業として、法令・社会的規範の順守、環境保護、社会貢献活動、株主利益の保護などの企業の社会的責任(CSR)を積極的に果たしつつ、企業の価値を向上させ、持続可能な発展の礎を築いてまいります。

④プライバシーマーク取得企業として、お客様の信頼を裏切ることのないよう個人情報のみならず、あらゆる情報の保護・管理を徹底し、安全性・信頼性を追及してまいります。更には、省資源、省エネルギー、廃棄物の削減、リサイクルの推進など、積極的に環境保全活動を推進してまいります。

 

 

(4) 会社の対処すべき課題

今後の見通しにつきましては、国内景気は引き続き緩やかな回復基調となっておりますが、世界情勢の動向により為替や株式市場は不安定な状況となっており、先行き不透明な状況が続くことが予想されます。

印刷業界におきましても、引き続き印刷需要の減退や価格競争の激化などにより、市場環境は厳しい状況が続くものと思われます。

このような環境下にあって当社グループは、見える化推進「目標達成の年」を会社方針として、見えてきた課題を解決し、結果を出していく年としたいと思います。顧客第一主義に基づいた、社員をはじめすべてのステークホルダーの皆様に満足を与え、持続的に発展して地域社会に貢献できる企業を目指していきます。

具体的には、次の通りであります。

①単なる印刷物受注のみの思考から早期脱却を図り、お客様の事業発展に貢献するという発想を基点に、顧客第一主義と当社の企業価値の向上に努めてまいります。また、より専門的かつ実践的な攻めの営業展開で新規開拓と既存深耕を推進し、お客様からの満足度と信頼度No.1を得られるよう努めてまいります。

②全てのエリアをサポートするソリューション施策の立案や、川上の企画をはじめとして制作力を強化し、お客様の企業価値を高めてまいります。また、企画と制作のより一層の連携強化から組織力と知力の最大化を図り、更なる拡販を目指してまいります。

③印刷価格の下落やチラシの低迷に伴い、従来のやり方では利益が創出できない状況になってきており、現有の人員での生産加工高を上げるため、各プロセスの統廃合、工場間の負荷量の平準化、人員の見直しを行い、最新設備の導入メリットを充分に活かせる生産体制を確立してまいります。

④人材育成をメインテーマに、将来を担う優秀な人材の採用と、階層別、職種別の研修など社員の成長を支援する教育体制の構築を実施してまいります。また、社員一人ひとりが個人の目標を明確にして、目標達成度や成果を評価するための目標管理制度と、能力主義の比率を高めた公正な人事考課制度を整備してまいります。

⑤品質マネジメント、環境マネジメント、個人情報保護システムの適正運用をベースとした上で、一社責任体制の強化を推進し、品質保証された製品を安定供給することによって、お客様からの信頼を向上させてまいります。また、高い意識とプライドと責任を持った人材を育成することによって組織を強化し、サンメッセブランドの確立を目指してまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 印刷需要の変化について

当社グループの主力事業である印刷事業は、ペーパーレス化の進行などの市場環境変化の中で、新たな事業領域において売上を拡大することができず、価格競争力向上のための原価削減施策が不十分であった場合には、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 印刷用紙の価格変動について

当社グループの製品の主要材料のほとんどは印刷用紙が占めております。その印刷用紙の価格は市況により変動いたします。急激な市況の変化による仕入価格の上昇により、販売価格に転嫁するまでにタイムラグが生じたり、完全に販売価格に転嫁できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 価格競争について

当社グループが事業を展開する市場の一部は、競争の激化により受注価格の低下が進んでおります。当社グループは、付加価値の高い製品の開発とコスト削減による利益の確保に努め、価格低下に対応していく方針でありますが、さらなる競争の激化により今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 売上債権の回収について

当社グループは与信管理の強化に努めておりますが、得意先の倒産などによる貸倒れが生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 有価証券投資について

当社グループは、取引先との関係を友好かつ強固なものにするため、主要取引先の株式を所有しております。当連結会計年度末における投資有価証券の連結貸借対照表計上額の合計は31億25百万円であり、当社グループの総資産額(当連結会計年度末186億65百万円)に対して多額なものとなっております。従いまして、株式相場の推移状況によっては、将来の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 個人情報の管理について

