第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載

した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年9月30日)におけるわが国経済は、海外経済が減速しつつも底堅い状況にある中、供給制約が解消したことで輸出や鉱工業生産が堅調に推移し、雇用・所得環境も緩やかに改善しております。長期にわたり世界経済に大きな影を落とした新型コロナウイルス感染症は、わが国においてなお新たな変異株流行の懸念は残りつつも、今春より感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同等の5類に移行されたことで、人々の経済活動における不安がほぼ解消される状況となっております。こうして経済環境が上向く中、当社グループが主たる事業を営む旅行・観光市場や宿泊・飲食サービス関連市場においては、全国旅行支援制度が延長されていることも追い風となり順調な回復を見せておりますが、経済の正常化や地政学リスクに伴って生じている世界的なインフレーションの影響が日本にも波及し、物価が継続的に上昇していることが人々の消費活動を鈍らせる新たな懸念材料となっております。国境をまたぐ渡航においては、内外の金融政策の違いが主因となって生じた歴史的な円安水準が続いているため、ゼロコロナ政策の影響で海外渡航の正常化が遅れている中国からの訪日客を除けば、インバウンド市場が全体として急速な回復を見せておりますが、その一方で、アウトバウンド市場の回復は低調なものとなっております。

当社グループにおきましては、長期化したコロナ禍に対処すべく、これまでグループの事業再編や、主力の市販出版物事業における事業構造改革、DXによる業務の合理化及び効率化、そしてグループ保有資産の有効活用等の施策を実施してまいりました結果、市場環境の回復とともに、前年度に3期ぶりの当期純利益の黒字化に漕ぎつけました。今後においても持続的成長を実現し、財務基盤をより盤石なものに強化していくことが重要な課題であると認識しております。特にDX推進や脱炭素社会に向けた取り組み等について、改めて当社グループの経営理念「安心な暮らしと楽しい旅をサポートする企業」と軌を一にしたサステナビリティ戦略の一環として位置づけつつ、引き続き、既存事業の効率化、新規事業開発、業務提携による商品・サービス開発等の取り組みに注力しております。

当第2四半期連結累計期間の売上高は、上記の通り旅行やお出かけの需要拡大期に合わせて新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行し、また全国旅行支援制度の延長による後押しもあって、旅行需要が昨年以上に高まったことにより、旅行関連の市販出版物、同サブスクリプションサービス及び電子書籍、さらに広告、特別注文品の売上が順調に伸び、売上高は2,822百万円となり前第2四半期連結累計期間に比べ411百万円(17.0%)増加いたしました(前年同期は2,411百万円)。損益面におきましては、売上の堅調な増加に比べて売上原価、販売費及び一般管理費の増加が抑制されていることから、営業利益は3百万円となり、前第2四半期連結累計期間に比べ220百万円改善いたしました(前年同期は217百万円の営業損失)。これに伴い、経常利益は203百万円改善し47百万円となりました(前年同期は155百万円の経常損失)。この結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は191百万円改善し、7百万円となりました(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失183百万円)。

当社グループのセグメント別の業績は以下の通りとなっております。

 

[メディア事業]

メディア事業では、市販出版物及び電子書籍・アプリの企画制作販売、雑誌広告・Web広告の販売、特注品の企画制作販売、出版物に由来するブランドや商標権の権利許諾等を行っております。

当第2四半期連結累計期間において、旅行需要が昨年以上に高まったことにより、まっぷるマガジンを中心とした旅行雑誌等の市販出版物において、国内版はもとよりソウルや台湾等近傍アジア諸国・地域版等についても売上が増加し、かつ読み放題サービスを含む電子書籍も順調に伸びており、また、急速な市場回復を追い風に広告や特別注文品収益も増加したことなどから前年に比べて売上が増加いたしました。旅行・お出かけ関連の市販出版物では、定番の旅行雑誌等の拡充に加え、17のテーマで北海道179市町村を完全ガイドする北海道の旅のバイブル『北海道旅事典』や、楽しく社会を学べるガイドブック 『まっぷる工場見学 社会科見学 首都圏/京阪神・名古屋周辺』、シリーズ2年ぶりの新刊となる『埼玉・群馬特別編集版 日帰り 大人の小さな旅』などを発売し、また、ご好評をいただいている「地図でスッと頭に入る」シリーズにおいては、昨今の国際情勢に合わせた『地図でスッと頭に入る世界の資源と争奪戦』に加えて、大長編小説『源氏物語』のあらすじと作者・紫式部の人と生涯がわかる 『図解でスッと頭に入る紫式部と源氏物語』を発売いたしました。

