第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 経営成績の分析

当事業年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や金融緩和策等により緩やかな回復基調で推移してまいりましたが、円高や株価下落によるマインドの悪化や不安定な海外経済の動向も相まって、依然として先行き不透明な状況が続いております。

印刷業界におきましても、Web化等による需要の減少と競争激化による受注価格下落を受け、引き続き厳しい状況が続いております。

このような状況のもと、当社はDP(データプリント)サービスを中心とした製品開発やサービスの充実、販売マネジメントの強化による創注や原価構造改革に積極的に取り組んでまいりました。

この結果、当事業年度の売上高は前事業年度を5億72百万円(9.5%)上回る65億97百万円となりました。また、利益面においては、市中金利の低下により退職給付費用が増加したこと等から、営業利益が3億42百万円(前事業年度比17.0%減)、経常利益が3億47百万円(前事業年度比16.6%減)となり、加えて年金制度変更に伴う特別損失の計上により、当期純利益が1億60百万円(前事業年度比41.6%減)となりました。

  品目別売上高の概況は次のとおりであります。

「BF複合サービス」

ビジネスフォーム関連は、Web化に伴うペーパーレス化が進み、市場全体での需要量の減少傾向が続いていることから、売上高は前事業年度を99百万円(7.3%)下回る12億65百万円となりました。

「企画商印サービス」

商業印刷分野は、企業の経費抑制が継続するなか、同業者間での価格競争が激しさを増すなど厳しい受注環境が続いておりますが、流通業界を中心に大型キャンペーン関連企画商材の受注が順調に推移、売上高は前事業年度を97百万円(29.9%)上回る4億23百万円となりました。

「IPDPサービス」

地方自治体や金融機関に加え、SIer、一般企業からの受注が順調に推移し、マイナンバー収集通知物の受注もあり、売上高は前事業年度を3億37百万円(28.2%)上回る15億35百万円となりました。

「DMDPサービス」

IPDPサービス同様徹底したセキュリティ環境のもと、お客様目線での企画提案により大口顧客でのポジションアップが進み、売上高は前事業年度を2億36百万円(7.6%)上回る33億71百万円となりました。

 

品目別売上高につきましては、以下のとおりであります。

 

期 別

品 目 別

第63期

第64期

金  額

構成比

金  額

構成比

 

百万円

百万円

BF複合サービス

1,365

 

22.7

1,265

 

19.2

企画商印サービス

326

 

5.4

423

 

6.4

IPDPサービス

1,197

 

19.9

1,535

 

23.3

DMDPサービス

3,135

 

52.0

3,371

 

51.1

合      計

6,024

 

100.0

6,597

 

100.0

 

 

 

 (2) キャッシュ・フロー

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ51百万円減少し、6億56百万円となりました。また、当事業年度中における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において営業活動によって得られた資金は、前事業年度比90百万円増加し、8億32百万円となりました。これは前事業年度と比較して、退職給付引当金が1億50百万円増加したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動によって支出した資金は、前事業年度比1億63百万円増加し、5億25百万円となりました。これは前事業年度と比較して、有形固定資産の取得による支出が1億65百万円増加したこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において財務活動によって支出した資金は、前事業年度に比べて75百万円増加し、3億58百万円となりました。これは前事業年度と比較して、短期借入金の純増減額が50百万円減少したこと等によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

以下の各項目の記載金額には消費税等は含まれておりません。

(1) 生産実績

 

品目別

第64期
自  平成27年8月21日
至  平成28年8月20日

金額(千円)

前年同期比(%)

BF複合サービス

1,180,890

94.2

企画商印サービス

415,684

129.1

IPDPサービス

1,781,952

126.7

DMDPサービス

3,401,087

108.0

6,779,614

110.5

 

(注)  金額は販売価格で表示しております。

 

(2) 受注状況

 

品目別

第64期
自  平成27年8月21日
至  平成28年8月20日

受注高

受注残高

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

BF複合サービス

1,333,985

99.4

122,306

225.4

企画商印サービス

427,729

118.8

59,324

107.3

IPDPサービス

1,640,464

137.1

259,455

167.9

DMDPサービス

3,508,507

111.5

410,628

149.8

6,910,687

114.3

851,714

158.3

 

(注)  金額は販売価格で表示しております。

 

(3) 販売実績

 

品目別

第64期
自  平成27年8月21日
至  平成28年8月20日

金額(千円)

前年同期比(%)

BF複合サービス

1,265,946

92.7

企画商印サービス

423,681

129.9

IPDPサービス

1,535,549

128.2

DMDPサービス

3,371,940

107.6

6,597,117

109.5

 

 

 

 