当社グループは、個人情報の管理に十分留意しており、プライバシーマークも取得し、現在まで個人情報の流出による問題は発生しておりませんが、今後、不測の事態により、万が一、個人情報の流出による問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や信用の低下等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 災害の発生について

製造設備等の主要設備には防火、耐震対策等を実施しておりますが、大地震などにより予想を超える被害が発生し生産活動が停止した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。 

 

 

6 【研究開発活動】

当社は、データ分析処理技術と可変印字によるOne To Oneマーケティングの研究、デジタルサイネージシステムやカタログ受発注システム、安否確認システム等、Webを活用したシステムの開発・安定運用の為のテストや、多視点映像、電子書籍といったデジタル教材関連のコンテンツ開発を行っております。

また、仮想サーバ・仮想ストレージ・仮想デスクトップといったシステムの仮想化ならびにクラウドサービスを活用することによって、情報システムの安定稼働、システム障害からの早期復旧、クライアントとの情報共有の効率化を図るとともにセキュリティ面の強化を目指した研究、情報収集も行っております。

プリンテッドエレクトロニクス分野におきましては、大学などと協力し、導電性インキを使ったタッチインターフェース搭載型VRゴーグルの開発を引き続き行っております。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は21百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末における資産・負債の報告数値、連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り、判断は、継続して評価を行っております。なお、見積り、判断及び評価については、過去における実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。

 

(2) 財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末と比べて4億88百万円増加し、77億81百万円となりました。これは、現金及び預金が5億75百万円増加したこと等が主な要因であります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末と比べて1億1百万円増加し、108億83百万円となりました。これは、機械装置及び運搬具が1億20百万円減少しましたが、投資有価証券が評価額の上昇などにより3億15百万円増加したこと等が主な要因であります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末と比べて1億43百万円増加し、51億90百万円となりました。これは、短期借入金が1億40百万円増加したこと等が主な要因であります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末と比べて33百万円増加し、32億80百万円となりました。これは、退職給付に係る負債が52百万円増加したこと等が主な要因であります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べて4億12百万円増加し、101億94百万円となりました。これは、利益剰余金が99百万円、その他有価証券評価差額金が2億5百万円それぞれ増加したこと等が主な要因であります。

 

(3) 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比べて2億33百万円減少し、154億93百万円となりました。これは、印刷事業の一般商業印刷物が107億63百万円(前年同期比95.4%)、出版印刷物が16億72百万円(前年同期比92.4%)と、それぞれ前年同期を下回ったこと等が主な要因であります。

(売上総利益)

当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度と比べて54百万円増加し、32億43百万円となりました。これは、材料費が減少したこと等が主な要因であります。

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べて21百万円減少し、30億20百万円となりました。これは、運賃及び荷造費が減少したこと等が主な要因であります。

(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は、2億22百万円となり、前連結会計年度と比べて75百万円の増益となりました。

(営業外損益)

当連結会計年度における営業外損益は、前連結会計年度と比べて11百万円減少し、1億2百万円となりました。これは、前連結会計年度にあった保険解約返戻金が当連結会計年度にはなかったこと等が主な要因であります。

(経常利益)

当連結会計年度における経常利益は、3億25百万円となり、前連結会計年度と比べて63百万円の増益となりました。

(特別損益)

当連結会計年度における特別損益は、前連結会計年度と比べて20百万円減少し、19百万円となりました。これは、投資有価証券売却益が20百万円減少したこと等が主な要因であります。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、2億19百万円となり、前連結会計年度と比べて68百万円の増益となりました。これは、上記の要因に加え、法人税等が減少したことが要因であります。

なお、セグメント別の分析は、「1 業績等の概要 (1) 業績」に記載の通りであります。

 

(4) キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況」の「1 業績等の概要」の「(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

なお、キャッシュ・フロー指標は、以下の通りであります。

 

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

自己資本比率(%)

55.6

54.1

54.5

時価ベースの自己資本比率(%)

43.6

37.9

40.9

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

2.1

2.2

2.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

50.8

58.8

81.9

 

(注)  自己資本比率           :自己資本/総資産

時価ベースの株主資本比率     :株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利払い

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。