この結果、メディア事業の売上高は2,042百万円となりました(前年同期は1,720百万円)。営業利益は156百万円となりました(前年同期は、営業損失61百万円)。

 

[ソリューション事業]

ソリューション事業では、当社グループのコアコンピタンスである地図・ガイドデータベースの販売、同データベースを活用したシステム製品やソリューションの販売及び受託開発等を行っております。

当第2四半期連結累計期間において、引き続き景気動向に左右されにくい警察・消防を中心に官公庁等向けの受注獲得や民間法人向けストック型商材の契約更新に注力しております。業務用カーナビでは、最新版の『業務用カーナビSDK Ver.8.0』の提供を開始したことに加えて、いわゆる物流業界の2024年問題における課題解決の一助とすべく、ベテランドライバーの経路ナレッジがスムーズに共有でき、ルート配送や収集、点検、送迎といった固定ルートを巡回する業務に特化したカーナビアプリ 『MAPPLE ルートナビゲーター』を発売いたしました。なお、長期にわたり滞っていた半導体の供給がようやく回復し、業務用カーナビの提携先製品の受注残が解消したことで、当期間の売上増加に貢献いたしました。また、インボイス制度が2023年10月1日から始まる影響で、国税庁が公表している適格請求書(インボイス)発行事業者リストと取引先リストをスムーズに照合したいという問い合わせが増加しており、このニーズに対応すべく住所正規化に機能を特化した「アドレスクレンジングツール」を製品化いたしました。なお、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みにおいては、千葉県と『電気自動車充電設備導入促進に関する協定』を締結しております。

この結果、ソリューション事業の売上高は720百万円となりました(前年同期は651百万円)。営業損失は161百万円となりました(前年同期は、営業損失154百万円)。

 

[その他事業]

その他事業では、当社グループが保有する土地建物等の有形固定資産について外部取引先に向けて譲渡または貸与する不動産事業及び販売代理事業を行っております。

当第2四半期連結累計期間において、その他事業は予定通り実施しております。

この結果、その他事業の売上高は60百万円となりました(前年同期は39百万円)。営業利益は22百万円となりました(前年同期は営業損失10百万円)。

 

(2)財政状態の分析

当第2四半期連結会計期間末における総資産は、16,007百万円となり、前連結会計年度末に比べ427百万円(2.7%)増加いたしました。この主な要因は、現金及び預金が265百万円、仕掛品が86百万円、投資有価証券が267百万円増加した一方で、売掛金が137百万円、商品及び製品が58百万円減少したことであります。負債合計は、5,288百万円となり、前連結会計年度末に比べ222百万円(4.4%)増加いたしました。この主な要因は、未払法人税等が22百万円、返金負債が151百万円、賞与引当金が12百万円、流動負債その他が83百万円、繰延税金負債が89百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が140百万円減少したことであります。純資産においては、前連結会計年度末に比べその他有価証券評価差額金が184百万円増加したことに加えて親会社株主に帰属する四半期純利益を計上いたしております。これにより純資産合計は204百万円(1.9%)増加し、10,718百万円となりました。

この結果、自己資本比率は67.0%と0.5ポイント低下しております。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物の残高は、5,006百万円となり、前連結会計年度末と比較して265百万円の増加となりました。

当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は338百万円となり、前年同期と比較して5百万円の増加となりました。

これは主に、税金等調整前四半期純利益が46百万円となり、前年同期が175百万円の純損失であったことと比べ222百万円改善した一方で、売上債権の減少額が90百万円減少したこと、棚卸資産の増減額が27百万円の増加となり144百万円増加したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は76百万円となり、前年同期と比べ2百万円減少しました。

これは主に、無形固定資産の取得による支出が21百万円減少した一方で、投資活動によるキャッシュ・フローその他が3百万円の収入となり、12百万円減少したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得または使用した資金はありませんでした。

 

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。

 

(5) 経営方針・経営戦略等

当第2四半期連結累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた問題はありません。

 

(7) 研究開発活動

当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、0百万円であります。

なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(8) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

資本の財源及び資金の流動性につきましては、当社グループの運転資金需要のうち主なものは製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要で主なものは、データベースやソフトウェア等の固定資産取得及び当社事業戦略に沿った提携先や当社事業との相乗効果が見込まれる事業会社への出資または取得(M&A)によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

運転資金は内部資金及び銀行等金融機関からの借入や社債発行を基本としております。

なお当四半期会計期間の末日における有利子負債の残高は770百万円となっております。また、当四半期会計期間の末日における現金及び現金同等物の残高は5,006百万円となっております。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。