3 【対処すべき課題】

  今後の見通しにつきましては、わが国経済は景気の回復基調が続き、個人消費が持ち直すことが期待されますが、マイナス金利の導入、円高、株安といった金融資本市場の動向や中国経済など新興国経済の経済状況が懸念されるなど、景気の先行きは予断を許しません。

 印刷業界におきましても、Web化等による印刷需要の減少傾向が継続しており、価格競争の激化や原材料の値上げも懸念されるなど、引き続き取り巻く環境は厳しいものと予想されます。

 このような状況を踏まえ、当社としては、引き続き最新鋭の印刷機等設備導入により生産体制の強化を図るとともに、本年2月稼働を開始した「さいたまサテライト」の有効活用や、独自技術によるDP(データプリント)を中心としたサービスを強化し、さらなる差別化を推進してまいります。当社サービスの充実・拡大のための技術開発とその市場創造に注力し、顧客のBPO(ビジネス プロセス アウトソーシング)ニーズのさらなる取り込みを目指します。受注のベースとなる品質保証と情報セキュリティ体制についても、より一層の強化を図っていきます。

 営業部門では引き続き大都市圏での販売力強化とともに、強力な商品サービスの創造、販売マネジメントと顧客管理技術の高度化に取り組みます。

 設計部門では、生産前部門の生産性向上を図ると同時に、より一層のコストダウンと顧客サービス向上のための情報設計力、運用力強化の取り組みを継続いたします。

 また、人材育成が重要課題の一つであるとの認識に基づき、メーリングサービスの拡大に不可欠なIT系知識を蓄えるための資格取得支援制度を全社展開するなど、市場の要求に応える人材の育成に努めてまいります。 

 

 

4 【事業等のリスク】

当社の事業等に係るリスク要因になる可能性のある重要事項を以下のとおり記載しております。

なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下の記載は当社の事業等及び当社株式への投資に係るリスクを全て網羅するものではありません。

 

(1) 国内景気と消費動向

当社は幅広い業種の多くの顧客と取引を行っており、特定の顧客に偏らない事業活動を展開しています。しかしながら、日本国内を市場としていることから、日本国内の景気変動により受注量の減少や受注単価の低下などにより当社の業績に影響が生じる可能性があります。

 

(2) 印刷用紙の価格変動について

当社製品の主要材料の大部分は印刷用紙が占めており、安定的な量の確保と最適な価格の維持に努めております。しかしながら、急激な市況の変動等により仕入価格が上昇し、製造コストの削減で補えない場合や、販売価格に転嫁できない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) ビジネスフォームの市場変化

事務用帳票類などのビジネスフォーム市場は、ペーパーレス化、デジタル化の進行に伴い、市場規模は縮小傾向にあります。しかしながら、当社の売上高に占める従来型ビジネスフォームの割合はいまだに高く、ビジネスフォームの減少が想定を著しく上回った場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 売上債権の回収について

当社は与信管理の強化に努めておりますが、得意先の倒産などによる貸倒れが生じた場合、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 法的規制等について

当社は法令の遵守を基本として事業を展開していますが、製造物責任、私的独占の禁止等、環境・リサイクル、特許等関連の法的規制を受けています。今後規制の強化が実施された場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 製品の品質

当社は工場の全プロセスを保証する独自の品質保証体制を構築しており、製品加工の外部委託を含め、製品の品質管理の徹底を図っております。しかしながら、何らかの理由で製品納入の遅れや製品の欠陥等製造上の問題が発生した場合、損害賠償等の負担により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 情報セキュリティについて

当社は個人情報及び顧客情報、情報システムを取り扱う際の運用管理については、情報セキュリティ基本方針、個人情報及び顧客情報保護方針に従い、情報セキュリティ関連規程を整備運用して厳重に取り扱うこととしています。プライバシーマーク及び情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を取得し、機密情報漏洩の可能性は極めて低いと考えておりますが、不測の事態により個人情報等の流出事故が発生した場合、損害賠償の負担等当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 災害の発生について

製造設備等の主要設備には防火、耐震、停電対策等を実施しております。また、本社工場に生産設備が集中していたため、本年2月にさいたま市に「さいたまサテライト」を開設し、生産設備の複数化を図りました。しかしながら、大地震などにより予想を超える被害が発生し生産活動が停止した場合、当社の業務に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社は紙加工技術、データハンドリング技術、表現技術の3つのスキル分野をコア技術としてとらえております。

研究開発活動としては、この3つの分野で新しいタイプのサービス開発につながる活動とユーザーニーズに対応するための応用開発の両面の活動を、生産本部生産技術部を中心に実施しております。

当事業年度における研究開発費の総額は、91,658千円となっております。

なお、上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

当事業年度における主な研究開発成果は次のとおりです。

「さいたまサテライトの立ち上げ」、「パックサービス強化」

圧着はがき・封書・メール便の少部数・複数企画連結・随時発行のBPOメーリングサービスとして、当社オリジナルの「パックサービス」が順調に拡大しています。

当サービスをさらに強化するために、さいたまサテライトを開設し、関東圏での郵便物生産・投函による着宅スピードアップ、本社工場と埼玉の両方に同じ設備を持つことによるBCP強化を実現しました。さいたまサテライトには、本社工場と同じ両面フルカラー高速バリアブルインクジェットプリンタの最新鋭、高精細ヘッド(1200dpi)搭載機・ハガキ圧着加工機を導入し、生産管理面でも本社・埼玉での案件の振り分けや本社データ受信・データ処理、埼玉データプリント・加工を行える体制を整えました。また、本社工場側でも電源の二重化を行い、BCPを強化するとともに、これらパックサービスの周辺でさまざまな研究開発を行い、強化を進めました。

これまで本社工場での単一生産であったパックサービスを関東圏にも分散・拡大したことにより、65期の市場開拓、売上高拡大に貢献すると考えております。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。

この財務諸表の作成にあたり、事業年度末における資産・負債の報告数値、事業年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り、判断は、主に貸倒引当金、賞与引当金及び退職給付引当金等であり、継続して評価を行っております。

なお、見積り、判断及び評価については、過去における実績や状況に応じ、合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。

 

(2) 財政状態の分析

(流動資産)

当事業年度末における流動資産は、前事業年度末比41百万円(1.7%)増加の25億18百万円となりました。増加の主な要因は、現金預金が55百万円減少したものの、電子記録債権が31百万円、立替金が23百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。

(固定資産)

当事業年度末における固定資産は、前事業年度末比2億71百万円(6.9%)増加の41億93百万円となりました。増加の主な要因は、有形固定資産の機械装置が1億34百万円、建設仮勘定が77百万円、それぞれ増加したこと等によるものであります。

(流動負債)

当事業年度末における流動負債は、前事業年度末比89百万円(5.6%)増加の17億1百万円となりました。増加の主な要因は、買掛金が29百万円減少したものの、未払金が1億18百万円、未払法人税等が33百万円、それぞれ増加したこと等によるものであります。

(固定負債)

当事業年度末における固定負債は、前事業年度末比1億67百万円(26.5%)増加の7億96百万円となりました。増加の主な要因は、退職給付引当金が1億17百万円、長期未払金が77百万円、それぞれ増加したこと等によるものであります。

(純資産)

当事業年度末における純資産は、前事業年度末比56百万円(1.4%)増加の42億13百万円となりました。増加の主な要因は、繰越利益剰余金が83百万円増加したこと等によるものであります。

 

(3) 経営成績の分析

(売上高)

当事業年度における売上高は、前事業年度比5億72百万円(9.5%)増加し、65億97百万円となりました。これは、前事業年度比でBF複合サービスが99百万円(7.3%)減少したものの、企画商印サービスが97百万円(29.9%)、IPDPサービスが3億37百万円(28.2%)、DMDPサービスが2億36百万円(7.6%)増加したことによるものであります。

(売上総利益)

当事業年度における売上総利益は、前事業年度比61百万円(3.7%)増加し17億41百万円となりました。また、売上総利益率は前事業年度1.5ポイント下回る26.4%となりました。

(販売費及び一般管理費)

当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度比1億31百万円増加し、13億99百万円となりました。これは、人件費が88百万円(12.5%)増加したこと等が主な要因であります。

(営業利益)

当事業年度における営業利益は、前事業年度比69百万円減少し、3億42百万円となりました。また、売上高営業利益率は前事業年度を1.7ポイント下回る5.2%となりました。

(営業外損益)

当事業年度における営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、前事業年度に比べ0百万円収益が増加し、5百万円の収益となりました。

 

(経常利益)

当事業年度における経常利益は、前事業年度に比べ69百万円減少し、3億47百万円となりました。また、売上高経常利益率は前事業年度を1.6ポイント下回る5.3%となりました。

(特別損益)

特別利益から特別損失を差し引いた純額は、前事業年度に比べ1億3百万円損失が増加し、1億7百万円の損失となりました。これは、退職給付制度改定損が1億3百万円増加したことが主な要因であります。

(当期純利益)

当事業年度における当期純利益は、前事業年度に比べ1億14百万円減少し、1億60百万円となりました。また、売上高当期純利益率は前事業年度を2.1ポイント下回る2.4%となりました。

 

 

(4) キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「第2  事業の状況」「1 業績等の概要」「(2)キャッシュ・フロー」に記載しております。